訓練当日!
ミホ「ダイヤモンドフォース、エメラルドフォース、及びサウンドフォースのスタンバイ完了!」
サリー「カタパルトスタンバイ!いつでも発進できます!」
マクシミリアン「よし!」
ブォーン!ブォーン!ブォーン!
ピッ!
ガムリン「D1からS1、S2、S3へ!ただいまから訓練を開始する!」
律紬梓「はい!」
唯「らじゃー!」
澪「はい…」
ガムリン「心配することはない。昨日講習でやったとおりの運転をしてくれればいい。」
澪「はい。」
ガムリン「それでは発進準備!」
ミレーヌバルキリー内!
狭い空間の中で様々な計器の音やオペレーターのスタンバイする声が聞こえる。
恐怖とも緊張とも形容しがたい感覚が全身を覆う。
3、2、1、ゼロ!
ブヲーーーーーーン!!!!
澪「う、うわっ…!」
射出と同時に、これまでの人生で経験したことのない急加速に襲われる。
恐怖を味わう前に血の気が引いて行き、ジェットコースターさえ苦手な私は本当に失神しかけた。
ピッ!
(ガムリン「澪さん大丈夫ですか?スピードに慣れるまではたいへんでしょうけど無理はしないでください!」)
澪「は、はい!」 ハアハア
ピッ!
(紬「S1からS3へ!聞こえますか!」)
澪「う、うん、聞こえてるよ。」
(唯「絶好調だよ~♪」)
ビューーーン! ビューーーーン!
唯と梓の乗るファイヤーバルキリーが曲芸飛行の様な軌跡を描く。
飲み込みが早いと言うべきなのかもしれないが、いろいろな意味で目を疑ってしまった。
澪「まじめにやれ!」
ファイヤーバルキリー内!
唯「えへへ~。」
ファイヤーバルキリー内!
唯「えへへ~。」
ピッ!
(ドッカー「俺はエメラルドフォースのドッカーだ!俺たちが敵役をやる。お嬢さんたち、手加減はしないからな。ははは」)
ピッ!
(律「望むところだ!」)
唯「どっか行け!!」
(ドッカー「おいおい…」)
梓「唯先輩、ふざけないでください!!」
唯「えへへ~。」
ピッ!
(ガムリン「我々ダイヤモンドフォースが君たちのフォローをする。極力エメラルドフォースの弾を回避してくれ!」)
梓「はい!」
唯「了解であります!隊長!」
ストームバルキリー内!
バババッバババババババッ!
律「よっしゃーー!!」
ピシューーン!ピシューーン!
紬「律っちゃん操縦上手~い♪」
律「えへへ~//」
ファイヤーバルキリーもストームバルキリーも見事にバルカンやレーザーを回避する。
私はただただおびえながら、背後でそれを見守っていた。
ドカーーーーン!
(ドッカー「おい、どこ見てやがる。へへ」)
(ガムリン「おいドッカー!やりすぎだぞ!」)
(ドッカー「戦場では誰も手加減なんかしてくれないぜ!」)
律「くっそ~!」
紬「私もがんばる!」フンス
ミレーヌバルキリー内!
ピッ!
(律「おい澪~、大丈夫か~?」)
澪「う、うわぁ~~!」
バババン!ドド~ン!
(律「あちゃ~。」)
ピッ!
(ガムリン「D1からS3へ。フォーメーションを崩すな!もっと我々の後方に回り込むんだ!」)
澪「は、はい!」
バトルセブン艦内!
エクセドル「まずまずのようですなぁ…」
マクシミリアン「ああ。まだまだ実戦には投入できそうもないが、なかなかセンスがある。」
エクセドル「スピリチアレベルの高いものはバルキリーの運転にも向いているのかもしれませんな。」
ブオーーーーン!ブオーーーーン!ブオーーーーン!
マクシミリアン「どうした!?」
サリー「艦長!デフォールド反応です。前方から巨大艦隊とバトロイドが接近中!」
エクセドル「敵襲ですなぁ…」
マクシミリアン「こんな時に…」
マクシミリアン「バルキリー隊、スクランブル発進!」
ミホ「了解!」
マクシミリアン「ダイヤモンドフォース、エメラルドフォースはサウンドフォースを安全空域に退避させた後迎撃に向かうように!」
(ガムリン「了解です!」)
(ドッカー「了解!」)
宇宙空間に突如現れたのは数機の戦艦と数百機の紫色のロボット。
私たち5人は周りの状況を察して、促されるまま後方に退避した。
キム「艦長!敵バトロイドのデータです!」
マクシミリアン「なに!?エルガー、ゾルンだと…!?」
エクセドル「エルガーゾルンといえばプロトデビルンのときも…」
マクシミリアン「ああ。しかしプロトデビルンが再び攻撃を仕掛けてくるなんてことは…」
エクセドル「ではいったい…?」
サリー「敵バトロイド内部に生体反応がありません!」
エクセドル「無人機ですな。」
バルキリーのバルカンやミサイルは全て紙一重でかわされる一方で、敵のレーザーはことごとく命中し、一機、また一機と撃墜されていく。
ミホ「艦長!バルキリー隊、圧倒的劣勢です!」
マクシミリアン「くそ…。いったいどういうことなんだ…。」
ガムリン機(VF22)内!
ガムリン「D1からD2、D3へ。相手は無人機だ。フォーメーションFに切り替え敵機を撃ち落とす!」
(ディック「了解!」)
(モーリー「了解!」)
ガムリン「サウンドフォース、及びシティ7に一機たりとも近づけるな!」
ババババババッ!!
