――商店街――――――

純「う~~ん よく寝た~」

憂「もう、純ちゃんなかなか起きないんだから」

純「ごめんごめん 気持ちよくってさ

  それで、何買うの?」

和「夕ご飯のおかずなんだけど、何がいいかしら」

純「え~っと・・・か、カレー・・・とか?」

和「カレーね、どう?憂」

憂「うん、いいんじゃないかな

  たくさん作ってもあとでお姉ちゃんやお父さんとお母さんと食べられるし」

純「じゃ、それで決定で!」

和「でもカレーじゃまた3人で分担しにくいわね」

憂「そうだね、みんなでお料理するのはまた今度かな」

純「えっと、じゃあ野菜の皮剥きとかやるよ・・・?」


――四時過ぎ 商店街 買い物後――――――

純「ふぅ、結構な時間買い物しちゃったね」

和「そうね それに空も曇ってきたし

  天気予報だと雨が降るみたいだから早く帰りましょ」

純「雨かぁ 前に憂の家に泊まった時のことを思い出すなぁ」

和「へぇ、いつ?」

憂「お姉ちゃんや和ちゃんが修学旅行に行った時にね

  今日みたいに純ちゃんと梓ちゃんが遊びに来てくれたんだ」

純「雨の中バッティングセンターに行ったり、学校にトンちゃんにごはんあげに行ったり・・・

  あれ?そういえば今夏休み中だけどトンちゃんはどうなってるの?」

憂「休みの間は梓ちゃんが家で世話してるみたい

  でも今は梓ちゃんは合宿で、両親も出かけるからって私の家であずかってるんだ」

純「へー、そうなんだ  ねぇ、憂の家って明日まで憂しかいないんだよね?」

憂「うん、そうだよ?」

純「それじゃ、今回も憂の家にお泊りって事で! 和先輩も泊りますよね?」

和「え?え、ええ じゃあ泊ろうかしら」

憂「ほんとに!?いいの?」

和「憂だって一人でいたら不安でしょ?

  寂しさだけじゃなくて、もし強盗とかきたらね・・・ と、いうのもあるけど

  久しぶりだし、憂と純ちゃんと今日はもうちょっと一緒にいたい、っていうのが本音よ」

純「決まり! じゃあ雨が降る前に早く荷物置いて、着替え取ってこなきゃ」

憂「ありがとう じゃあ二人が着替え取りに行ってる間にご飯作っておくね

  せっかく遊びに来てもらったのにお茶しか出してないし、これぐらいはしたいから」

和「そう、なら頼むわね」

憂「うん! さぁ、雨降っちゃうから急ごっ!」


――六時前 平沢家――――――

憂「よし お料理終わりっ」

憂(そろそろ和ちゃんと純ちゃんが戻ってくるかな)

ピンポーン

憂「はーい」

ガチャ

憂「和ちゃんおかえり~」

和「ただいま って、私の家じゃないけどね」

憂「ふふっ あ、これからトンちゃんにごはんあげるけど和ちゃんも一緒にあげようよ」

和「そうね しばらく見てないけどトンちゃんは大きくなった?」

憂「初めて見たときよりちょっと大きくなってるよ

  トンちゃんはお姉ちゃんの部屋にいるから先に行ってて ごはん持ってくるから」


――平沢家 唯の部屋――――――

ガチャ

和「唯、お邪魔するわよ ・・・なんてね」

和(・・・・・・静かね)

トンちゃん「・・・」プクプク

和「トンちゃん、元気だった?」

トンちゃん「・・・」プクプク

和「ふふっ 元気に育つのよ」

和(それにしてもやっぱりこの部屋、この家にはたくさんの思い出が詰まってる

  私と、唯と、憂と、純ちゃんやけいおん部のみんな)

和(・・・・・あっ これ、唯のギターね)

和(・・・・・・)

唯(和ちゃん!見てみて~ かっこいいでしょ!)フンスッ

唯(ほら、和ちゃん! もうこんなに弾けるようになったよ)ジャーン

和(唯・・・)

ガチャ

憂「和ちゃんおまたせ~」

和「あ、ああ 憂 遅かったわね」

憂「さっきちょうど純ちゃんも来たから チャイム聞こえなかった?」

和「そう、ちょっとボーっとしてて聞こえなかったわ それで純ちゃんは?」

憂「ちょっと着替えるから先にトンちゃんにごはんあげててって」

和「じゃあ早くあげましょ きっとお腹すいてるわよ」

憂「うん はいトンちゃん ごはんだよ」

憂「さてと、トンちゃんにごはんあげたし私たちもごはん食べようよ」

和「・・・ねぇ憂 唯たちが卒業したら、トンちゃんはどうなるのかしら」

憂「え?」

和「トンちゃんだけじゃない 憂だってどうするの?

