律「うるせえ!」

澪「お前こそうるさい!」

ゴツン

律「いたっ」

律「何故殴る」

澪「私の苦悩も知らないで!お前は!」

律「梓のこと好きなんだろ、澪」

澪「うん」

律「梓、可愛いもんな」

澪「頑張り屋だし、しっかり者だし、素直だし」

律「澪にはお似合いだと思うよ」

澪「えへへ、ありがとう」

律「なのに、どうしてフっちゃったの?」

澪「聞きたい?」

律「気にはなるよ」

澪「でも教えない」

律「……梓、泣いてたぞ」

澪「知ってる」

律「私は澪がよく分からなくなったよ」

澪「私だって自分のことなんか分からないよ」

澪「分かるもんか!」

律「何怒ってるんだ」

律「梓は好きだけど付き合うのは嫌なの?」

澪「いやじゃないよ。付き合いたいよ」

律「だよなあ」

澪「デートしたい。梓と公園デートしたいな」


澪「え、梓お弁当作って来てくれたの?」

澪「当然ですよ!楽しみにしてた澪先輩とのデートですから!」

澪「かわいいなぁ梓は。ちゅーしてあげよう」

澪「だ、駄目ですよ澪先輩!こんなとこでっ」

澪「ふふっ。梓可愛い、大好きだよ」

澪「や、やだ!やめてぇ!澪先輩やめてええええ!」


律「本当にやめろ!」

澪「梓が好きで好きでどうにかなってしまいそうだ」

律「頭の天辺からXXXの奥まで余さずどうにかなってるよ」

澪「そんなわけで助けて律」

律「やだよ。お前が梓をフったりしなきゃ良かったんだろ」

澪「このままじゃ私も梓も死んじゃう」 メソメソ

律「死なない死なない」

澪「梓はまだ私のこと好きでいるのだろうか」

律「さーな。その内唯にでも取られちゃうかもよ」

澪「そんなの駄目だ!梓は私の物だ!」

律「じゃあ謝って告白してこい」

澪「恥ずかしい……」

律「じゃあどうするの?」

澪「梓がもう一度告白してくれるのを待つ」

律「いや、無いだろ」

澪「そうかな」

律「一度フられた相手にもう一度告白すると思うか?」

澪「うーん…無いよな」

律「やっと澪が少しまともになってきた」

澪「ごめんな律。殴ったりして」

律「うん。慣れてるよ」

律「とにかくお前は一度梓と話すべきだ」

澪「なんて」

律「この間は素直になれなくてごめん、本当は梓と付き合いたいって」

澪「私はいつも素直だ」

律「はいはい」

澪「でも話さなきゃ進展しないよな」

律「そうだよそうだよ」

澪「じゃ、明日梓と会って話すよ」

律「うん」

澪「だから…律も付き添いで来てくれ」

律「いやいやいや」

澪「駄目なのか?」

律「ダメに決まってるだろ。2人だけで話すべきだ」

澪「でも、緊張するよ」

律「そうかもしれないけどさ」

澪「ねえ律」

律「2人で話せ。梓だってそうしてほしいはずだ」

澪「分かった、分かったよ。でも、こっそり付いてきてくれ」

律「こっそりって」

澪「遠くで見守っててよ……そうすれば安心するからさ」

律「……いいけどさ」

澪「ありがとう」


翌日

澪「律、桜高行こう」

律「ああ、そろそろ部活始める頃だな」

澪「梓にハッキリ私の想いを伝えるんだ!」

律「気合入ってるな。応援してるよ」

澪「うん、ありがとう」


桜高

梓「今日も練習頑張ろうね」

菫「はーい」


ガチャ
律「久しぶりー!」

澪「こ、こんにちは」

憂「律さん!澪さん!」

梓「……!」

澪「あっ」

純「こんにちは澪先輩」

澪「ああ、こんにちは」

律「私には挨拶しないの?」

憂「1年の子、入ったんですよ」

菫「宜しくお願いします」

律「斎藤菫さんだっけ?唯から聞いてるよ」

澪「おかげで廃部にならずに済んだよ、ありがとう」

菫「あ、いえ、こちらこそ。軽音部のOGにお会いできて嬉しいです!」

梓「で、今日は何かご用ですか?」

澪「……」

律「ほら、澪」

澪「あ、梓にちょっと、話が……」

梓「……なんですか?」

澪「えっと…」

律「話しにくいことなら場所変えたら?」

澪「う、うん。梓、ちょっと来てくれる?」

梓「いいですけど」

澪「図書室、行こっか」

梓「はい」



憂「澪さんと梓ちゃん、何かあったんですか?」

律「いや、ちょっとな」

純「これは恋愛沙汰の匂いがプンプンするぞ」

憂「純ちゃん……」

律「まあ、あんまり詮索しないでやってくれ、私も図書室行ってくる」

憂「行っちゃったね」

純「うん」

菫「しかも梓先輩が……」

憂「終わるまで待ってようか」

菫「はい」




図書室前

律(澪、しっかりやれよ)


『梓……』

『…なんですか?』

『この前の…ことだけど』

『いいんです。もう』

『そっか。それならいいんだ』

律(よくないだろっ!)

