――澪の家
澪「うーん……」
澪「新しい歌詞が浮かばないな…」
澪「なにかこう、ドキュンってくるフレーズがほしいなあ」
澪「うーん……」
澪「しょうがない、律に聞いてみよう」カチッ
――律の家
~~♪
律「うおっ、誰からかな~?」ピッ
律「澪か」
件名:力を貸して!!
今日書くって言った歌の歌詞なんだけど…
いいフレーズが思いつかないんだ
だからなにかいいフレーズ考えてくれないか?
お願いします
律「はあ?なんで私があんな甘甘な歌詞考えないといけないんだよ!」
律「う~ん…澪のことだから恋愛系の歌詞だよな…」
律「だめだ!まったく思いつかん!澪に無理って送ろう…」
律「いや、待てよ…思いつかないなんて送ったらバカにされそうだ!」
律「う~~ん、よし!こうなりゃムギに聞いてみよう!」カチッ
――紬の家
~~~♪
紬「あら?誰かしら?」ピッ
紬「りっちゃんからだ。なにかしら」
件名:頼む!
澪から新しい歌詞のフレーズ考えてって言われたんだけど…
わたしじゃ思いつかないからムギ、なんかいいアドバイスくれよ!
あっ このことは澪に内緒な♪
紬「あらあら、りっちゃんったら…わたしなんかに…///」テレッ
紬「でも、澪ちゃんの書く歌詞って…恋愛系よね」
紬「わたしの理想を澪ちゃんの歌詞にのっけるのはまずいわね」
紬「でもせっかく頼られたんだし…」ウーン
紬「多分 澪→律 って感じにメールしたのよね」
紬「じゃあ…唯ちゃんに聞いてみよう」カチッ
――平沢家
~~~~♪
唯「うん?メールが来た。誰だろう」ピッ
唯「ムギちゃんだ!」
件名:夜分遅くすみません
唯ちゃんにお尋ねしたいことがあるのですが
唯ちゃんの恋の価値観ってどんな感じなのでしょうか?
簡潔でいいのでお教えください
よろしくお願いします
唯「? かちかん?かん……何て読むんだろう?」
唯「あんまり意味が分かんないや」
唯「でも恋って書いてあるし…」
唯「ムギちゃん、恋でもしたのかなあ?」
唯「だとしたら、応援しなきゃ!!」カチッ
――梓の家
~~~~~♪
梓「うん?誰だろう?」ピッ
梓「! 唯先輩からだ!」
件名:がんばれ!!
よくわからないけど恋でもしたの?
だとしたら私応援するよ!
明日、話そうね!!
梓「えっ?」
梓「どういうこと?わたしそんなこと言ってないし」
梓「それに唯先輩から来たってことは…」
梓「わたしのことは恋愛対象ではないってこと……!?」
梓「そんなあ…あんまりだよ……」
梓「わたし…まだ伝えてないのに…」
梓「明日からどうすればいいんだろ?」
梓「こういうときは…澪先輩に」カチッ
……
澪「律…おそいなあ」
澪「もう寝たのかなあ」
~♪
澪「! きた!」ピッ
澪「あれ?梓からだ」
件名:助けてください!
夜遅くからすみません
澪先輩は好きな人から
「恋愛対象にみえない」って言われたらどうしますか?
簡単でもいいので教えてください
澪「なんだこれ?梓は誰かにフラれたのか?」
澪「いま歌詞書いてるし…律から返事ないし…」
澪「それに急に聞かれても、そんな経験ないしな…」
澪「そうだ!和に聞いてみよう!」カチッ
――和の家
~~~~~~♪
和「あら?誰だろう?」ピッ
和「澪?…メールだ」
件名:遅くにスマン
和は好きな人に「恋愛対象にみえない」って言われたことある?
梓が言われたらしいんだけど…わたしにはよくわからなくて…
どうすればいいかアドバイスをくれないか?
和「…アドバイスねえ」
和「こういうのって他人に黙っとくもんじゃないのかしら」
和「それにフラれたことなんてわたしにあるわけないじゃない」
和「告白されたこともないし…」
和「…わたしには無理だわ。誰か他にいないかしら」
和「律なんかそういう経験ありそうね。聞いてみよう」カチッ
……
律「おっそいなあ、ムギの奴」
律「まあ、頼ってる身だからあーだこーだ言えないんだけど」
~~♪
律「おっきたきた!」ピッ
律「ありゃ?和からか」
件名:ちょっといい?
澪から梓がフラれたって聞いたんだけど
律はそういう経験ないかしら?
梓がどうしたらいいかってアドバイスを求めたらしいの
だから律からいいアドバイスくれない?
