唯「あ……」


梓「……みゃーん」

唯「猫……?」

梓「にゃー」

唯「……? えへっ、こっちおいで!」

梓「にゃー」

唯「おいでおいでー……」

梓「にゃ」

唯「えいっ、つかまえた!」ダキッ

梓「にゃああー」

唯「わぁ、可愛い子」

唯「首輪してないねー、捨て猫かな? んーもうすぐ雨ふりそうだしうちくる?」

梓「にゃあお」

唯「可愛いなぁ……」ナデナデ





憂「め! 捨ててきて!」

唯「えー……可哀想だよぉ」

梓「……」

憂「でもうちで猫?を飼うなんて……」

梓「にゃあお」

唯「子猫さんだよ? こんな寒空に下放っておいたら死んじゃうよ」

憂「うーん……じゃあ明日晴れたらもとのとこ戻してきてね?」

唯「えー」

憂「わがままいわないでお姉ちゃん」

唯「かわいいのにねぇ? ねー♪」ギュウ

梓「……?」

憂「あれ、ていうかそれ、猫じゃなくてアズニャンじゃない?」

唯「え? んー、そういえば猫じゃないね」

唯「あずにゃんか、そっかそっか」

梓「?」

唯「あずにゃ~ん♪」ナデナデ

梓「?」

憂「そもそもアズニャンって飼ってよかったんだっけ?」

唯「だめなの?」

憂「うーん……なんかニュースでやってたような」

唯「でもでも、今日捨てるのはだめ。雨降ってきたし」

憂「うん……でも約束だよ? 絶対明日には捨ててきてね?」

唯「……うん」



唯「とりあえず私の部屋いこうね!」

梓「にゃあ」



部屋


唯「わーいあずにゃん高いたかーい」

梓「にゃあお」

唯「うふふ、喜んでる喜んでる」

梓「ふしゃあ」

唯「あ、そうだミルクあげよっかな」

唯「その前にお風呂?」

梓「……」プルプル

唯「ん? どうしたのあずにゃん、ぷるぷる……」

梓「…………」ホッ

チョロチョロチョロチョロ

唯「うわー! うわあああ! な、ななな!」

唯「ギャー」


……


唯「こらっ」

梓「?」

唯「えっとえっと……めっ!」

梓「?」

憂「お姉ちゃん、わかってないよ、まだ子猫でしょ?」

唯「……むぅ」

憂「とりあえずお風呂はいって」

唯「うん。ほらあずにゃんいくよー。こっちだよー」

梓「?」トコトコ

唯「あはは、着いて来る着いて来る。かわいー」

憂「ミルクあっためて待ってるね」

唯「うん!」



風呂場


唯「よいしょ」

梓「?」

唯「お風呂だよー」

梓「にゃぁ」

唯「暖かいよ……はい、シャワーかけるからねー」

シャー……

梓「!? ふぎゃあああ!!!」ジタバタ

唯「えっ!? ちょ、暴れないで!!」

梓「にゃぎゃあああああ!!」ジタバタ ガリガリ

唯「ぎゃあああっ、ごめんなさいごめんなさいあずにゃんやめてー」

梓「ふしゃああああああ!!」ガリガリ ガリガリ

唯「とめる! とめるからひっかかないでっ!!」キュッ

梓「……にゃお」

唯「……ごめんね。お水嫌いだった?」

梓「……」ブルブル

唯「どうしよう……これじゃ体洗えないよ」

梓「……にゃあ」

唯「とりあえず私洗うから外でまってる?」

梓「にゃあ?」

ヒョコ

唯「えっ、膝の上がいいの?」

梓「にゃあ」

唯「でもそこにいるとまたお湯かかっちゃうよ?」

梓「?」

唯「はぁ……タオルかなんかで拭くしかないか」

梓「♪」


……


唯「ごしごし」

唯「ごしごし」

梓「……ふぁ」

唯「大丈夫だね。暴れちゃやだよ?」

梓「にゃあ」グー

唯「お腹すいたんだね。あがったらミルクあげるからねー」

梓「にゃあおお」

唯「ん? どしたの?」

梓「あむ♪」チュウウ

唯「ふぇ!? あ、あずにゃん……それは……う」

梓「ちうちう」

唯「だ、だめだよぉ! やめてやめて! んっ……わ、私ママさん猫じゃないから……」

梓「♪」チュゥゥゥ

唯「でませんでません!」

梓「?」

唯「でーなーい!」

梓「? にゃあ!!」ペシペシ

唯「こらっ! 人の胸に文句付けるんじゃありません!」

梓「にゃああ!!」ペシペシ

唯「もーーー!!」

梓「にゃううう!!」チューチューチュー

唯「やだぁもう!! あずにゃん!!!!」

ガラガラ

憂「お姉ちゃんなんかあっ……あ」

唯「うぅ……みないでぇ。てか入ってこないでよぉ」

憂「ご、ごめん……なんかおっきい声がしたから」

唯「えーん、あずにゃんひきはがすの手伝って」

憂「うん……手伝う」



リビング