『じゃなくて、私が駄目なの!』

『意味が分かりませんよ。澪先輩がフったのに』

『だからさ、確かにあの時は断っちゃったけど』

『……』

『やっぱりその……』

『……』

『……』

『……』

律(会話が途切れた)


律(仕方ない、助けてやるか)

ピポパポ

ヴーン ヴーン

澪「あっメール」

梓「……」

澪「携帯開いていいかな?」

梓「どうぞ」

──
まずは謝れ!
謝って本当の気持ちを伝えろ!
──

澪(律……)

澪「あ、梓」

梓「はい」

澪「あのさ、ごめん!」

梓「どうして謝るんですか?」

澪「いや、だってまずは謝れって」

梓「は?」

律(バカヤロウ!)


澪「あ、じゃなかった。その、フっちゃってごめん」

梓「そんな風に言われたら…余計惨めじゃないですか」

澪「いや、そんなこと無いぞ!梓は惨めじゃない!かっこいい!」


律(致命的にフォローが下手糞だコイツ)

澪「あのときはフっちゃったけど…その、私は梓を……」

梓「先輩……。先輩は私の事、好きじゃないんですよね」

澪「いや、何を言ってるんだ!私は梓が大好きだぞ!」

律(良く言った!)

梓「それは2年間一緒に軽音部やってきた仲間として、ですよね」

澪「うん、まあね」


律(本当に馬鹿野郎!)

梓「私は、そうじゃなくて……澪先輩と本気で付き合いたいなって」

梓「そう思ってたんです」

澪「思ってた?過去形?」

梓「はい。終わった恋をいつまでも引きずるのも馬鹿馬鹿しいですし」

律(おいおいマズいぞ澪!早く本音をぶちまけろ!)

澪「よく吹っ切れたな!流石だぞ梓!」

律(お前は何やってんだよ!?)

梓「……そんな言い方って無いですよ」

澪「え?ごめん」

梓「澪先輩はそんなこと言うために私に会いに来たんですか?」

澪「いや…そうじゃなくて……だから、その!」

律(イライラしてきた。またメールしてやるか)

ピポパポ

澪「あ、またメール……」

───

変なことばっかり言ってないで早く告白しろ!

───

澪(律……分かったよ)


澪「あ、梓ァ!!」

梓「はいっ!?」

律(行け!澪!)

澪「梓、私は!梓がっ!」

澪「梓が……す、す、す、」

梓「酢?」

澪「す、すっごく嫌い!」

梓「」

澪「です!」

梓「……」 ジワッ

梓「酷い……」

律「澪ォォォォォォォオオオオ!!」 ダッ

澪「うわぁっ」

梓「律先輩?なんで!?」

律「馬鹿澪!もう一度梓泣かしてどうすんだ!」

澪「そ、そんなこと言ったって……難しいんだからしょうがないだろ!」

律「何が難しいだ!お前ふざけてるのか?」

澪「私は真剣だ!」

律「嘘つけ!」

澪「律こそメール変なメールよこして!」

律「お前があまりにダメダメだから助け舟を出してやったんだろ」

梓「2人して……」

澪律「えっ?」


梓「2人で私をからかってたんですね……」

澪「えっ」

律「おい、それは違うぞ梓!」

梓「最低です」

梓「もう部活戻ります、さよなら」

タッタッタッタッタッタッ


律「あっ……あっ……」

澪「さすが梓。足音まで可愛い」

律「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」

澪「うん」

律「はぁ」

澪「ごめん律」

律「許さん」

澪「律がくれたチャンスも無駄にして……しかもその律に当たったりして」

律「ホント何やってるの」

澪「分かんない」

律「もうちょっとだったのに」

澪「梓……」

律「本当に梓が好きなのかよ」

澪「そりゃそうだ。大好きだよ」

律「分からん」

澪「じゃあ教えてやるけど」

律「何を」

澪「梓とラブラブHAPPY ENDを望む私と」

澪「梓に嫌われるBAD ENDを望む私がいるんだ」

律「お前頭打ったの?」

澪「そんな言い方ないだろ?律には分からないか?こういう気持ち」

律「分からないね」

澪「恋をすれば分かるよ……フフッ」

律「もう助けてやんない」

澪「ごめん!嘘だよー助けてよ律ー!」

律「だから許さないってば」

澪「そんなこと言うなよー」

律「梓に告白したら許してやる」

澪「かっこいいこと言ったつもりか」

律「怒るぞ」

澪「てへぺろ」

澪「律の前に梓に許してもらわないとな……」

律「ちゃんと謝れよ」

澪「無理だよ」

律「無理無理言うなよ」

澪「私は律と違って良い子だから謝り慣れてないんだ」

律「梓に嫌われてしまえ」

澪「それを望む私もいるんだ」

律「ばーか」

純「ばーか」

憂「ばーか」

澪律「居たの?」


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最終更新:2011年05月22日 02:02