返事、ちょうだいね
律「はあ?なんだそりゃ?梓がフラれたって誰に?」
律「それになんで梓がフラれたって澪が知ってるんだ?」
律「第一、歌詞はいいのかよ」
律「それにわたしはフラれたことなんてねーー!」ダー
律「はあはあ、突っ込みどころ満載だな」
律「まてよ?梓が好きなのってもしかして……唯か?」
律「だとしたら大変だ!軽音部が険悪なムードになっちまう!!」
律「ここは部長としてガツンと唯に言ってやろう!」カチッ
……
唯「ムギちゃんおそいなあ」
唯「もしかして間違って送ったのかな?」
~~~~♪
唯「おおっ、きたぞ~!」ピッ
唯「ありゃ、りっちゃんからだ」
件名:おい唯!
梓をふったってどういうことだ!
お前は梓のことすきなんじゃないのか!?
簡単にあきらめるんじゃねえ!
ひとりで抱え込むなよな
唯「ほえ?わたしがあずにゃんをふったってどゆこと?」
唯「わたしあずにゃんのこと好きだよ~~!?」
唯「はっ…もしかして!」
唯「あああ!やっぱり!ムギちゃんへの返信、あずにゃんにやってる~~!」
唯「ああ、どうしよう。応援するなんて書いちゃってるよ…」
唯「返信がないってことは、そうとう怒ってるんだよね……」
唯「どうしよう、どうやってあやまろう…?」
唯「う~~~ん、ここはムギちゃんに聞こう!なんかいい方法知ってそうだし」カチッ
……
紬「う~ん、唯ちゃんどうしたのかしら?」
紬「眠っちゃったのかな?」
~~~♪
紬「ようやくきましたわ!」ピッ
件名:どうしよう
わたし、間違ってムギちゃんへのメールをあずにゃんに送っちゃった…
ムギちゃんの恋を応援するって送ったんだけど、あずにゃん、フラれたって勘違いしちゃって怒ってるみたい…
こんなとき、どうやってあやまればいいのかな……?
紬「こ、こ、これは……!」
紬「なにやらわたしの知らない間におもしろい…ちがった、ややこしいことになってるわね」
紬「というより、わたしは恋の価値観について聞いたのに…どうやったらわたしの恋を応援するっていう答えになるんだろう?」
紬「それは置いといて……こういうのは普通に返信する相手を間違えたってあやまればいいのよ!」
紬「ついでに、梓ちゃんのことが好きと付け加えさせて…」
紬「よし!これで完璧!これで唯ちゃんと梓ちゃんは……うふふふふ!楽しくなりそうね!」ピッ
――平沢家
~~~~~~~♪
憂「? こんな遅くから誰だろう?」ピッ
憂「紬さんからだ…めずらしいな」
件名:大丈夫よ!
唯ちゃんはただ間違えただけでしょ?
なら、普通にあやまればいいだけ。
そのあとに、唯ちゃんが梓ちゃんに好きってことをつたえればいいのよ!
がんばって!!
憂「なに…これ?」ガタッ
憂「お姉ちゃんが梓ちゃんのことが好き…?」
憂「紬さんはなんでわたしにこんなメールを……?」
憂「はっ!わかった!紬さんはわたしにお姉ちゃんの危機を伝えたかったんだ!」
憂「あの泥棒猫の魔の手からの…ね!」フフフ
憂「そうとわかれば……あの子猫ちゃんにお仕置きしなきゃ!」カチッ
……
梓「澪先輩、おそいなあ」ハア
梓「やっぱり、こういうことは自分で解決すべきだったのかな…」
~~~~~♪
梓「! きた!」ピッ
梓「へ?憂からだ」
件名:タイトルなし
梓ちゃん、お姉ちゃんから聞いたんだけど、お姉ちゃんのこと好きなんだって?
残念だけど…お姉ちゃんは梓ちゃんのこと、なんとも思ってないよ?
ごめんね、こんなこといっちゃって…でも、梓ちゃんも早く忘れて、新しい恋でもしなよ?
梓ちゃんならきっといい人見つかるよ!!
わたし応援するね?
梓「えっ……なん…で」ポロッ
梓「なんで憂がこのこと知ってるの?」
梓「唯先輩が話しちゃったの?」
梓「唯先輩はわたしの気持ち知ってたの?」
梓「知ってて、わたしの恋を応援するなんて言ったの?」
梓「ひどいよ…」グスッ
梓「唯先輩なんか大っきらいだっ!!」ウワアアアン
……
澪「う~~~ん」
澪「歌詞を考えるよりも、梓のことが気になって仕方ない」
澪「ああもう!こんなんで歌詞が書けるかあ!」
澪「和はまだか?やっぱ寝たのかなあ」
澪「う~ん、やっぱ律に聞いてみよう」カチッ
最終更新:2010年01月14日 04:08