梓「なぜ唯先輩がここにいるんですか!?」わいわい

唯「わああ!また会えるなんて夢にも思ってなかった!」わいわい

梓「ホントに信じられないです!」わいわい

律「おいおい…これは…どうなってんだ…?」

唯「あはっ!どうなってるの!?」わいわい

梓「こっちが聞きたいです!いったいどうなってるんですか!?」わいわい

律「 お い っ !! どーなってんだよっ!」

唯「あはっ!紹介するね!私の一番の親友のあずにゃんだよ!」

梓「よろしくです!」

唯「でこっちがりっちゃん!あっちが澪ちゃんだよ!」

梓「あ、さっき襲っちゃってすみませんでした」ぺこり

澪「い、いえ…」

唯「はあ~!あずにゃんにまた会えて良かったぁ~!」だきっ

梓「私もまさかこんな所で会えるとは思ってませんでした!」

唯「ん~やっぱり可愛い~」スリスリ

梓(えへ~…やっぱ気持ちいいな…唯先輩のハグ……はっ!)
「唯先輩!あなたがここにいることを国のみんなに知らせたいです!特に和さん!きっとびっくりしますよ!」」

唯「え…」

唯「いや…知らせなくていいよ…内緒にしといてほしい…な…」

梓「どうしてですか!?みんな死んだと思ってるんですよ!?」

唯「え…ホントに…?」 

梓「はい!信代からヌーの暴走のこと聞きました!」

唯「そう……他にはなにか言ってた…?」

梓「そんなことどうでもいいじゃないですか生きてたんですから!」

梓「唯先輩が生きてるんなら、王は唯先輩ですよ!」

唯「!」

律「なんだって…!?」

澪「王様!?」

律「え…おい…唯、お前…王様なのか…?」

澪「凄いじゃないか唯!」

唯「違うよ私は王様じゃない!なるはずだったってだけだよ!それも昔の話…だよ」

梓「え、唯先輩なに言ってるんですか…!?」

律「聞き捨てならねーな…王様だってのに、隠してたのか?」

唯「私はただのライオンだよ!」

梓「すみませんお2人方…ちょっと唯先輩と話したいので…席外してもらってもいいですか…?」

律「おいおいよせよ…私たちは仲間だぜ?内緒話なんて冗談じゃねーよ、な?唯?」

唯「ん~……ちょっとあずにゃんと2人にしてもらえないかな?」

律「    」

律「はぁ~あ…これだよ…もう王様気分だ…行こうぜ澪!私たちはお邪魔だとさ!」すたすた

澪「あ、ちょっと待ってよ律!」すたすた

唯「ふふ…あんなこと言ってるけど…良い子たちなんだよ」

梓「……」

唯「どうしたの?…話って?」

梓「唯先輩が生きてたなんて…王国のみんなにとっては大事件ですよ…!」


梓「死んだと思ってた…」じわ…

唯「あずにゃん…」ぎゅうっ

梓「ずっと…会いたかった…」ポロ…ポロ…

唯「私もだよ…あずにゃん…」ぎゅぎゅう…

~~~~~
がさごそ…じー

律「…こいつは匂うな」

澪「あ、ごめん、臭いかな?さっき追いかけられて汗かいたから…」

律「ちげーよあいつらだ!」

澪「え…?」

律「唯の野郎……恋してやがるぜ」

澪「え!唯があの梓って子に?」

律「ああ!あいつが恋をしてるってことは…」

澪「…そんな」じわ

律「また私と澪…2人だけの生活に戻っちまうな…」じわ

~~~~~
唯「あずにゃん!せっかくだからここをいろいろ教えてあげるね!」

梓「はいっ!」

その日!
唯と梓は日が暮れるまでジャングルの中を駆け回ったり抱き合ったりして遊んだ!

そして…



唯「はぁー!久しぶりにあずにゃんと遊んで楽しかったー!」てくてく

梓「はい!私も楽しかったです!」てくてく

唯「良い所でしょ?ここ」

梓「はい…素敵な所ですね……ねぇ…唯先輩!」

唯「なぁに?」

梓「どうして国に戻らないんですか?みんな待ってますよ」

唯「…そんなことないよ」

梓「なに言ってるんですか!唯先輩は王様なんですよ!?」

唯「…違うよ…王様は信代ちゃんだよ」

梓「信代はハイエナと手を組みました」

唯「…え!?」

梓「もう王国は何もかもめちゃくちゃです。食料も水もない」

唯「……」

梓「なんとかしないと滅びます」

唯「……私は……戻れないよ…」
(私のせいで……憂は……)

梓「なんでですか!?」
(唯先輩はなにか隠してる…!?)

