つうがくろ!

律「で、この前話してたバンドのDVDやっと貸して貰えたから、帰ったらうちにきて見ようぜ」

澪「そうか。うん、いいよ」

律「おっ、あんなところに梓はっけーん」タタッ

律「あーずさ!」

梓「あ、律先輩、澪先輩、おはようございます」

澪「おはよう梓」

律「の隣に…憂ちゃん?」

憂「あ、律さんと澪さん、おはようございます」ペコッ

澪「憂ちゃんは今日は唯と一緒じゃないの?」

憂「はい、今日は紬さんの家に泊まるって言ってましたから」

律「む、ムギの家だとォ!?」

澪「いきなりどうしたんだ!?」

律「だってムギって超が付くくらいのお嬢様だろ?家なんてきっと城みたいにでかいんだぜ!?」

梓「まあロマンはありますよね」

律「だろ!?それを唯のやつ、あたしらに何も言わずに抜け駆けなんて…許せん!」

澪「抜け駆けって…」

律「ちくしょー!何であたしも誘ってくれなかったんだよー!」

澪「本音はそれか」

律「後でぶっ倒れるくらい質問攻めにしてやるぅ…」

梓「見苦しいですね」

「みんなー!」

律・澪・梓・憂「?」クルッ

?「みんな、おはよう!」

律「えっと…だれ?」

?「りっちゃん酷い!」

澪「もしかしてムギか?」

梓「ショートヘアーですね」

?「違うよ!まあムギちゃんでもあるけど、今は違うよ!」

律「はあ?なにワケわかんないこといってんだよ」

憂「もしかして、お姉ちゃん?」

?「正解!さすが憂はできる妹だね!」

憂「えへへ」

律「えっ、ていうか、えっ唯!?」

梓「どうしたんですか唯先輩!?てか金髪!?」

澪「唯が不良に…そんな…」

?「違うよ!今のわたしは唯だけどムギちゃんでもあるんだよ!」

律「いやいや意味分かんねえよ!」

?「唯ちゃん、ここは私から説明するわ」

澪「声がムギになった!?」

梓「声真似…ではなさそうですね」

?「みんな…驚かずに聞いてね…?」

律「お、おう…(なんだ、いきなり重苦しい空気だな…)」

?「あのね、実は」

律・澪・梓・憂「う、うん…」ゴクリ



維(紬)「私と唯ちゃん、合体しちゃったみたいなの」

律「…えっ?」

維(紬)「だから、この体は私であって唯ちゃんでもあるのよ」

澪「いや、それはいいとして…えっ、合体?」

維(紬)「そうよ」

梓「いやいやいや、さも当然のように言われても。てか、何で合体してるんですか?」

維(紬)「私にも分からないわ。朝起きたら、こうなってたもの」

律「なにそれこわい」

澪「…まあ、時間も押してるし、とりあえず学校でゆっくり話をしよう」

維(紬)「そうね、では、いざ学校へ…」

維(唯)「レッツゴー!」

律「うおっ!(また唯に戻った!?)」

…………
………
……

きょうしつ!

律「つまり、この唯ともムギとも似つかぬ美少女の中に、唯とムギの2人の精神が入ってると」

維(紬)「そういうことね」

澪「やっぱり信じられないなあ…」

律「ていうかほんとにムギなのかお前」

維(紬)「私、一度他の人と合体するのが夢だったの~♪」

澪「ムギだな」

律「すごい夢だな」

維(紬)「じゃあ、唯ちゃんと変わるわね」

律「おう」

維(唯)「やっほ!」

澪「あ、声が変わった」

維(唯)「変わったもなにも、今の私は唯だよ~」

律「ホントか?正直まだムギの悪ふざけっていう方が現実的だぞ」

憂「じゃあお姉ちゃんが一番最近買ったTシャツにプリントされてる文字は何?」

維(唯)「『くすのき』だね!」

憂「はい、間違いなくお姉ちゃんです」

澪「そうか。で、なんで憂ちゃんがいるの」

憂「お姉ちゃんが欠席にならないようにです。たぶん、お姉ちゃんは紬さんの席に着くでしょうから」

律「まあ金髪は唯じゃごまかすのきついだろうしな」

澪「でもそれだと憂ちゃんが欠席になっちゃうんじゃないか?」

憂「残像置いてきたんで大丈夫です」

律「そうか。なら問題はないな」

澪「じゃあそろそろこうなった理由を…」

ガララ

さわ子「みんな、おはよう」

オハヨーゴザイマース

律・澪(相変わらず間が悪い人だなあ…)

律「じゃあ唯…かムギか知らないけどまた後で」

維(唯)「唯だよ。じゃあまた後で」

さわ子「あら、ムギちゃん髪切ったの?」

維(唯)「えっ、あっ、えと…」

維(紬)「そうなんですよ~。気分一新してみよっかなー、って思いまして」

さわ子「へー、似合ってるじゃない」

維(紬)「ありがとうございます」

維(紬)(唯ちゃん、今日は琴吹紬なんだから唯ちゃんが答えちゃダメじゃない)

