梓「唯先輩がーいいなー 澪先輩もーいいなー 律先輩もーいいけどねー♪」ガチャバタン

梓「ムギ先輩もーいいなー とーろけそうでーいいなー 同級生もーいいけどー♪」

律「ってストーップ!!」

梓「に゙ゃっ!?な、なんですかいきなり!?」ドキドキ

唯「キテレツキテレツキテレツときてまさかのホルモン」

紬「その歌詞はいったい何なのかしら?」

梓「べ、別にいいじゃないですか!トイレで何を歌ったって!」

澪「みんな勘違いしてるみたいだけど、トイレは歌を歌うところじゃないぞ」

梓「あれ?その声……もしかして澪先輩ですか?」

律「私もいるぜ!」

唯「あずにゃんばっかりにいい格好はさせないよ!」

紬「コーホー」

梓「こ、これが友情パワーか……じゃなくて!」

梓「いったいどうしたんですか?皆さん揃ってこんなところで?」

律「あー……、話せば長くなるんだけど……」

紬「えーっとね、トイレに入ったはいいんだけど……」

唯「……」ピタッ

梓「ふむふむ……ところで唯先輩は隣で何をしてるんですか?なんか壁にくっついてるみたいですけど……?」

唯「せっかくなので心のアルバムにあずにゃんの思い出のカケラを名前を付けて保存しておこうかと」

梓「…」グイッ ジャゴー

唯「ああん」

律「って梓あああ!?」

梓「はい?どうかしました?」

紬「もしかして……もう出しちゃった?」

梓「出しちゃったって……まあそうですけど……///」

澪「……梓、ちょっと紙があるかどうか確認してみてくれないか?」

梓「紙ですか?紙、紙……ってない!」

澪「やっぱり……」

梓「すいません、どなたかか紙を貸してもらえませんか?」

律「……どこも同じなんだよ」

梓「へ?」

紬「あのね、どうやらどの個室にも紙が置いてないみたいなの」

梓「え?え?」

澪「それでみんな個室から出られなくなって困ってたんだ」

唯「仲間だね、あずにゃん」

梓「唯先ぱああああああああああい!?」

律「唯のせいだぞー!唯が余計なことしなけりゃ梓が出す前に紙を取ってきてもらえたのに!」

唯「ごめんなさい……」グスン

紬「まあまあ、唯ちゃんも悪気があってしたわけじゃないんだし」

唯「ムギちゃん……」ウルッ…

梓「いや人のトイレの音を盗み聞きだなんて悪気の塊みたいなものだと思うんですけど。っていうか犯罪ですけど」

紬「でもこれからどうしよう……」

澪「またみんなで何か考えてみよう。きっと何か思いつくさ」

梓「ちなみに今まではどんなことを考えたんですか?」

唯「えっとね、電話で誰かを呼ぶとか、来た人に紙を取ってきてもらうとか……」

紬「後はトイレットペーパーの代わりになりそうなものをさが……ふぇ、ふぇっくちっ!」クシュン

唯「ムギちゃんどうしたの?風邪?」

紬「ううん、ちょっとくしゃみが出ただけ……」

律「そういえばちょっと冷えてきたな…」ブルル

梓「本当に大丈夫ですか?頭が痛いとか咳が出るとか……」

紬「ううん、全然平気!ただちょっと鼻水が……」ズルッ…

唯「あ、私ハンカチ持ってるからそれ使いなよ」

紬「いいの?でも……」

唯「いいからいいから~。今そっちに渡すからちゃんとキャッチしてね!」

紬「え?」

澪「……キャッチ?」

唯「こうやってハンカチを結んで……うん、大丈夫!これならきっと遠くまで届くよね!」フンス

律「だから何を……」

唯「いくよームギちゃ―ん!……それ!」ポーイ

律「…」

澪「…」

梓「…」

唯「どう?届いた?」

紬「よくわからないけど……こっちにはハンカチ来てないよ?」

唯「あれー?おかしいなー?」ハテナ?

