アットウィキロゴ
梓「あっ、純! 憂を見て!」

純「ん……なっ!?」

梓「猫を抱いて、座ったまま寝ている――しかもめちゃくちゃ姿勢正しい!」

純(う、美しい!)ダッ

梓「どうしたの純?」

純(すごいわ憂! パンチラしてないのが残念だけど!)パシャッ

梓「……何してんの純?」

純「う~ん、こっちの方がいいかなー」パシャッ

梓「純、お菓子も用意せずに何してんの?」


純「えっ、あっ、お、おもしろいから写真撮っているに決まってるじゃない!」

梓「ちょっと純、確かに傑作だけど」

純「こんなシャッターチャンス、滅多に無いんだからね!」パシャッ

梓「あんまりおもしろがったら憂かわいそうだよ」

純「失礼な! 私憂の事、誰かに見せびらかしたりしないし!」クワッ

梓「い、いや、それならいいんだけど」

純「フォウッ!」パシャッ

梓(じゃあ何で、そんな熱心に撮ってるんだろう……)

……

憂「純ちゃん」

純「あっ、憂起きた?」

憂「ごめん私寝ちゃってたんだ」

純「いいよいいよ別に」(レアな寝顔撮れたし)

憂「えへへ――純ちゃん家って落ち着くよね」

純「そう? 何なら住む?」

憂「あはは、お姉ちゃんみたくなっちゃいそう」

純「えっ、憂がお姉さんみたいに?」(ありえないっ! でも……)

梓「純、ばかうけ無くなったー」


……

憂「さて、そろそろ帰らないと」

純「えっ、もう?」

憂「うん。晩御飯作らなきゃいけないし」

純「そっかぁ……」

梓「憂は大変だねー」

憂「でもニャー太と遊べて、楽しかったよ」

純「そ、そう?」

憂「ありがとう純ちゃん」

純「へへへ……」

梓「でも純、お別れの前に結構毛だらけなんだけど」

純「あっ」

憂「本当だ」

梓「あずにゃん二号といっぱい遊んだもんね」

純「ニャー太だってば。ごめん今ガムテで取るから」ベリッ

憂「ひゃっ! じ、自分で出来るよ純ちゃん!」

純「ダメッ! 素人がやると服の繊維が傷むッ! 任せて!」ベリベリ

憂「はぁ……」

純(労せずして憂にボディタッチ! ナイスな展開じゃないの!)ハァハァ


梓「純、早く私にもやって」

純(くっ、梓にまでやるのは面倒臭い!)ベリベリ

梓「じゅーん」

純(だが、ここで否定する事はさっきの言い訳の理に反する!)ベリッ

梓「はーやーくーぅー」バタバタ

憂「純ちゃん、私もういいから梓ちゃん綺麗にしてあげてよ」

純「いや、もうちょっとだけだから!」ベリッ

梓「純純じゅーん!」ゴロゴロ

純「ちょーっと待っててね、梓」(うぜぇ……)



平沢家

憂「ただいまー」

唯「あっ、ういー! おかえりっ!」

憂「えへへっ、お姉ちゃんお腹空いてるよね? すぐに――」

和「心配ないわ憂」

憂「あっ、和さん! いらしてたんですか!?」

和「ええ、たまの休み位、私が唯の勉強見てあげないと」

唯「あうぅ~、私は普通にのんびりしたかったのに」

和「唯ったらそうやって、いつまでもサボるんだから」

唯「もう、和ちゃんのいじわるー」プクー

憂「でもお姉ちゃんは、やれば出来る人です」キリッ

唯「うい~、大好き!」ガバッ

憂「えへへ……お姉ちゃん和さんが見てるから」ポー

和「コホン、とにかく今日は私と唯で何か作るから。憂はゆっくりしてなさい」

憂「えっ、そんな」

唯「いいからいいから。憂はゴロゴロしててよ」

憂(純ちゃん家でも、思いっきりゴロゴロして来たんだけど)

