ふたたび、宿
唯「ほーげー」フラフラ
梓「まったく……もう出歩いちゃダメですからね」
唯「えー」
梓「私の目の届く範囲にいてください」
唯「……っくち」
梓「あーほら、鼻水出てますよ」
唯「あずにゃん拭いてー」
梓「もー」フキフキ
唯「ありがとー。でもさ」
梓「はい?」
唯「なんで枕元にティッシュの箱が置いてあるのかな?」
梓「し、知りません!///」
コンコン
女将梓「お食事をお持ちしましたよ」
唯「わーい!」
女将梓「今夜はウナギの蒲焼きにトンちゃん鍋です」
唯「わー、なんかサイケデリックだねあずにゃん!」
梓「それを言うならエスニックです」
唯「おいしそうー」
梓「なんで精力つきそうなのばっかり……」
女将梓「ごゆっくりー」ニコニコ
しばらくして……
唯「ふいー、お腹いっぱい」
梓「唯先輩、食べてすぐ寝たら牛になりますよ」
唯「畳でゴロゴロするのって、きもちいーよ?」
梓「ダメです!ほら、お風呂行きますよ」
唯「あー」ズルズル
脱衣場
梓「唯先輩知ってますか?温泉って夕食前と食後、そして翌朝に入るのが一番なんですよ」
唯「へぇー、あずにゃん物知りだねぇー」
梓「えへへ」
唯「にしても、他にお客さん誰もいないね」
梓「シーズンオフですからね。……二人っきりになれてよかった」
唯「え?」
梓「な、なんでもありません///」
ガラッ
キャピキャピ
唯「あ、お客さんきたよ!」
梓「チッ」
客梓1「あれー唯先輩じゃない?」
客梓2「ホントだー!ゲキマブー!」
客梓3「梓チョー感激!」
唯「わあっ!若いあずにゃんの団体さんだ!」
梓「私だって十分若いです!」
客梓3「唯先輩ー、ごいっしょしませんかー?」
客梓1「ナウなヤングがお背中流しますよー?」
客梓2「チョベリバー」
唯「なんか楽しそう!あずにゃんも行こ?」
梓「む、むー!」
ドヤドヤ
チャポン
唯「ういー!極楽極楽」
客梓1「やだー!唯先輩オヤジくさいー!」
客梓2「チョベリバー!」
客梓3「あれー?そちらの方は入らないんですかー?」
梓「は、入ります!」
梓(……42℃……)
梓(……)オソルオソル
チャポッ
梓「ひっ!」
梓(……む、ムリ!)フルフル
唯「およ?あずにゃんどこ行くの?」
梓「サウナです!」プイッ
ワイワイ キャピキャピ
梓(もー、唯先輩たら)
梓(いかがわしいお店に迷い込んだり若い子に鼻の下のばしたり!)
梓(だらしなくて八方美人で!)
梓(もう許してあげない!)
梓(……にしても)
梓(ちょっとここ暑すぎる……)
梓(いやいや、ガマンガマン!)
梓(ここで堪えたら、おいしいお風呂上がりのミルクが飲める!)
梓(それに、もしかしたら唯先輩が……)
唯『あずにゃん、おまたせー!』
梓「……ふふ」
梓「もうちょっと、もうちょっと……」
梓「……もう、ちょ……」フラッ
バタン
……ずにゃ……あず……
梓「……ん」パチッ
唯「……にゃん!あずにゃん!」
梓「あ、あれ?ここは?」
唯「あ、あずにゃあああぁん!よかったあああああ!」スリスリ
梓「ゆ、唯先輩!?あれ、私ったら何を」
唯「あずにゃん、のぼせて倒れてたんだよ!怖かったあああ!」メソメソ
梓「そうだったんですか、とんだご迷惑を……」
唯「ううん!私が悪いんだよ!私があずにゃんほったらかしてたから!」
梓「……唯先輩……」
唯「ごめんねごめんね」ナデナデ
梓「……私、ミルク飲みたいです……」
唯「うん!何本でも買ってあげるよ!フルーツ?コーヒー?」
梓「……いっしょに飲みたいな、なんて」
唯「うん、いっしょに飲もうね!」スリスリ
子梓「ママー、どうしてあの人たち裸で抱きあってるの?」
母梓「しっ!見ちゃいけません!」
梓「んぐんぐ」
唯「ぐびぐび」
梓「きゅぱー!」
唯「わあ、豪快な飲みっぷり!」
梓「やっぱりお風呂上がりはこれに限ります!」
唯「コーヒーミルクもおいしいよ?」
梓「唯先輩はお子様ですね。女の子なら、ノーマルの牛乳ひとつで勝負ですよ!」
唯「さて、ゲームコーナー行ってみよっか」
梓「あれ、スルーされました?」
……
唯「こういうゲームコーナーのクレーンゲームって、だいたい誰得な景品しかないよね」
梓「あるある」
唯「置いてあるゲームも、何年も前のなんだよねー。しかも地味に名作揃い」
梓「あるある」
唯「これまた古いマガジンやサンデーが隅に積んであったり」
梓「あるある探検隊」
唯「あずにゃん、古い古い」
梓「温泉といったら、卓球ですよ!唯先輩!」
唯「やっちゃいますか!」
数分後
ザワ ザワ
子梓「ママー、あれいつ終わるの?」
母梓「しーっ!黙って見てなさい」
メイド梓1「お嬢様、そこです!」
メイド2梓「唯先輩!負けないでください!」
女将梓「……こ、これは何事ですか!?」
ザワ ザワ オザワ
唯「でぇいやー!」
梓「ちょいさー!」
唯「……勝ちー!」
ドッ
梓1「さすがは唯先輩です!」
梓2「唯先輩すごいです!あらためて尊敬します!」
梓3「唯先輩、ハグハグしてください!」
唯「はいよ」ギュー
梓4「あ、私も私も!」
梓5「ゆいせんぱー、わたしだっこー!」
梓9999「力が……勝手に!」
唯「いやー、私って幸せ者だねぇー」デヘヘ
梓「……私部屋に戻りますからね!」
唯「あー、待ってあずにゃーん」
梓「待ちません!」プン
唯「あずにゃん、ヤキモチ?」
梓「違います!唯先輩が若い子に鼻伸ばしてるのが見るにたえないだけです!」
唯「鼻の下、ね」
梓「あ」
唯「私ピノキオじゃないよー」
梓「さ、さっきは間違えませんでした!///」
最終更新:2011年05月18日 20:57