『手品師(??????)』の正体はむったん含む5つの『対魔技用思考楽器』でした。
軽音部メンバーがそれぞれの『楽器』とシンクロし並列化を繰り返した結果、独立した
意志が芽生え『手品師』となってこのような事件を起こしたというオチです。

最後まで『手品師』の正体を明かさなかったのは、元の世界に戻った時にむったんたちの存在が消えることを
唯たちに知られたくなかったためです。
『手品師』がむったんやギー太だと知ったら、唯たちが元の世界に戻ることをためらうだろうと予想したんですね。
もし軽音部が現世界に居残る選択をした場合『手品師』は正体を明かし、6番目の部員となって共に桜高の悪と闘うつもりでした。

ただし『手品師』含め、この世界の事件はほとんど『魔技』という現象に収束します。
元をたどれば『手品師』も魔技そのものと言えますし、今回の一連の事件の根底にあるのが魔技という存在なのです。
魔技がある限り、この世界の悪意は消えません。
そういう意味で『手品師』は軽音部に世界の選択を迫ったわけです。

一応、このSSは「他世界クロスSS」に対するメタファーのつもりで書きました。
SSという2次創作的な世界において、作者が勝手に作りあげた妄想の産物「魔技」が全ての元凶というわけです。
これさえなければ軽音部が意味不明な争いに巻き込まれることも無く、むりやり他作品とクロスすることもありませんでした。
独りよがりな厨二病設定に振り回される軽音部が、奇しくもその設定自身によってSSの呪縛から解かれ、
元の平和な「けいおん!」の世界に戻ることが出来た、というお話にするつもりだったのですが……
完全に力量不足でした。途中でそういう意図を示す展開に持っていくのが困難になり、半ば強制的にエンディングに飛んだ次第です。
他にも色々と考えなしに積み込んだ要素を放置したり…(律の極秘任務はぶっちゃけ何も考えてませんでした)
どうにも中途半端なSSになってしまったので、この場をお借りして補足説明とさせていただきました。




最終更新:2011年05月27日 03:40