維(唯)(えへへ、つい…)

さわ子「じゃ、出席取るわよー」

…………
………
……


さわ子「はい、ではこれで朝のHRを終わります」

律「さて、説明してもらおうか」

維(唯)「説明も何も、何でこうなったかも分かんないんだよ~」

澪「心当たりは?」

維(唯)「ないよ」

憂「取り敢えず、昨日やったことを辿ってみたら?」

律「そうだな。んじゃ、順を追って説明してみ?」

維(唯)「うん分かった~。まずはね」

律「ストップ」

維(唯)「まだ何も言ってないよ!?」

律「いや、そこじゃなくて」

律「え?なに、唯が説明すんの?」

維(唯)「どういう意味さ!」

律「お前昨日のこと、ちゃんと全部説明できんのか?正直、お前のことならもう半分くらい忘れてるんじゃ…」

維(唯)「私そこまで記憶力酷くないよ!」

澪「でもやっぱり唯よりムギに説明してもらった方が安心感が…」

維(唯)「うぅ…澪ちゃんまで…それに、今ムギちゃんは寝てるんだよ」

律「へ?寝てる?」

維(唯)「うん。HRの時間に『寝かせて』って言われてね。私の中でそれはもうぐっすりと」

澪「ムギにしては珍しいな」

維(唯)「まあちょっと昨日にいろいろありまして」

律「色々って?」

維(唯)「それも含めて今から説明するよ」

律「おう(まあムギがいないなら仕方ないか)」

維(唯)「まず、一昨日の土曜日の夕方に、日曜にムギちゃんの家に泊まる約束して~」

律「うん」

維(唯)「で、昨日の夕方ごろにムギちゃんに言われた場所に行って~」

澪「ふむ」

維(唯)「そしたら、でっかいリムジンに乗ったムギちゃんが来て~」

律「ほう…(リムジン…だと…!?)」

維(唯)「で、そのままムギちゃんのリムジンに乗ってムギちゃんのおしr…お家に行って~」

律「なるほど…(城って言った!こいつ絶対お城って言いかけてた!)」

維(唯)「そんでムギちゃんのお部屋で楽しいお話をいっぱいして~」

憂「うん」

維(唯)「その後、この世のものとは思えない程美味しい料理と、天国を連想しちゃうようなあったかいお風呂に入って~」

澪「なるほど(ちょっと羨ましい…)」

維(唯)「で、お風呂から上がって2人ともベッドに座ってまたお話して~」

憂「うんうん」

維(唯)「お風呂上がりのムギちゃんが色っぽくて、我慢できなくなってそのまま押し倒して~」

律「なるほd…え?」

維(唯)「んで、ムギちゃんとえっちして、最後に2人同時にイって、そのまま寝ちゃったんだよ」

澪「え、ちょ…え?」

維(唯)「取り敢えずここまでだね。どう、私でも説明できたでしょ!」エヘン!

憂「…」

律「…」

澪「…」

維(唯)「あれ、ダメだった?」

澪「いや、何ていうか…」

律「友人の衝撃カミングアウトをこんなタイミングで聞くことになるとは思わなくて…」

憂(お姉ちゃん紬さんともうそこまで進んでるんだ…大人だなあ…///)カァー

律「あの…押し倒したとか…えっちっていうのは…」

維(唯)「だから、お風呂上がりのムギちゃんにムラムラしちゃって、押し倒して一晩中セックスしてたんだよ」

澪「うわぁ…///」カァー

律「え、なに?ってことは、お前らってそういうかんk ガララ

先生「はい、授業始めるぞー」

律(…全く教師ってのはどいつもこいつもよぉ…)

先生「ほら田井中、秋山、平沢、さっさと席に着け」

律「うーす。んじゃ唯。また後で」

澪「休み時間にいちいち話すのもなんだし、昼休みにゆっくり話そう」

憂「そうですね」

維(唯)「ほいほーい」

…………
………
……

先生「で、ここにさっき求めたaとbを代入して…」

維(紬)(う~ん…はっ!いけない!私ったら授業まで居眠りを…)

維(紬)(ノートとらなきゃ!…ってあれ?)

維(唯)「…」カリカリ

維(紬)(唯ちゃん!)

維(唯)(あ、ムギちゃん起きたんだね!)

維(紬)(唯ちゃん…かわりにノートとっといてくれたの?)