和「たまには、ね」

憂「はい……分かりました。それじゃあお言葉に甘えます」

唯「よーし、お姉ちゃん張り切って作るよ憂!」


……

憂「ご馳走様です」

唯「ふぃ~、お腹ぽんぽんだよ和ちゃん」

和「ほら唯、ソースつけてるよ」ゴシゴシ

唯「ありがと~、和ちゃん!」グリグリ

和「ゆーい、この後は洗い物でしょ」

唯「ほへふひは~」ヘナヘナ

憂「あっ、それ位、私やり――」

和「いいの。憂はじっとしてて」

憂「は、はい」ウズウズ

唯「ねー、そういえば猫どうだったの?」

憂「純ちゃんの? うん、かわいかったよ~」

唯「あ~、いいないいなー、私も触りたかった」

憂「梓ちゃんに、特に懐いてた」

唯「うわ~、何それすごい! まとめてかわいがりたい!」

和「唯も憂も昔っから小動物好きよねー」

唯「うん。でも今はいないからつまんない」

和「私は犬の方が好きかな。しつけられるし」

唯「あはは、私はどっちも好き~」


憂「でも飼うとなると、やっぱり大変ですよ」

唯「私、頑張って面倒見ますよ!?」

和「唯はその前に、自分がもっとしっかりしないと」

唯「あはは、ハッキリ言いますなぁ和ちゃん!」

和「もう、開き直っちゃって唯ったら」

憂「それがお姉ちゃんのいい所なんですよ!」

唯「えへん!」

和「はは……そうかなぁ」

……

和「じゃあ私、そろそろ帰るわね」

唯「あっ、送って行くよ和ちゃん!」

憂「私も行きます」

和「ありがとう。お願いするわ」

唯「よーし、暗いから三人で手を繋いで行こう!」

憂「うんっ!」

和「ふふっ、変わらないわね」

唯「あれっ……ういー、そのマフラーどうしたの?」


憂「あっ、これ? 純ちゃんに貰ったんだ」

唯「へ~」

憂「ごめんね、お姉ちゃんに折角貰ったマフラー、無くしちゃって」

唯「もういいよ。しょうがないじゃん」

和「あったかそうなマフラー貰えて良かったわね」

憂「はい。しかも手編みだそうで」

唯「ふぇー、これが噂の手編み! 初めて見ました!」

和「あらあら、手編みだなんて。随分仲のいいお友達なのね」

憂「い、いえ、友達には元々渡したい人がいてですね」

和「ほうほう」

憂「これはその本命の為に、練習で作ったって事なので」

唯「練習でこんなの編めるなんて純ちゃんすごいね!」

和「ふふ……なるほどそういう事か」

憂「本当にそうですから! 深い意味なんて無いですよ!」

和「分かってるわよ」ナデナデ

憂「はい……」カァッ

唯「いや~、お姉ちゃん純ちゃん尊敬しちゃうなっ!」



月曜日

純「おはよー、憂」

憂「お、おはよう純ちゃん」

純「どうしたの憂?」

憂「な、何でも」(もう和さんが変な事言うから意識しちゃうよ)

梓「純おはよう。話してたCD、持って来たよ」

純「はいはい、プロのお墨付き、ありがたくお借りしますよ」

梓「そ、それはただの悪ノリだから。あんまりからかわないで」カァッ

純「うん……」(抱き締めたくなるから、不意に照れるのはやめて欲しい)



