…
律「ああロミオ! どうして私の分の毒を残していてくれなかったの!」
ロ澪「――」
律「待っていてロミオ! 貴方のもとに、私ももうすぐ――」ぐさっ
律「――」バタリ
梓「……すごい。二人ともまるで本物のロミオとジュリエットみたい」
憂「上手だよね。お姉ちゃん」
KSK「――うぅ」←泣いてる
マゴ「――くそぅ。ジュリエットぉぉ」←号泣してる
さわ子「すごくいい劇だったわ」
進行「以上、3年2組の演劇『ロミオとジュリエット』でした。次は3年3組の合唱『ポルノグラ
フィティ』です」
澪「……ふう」がくり
律「ああ。緊張した」
紬「みんな! 本当にすごい劇だったわ! 私、こんなすごい劇の脚本書けて幸せ!」
しずか「お墓も見つかってよかったー」
澪「それじゃあ、私たちはこれから軽音部のほうに行くよ」
しずか「うん。がんばってね」
唯「ありがとー!」
律「それじゃあ、行こうぜ! 梓が待ってる!」
紬「うん!」
ウメハラ「……」
姫子「先生も、お疲れ様です」
ウメハラ「う、うん。ありがとう」
姫子「?」
ウメハラ「そ、それじゃあ俺も軽音部行ってくるよ」
信代「力仕事は私に任せろー!」ビリビリ
潮「やめて!」
憂「梓ちゃん純ちゃん、頑張ってね」
梓「うん! クラスのほうはお願いね」
純「ジャズ研もいいもの見せるからね!」
――部室――
梓「ロミオとジュリエットすごかったです!」
澪「ありがとう。ちらっと見たけど、梓の制服も可愛かったよ」
梓「えへへー」
唯「あずにゃーん」ぎゅっ
梓「な、なにするんですか!」
唯「今日は泊まり込みだよー」
梓「え? 大丈夫なんですか!? 許可は――」
さわ子「すでにとってあるわよー」
律「おお! 初めて顧問らしいことしたな!」
さわ子「なんだってー?」ぐりぐり
ウメハラ「ハハハ」
さわ子「!?」
さわ子「……りっちゃん。おいたはだーめ」
律「きもちわるい」
唯「でも、これでたくさんたくさん練習できるよー」
梓「は、はい……」
澪「よーし! 早速練習だ!」
律「おー! やる気でてきたー!」
紬「疲れたらケーキもあるわよー」
ウメハラ「うんうん」
さわ子「……いいですね。高校生って」
ウメハラ「はい」
さわ子「私たちも、あんな時期があったんですよね……」くてん
ウメハラ「――?」
さわ子「……すー」ZZZ
ウメハラ「……」
ウメハラ(いい匂いがする)
…
澪「夜になったな」
律「そろそろ休憩するか」
梓「そうですね。ムギ先輩、手伝います」
紬「ありがとう」
さわ子「あ! 寝ちゃった! これからあなた達の衣装作るのに!」
ウメハラ「うわっ!」
ドア「がちゃん!」
律「……またろくでもない衣装作る気じゃあ……」
ウメハラ「……俺もちょっと用事があるから抜けるよ。買い出しもしてくる」
澪「あ、ありがとうございます」
ドア「がちゃん」
唯「……なんか、徹夜ってわくわくするね!」
ドア「がちゃ」
和純「お邪魔します」
唯「あ、和ちゃん! ちゅー!」
和「引っ叩くわよ」
唯「ああん! 和ちゃんのいけずー」
梓「純もどうしたの?」
純「一緒に帰ろうかなと思って」
梓「私たちは徹夜だよ」
純「そんなのずるい! 私たちは普通に帰るのに!」
澪「和はどうしたんだ?」
和「暇になったから、ちょっと見に来たのよ。結構徹夜の人も多いのよ?」
律「へー。二人ともケーキ食べる?」
和「いただくわ。……だってほら。徹夜の作業って楽しいし」
純「私も貰います」
紬「そうなんだー。なんだかワクワクしちゃう!」
唯「このまま朝まで一直線だね!」
…
紬唯「――くー」ZZZ
律澪梓和「寝たああああああああああああああああああああ!!!!!」
澪「まだ2時だぞ!」
律「全然徹夜じゃねえ! ただの夜更かしだ!」
梓「唯先輩! ムギ先輩!」
和「……唯らしいわね」
澪「……これが軽音部らしいのかもな」
律「私たちも寝ちゃおう。うん」
梓「和先輩も一緒に寝ませんか?」
和「いいわね。もう仕事もないし」
唯「くー」ZZZ
紬「すー」ZZZ
梓(そうして、文化祭の夜は明けていきました)
――朝――
ドア「がちゃん!!」
さわ子「出来たわ! 衣装!!」
唯澪律紬梓「ぐーぐー」ZZZ
さわ子「スルーはやめて!」
律「……うう」ぐらんぐらん
さわ子「このTシャツよ! 見なさい!」
律「ん……え!」
澪「まともだ……」
紬「可愛い……!」
唯「やったねさわちゃん!」
梓「それじゃあ、準備しましょう!」
律「おー!」
澪「梅原先生、帰ってこなかったな」
紬「どうしたんだろ……」
――講堂――
和「次は軽音部『放課後ティータイム』の演奏です」
唯「それじゃあ、いくよ」
澪「曲順の紙忘れるなよ」
唯「あれ? どっかいっちゃった」
律「おい!」
紬「ま、まあなんとかなるわよ」
梓「しょうがないですね。唯先輩は」
さわ子「みんな、頑張ってね」
唯「はーい!」
澪「格ゲーのみんなも来てるみたいだ」
律「それじゃあなおのことしっかりやらないとな!」
緞帳「がー」
観客「わああああああああああああ!!!」
唯澪律紬梓「うわあ――――」
信代「放課後ティータイムー!」
潮「唯ー!」
圭子「がんばってー!」
唯「みんなマッドキャッツのTシャツ着てる!」
さわ子「あれ?」
澪「梅原先生だ!」
ウメハラ「……」にこり
律「粋な計らいだぜ!」
紬「それじゃあ、頑張りましょう!」
梓「はい!」
唯「こんにちはー! 放課後ティータイムです!!」
マゴ「うっひょおおおおおおおおおおお!!!!」
ときど「素晴らしい!」
唯「いくよ! りっちゃん!」
律「1・2・3・4・1・2・3!!」カンカン!