維(唯)(えへへ…汚い字でごめんね)

維(紬)(全然構わないわよ。ごめんね唯ちゃん。あとはやるから)

維(唯)(あぁ、ムギちゃん今回は休んでなよ)

維(紬)(いや、でも唯ちゃんに悪いわ)

維(唯)(いいのいいの、ムギちゃんを疲れさせたのは私だし、そのお詫びもしたいし)

維(紬)(そう…じゃあ今回は甘えさせてもらおうかな♪)

維(唯)(ゆっくり休んでね~)

維(紬)(そのかわり、あとの3時間は私がやってあげるね♪)

維(唯)(やったー♪)

先生「じゃあ、ここの答え、平沢」

維(唯)「ふえっ?」

先生「どうした琴吹?」

維(唯)「いや、なんでもないです!(またやっちゃったよ~)」

先生「そうか。んじゃ改めて平沢」

憂「χ=±7。χ>0なので、χ=7です」

先生「正解(なんか今日の平沢はよく答えるな…分からなくてあたふたしてる姿が可愛かったのに…)」

…………
………
……

ひるやすみ!

律「あぁ~、やっと終わった~」グテッ

澪「午後も授業あるのに大丈夫なのかよ…」

律「飯食えば大丈夫!というわけでメシだメシ!」

維(紬)「そろそろ唯ちゃんを起こしてあげないと」

維(紬)「唯ちゃ~ん、ご飯よ~」

維(唯)「Zzz…」

律「急に寝た!?」

澪「唯と入れ替わったのか…」

維(唯)「うぅん…」

律「起きた」

維(唯)「みんなおはよ~…」ゴシゴシ

澪「ずっと寝てたのか?」

維(唯)「うーん…何だかんだで私も結構疲れてて…」

律「いいなぁ、授業中堂々と寝てられるとか」

澪「こら」

憂「それより、さっきの話…」

維(唯)「そだね。でもお腹空いたし、ご飯食べてからでいい?」

澪「ずっと寝てたくせに…まあいいけど」

律(飯食ってるときに生々しい話は聞きたくないしな)

和「それにしても唯、あんた今日はすごかったじゃない」

維(唯)「いやぁ~///」

和「何でムギが照れてるの?私は唯に言ったんだけど」

維(唯)「あ、ご、ごめんね和ちゃん(三回目だよ…)」

和「謝ることはないけど…で、今日は本当にどうしたのよ唯」

憂「何がですか?」

和「何って、今日先生に当てられたとこ全問正解じゃない。いつもならあたふたして1問も答えられないのに」

憂「教科書読んだら普通に載ってました」

和「そう…で、さっきから何で敬語なの?」

憂「ふぇっ?あっ…」

律「和、そいつ唯じゃなくて憂ちゃんなんだよ」

和「えっ、憂?」

憂「えっと、そうです」

和「何で憂がここにいるのよ?ていうか自分の授業は大丈夫なの?」

憂「残像を置いてきたので大丈夫です」

和「それなら大丈夫ね。で、なんでここにいるの?」

律「ごちそうさまー!その理由は今から話すよ」

澪「ごちそうさま」

維(唯)「…」

律「どうしたんだ唯?」

維(唯)「いや、私とムギちゃんの2人分の弁当を持ってきたんだけど…」

律「それで?」

維(唯)「何ていうか、弁当1つ食べたらもうお腹いっぱいっていうか…」

澪「そりゃ心は2つあっても体は1つだからな」

維(唯)「ムギちゃん…ごめんね、ムギちゃんに食べさせてあげられなくて」

維(紬)「いいのよ唯ちゃん。それに、唯ちゃんが食べてくれたから今の私はお腹いっぱいなのよ」

律(1人で会話してるように見えるから、知らない人からしたらちょっとイタく見えるな…)

澪「さて、そろそろ」

律「こうなった原因を…の前に聞きたいことがある」

維(唯)「なに?」

律「お前らって、その…付き合ってんのか?」

維(唯)「そうだよ。あれ、言ってなかったっけ?」

澪「初耳だな」

憂「私は前にお姉ちゃんから聞きました」

維(紬)「ゆ、唯ちゃん!なんで勝手にばらすの!///」

維(唯)「ごめんごめん。もう言ってあると思ってさ」

維(紬)「もう…///」

律「で、なんだっけ。えっちして、2人同時に果てて、そのまま寝た、ってとこまで聞いたな」

維(紬)「それも言っちゃったの!?」

維(唯)「うん、言ったよ~」

維(紬)「…ゆ、唯ちゃんのばかぁ~!/////」

律(おぉ、みるみる赤くなっていく)

維(唯)「今ムギちゃんを表に出すとこの世の色では表せないくらい赤くなるから、しばらく私が話すね」

澪「うん(あ、だんだん元の色に…ちょっと面白い)」

和「ねえ、さっきから何の話?ていうかムギ、声真似上手ね」

律「あぁ、これはかくかくしかじかで」

維(唯)「まるまるうまうまなのです」

和「そんなので分かるわけないでしょうが」


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最終更新:2011年05月22日 21:18