  唯や私だってもしかしたら遠くに行って、今までみたいに会えなくなるかもしれないのよ」

憂「ちょ、ちょっと和ちゃん どうしたの急に」

和「あっ・・・いや、ごめんね 憂」

ガチャ

純「ひー 途中で雨に降られて濡れちゃったよー」

憂和「・・・・・・」

純「あ、あれ?取り込み中だった?」

憂「ううん、何でもないよ純ちゃん」

和「あら、純ちゃん その大きな荷物は何?」

純「これですか?ふふふ、じゃーん 私のベースです!」

憂「さっき前に純ちゃんと梓ちゃんが泊りに来てくれた時の話したでしょ?

  あの時トンちゃんにごはんあげに学校まで行って、それで三人でセッションしたの」

純「それで、せっかくだから今回もって思って持ってきたんです」

和「へぇ でも憂は楽器はどうするの?」

憂「前の時は学校にあったオルガンだったけど、今日はお姉ちゃんのギター!

  たまに触らせてもらったり、お姉ちゃんからも私がいない間にギー太の手入れよろしくねって言われてるから

  でも、私と純ちゃんはいいけど和ちゃんはどうするの?」

純「そういえば・・・ 和先輩、実は楽器できたりとか・・・・しないですよね」

和「もちろんできないわ でも聴くだけでいいし、憂と純ちゃんの演奏が聴きたいわね

  けいおん部の演奏はよく聴いたけどあなたたちの演奏は聴いた事がないし」

純「わかりました よーし じゃあ1曲やるよ憂! 梓や唯先輩たちに負けないような演奏を」

憂「うん 和ちゃん、しっかり聴いててね!」

和「ええ、期待してるわ」

ジャカジャカ ジャーン

純「・・・ふぅ」

和「二人とも、とっても素敵だったわ」パチパチパチ

憂「ありがとう和ちゃん あ、それでね」

和「なにかしら?」

憂「さっきの質問の答え、もしかしたらこれなんじゃないかな」

和「そう・・・うん わかったわ」

純「何?何の話?」

憂「秘密っ ねぇ和ちゃん、今度は私たちの演奏と一緒に歌わない?」

和「えっ?」

憂「和ちゃんも一緒にいるんだから、演奏はできなくても一緒に音楽をつくろうよ!」

純「それいいね憂! 和先輩、歌いましょうよ 絶対楽しいですよ」

和「まったく・・・ でもいいの?私あまり歌上手くないわよ?」

憂「和ちゃんは歌上手いよ!謙遜しなくても大丈夫だよ はい、これ」

和「?これは?」

憂「歌詞だよ 歌い終わったら夕食にしようと思って

  お姉ちゃんたちの曲の中からそれに合った歌を探してきたの」

和「そうなの でも、この歌詞はちょっと恥ずかしいわね・・・///」

純「よし、じゃあ始めるよ憂」

憂「うん純ちゃん」

和「ちょ、ちょっとまだ心の準備がっ///」


――七時 平沢家 リビング――――――

憂純和「「いただきます」」

和「・・・・・・」モグモグ

憂「和ちゃん、謝るから機嫌直して・・・」

純「でもまさか和先輩が顔を真っ赤にしてしどろもどろに歌うなんて・・・くくっ」プッ

和「・・・・・・」モグモグ

憂「ちょっと純ちゃん!」

純「ごめんごめん でも、普段見れない意外な姿が可愛くて」

和「はぁ まったく誰よ、あんな恥ずかしさ満点の歌詞を考えるのは!

  唯もあんな歌をよく恥ずかしがらずに歌えるものね」

憂「だったら歌わなければよかったのに・・・」

和「だってせっかく二人が誘ってくれたのに歌わないわけにはいかないでしょう?

  楽器のできない私でもできるのはそれくらいしかないし」

憂「そんなに考えてくれて・・・ ありがとう和ちゃん!」

純「すいません和先輩 普段とのギャップについつい笑っちゃって・・・」

和「いいのよ、もう ただ、今度からは普通の曲にしてね・・・?」

憂「うん でも、今度はさ、和ちゃんも楽器やってみない?すごく楽しいよ」

和「う~ん・・・そうね 受験も終わったら考えてみるわ」

純「始めたら和先輩も一緒に演奏しましょうよ!」

憂「お姉ちゃんや梓ちゃんたちとも、みんなでやるのもとっても楽しそうだね」

和「もう、私まだ始めるとは言ってないわよ でもいいわね、そういうの」

憂「和ちゃんの楽器は何がいいかな?」

純「バイオリンとか似合っててかっこいいんじゃないかな!」

和「はいはい、勝手に話を進めないでね」


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最終更新:2011年06月05日 20:22