唯「あずにゃんには分からないよ……」

梓「じゃあ教えて下さいよ!」

唯「いいんだよ!そんなことはどうでもいいの!」

梓「……なんですって…?」

唯「ふわふわ時間だよ!あずにゃん!」

梓「…え?」

唯「ふわふわ時間!ここで学んだことなんだよ!」

梓「……」

唯「なにか悩みがあったら頭の中をふわふわにすれば良いの!」

梓「唯先輩っ!!!」

唯「過去は変えられないんだよ…そうだよ、なるようにしかならないんだよ…」

梓「唯先輩の責任はどうなるんですか!?」

唯「あずにゃんだって故郷を捨てたじゃん!」

梓「助けを求めて旅立ったんですよ!そして唯先輩と巡りあった!」

唯「私なんかじゃ国は救えないよ……」すたすた

梓「国を救えるのは唯先輩だけなんです!そうなんですよ!」

唯「ごめん……他を当たって…」すたすた

梓「唯先輩!!何があったんですか!?……私の知ってる唯先輩じゃない!!」

唯「そうだよ……違うんだよ……分かった?これで気が済んだでしょ?」

梓「いいえ!がっかりしました…!」

唯「そうだよ、私は憂みたいな立派な王様にはなれないんだよ……」すたすた

梓「今の唯先輩を見て憂が喜ぶと思いますか!?」

唯「…!!!」ピタッ

梓「憂だってがっかりしてますよ!」

唯「……うう!」くるっ

唯「いきなり現れて偉そうな口聞かないでよ!私の苦しみも知らないで!」

梓「じゃあ教えてくれたって良いじゃないですか!」

唯「言ったって分かんないよ!もうほっといてよ!」だだだだだ!

