唯「えっそれはマズイよ! 部室の外は危ないって」
澪ちゃんにも聞こえてるよね?
今も外から色んな音が聞こえてくるのが。
だけど澪ちゃんは私の横をすり抜けあの異様な空間へ出ようとする。
いくら声をかけても澪ちゃんは止まってくれない。
どうして?
怖がりな澪ちゃんがそこまでするなんて。
はっ!?
もしや澪ちゃん……りっちゃんの事を……!
いや、ムギちゃんか!?
はたまた……
それが澪ちゃんのSo 原動力なんだね。
よし、そういうことなら!
唯「澪ちゃん! 私も探しに行く!」
澪「唯はここから絶対出るな」
唯「えーっ!?」
唯「ど、どうしてさ!?」
澪「外は危険だからだ」
唯「それならみおちゃ――」
澪「何かあった時に唯まで守れるかわからない。唯を危険な目に合わせたくないんだ。だからここにいてくれ」
唯「うぐ……」
戦力外通知……そんなぁ。
唯「大丈夫だよっ! 私走るの苦手じゃないよ? ……好きでもないけど」
澪「私が出たらすぐに鍵をしめるんだぞ」
唯「待って澪ちゃん!」
鍵を開けドアノブに手をかけた澪ちゃんにしがみ付いた。
澪「っ!? 離せっ!!」
視界がぶれる。
左のこめかみが激しく痛い。割れる。ていうか割れた。
お尻も痛いけど比較にならない。
澪「あっ……ご、ごめ……」
そっか、澪ちゃんに振りほどかれたんだ。
それで尻もちついちゃったのか。
あとこめかみが痛いのはアレだね、アレ。
唯「ぐおおぉ……澪ちゃんナイスエルボー……ぐふ」
う、うまく笑えない。
むしろ泣きそう。
いやこんな所で泣いてる場合じゃないよ。
唯「ぃ……すぅー……」
痛いとか言っちゃだめ。
澪ちゃんこういうのずっと引きずるんだから。
澪「ごめんっ! だいじょう……うっ!?」
唯「ぉぁぁ……だいじょうぶだいじょうぶ。……ん? 澪ちゃん?」
痛みが引いて余裕ができると澪ちゃんの異変に気付けた。
なんだか息が荒くて左目とおでこのあたりを押さえている。
唯「澪ちゃんどうしたの? 頭痛?」
澪ちゃんの右目が私に向いた。
唯「みおちゃん?」
澪ちゃんの右目は私を見ている。
でも私と目線が合ってない。
澪ちゃんの視線を辿ると尻もちをついて膝を立てている私を見ていた。
唯「澪ちゃーん?」
私がM字なんちゃらから女の子座りにシフトしても尚、視線は私のお尻に向けられている。
澪ちゃん、目が怖い。
唯「えーと……」
澪「ゆい――」
名前を呼ばれた時、物置の方から扉の軋む音がした。
後ろを振り向くと澪ちゃんが閉めていた筈の物置の扉が開いている。
あっ!
すっぽり忘れてた。
部室には出入り口が2つある事を。
ここは隣の音楽室と物置を通して繋がってるんだった!
