LOSTHIGHWAY

律「夢……か?」

シーン

律「これも夢なのかなあ……」

シーン

律「もうわかんないや……」

シーン

律「私、誰とここに来てたんだっけ……」

シーン

律「唯?」

シーン

律「さわちゃん……?」

シーン

律「……」

澪「こら、律。こんなところにいた!」

律「ひゃあっ!」

澪「な、なんだよ……そんなに驚くなよな……」

律「み……澪? 澪なのか?」

澪「はぁ? 何当たり前の事言っ……」

ギュッ

律「みお、みおぉ……」ギュッ

澪「バ、バ、な、なにくっついて……」

律「う、うっ……」ギュッ

澪「律? もしかして、泣いてる……のか?」

律「だ、だってぇ……グシッ、み、みおがいるんだもん……」

澪「……おかしな奴だな。当たり前だろ、私はここにいるんだから」

律「みお、みお、みお……」ギュッ

澪「……よしよし」ナデナデ

律「澪、一緒。一緒にな……帰ろう」

澪「ははっ、当たり前だろ。律とはずっと一緒だよ」

律「うん……うん……」

澪「ほら、泣くなよ。手繋いでやるからさ」ギュッ

律「澪……冷たい手してるんだな」クスッ

澪「お前が暖かすぎるんだよ」クスッ

律「ふふっ、澪……」ギュッ

澪「ずっと一緒だからな、律」

澪「ずっと……」

ドゥ ドゥ

ドゥ ドゥ

……。

律の部屋

律「……あれ」

律「頭がボーッとする……」

律「なんだか、ずいぶん長く寝てたなぁ……」

律「……あ、今日は金曜日か。学校行かないと」

律「いってきま~す」

タタタタッ

……。


教室

律「ああ、頭いて~。寝すぎたな……」

唯「おはようりっちゃん」

澪「律、おはよう」

律「ああ、おはよう二人とも」

唯「りっちゃん、なんだか顔色悪いよ?」

澪「また夜更かしでもしてたんじゃないのか?」クスッ

律「うるへ~。私だって具合の悪い時ぐらいあらぁ」

澪「ははっ、そんだけ喋れればとりあえずは大丈夫みたいだな」

律「ふんだ」プイッ

紬「ふふっ、みんなおはよう~」ワクワク

唯「あ、ムギちゃんおはよう~」

紬「うふふ~」ワクワク

澪「どうしたんだ、随分楽しそうじゃないか。何かあったのか?」

紬「実はね~、ちょっとすごい物が手に入ったの~」

律「?」

唯「え~、なになに~?」

紬「ふふっ、じゃ~ん」ピラッ

澪「なになに……LOSTHIGHWAY? イベントのお知らせ?」

律(あれ、これって……)

唯「ん、一体何?」

紬「クラブのイベントなんだけどね、もう。これがすごい興奮するイベントなのよ!」

紬「確か、DJ……なんだっけ。カシマシじゃなくて、マスラオでもなくて

……」

律「……ヤギハラ」

紬「そうそう、それよ! りっちゃんよく知ってたわね!」

澪「へえ、意外だな。律がこういうクラブの事に詳しいなんて」

律「ん……いや、まあな」

紬「でね、みんなでこのイベントに行かない?」

唯「なんだか面白そう~」

ドゥ ドゥ

澪「ふふっ、たまにはこういうのもいいかもな」

ドゥ ドゥ

紬「あとで梓ちゃんも誘ってみるから、みんなで行きましょう。もちろん

、りっちゃんもね」

ドゥ ドゥ

律「あ、ああ……そうだな」

ドゥ ドゥ

ドゥ ドゥ

ドゥ ドゥ

紬「ふふっ、決まりね。じゃあ日曜日、10時に駅前に……」

ドガラゥ トラッ゙ゥ

さわ子「はいはい、みんな席について~」

ドゥ ドゥ

澪「あ、先生だ……」

ドゥ ドゥ

唯「みんな、また後でね~」

ドゥ ドゥ

さわ子「じゃあ出席を~……」

ドゥ ドゥ

律「……なあムギ」

ドゥ ドゥ

紬「ん、な~にりっちゃん」ヒソヒソ

ドゥ ドゥ

律「……あとでさ」

ドゥ ドゥ

律「さわちゃんも誘ってみないか?」

ドゥ ドゥ

紬「まあ、いいわねそれ」

ドゥ ドゥ

さわ子「田井中さん、琴吹さん!」

ドゥ ドゥ

律「は、はい!」

ドゥ ドゥ

さわ子「丸聞こえよ、喜んで私も行くわ」

ドゥ ドゥ

律(あ、頭痛い……)

ドゥ ドゥ

律(ああ、早く授業終わんないかな)