…
澪「……なんか、すごかったな」
律「本当。Tシャツのサプライズで全部吹っ飛んだ」
唯「うん」
紬「そうだね」
梓「これで、先輩たちの学祭は終わりですね」
唯「うん」
律「……梓」
梓「え?」
律「頼んだぞ。軽音部」
梓「……はい」
紬「梓ちゃん」ぎゅ
梓「にゃっ」
紬「明日からは、梓ちゃんの軽音部よ。がんばってね」
梓「……はい」
――1月――
梓「――でも、普通に部室には来るんですね」
唯「だってここのほうが勉強しやすいもーん」
紬「そうよそうよ」
律「もしかして、梓ちゃんは私たちがいないほうがいいのかなー?」ぐりぐり
梓「律先輩はいらないです」
律「中野ぉ!」
澪「でも、ごめんな梓。邪魔しちゃって」
梓「いいですよ。私も一人じゃさびしいですから」
唯「ありがとー! ……でも、勉強はわからないよ」
律「同じく」
澪「そりゃあ、文化祭直前になって進学に決めたんだから勉強はきついだろうな」
唯「なんとかしてよウメちゃん先生!」
ウメハラ「……心辺りがあるんだけど」
律「またか」
――その夜・西横浜のある廃墟――
ウメハラ「そういうことだからよろしく」
KSK「一年で3度も壁をピンクにしろってのか」
ウメハラ「ピンクにしろって誰が言ったんだよ」
KSK「女の子はピンクが好きだからな」
ウメハラ「本当に馬鹿だな」
ときど「ウメさん、勉強なら――」
ウメハラ「うん。VISION塾でも開校しようかなと」
マゴ「俺も掛け算くらいなら教えられるぜェ!」
ウメハラ「うん。ちょっと静かにしてて」
KSK「なるほど。先生はときどで、俺は場所を提供しろってのか」
ウメハラ「そうそう。とりあえず、明日に軽音部の子たちが来るから。あと、先生はあと
一人呼んでおく。じゃ」
ドア「バタン」
KSK「くっそおおおおおおおお!!!! マゴォ! ペンキ持ってこい! 配信だ!」
マゴ「うるせえ」
――次の日――
澪「それじゃあ、よろしくお願いします」
ときど「どんどん質問してね。あ、問題集はこれだから」
梓「私の勉強も見てくれていいんですか?」
ときど「問題なし!」
ウメハラ「そろそろもう一人の先生が来ると思うんだよね」
ドア「がちゃ」
がまの油「こんにちはー」
KSK「がまさん!」
がまの油「なんかウメハラくんに呼ばれてきたんだけど、勉強教えるってなんのこと?」
ウメハラ「俺の生徒に勉強教えてほしいんだよね」
がまの油「なーるほど。大丈夫大丈夫」
ときど「ももちとチョコさんも来るって聞いたんですけど」
がまの油「あいつらはなんかディズニーランド行ったよ」
マゴ「あの言い訳ネクタイ爆発しろ」
律「ここなんだけど」
ときど「どれどれ?」
唯「この方程式の解き方がわからないんです……」
がまの油「あー、これはねー」袖ふりふり
澪「唯も律も、やる気出てるみたいだな」
紬「環境が変わったからかしらね」
マゴ「あのさー、なんで俺も問題集やらされてんの?」
KSK「お前はもっと教養を持ってもらわないと困る」
マゴ「あー、はいはい。なるほどねー」
ウメハラ「……大丈夫?」
ときど「高校生の問題なら問題ないっすよ!」
ウメハラ「そうか。ありがとう」
唯「えーと。砂糖の丘は……」
がまの油「スゲー減る! じゃなくてシュガーヒル」
梓(まさかがまさんにも会うことになるなんて。がまさん素晴らしい)
…
ときど「じゃあ、最後にこのときどのマーダーフェイステストをやって終わりにしよう」
がまの油「まいんちゃんと」
唯「ん?」
がまの油「なんでもないですよー」袖ふりふり
ときど「じゃあ始めて」
澪(結構難しいけど、すごい面白い問題だ)
律(どんどんやりたいと思える!)
マゴ(あー、この字はなんて読むんだ? 難しい漢字使っていい気になってんじゃねえぞ)
唯(明日もここに来たいよ!)
紬(この塾なら、大学にも受かりそう!)
梓(ときどさん素晴らしい)
ウメハラ(そういえば、特定の生徒にこんなことしていいのかな)
KSK(この壁塗りなおすのに、また2カ月……。いや、3カ月はかかるな。ゆっくりやろう)
最終更新:2011年05月26日 22:44