さっき澪ちゃんがあそこから出て来たのに全然考えが回らなかったぜ。
「はぁ……はぁ……はぁ~~~ぁ」
物置から出て来た生徒は息が荒い。
こちらに視線を向けると息を吸いながら不安を煽る高音で鳴いた。
やっぱりいちんごが生えていてスカートを押しのけて反り返っている。
あれ、もしかしなくてもこっちに近づいてきてるのですが。
……あっでも澪ちゃんも物置の扉の事忘れてたよね。
澪ちゃんも意外とおっちょこちょいだねー。
……。
唯「逃げよう澪ちゃん!」
澪ちゃんの手を掴んで部室を飛び出した。
こけそうになりながら階段を駆け下りる。
3階は部室と音楽室しかないので2階へ逃げるしかない。
2階へ着いた。廊下は左右に伸びている。
左は私の教室と1組の教室がある……うんだめだ。
右は3年3組から5組までの教室と文化部の部室か……こっちの方がまだましかも。
唯「澪ちゃん早く早くっ」
澪ちゃんを引っ張って右へカーブ。
よかったーこっちの廊下には誰もいない。
あっ! 確認してからどっちに行くか決めればよかった。
……誰もいなかったからオッケーってことで。
部室を出てから澪ちゃんはずっと私に引っ張られている。
澪ちゃんがその気になったら私を引っ張るくらい早く走れるのに。
3年の教室からは人の気配がしたから素通りして文化部の部室を目指す。
その間も澪ちゃんを引く手は重かった。
唯「文芸部……誰もいない。ここに入ろう」
声を抑えて澪ちゃんに話しかけるが澪ちゃんはその場に立ち尽くしている。
動こうともしない。
唯「澪ちゃんってば」
尚も無反応の澪ちゃんを無理矢理引っ張って文芸部に立て籠もることにした。
唯「ふー危なかったぜ」
軽音部の部室に侵入してきた子が来る気配はない。
どうやら振り切れたみたいだ。
でもここは扉にカギがないからちょっと怖い。
軽音部の部室ほど大きくないし机や本棚やロッカーに来月辺り必要になるであろう扇風機等が室内を圧迫している。
とりあえずここで澪ちゃんと隠れて……そうだ澪ちゃん。
唯「もー澪ちゃんしっかり走ってよー。捕まっちゃったらいちんご生えちゃうんだよ?」
窓際で校庭を眺める澪ちゃんに冗談ぽく言ってみた。
しかし返事は無く逆光の所為で表情も見えない。
体調悪いのかな。それともさっきのバックスピンエルボーを気にしてる?
唯「ねえ澪ちゃん?」
澪「……もう無理。ごめん唯」
唯「へ? なに、どうしたの?」
澪「ヤバイ……もう限界なんだ」
澪ちゃんがこちらを向いた。
手で体を抱えるようにして何かに耐えているように見える。
息が上がっていて小刻みに震えてて明らかに体調が悪そう。
唯「ど、どしたの澪ちゃん大丈夫?」
澪「……ムリ」
唯「体調悪いの? そっかだからあんまり走れなかったんだね」
澪「そうじゃなくて、唯に会う前から生えてたんだよ」
唯「……へ」
澪「ごめん……中々言い出せなくて」
言い終わると澪ちゃんが両手でスカートの前面を捲った。
その姿は純白のホイップみたいに甘美で、だけど茶色のマーブルがどろどろこぼれる様な光景。
いつもの澪ちゃんからは想像できない行動に私は口を開けてぼーぜんとする。
私の中で真面目なイメージがあった文芸部の部室。
澪ちゃんはそれを一瞬で塗り替えてしまい、ここが卑猥な場所だと倒錯してしまった。
唯「あ……」
1年の学園祭で起きたあの事件後から度々使うようになったという短い丈のスパッツ。
それが苦しそうに張っていた。
澪「な?」
唯「……あ、うん」
なんて言ったらいいか言葉が出てこないよああああええと何か言わなきゃ。
澪「だからさ、どうやったらいちんごがうつるのかとか、生えるとどういう気分になっちゃうかも分かるんだ」
唯「そ、そうだったんだ……」
相槌しか打てない。
澪「いつもだったら恥ずかしくて死にそうになっちゃう事も言えるし出来る」
澪「いつの間にか恐怖も感じなくなった」
澪「それから……いちんごの生えていない本当の女の子を見ると……苦しくなるんだ」
それってつまり……私を……。
澪「私は元が恥ずかしがりで怖がりだったから多少の我慢も出来たのかもな」
語りかけながら澪ちゃんがこちらに向かってくる。
澪「……っていうのが半分で、もう半分は唯が部室に来る前に一人でしてたんだ」