ドゥ ドゥ

律「さわちゃんも一緒か~」

ドゥ ドゥ

律「……ニガー。なんだよこの飲み物

ドゥ ドゥ

律「あれ? 澪……なんでここに……」」

ドゥ ドゥ


ああ、もう私。

何が夢で、今どこにいるのかもわかんないや。


ドゥ ドゥ

ドゥ ドゥ



※紬



まもなく、電車が向かいのホームから……。

紬「遅いなあ、澪ちゃん」

紬「約束の時間を30分も過ぎてる……」

紬「電話も出ないし、大丈夫かなぁ……」

紬「……」

タタタタッ

紬「あら」

澪「ご、ごめ~んムギ! 待ち合わせの時間間違えてたよ!」

紬「澪ちゃん。よかった、心配したのよ~」

澪「本当にごめん! せっかくムギが時間作ってくれたのに……私が遅れるなんて」

紬「大丈夫よ。こうやって来てくれたんだし、気にしてないわ」ニコニコ

澪「ムギ……」

紬「……それにね、今電車が事故でしばらく出発しないらしいのよ」

澪「え、そうなのか?」

紬「だから、気にしないで大丈夫よ」

澪「ん……ありがとうムギ」

澪「私、ちょっとトイレに行ってくるよ」タタタタッ

紬「いってらっしゃ~い」

……。

……。

間もなく、2番線の電車が出発します。

駆け込み乗車は大変危険ですので……

紬「あ、あら。もう直ったのかしら?」


タタタタッ

澪「ふう、お待たせ」

紬「あ、澪ちゃん。電車もう出るみたいよ~」

澪「え、もう? 随分早いんだな」

紬「ね~」

澪「じゃあ、乗りますか」

紬「うんっ! ふふっ、澪ちゃんとお出かけ~」

プシュー

……ガタン

ガタン ガタン

ガタン ガタン ガタン ガタン

【}=事/$の\%~%%停あ%&止さー゙[)##+`{|^<な=:「」\%・・】

ピーーーーー


ガタン ガタン

澪「ふう、落ち着いたな」

紬「ね。あ、今日はこれからどうする?」

澪「ん~……ムギが決めた通りでいい。私は合わせるよ」

紬「えっ? わ、私何も決めてないわよ。澪ちゃんが誘ってくれたからつ

いてきただけで……」

澪「私が? 電話をくれたのはムギだろう?」

紬「ええっ?」

紬「わ、私電話なんかしてないわ……」

澪「私だって……」

紬「き、きっと澪ちゃん忘れちゃったのよ。遅刻だってしちゃうくらいだ

から、ね?」

澪「ん~、そうなのかな~……」

紬「……」

澪「……」

紬「でも私」

澪「私さ」

「「電話した事なんて覚えていないの」」

紬「おかしい……よね」

澪「おかしい、な」

ガタン ガタン

ザザザザザッ

ザザザザザッ

澪「……なんだか、眠くなってきたな」

紬「え、澪ちゃん大丈夫?」

澪「け、結構ダメかもしれない……」クラッ

紬「ま、待って澪ちゃん。せめて目的地を決めてから」

ザザザザザッ

ザザザザザッ

ザザザザザッ

澪「ん~……そもそもこの電車って、どこ行きだっけ?」ウトウト

紬「えっ……」

ザザザザザッ

澪「……くぅ」

ザザザザザッ

紬「私も……眠い」

ザザザザザッ

澪「すぅ、すぅ」

ザザザザザッ

紬「くぅ……すぅ」

ザザザザザッ

ザザザザザッ

ガタン ガタン

紬「……あら? 私、寝ちゃってた?」

ふふっ、こんにちわ。

紬「きゃっ!」

そんなに、怖がらなくていいよ。

ボクはただ話がしたいだけなんだから。

紬「ご、ごめんなさい……あの、君は?」

ボクの事なんてどうでもいいよ。

ボクはただ……。

ガタン ガタン

紬「……あら?」

紬(今のは……夢?)

紬「妙にリアルで、変な夢……。ねえ澪ちゃん、今どの辺りかしら……」

シーン

紬「澪……ちゃん?」

ガタンガタン

ガタンガタン

紬「澪ちゃんが、いなくなっちゃった……?」

紬「う、嘘でしょ?」キョロキョロ

キョロキョロ

澪「……」

紬「あ、いた。澪ちゃ……」

澪『はぁ』

澪『なんで、こんな所来ちゃったんだろうなあ』

紬「え……」

澪『ムギにはああ言った手前、嫌な顔出来ないしな~……』

紬(え、な、なによこれ)

紬(どこから……聞こえてくるの?)

澪『重いなあ。席に戻ったら、何話そう』

澪『大体、ムギって絡みにくいんだよな……』

澪『そりゃあケーキやお茶をくれるのはありがたいけど。逆に……なぁ』

紬(これは……澪ちゃんの)

紬(心の声、なの?)

ふふふっ、扉の奥へ行ってごらん。

紬(……)

もっと面白い声が聞こえるよ、こんなに楽しい遊びはなかなかないよ。

紬「……」

澪「あ、ムギ。起きてたんだ。ちょっと行き先を見ててさ……」

紬「……」タッタッタッ

澪「ん、どっか行くのかムギ? ……なあ、聞いてるのかムギ?」

紬「……」タッタッタッ

澪「ムギ……?」

紬「ついてこないで」

ガラッ……ビシャッ!

澪「……ムギ?」


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最終更新:2011年06月05日 23:20