澪「ちなみに唯は今何をしたんだ?」

唯「上からハンカチを投げてムギちゃんにキャッチしてもらおうかと」

梓「……もしかして2人の間の空き個室に落ちちゃったんじゃないですか?」

唯「あ」

律「おいおい、もうちょっと頭使おうぜー」

唯「だって他に方法がなかったんだもん!仕方ないでしょ!」プンスカ

澪「そんなことで怒るなよ……」

唯「……あっ」ブルル

紬「どうしたの、唯ちゃん?」

梓「どこか調子悪いんですか?」

唯「ううん、体は大丈夫なんだけど……ちょっとおしっこしたくなっちゃった」プルプル

律「ならすればいいじゃん、ここトイレだし」

唯「でも私、今みたいに両隣の個室に人が入ってると気になっちゃって落ち着けないから……」

澪「それくらい我慢すればいいだろ」

唯「だめ…無理……」プルプル

梓「無理って……」

唯「だってあずにゃん、さっきの仕返しに音聞いてくるんでしょ?」

梓「そんなことするわけないです!」

唯「……本当に?」

梓「はい。ただ私の携帯に録音機能が付いているのを急に思い出したので、今からちょっとその性能を確認したいと思います」

唯「」

梓「あと急に運動がしたくなったので壁をよじ登って唯先輩の個室へ進入します」

唯「……う、うわぁぁぁあああん!」ビエーン

澪「梓、唯が泣いてるぞ」

梓「冗談ですよ。両隣に人がいたって別に気にしなくてもいいじゃないですか」

唯「だからそれが無理なんだってばぁ……お願いだからみんな一回外に出てぇ……もう、出ちゃう……」プルプル

律「いや、それができないからみんな困ってるんだけど」

唯「もう駄目、漏れちゃう、あっ、あっ、あっ……」プルプル







唯「そういえばここトイレだからお漏らしとか関係なかったね」ジャゴー

澪「そうだね」



梓「でもこれからどうします?もう万策尽きたって感じですけど……」

紬「りっちゃん……」

律「……よーし、こうなったら持久戦だ!誰かが来るまでここで待つ!」

律「そして通りがかった子に紙をとってきてもらう!これで行こう!」

唯「りっちゃん!?」

澪「うう、恥ずかしいけどそれしかないか……」

紬「でも大丈夫かしら?もし誰も来なかったら……」

律「大丈夫大丈夫。なんだかんだでここは結構人の出入りも多いし、10分もしたらきっと誰か入ってくるさ!」



……4時間後

唯「こー、こー……ココア!」

紬「えーっと……朝日!」

澪「ひ、ひ……日傘」

梓「さいとうたかを」

唯「ほらりっちゃん、次は『を』だよ」

律「おう!を…を…………『を』ってなくね?」

唯「はいそれじゃありっちゃんの負け―!」

梓「律先輩……」プッ

律「梓が強すぎるのが悪いんだー!なんだよさいとうたかをって!」

澪「それにしても長かったな……」

紬「もう3時間もやってたのね」

律「うう……、罰ゲームとはいえケーキ1週間抜きはつらい……って違うだろ!」

梓「なにがですか?」

律「……誰かが来るまで待つ作戦」

唯「あ」

紬「そういえば結局誰も来なかったね」

梓「もう8時ですし、さすがにもう残ってる生徒もいませんよね……」

律「もしかしてこのまま朝まで……」

唯「そんなぁ……おなかすいたよぅ……憂のご飯が食べたいよぅ……」グスン

澪「……なあ」

紬「どうしたの澪ちゃん?」

澪「もう学校内には私たち以外誰もいないんだよな?」

律「こんな時間だしな。だから困ってるんだよ」

梓「もうトイレに入ってくる人もいないでしょうし、いったいどうしたら……」

澪「……だったら個室から出ても誰にも見られないんじゃないか?」

全員「……あっ」


ガコン ジャー

唯「……ふぅ、これにて一件落着!」

梓「私、本当に朝まであのままかと思いました……」

澪「それにしてもどうしてこんな簡単なことに気付かなかったんだろうな」

律「だな。くそー、途中で気付いていたらもっと早く帰れたのに……」

紬「まあまあ。でも無事に帰れたんだからよかったじゃない」

唯「だね!ではそういうことで……」




■△■①②③④⑤⑥■
入口          ■
■■■■■■■■■■

○=個室
■=壁
△=掃除用具倉庫


ちなみにトイレの中はこんな感じになっています


唯「それではここでクイズです!私たちはついさっきまでトイレの個室から出られなくなっていたわけですが……」

律「5人はいったいどのような並びでトイレの個室に入っていたのでしょうか!」

紬「個室の数は6つ……つまりひとつだけ誰も入ってない空いた個室があるから気をつけてね」

澪「最初に一つだけヒントを教えるぞ。『律が入っているのは壁際の個室ではない』」

梓「残りのヒントは本文中に隠れているので頑張って探してみてください。あっ、ちなみにしりとりの順番は関係ないですよ?」

唯「それじゃあ頑張ってね!」


おしまい



最終更新:2011年06月05日 18:11