唯「あの事故から1年か…」

唯「あれからもギター続けてきたけど」

唯「やっぱりあのメンバー以外じゃ楽しくないよ…」

唯「澪ちゃん、りっちゃん、むぎちゃん、あずにゃん…」

憂「お姉ちゃん、入るよ?」

唯「うい」

憂「お姉ちゃん、私来月から東京の大学通うから…」

唯「憂もいなくなるんだね、私の前から」

憂「お姉ちゃん…」

唯「もういいよ。出てって、みんないなくなるんだ」

憂「ごめんね‥」

和「ごめんくださーい」

憂「あ、和さんこんにちは」

和「春休みだからこっちに戻ってきたの。唯いる?」

憂「はい。でも…」

コンコン

和「唯?入るよ」

唯「和ちゃん」

和「どう?調子は(まだ立ち直れてないのね…)」

唯「べつに」

和「私当分こっちにいるからさ、何か私で役に立てるなら」

唯「いいよ。どうせいなくなるんだし」

和「唯、いつまでも」

唯「ほっといて!」

憂「お、お姉ちゃん」

和「いいのよ憂。ごめんね唯、また来るわね」


憂「ごめんなさい和さん」

和「気にしないで。じゃあね」




唯「あの頃に、戻りたい‥軽音部のみんなが居て憂も和ちゃんも私の近くにいたあの頃に…」

ギー太「唯?」

唯「?」

ギー太「泣いてるのかい?唯」

唯「な、なに?変な声が…」

ギー太「僕だよ」

唯「わ、わぁぁぁぁ!」

ギー太「戻してあげる、僕と出会ったあの頃に」

唯「ぎ、ギー太!?それどういう…」

ぱぁぁぁ




憂「お姉ちゃーん、遅刻するよ?」

唯「……?」


唯「憂?なんで中学の制服なんて…」

憂「寝呆けてるのお姉ちゃん?今日入学式でしょ。早く起きて」

唯「何言って…」

唯「え?この部屋…あ、ギー太は!?」

憂「お、お姉ちゃん大丈夫?」

唯「憂、私のギター知らない!?」

憂「ギターなんて持ってたの?お姉ちゃん」

唯「……いや、ごめんなんでもないよ」

憂「お姉ちゃん本当に大丈夫?具合悪いならお母さんに…」

唯「ううん、大丈夫だよ!準備してくるね」

唯「何故か知らないけど戻ってる、桜高入学式の朝だ」

唯「ギー太はどうしたんだろう、まだ楽器屋なのかな…」 

唯「きっとギー太のお陰だよね。早く会いにいかなきゃ」

唯「いってきま~す!」

唯「とりあえずまたみんなに会えるんだ」

唯「夢でもなんでもいいよ、またみんなに…!!」

唯「へへっ、嬉しくて涙出てきちゃった」

唯「よーし余裕のセーフ!」

唯「軽音部はいつ頃出来るんだっけ…」

和「唯、中学に続いてまた同じクラスね」

唯「和ちゃん!」

和「どうしたのよ。えらくご機嫌ね」

唯「えへへ~まだ若いね和ちゃん」

和「な、なに言ってるのよ」

唯「ねね、和ちゃん。この学校って軽音部はまだないの?」

和「え?唯、軽音部に入るの?」

唯「うん!」

和「どうかしら…部活案内の広告には無かったけど」

唯「え?そうなの?」

唯「あ、そうだ!さわちゃん先生に聞いてこよう」


職員室

さわ子「正確には廃部寸前ね」

律「ガーン!」

澪「廃部なら仕方ないな、私は文芸部に」

唯「さわちゃんせんせー!」

さわ子「さ、さわちゃん!?」

唯「あ、、(まだダメだったっけ‥)」

さわ子「えっと…平沢さん?」

唯「はい!あの、軽音部って…あ!」

律「あん?」

澪「ん?」

唯「りっちゃん!澪ちゃん!」

律「な、なんだ!?」

澪「律、知り合い?」

律「いや…」

唯「あ、、そっか…」

さわ子「あのー平沢さん?」

唯「あ、さわちゃん…じゃないさわ子先生。軽音部はまだ無いんですか?」

律「!」

さわ子「ええっと、今そこの2人にも話したんだけど」

律「私が部長の田井中律です!」

澪「おい!」

唯「あは。平沢唯入部きぼーでーす!」

さわ子「なんだかうまくいったみたいね。頑張ってね」

唯「あ!そうださわ子先生」

さわ子「なに?」

唯「顧問やってくれませんか?」

律「(えぇ!?もう顧問の話かよ?)」

澪「あの、平沢さん。まだ部員も揃ってなくて」

唯「平気だよ澪ちゃん!むぎちゃんが来てくれるから」

澪「…?(何で私の名前を…)」

さわ子「ごめんなさいね。私吹奏楽部の顧問もやってるから掛け持ちはちょっと」

唯「先生ここの卒業生ですよね?」

さわ子「え!そうだけど…」

唯「軽音部に入ってたんですよね?」

さわ子「……!」

唯「おーまえらが来るのを待っていた~!しゃらっぷ!」

さわ子「!!!」

さわ子「(な、なにこの子…何で知ってるの?)」

唯「えへへ、顧問やってもらえますか?」

さわ子「い、いいわよ」

唯「わーい!」

澪「り、律、この子なんか怖くない?」ボソボソ