唯「ふー、さっぱりしたー。いいお湯でした。憂、あずにゃんは?」

憂「ミルク飲んだあとソファーで寝てるよ」

唯「お、どれどれ」

梓「スゥ、スゥ」

唯「うひー、可愛いねぇ。天使だね」

憂「うん、まぁ……可愛いけど」

唯「どうしたの?」

憂「やっぱりアズニャンを飼うのは無理だよ。世話が難しいし……」

唯「えー、なんとかするよ」

憂「あんまりなつかないかもしれないし」

唯「そうかなー? いい子だよ?」

憂「どこが。ひっかくし、おしっこそこら中でするし」

唯「あ、私がお風呂入りなおしてる間にまた漏らしたんだ」

唯「もー、おトイレもしつけないとね」

憂「本気!?」

唯「だって雨しばらくつづくみたいだし」

憂「……そうだけど」

唯「憂だってそこらかしこでおしっこされたら困るでしょ?」

憂「でも……あんまりここの生活に慣れるといざ捨てる時が」


憂「お姉ちゃん。今晩じっくり考えてみて?」

唯「憂は反対なんだ」

憂「うん。お姉ちゃん、きっと後悔するとおもう……だから」

唯「……憂がそういうなら」


梓「スゥ、スゥ」

唯(……こんなに可愛いのに)



部屋


唯「よし、あずにゃんもクッションの上に移したし」

唯「日記かこう! あずにゃん日記」

唯「えーっと」


 今日私は、あずにゃんという天使に出会いました。

 とってもかわいいかわいい子猫さんです。

 天気が回復するまでしばらくウチで飼ってみることにしました。

 あずにゃんはミルクを飲んですぐに寝ました。


唯「あ、あれ……もっといろいろ書きたいのに」

唯「……まぁいっか!」

唯「今日はとっても楽しかったね」

唯「明日はもーっと楽しくなるよね」

唯「ね、あずにゃん♪」



翌朝


唯「雨かー……えへ」

梓「にゃあ?」

唯「雨だったらね! あずにゃんとお別れせずにすむんだよ」

梓「?」

唯「わかんないか」

梓「にゃあ」

唯「よしよし今日も可愛いね。今日はボール遊びしようね」

梓「にゃあ!」

唯「はぁああん、もう私メロメロ~」ギュウウ

梓「ふにゃ!?」

唯「えへ~あずにゃん♪」スリスリ

梓「みゃおう」

唯「ん……あれ、昨日よりなんかおっきくなってない? 重たいような……」

唯「ねー憂ー、あずにゃんがなんかさー」

憂「……うん」

唯「……んー、まぁいっか」

梓「にゃあ♪」

唯「にゃあ~」ナデナデ




あずにゃん日記その2


 あずにゃんがたった一日で重くなってる。

 すこし成長したのかな。昨日はティッシュ箱くらいの大きさしかなかったのに・・・

 でも相変わらず可愛い♪♪♪

 ボール遊びが気に入ったみたい。ずっとボールをぺしぺししていた。

 雨はやみそうにない。


唯「はーいあずにゃん高い高……うぐ、重……」

梓「みゃあ♪」

唯「もっとしてほしい?」

梓「もっと!」

唯「!?」

梓「もっと!」

唯「えっ、ちょ、憂ー!!」

憂「なにお姉ちゃん」

唯「あずにゃんがしゃべった……」

憂「えっ」

唯「しゃべったよ今」

憂「何言ってるのお姉ちゃん。その子はアズニャンなんだからそりゃ成長するにしたがって喋るようになるでしょ」

唯「……そ、そうだっけ」

梓「……もっと」



あずにゃん日記その3

 あずにゃんは喋るらしい!

 すごいよ! 私全然なにもしらなかった!

 今日だけで『もっと』『ごはん』『いや』って言った。

 これからあずにゃんとおしゃべりできるのかなぁ。

 でもなんだか言いようもない不安があったりなかったりする。

 ちなみにあずにゃんは晩ご飯をたべたあとずっと寝てる。

 雨はまだやみそうにない・・・



唯「ふー、日記三日目終了!」

唯「……あずにゃん、不思議な子」

唯「えへへ、でも可愛いからどうでもいいや」

唯「今日はとっても楽しかったね」

唯「明日はもーっと楽しくなるよね」

唯「ね、あずにゃん♪」


……


唯「あー……今日も雨かー」

唯「さすがにこうお天気悪い日がつづくと……」

梓「にゃあ、あめ」

唯「あめだねー……あっ、雨って言った」

梓「にゃあ」

唯「むむ、またおっきくなってる」

梓「?」

唯「あずにゃんはどこまで大きくなるの? いくらなんでも成長期すぎるよ」

梓「???」

唯「んー、ボール遊びする?」

梓「ボール、する」

唯「ほいっと、それー」コロコロ

梓「にゃんにゃん!」


3
最終更新:2011年05月22日 00:03