王国
ひゅおぉ~~~~……
唯「そんな…」
そこには、唯の知ってる王国の姿はなかった!
草木は枯れ、灰色一色の荒野と化していた!
「これが今の王国の現状ですよ、唯先輩」
唯「ん!」くるっ
梓「唯先輩!」にこっ
唯「あずにゃん!」だきっ
律「うわっ…ひっでーところだな」
澪「本当に王国なのか?」
唯「りっちゃん!澪ちゃんまで!来てくれたんだ!」ぱあああ
紬「私もいるわよ、唯ちゃん」にこっ
唯「あっ、金色のお猿さん!」
梓「この人は占い師のムギ先輩ですよ!唯先輩も小さい頃お世話になったんですよ?」
唯「え、そうなの?ご、ごめんムギちゃん」
紬「うふふ、良いわよ」にこっ
律「しかしよぉ、唯…本当にこんな所の為に戦うのか?」
唯「…今は変わり果てちゃってるけど…それでも私の王国なんだよ。絶対に取り戻すよ」
梓「唯先輩…!」ぽっ
澪「しかしどうするんだ?ハイエナが至る所にいるぞ?」
唯「うん。まずあのハイエナたちをなんとかしなきゃ…」
律「誰かが囮になって引き付けるか?」
唯「!…そうだね!それしかないよ!」
律「だな!よし、じゃあ囮役はあずs」
唯「りっちゃん澪ちゃんお願い!」
律「…はい?」
唯「りっちゃんと澪ちゃんしかいないんだよ!」
律「ふざけんな!なんd」
紬「分かったわ!私も一緒に囮になる!」
梓「ムギ先輩も一緒なら安心ですね!」
律「おい!話を勝手に進めるな!」
澪「お、おい、律、あんまり大きい声だすなよ」
紬「さぁりっちゃん澪ちゃん行くわよ!ハイエナは私たちに任せて!」
唯「うん!ありがとうムギちゃん!」
梓「気を付けて下さいね!」
~~~~~
姫子「あ~、腹減ったな…」
いちご「…うん」
~ちゃんちゃんらんらんらら~ら~♪(翼をください)
エリ「ん?」
紬「♪」
律「♪」(くそっ!なんでこんなこと…)
澪「♪」びくびく
姫子「おいおい…なんだそりゃ…翼をくださいか?」すたすた
いちご「猿とミーアキャットとイボイノシシ…」すたすた
えり「ごちそうだ!」すたすた
姫子「かかれ!」だだっ
紬「逃げるわよ!」どひゅん!
律澪「あ、ああ!」どひゅん!
姫子「待てコラァ!」ドヒュン!
~~~~~~
唯「……」コソーリ
梓「ムギ先輩たち…上手くやってくれたみたいですね」コソーリ
唯「うん…!あずにゃん!」
梓「はい!」
唯「こんな時に言うのもおかしいけど…今…言っておきたいから…」
梓「…?」
唯「あずにゃん!この戦いが終わって…私が王位を取り戻したら…結婚しよう!」
梓「えぇっ!?」どっきーん!
唯「ずっと好きだったよ…あずにゃん」
梓「えっえっえっ」かぁ~
唯「返事は今しなくていいよ。私の気持ちを伝えたかっただけだから」にこっ
梓「いっいっいっ今っ!今返事しますっ!」かぁ~
唯「え…!」
梓「わ、私も…ずっと好きでした…お願いします…」かぁ~
唯「あずにゃん!」がばっ
梓「ゆっ…唯先輩…」かぁ~
唯「あずにゃ~ん!」スリすり
梓「ううっ…で、でも…まずはこの戦いに勝たないと…!」
唯「そうだね!よし!じゃああずにゃんは他のライオンたちを集めてくれる…?」
梓「分かりました!」
唯「頼んだよ!私は……信代のところへ!」ゴゴゴゴ
梓「一騎打ちですね……」
唯「うん!」ふんす!