唯「え……な」
何を、って聞いても今の澪ちゃんなら臆面なく言うんだろうな。
澪「生え立ての時はまだ恐怖と恥ずかしさがあったから部室に逃げ込んだ」
澪「そしたらこれがどんどん大きくなって、とにかく出したくなって……何回やったのかわからないくらいやったら少し収まったんだ」
澪「そこに唯が来たってわけ。はぁ」
唯「そ、そうなんだ」
澪「ぁぁ……私が部室を出て行こうとしたのに唯が抱きついてくるからおかしくなりそうだったよ……襲う手前だった」
そっか、だから私の事を突き飛ばしたんだ。
澪「あとさっきまで手を繋いでただろ? 体温が伝わってきて……はぁぁ」
冷静に話しているように聞こえるけど澪ちゃんの憔悴した目が怖い。
依然として体は震えているし息も荒い。
澪「それに何より……唯は特別匂うんだ」
唯「えっ私くさいのっ!? クンクン……んーわかんない」
身体に鼻を寄せてみるけどそんなことは……あっでも自分じゃわからないって言うし……。
澪「ちがうちがう。いちんごが生えると分かるようになるんだ。本当の女の子からするいい匂いが」
澪「唯は特別、私にとって特別いい匂い。バニラみたいに甘くて、うっとりするような……」
澪「これを嗅いでるだけなんておかしくなりそうだ」
遂に私の前へ来た。
尚も足を止めない。
澪「限界なんだ」
澪ちゃんが私の横をすり抜ける。
澪「だから私はここから出る」
え……?
唯「ま、まって」
澪「待たない。ここにいたらもう唯を襲うしかない」
唯「そんな……澪ちゃんは外に出てどうするの?」
澪「わかんない。もうなにも考えられないから他の子を襲っちゃうかも……はあはあ」
唯「そんな……」
澪「本当の女の子がいなければいちんごの生えた子を襲うかも。匂いは半減してるけどそれでも女の子だし……はぁぁ」
唯「それって澪ちゃんが襲われるかもしれないってことだよね」
澪「そうだな。でもそれでもきもちい――」
私は再度澪ちゃんにしがみ付いた。
澪「っ!! バカっ……あぁ……ぁあ」
そんな殺伐とした世界に澪ちゃんを放り出すわけにはいかないよ。
澪「あぁ……はぁ……あぁああ」
唯「澪ちゃんしっかり! わ、わ……私が何とかするからっ!!」
澪「ばかぁぁ……なんとかもなにも……もう無理はぁはぁはあごめんはあはあああはあ!」
唯「きゃあ!」
澪ちゃんが私に抱きついて押してくる。
あっという間に壁際に追い込まれて逃げ場がなくなった。
澪「ゆい……ゆいいいいぃ」
首筋に澪ちゃんの鼻がこすり付けられる。
うあ……においを嗅がれるって結構恥ずかしいんだね。
澪「ゆいっ……ごめっ、す、っ……はぁはぁ!」
においだけで我慢出来なくなった澪ちゃんが首筋に舌を這わせて私を舐め始める。
それがエスカレートしてしゃぶり付くようになる頃には澪ちゃんは殆ど言葉を喋らなくなっていた。
唯「んあ……澪ちゃ……はげし……!」
澪「はあっはあっ……ずぢゅううううっ!」
私が澪ちゃんを引き留めて何とかするって言ったんだ。
うまくいくかわからないけどやらなきゃ後悔する。
唯「澪ちゃんちょっとごめん」
私は澪ちゃんのスカートの中へ手を入れて短めのスパッツをずりおろした。
パンツだけでは抑えきれなくなったいちんごが飛び出す。
それがタイツ越しのふとももに擦り付けられる。
これが澪ちゃんのいちんご……密着しててよく見えないけど固いのだけはよく分かるよ。
澪ちゃんが言ってた。
私が部室に来る前に一人でしてたって。
最初に部室で見た澪ちゃんは殆どいつもの澪ちゃんだった。
だから……いちんごからアレを出してあげればいつもの澪ちゃんに戻れるかもしれない。
その後の事はわからないけど今はそれに賭けるしか澪ちゃんを助ける方法がない。
澪ちゃんのためなら私頑張っちゃうよ。
澪「はあぅっ、はあっ……はっはっ!」
唯「んっ……!」
澪ちゃんがきつく抱きしめてくる。
このまま押し倒されたら澪ちゃんを助けるどころの話じゃなくなっちゃう。
私は執拗に押し付けてくる澪ちゃんのいちんごを右手で掴んだ。
澪「ひぐっ!? あっ、あ゛ーーーー……」
それだけで澪ちゃんは涎を垂らして気持ちよさそうに天を仰いだ。
澪ちゃん……私が何とかするから!