二年二組の教室

律「昨日ちょっと散歩してたらさー」

唯「うん」

律「澪の奴が橋で川見ながら佇んでたんだ」

唯「へえ~、どうして?」

紬「鯉でも見ていたんじゃないのかしら」

唯「あっ、なるほどー」

律「――いや私はさ、もしや飛び降りかと思って」

唯「えっ、この時期に飛び込み?」

紬「温度とか水深は大丈夫なのかしら……」

律「だから止めたんだ『早まるな澪ー』って」

唯「ていうか汚いよねー、川は」

律「そしたら『自殺なんてする訳無いだろバカ律!』って」

唯「うん、そうなるよね」

律「それで、こっ酷く怒られちゃったんだ」

紬「りっちゃんは悪くありません!」

律「じゃあ何で、川なんか見てるんだって聞いたらさ」

唯「分かった! 渦巻き探してた!」

律「『情緒も分からないのかバカ律!』って」

唯「まるでバカりっちゃんのバーゲンセールだね」

紬「りっちゃんはお買い得なの!」

律「ああ私の早とちりだよ! でも澪の奴、あまりにバカバカ言い過ぎじゃね!?」

唯「あれっ、傷ついてたのー、りっちゃん?」

紬「ゆ、唯ちゃん!」

律「ううっ、悔しい、悔しいよー、ムギ~!」ガバッ

紬「りっちゃん……」ヨシヨシ

唯「あはは、りっちゃんは澪ちゃんの事になると、しつこいよねー!」

律「くそぅ唯! お前の血の色は何色だーっ!」

唯「やだなぁりっちゃん、マジで怒っちゃいやん」ビクッ

律「いや怒ったぞ。人が黙っていればバカにして!」

唯「許してよー、ほら、パンツ見せてあげるから」ピラ

紬「ブホッ」

律「おい、何してんだ唯!?」

唯「えっ、ダメかな? 憂ならこれでいつも許してくれるんだけど」

律「どんな仲直りだ、そりは!」

紬(唯ちゃんと憂ちゃんったら、やっぱりいけない関係なの!?)ハァハァ


唯「というのは冗談ですが」

律「冗談かよ! ていうか微妙にリアリティのあるウソをつくな!」

紬「私には今の台詞は聞こえなかった」

唯「じゃあ肩をお揉みしますからー」

律「しゃーねえ、それで手を打ってやるよ」

唯「えへへっ! りっちゃんだーい好き!」ガバッ

律「ちょっ、抱きついてるだけじゃん!」カァッ

紬「じゃあ私もー」ムギューッ

律「こらっ! 苦しいだろもう!」



放課後

純(あっ、梓にノート借りっ放しだった……軽音部に届けるか)

和「あら、鈴木さんよね?」

純「え゛っ、生徒会の真鍋先輩!?」

和「光栄ね。名前を知っててくれてたの?」

純「そ、それはこっちの台詞というか」(うわ、やっぱりこの人かっこいい)

和「そっち音楽室よね? 軽音部に用事?」

純「はい、梓にノート届けようと」

和「私もヤボ用でね。一緒に行こうか」

純「はひっ、是非!」

さわ子「あら、珍しい取り合わせね」

和「山中先生こんにちは」

さわ子「真鍋さん、そっちはえっと佐藤さん?」

純「す、鈴木です」

さわ子「あ、ゴメンね、ちょっと外した」

純「いえ……」

さわ子「一度、軽音部に入ろうとしてくれた子よね?」

純「そうです」

さわ子「で、どうしたの? すごい時間差だけど入部しに来たの?」

純「い、いえあのー」

和「先生、憶測でものを言うもんじゃありません。困ってるじゃないですか」

さわ子「真鍋さんに怒られちゃった……」シュン

純「や、その私は別に大丈夫と言うか」

さわ子「そうよね! 真鍋さん気にしすぎ!」

純(立ち直りはやっ!)

和「憂から聞いたんだけど、鈴木さん猫飼い始めたのよね」

純「あ、はい。中々手間のかかる奴でして」

さわ子「へー、猫! 猫はいいわよね自由で! 私も猫大好き!」

純「先生も猫飼ったりしてるんですか?」

さわ子「えっ? 私は飼わないわよ」

純「好きなのに?」

さわ子「ほら、猫で満足すると独身引きずるって言うじゃない」

和「そうなんですか?」

さわ子「そうよ。かわいい顔して奴等、人間を堕落させる悪魔の生き物なのよ」

純(一転してひどい言われようだ!)

和「でもそれは、人によるんじゃないですかね?」

さわ子「ダメよ! キミの夢が叶うのは猫のお陰じゃないのよ!」

和「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい。私が悪かったですから」

純(何だこの人……)



3
最終更新:2010年01月15日 01:22