梓「唯先輩っ!!」

~~~~~~

丘の上

唯「私には出来ないんだよ…!」アッチニウロウロ

唯「私は戻れない……」コッチニウロウロ

唯「私の力でいったいなにが出来るっていうの…?」アッチニウロウロ

唯「私じゃ無理…出来っこないよ…」コッチニウロウロ

唯「そもそも私のせいなんだよ…」ウロウロ

唯「なにもかも…」じわり

唯「全部私のせいなんだよ…」ホシゾラミアゲ

唯「憂……!!」ポロ…ポロ…

~『1人で悩む時は思い出すんだよ?導いてくれる空の王たちを…』 

~『そして、私を…』

唯「導いてくれるって言ったのにっ!」ポロ…ポロ…

唯「ううっ…うっ……憂……会いたいよぉ…」ポロ…ポロ…

唯「うっ…ひっく…うっ…」

「76keys 76人の~♪、妖精~♪」

唯「………?」

「私の~想いを~伝えて~♪」

唯「……?」
(綺麗な歌声……)

「こんばんわ♪」

唯「うわっ!」くるっ

紬「うふふ、どうしたの?浮かない顔して」

唯「なんでもないよ…」すたすた
(うわあ…金色で…ゴージャスなお猿さんだなあ)

紬「待って…どこに行くの?」にこにこ

唯「別に…ていうかあなたはなんでそんなに嬉しそうなの?そんな歌っちゃうほど良いことがあったの?」

紬「ええ!と~っても嬉しいことがあったのよ」にこにこ

唯「そう…良かったね…」すたすた

紬「あなたは落ち込んでるみたいだけど…どうしたの?」にこにこ

唯「いやちょっとね…自分が何者なのか…分かんなくなったっていうか…」

紬「あら、私はあなたがなんなのかよ~く知ってるわよ?」にこにこ

唯「私あなたみたいな金色で眉毛の太い猿知らないよ」すたすた

紬「あら待ってったら!…憂王の1人娘、唯ちゃん♪」

唯「!!」ピタッ

紬「うふふ」

唯「え…なんで…あなたは…だれ…」

紬「うふふふ」だだっ

唯「あっ!待って!」だだっ!

唯は紬を追いかけた!

そしていつの間にか神秘的な泉のある広場へと出た!

唯「はぁ、はぁ」

紬「うふふ、あなたさっき…憂ちゃんに会いたいって言ってたわね?」

唯「!」

紬「そこの泉を覗いてごらんなさい…」

唯「……」そぉ~…

水面に唯の顔が映った!
その顔は!!!

唯「う……う……い……」じわ

紬「ふふっ」

唯「い、いや違うよ!これは憂じゃない!私だよ!」プイッ

紬「違うわ、唯ちゃん。もう一度よ~く見てみて…?」

唯「…?」そぉ~

水面に映った憂に瓜二つの唯の顔!

唯「……」

水面の顔「……」

その時!

唯「……」じわ

水面の顔「……」ニコッ

唯「!!」

唯は確かに見た!
自分は笑ってない!涙ぐんでいたから絶対に笑ってない!
しかし水面に映った自分の顔は!
否!
 水 面 に 映 っ た 憂 の 顔 は !

確かに優しく微笑んだのだ!

唯「う…憂…」ポロ…ポロ…

唯「憂だ…」ポロ…ポロ…

紬「…唯ちゃん」にこっ

唯「こんなところにいたんだ…憂…!」ポロ…ポロ…

紬「憂ちゃんはね…」

唯「憂…!憂ぃ…!!」ポロ…ポロ…

紬「あなたの中で……生き続けてるのよ」

唯「憂ぃぃぃぃぃ!」ポロ…ポロ…グスン

『思い出して…唯…!』

『あなたが何者か…何をすべきか…』

唯「憂!憂ぃぃぃぃぃい!』

『思い出して…唯!』

唯「憂!待って!憂ぃぃぃ!」

・・・・・・・・・・

唯「…はぁ!…はぁ!」

紬「あら?なにかしらね?今の声は…」にこにこ

唯「……」

唯「分かったよ…憂…」

紬「!」

唯「思い出した…!自分がなんなのか!」

紬「!」

唯「ふんす!」だだだだ!

紬「ちょっと!どこに行くの!?」

唯「国だよ!私が国を救うんだよ!」だだだだだ

紬「まぁ!ふふっ!そう!あはっ!あはははは!」

唯「ふんすふんすふんすふんすふんすー!!!」だだだだだだだ

紬「ふふっ!頑張って唯ちゃん!ふふっ!あはは!あははははは!」にこっ

唯はふっきれた!そして過去の自分と戦い王国を取り戻す為、この平和なジャングルを飛び出したのだ!


翌日

律「…zzz」

澪「…zzz」

梓「ねぇ…!律先輩!澪先輩!」

律「…ん?」ぱちっ

梓「ねぇ律先輩!」ドアップ

律「うおああああああああっ!」びくっ
澪「うわあああああああああっ!」びくっ

梓「ちょっ…大丈夫!落ち着いてください!大丈夫ですってば!」

律「はぁっ!はぁっ!なんだ梓か…!はぁっ!はぁっ!二度と驚かすんじゃねぇ…!はぁっ!はぁっ!」

澪「た、食べられるかと思った…!」

梓「ごめんなさい。それより…唯先輩見ませんでした?」

律「唯?…一緒じゃねーのかよ…?」

梓「どこかへ行っちゃったんですよ。知りませんか?」

「うふふふ、唯ちゃんはもうここにはいないわよ」

梓律澪「!?」くるっ

梓「ムギ先輩!!」

律澪「だれ?」

紬「王は帰られたわ!」

梓「帰った!?」ぱああああ

律「どういうこと?」

澪「?」

梓「唯先輩は戦いに行ったんですよ!」

律「だれと?」

梓「信代と!」

梓「唯先輩は信代と対決するために帰ったんですよ!」ぱああああ

紬「さぁあなたたち!私たちも唯ちゃんを追うわよ!」

梓「はいです!」だだっ

律「え?」

澪「え?え?」

梓「なにやってるんですか律先輩澪先輩!先輩たちも行くんですよ!」

律澪「え!私たちも行くの!?」

梓「当たり前じゃないですか仲間なんですから!さぁ行きますよ!」だだだだ

紬「うふふふ」だだだだ


唯!梓!律!澪!紬!
この美しき少女たちによって!今!王国奪還の戦いの火蓋が!
切って落とされたのである!


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最終更新:2011年05月23日 22:04