澪「あひっ! あっ、はあぁぁ……!」
右手でいちんごを扱くと澪ちゃんの反応が大きくなった。
腰を震わせて快楽に悶えている。
唯「これなら出すことはできそ――ひゃっ!」
澪ちゃんがまたも思い切り抱きついてきた。
唯「ぐ、ぐるじい…………あっ!?」
いちんご放しちゃった!!
やば……!
澪「あっ、んっ……んんんんんんっ!!」
終わった……このまま澪ちゃんに捧げちゃうんだ……まあそれでも………………あれ?
そんな事を思ってたら澪ちゃんがびくびくと震えだした。
この震え方……ちかちゃんも最後はこんなふうに震えてた。
てことは。
澪「……っあ、はぁ……はぁ……」
澪ちゃんの痙攣が収まって抱き付く力が弱まった。
その隙に確認してみる。
私のタイツは純白レースのホイップでデコレーションされていた。
やった、何とかなった……かな?
唯「澪ちゃん落ち着いた? 私が分かる?」
澪「はあ……あ……ゆい?」
唯「よかった~」
何とか自我を取り戻してくれたみたい。
澪「あ、あ……ごめん私はなんて事を……本当にごめん」
かすれ気味の声から澪ちゃんの申し訳ないって気持ちがひしひしと伝わってくる。
澪「唯にだけはこんなことしたくなかったのに……!」
唯「まあまあ、私がこうしようと思って澪ちゃんを引き留めたんだよ。澪ちゃんが元に戻ってくれてよかったー……あえ?」
ふとももには濡れた感触と固い感触が……。
下を向くと澪ちゃんのスカートが翻っている。
澪「ごめんな。せっかくしてくれたのにこれじゃすぐさっきの様になっちゃう」
澪「だからその前に今度こそ……」
だめだったのかな?
でも澪ちゃんと会話が出来るようになったし……。
澪ちゃんは何度も一人でしてたって言ってたから……うん。
ここはやるべきでしょ。
唯「もうー勝手に行かないで!」
どこへも行けないようにきつく抱き付いた。
澪「うあっ!? いいから離せって!」
唯「まあまあまあ、とりあえずもっかい出してみようよ」
澪「ばっ……! それが嫌だから出て行くんだ!」
唯「……ほんとに嫌なの?」
澪「えっ」
唯「今も私の事襲いたいんでしょ?」
澪「……襲いたいけど、そうじゃなくて……唯に酷い事をしたくないんだ」
唯「酷い事って?」
澪「唯にいちんごを生やしたくない。私が無理矢理するのも嫌だし唯にこんな苦痛を味わってほしくない」
唯「そうかなー結構似合うかもよ? それに苦痛っていうけどさっきの澪ちゃんすごく気持ちよさそうだったよ?」
澪「ぐぁ……ばかそんな事言ったら……はあはあはあ」
唯「うわぁあ澪ちゃん落ち着いて!」
澪「はぁはぁ……それにな、唯が……唯が他の女の子を襲う事が嫌なんだ」
唯「澪ちゃん……えへへ」
澪ちゃんが恥ずかしげもなくそんなこと言うなんて。
なんか顔が熱いや。
最終更新:2011年06月01日 04:15