梓「唯先輩!約束してください!」
唯「え?」
梓「絶対…死なないって…!」
唯「あずにゃん…」
梓「死んだりなんかしたら…許しませんからね!」
唯「うん…!分かったよ!」にこっ
唯「それじゃああずにゃん!頼んだよ!」たたたた
梓「はい!」たたたたた
唯(絶対にこの国を…取り戻してみせる!)
~~~~~~~
ゴゴゴゴ
空は今にも夕立がきそうな曇り空!遠くで雷の音が轟いていた!
信代「和ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
ゴロゴロピッシャーん!近くに雷が落ちた!
和「……」すたすたすた
信代「……」ゴゴゴゴ
和「……」
信代「なぜ狩りへ行かない!?」
和「もう獲物がいないのよ…」
信代「捜し方が足りないんだよ!もっと遠くまで探せ!」
和「無駄よ。もうこの国は終わりだわ。遠くへ旅立つしかない」
信代「ダメだ!私の王国から出ることは許さん」
和「なにが王国よ…!あなたなんか憂の足元にも及ばないわ!」
信代「…なに?」ぴくっ
和「あなたは王座に就いてからなにか王様らしい働きをしたの!?1日中寝てただけじゃない!」
信代「その名を口に出すなと言ったはずだよ!」ビンタ!
和「うっ」どかっ!ごろごろ
「信代ぉっ!!!」
信代「!?」
和「!?」
唯「……」ゴゴゴゴゴゴ
信代「なっ…!」
和「う…」
信代「憂!?なぜ!?お前は…死んだはず!」アトズサリ
唯「……」すたすた
唯「和ちゃん…ただいま」ぎゅっ
和「憂……憂なのね?」ポロ…ポロ…
唯「くすっ…違うよ…私だよ…唯だよ」にこっ
和「唯!?…まぁ…!生きていたなんて!」ぎゅう
唯「ふふ、ごめんね。もう大丈夫だからね」
信代「唯…」
(ちっ…生きていやがったか!)
唯「…信代…」ギロリ
信代「!」
唯「……」ゴゴゴゴ…すたすたすた
信代「は、はは…唯…立派になったね…憂にそっくりだ」
唯「今すぐ王座を明け渡して」
信代「そうしたいのはやまやまなんだけどさ…」
唯「…?」
信代「納得しない連中がいてね…」チラッ
唯「!」
ハイエナたち「グルルルルル!」
信代「殺気立ったこいつらを説得するのは無理な話さ」にやり
唯「……」
信代「どうする?多勢に無勢だと思うけど…こいつらと戦うかい?」にやり
「多勢に無勢なんかじゃありませんよ」
信代「!?」
ライオンたち「グルルルルル!」
梓「唯先輩!ありったけのライオンたちを集めてきました!」
唯「あずにゃん…」にこっ
信代「くっ」
唯「さぁどうするの信代!今ここで私たちと戦うか!王座を明け渡すか!」
信代「くっ…おいおい待て待て…私は暴力は嫌いなんだ…」
唯「……」
信代「唯…過去を乗り越えたみたいだね…」
唯「うん…!」
信代「あんたは乗り越えることが出来ても……後ろの連中はどうなのかしらね…」
和「…?」
梓「…?」
和「唯…!いったいなんの話をしているの!?」
信代「!」(はっは~ん…)
信代「へぇ~!そうか!まだあの秘密を打ち明けてなかったのか!唯!」にた~り
唯「…!」
梓「…唯先輩?」
信代「ちょうど良い機会だ!今ここで教えてやんな!」
唯「 」
信代「あんたの秘密を!!」
梓「 」
信代「憂が誰のせいで死んだのかをっ!!!!!」
和「 」
唯「………」
和「………」
梓「………」
唯「…私のせいなの…」
ライオンたち「!!!!」
信代「ふふっ」にやり
和「唯…!今なんて…!?」
唯「ごめんなさい…憂は…私のせいで死んだの」
梓「…!」
和「嘘よ!唯!嘘と言いなさい!早く!」
唯「本当なんだよ…ヌーたちから私を守るために…憂は…」
和「そんな…!」
信代(にや~り…)
最終更新:2011年05月23日 22:05