律「ああ…でも顧問も決まった事だし」ボソボソ

澪「そうだけど…」

唯「りっちゃん、澪ちゃん」

律・澪「は、はぃ!」

唯「よろしくね~!」

律「よ、よろしくな。ところで名前は?」

唯「平沢唯だよ~!」

律「私はドラムの田井中律。こっちはベースの」

唯「うんうん知ってるよ!りっちゃん澪ちゃんよろしく~!」

澪「えっと…平沢さんの楽器は?」
唯「唯でいいよ!」

澪「え?」

澪「いや、でも…」

律「あー澪は照れ屋なんだ。親しくなるまでこんな感じだけど頼むな」

唯「そ、そっか~(あれ…?)」

唯「私はね、ギターだよ!」

律「おーマジかー!強力なメンバー加入!」

澪「好きなギタリストとかはいるの?」

唯「ジミー・ページとかジェフベックかなぁ(言ってみたかったんだぁ!)」

澪「おー!」

律「おー渋いね平沢さん!」

唯「えへへ。あ、唯って呼ん」

律「平沢さんみたいな人が入ってくれてよかったなぁ!」

澪「そうだな!」

唯「……」


律「とりあえず音楽室行くか」

唯「あと1人集めないとだね!」

澪「そうだな」


音楽室

律「入部希望者を待つ!」

唯「(むぎちゃんはいつ来るんだっけ…私最後に入ったからな…)」

澪「待つの…」

唯「(来ないな…今日じゃなかったのかな…?)

澪「今日はかえろっか」

唯「(あれれ!?)」

律「だなぁ。日も暮れてきたし」

唯「(今日じゃないのかな。うんそうだよね)そ、そだね」

唯「あ!そうだっ」

律「な、なに?」

唯「ポスターだよ。ポスター!」

澪「ポスター?」

唯「うん。軽音部募集のポスター作ろうよ!」

律「そうだなー無いよりマシか」

澪「わかった。明日作ってくるよ」

唯「ううん。今作ろう!」

唯「こんなのだったかな…」

律「お!平沢さんうまいな!」

澪「キーボード募集…?」

律「ギターベースドラム揃ってるし何でもよくねーか?」

唯「キーボードしかダメなの!」

澪「え…?」

律「いやでもさ平沢さん…」

唯「キーボードじゃなきゃ私やめる」

澪「(り、律…)」

律「(ああ…)わ、わかった平沢さん。ごめんな」

唯「……ごめんねわがまま言って。でもきっと後悔させないから」


数日後

さわ子「みんなー入部希望者がいたわよー(ちっ来なくていいのに)」

律「おお!」

澪「高良みゆきさん。か」

唯「!!(だれこれ…?)」

律「よかったなぁ!平沢さん。キーボードみたいだぞ」

唯「ちがう…」

澪「え?」

唯「むぎちゃんはどこ…?」

律「むぎちゃん?」

唯「りっちゃん!」

律「は、はい」

唯「りっちゃん達のクラスに琴吹紬ちゃんっているよね!?」

律「え?ああ…確か合唱部に入った子だっけな?」

唯「……りっちゃん、その高良さんって人断っておいて」

律「ええ!?」

ダダッ

澪「あ、ちょっと平沢さん!」

さわ子「何なのあの子…」

唯「おかしい、おかしいよ…微妙に色々狂ってきてる…」

唯「私が余計な事したから…?」

唯「こ、ここかな…」

ガラガラ

唯「あの、失礼します」

先生「何あなた?今ここは合唱部が」

唯「……」キョロキョロ

唯「むぎちゃん!」

紬「えっ!?」

女生徒「なに?ムギの知り合い?」
女生徒「ちょっとあなた何よ?」

先生「琴吹さん、お友達?」

紬「え?いえ…その‥」

唯「むぎちゃん!お願い、お願いだからちょっと来て!」

紬「あの、、何でしょう?以前どこかでお会いしました?」

唯「むぎちゃん…」

唯「お願いだから…軽音部に入ってほしいの」

紬「け、軽音部!?」

唯「お願いむぎちゃん…むぎちゃんが居ないと4人揃わないの」

紬「いえでも…私合唱部に…」

唯「お願い!お願いだから…何でもするから私…また4人でやりたいの…」

紬「ま、また…?」

唯「昔にね。私とむぎちゃん、りっちゃんと澪ちゃんで軽音部に入ってたんだよ」

紬「(この方、一体…)」

唯「4人でお茶したり雑談したり…合宿に行ったり文化祭でライブやったりクリスマス会やったり…」

紬「…(こ、怖い…)」

唯「むぎちゃん。私の事変だと思ってるでしょ」

紬「い、いえ!そんな事は…」

唯「でも本当に楽しかったんだよ、きっと楽しいよむぎちゃん…だから…」 

紬「(怖い…怖い…)わ、わかりました!キーボードくらいしか出来ませんが私でよければ!」

唯「ありがとう!むぎちゃんごめんね。でも楽しいから絶対」

紬「は、はぃ…!」ガクガク


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最終更新:2011年06月02日 21:15