ガムリン「ぐ、ぐわぁっ!!」ドドン
ピッ!
(マクシミリアン「D1!いったいどういうことだ!」)
ガムリン「今までのエルガーゾルンと全く動きが違います!!」
バトル7ブリッジ!
マクシミリアン「動きが、違う?」
エクセドル「機体の性能は同じはずですがなぁ…」
(ガムリン「なんというか、動きをすべて先読みされている感覚であります!」)
ミホ「各バルキリー隊、撃破され戦線を離脱!このままでは壊滅してしまいます!」
マクシミリアン「フォールド(ワープ)まで何分かかる?」
サリー「フォールドエネルギー充填まで、約75分!」
マクシミリアン「遅すぎる…」
エクセドル「お手上げですなぁ…」
ストームバルキリー内!
バババババババッ
律「かなり劣勢みたいだな。」
紬「ガムリンさんたち、大丈夫かしら…。」
律「クソっ!私たちじゃなにもできないのか。」
その時、唯が突如歌いだした。昨日覚えたばかりのFIRE BOMBERの歌だ。
(唯「さぁ始まるぜsaturday night♪調子はどうだい♪Let's stand up!ビートを感じるかい~♪」)
紬「唯ちゃん…」
律「唯…」
(唯「ここは空飛ぶパラダイス♪忘れかけてるエナジー…」)
律「よし!私たちも行くぞ!」
紬「うん!」
律「S1からS2、S3へサウンドフォースも戦闘空域へ向かう!!」
(梓「はい!」)
(澪「え、ええ…?」)
タタンタンタンタンタン♪
唯の歌、律のドラムに続いて皆の演奏が始まる。
律「いくぞーーーーーっ!!」タカタカタカタカ!
ミレーヌバルキリー内!
(唯「さあはじまるぜSaturday night!調子はどうだい♪Lets stand up!ビートを感じるかい~♪」)
ピッ!
(律「澪!なにやってるんだ!歌うぞ!うぐっ…」ドドーンッ)
澪「む、無理だ…」ガクガクブルブル
ピッ!
(梓「澪先輩!」ババババッ)
ドドーンッ、ドーンッ!
先行したファイヤーバルキリーの通信からは明らかに撃たれている音が聞こえる。
澪「」ガクガクブルブル
ピッ!
(ガムリン「君たちはなにをやっているんだ!危ないぞ!」)
澪「は、はい…」ブルブル
バトル7ブリッジ!
ミホ「艦長!サウンドフォースが戦闘空域へ突入しました!」
マクシミリアン「いったいどういうつもりだ…。」
エクセドル「歌っていますな。」
マクシミリアン「千葉、歌エネルギーはどうだ?」
千葉「3000チバソング…、まだまだサウンドブースターを起動できるレベルではありません…」
マクシミリアン「やはりダメか…」
エクセドル「やはりバサラ君たちの代わりというのには荷が重すぎましたかなぁ…」
ミレーヌバルキリー内!
(梓「澪先輩!」)
(紬「澪ちゃん!」)
澪「」ガクガクブルブル
グババ「キィーーッ」
(唯「ここは空飛ぶパラダイス♪忘れかけてるエナジー♪」)
澪「」ブルブル
(唯「now hurry up!取り戻そうぜ~♪」)
澪「(唯が…、唯が歌ってる…)」
グババ「キィ…」
私はなんだか自分が情けなくなってしまった。
こんなんじゃいけない。こんな私を変えてくれた仲間たちががんばっているのに!
(唯「No more wastin´ time!まるで夢のように♪何もかも流されてしまう前に~♪」)
澪「くっそ…、私も!!」ボンボボーン♪ボボーン♪
(律「澪っ!!」タンタターン!タカタカタカ!)
澪「Hey everybody!光を目指せ!踊ろうぜ!dancin´ on the planet dance!」
グババ「キィ~♪」
バトル7ブリッジ!
(澪「諦めのsad song♪嘘つきは歌う♪No thanks!お呼びじゃないぜ~♪」)
千葉「これはいったいどういうことなんだ!5人揃った瞬間に歌エネルギーが跳ね上がった!!」
エクセドル「共鳴効果というやつですかな…」
(澪「変わり続ける星座と♪見えない汗となみだが♪into my heart!勇気をくれる♪」)
千葉「よし、これならいける!サウンドブースター射出!」
(唯澪「No more wastin´ love!愛を無駄にするな♪」)
ミレーヌバルキリー内!
ガシィーーン!
サウンドブースターと呼ばれる大きなスピーカー状のユニットが私たちのバルキリーに装着される。
(ミホ「サウンドブースター、ドッキング完了!」)
澪「お前だけを、誰かが見つめてるはず~♪」
(律「敵が撤退していく…。澪、すごいぞ!」タンタタンタタン!)
ドドーン!ドーン!
澪「ぐッ…、Hey everybody!心のままに!叫ぼうぜ!Junmin' on the planet dance♪」
(ガムリン「澪さん!その調子です!」)
バトル7ブリッジ!
ビシューーーン!
サウンドブースターを通した私たちの歌は、サウンドビームと呼ばれる光の矢となって敵に放出される。
千葉「すごいぞ!サウンドブースターが起動している!」
キム「艦長!敵機が後退していきます!」
エクセドル「サウンドビームが効いているようですなぁ…」
(唯澪「Hey everybody!Hey everybody♪Hey everybody!…」)
マクシミリアン「なんとかしのげたようだな…」
バルキリー前!
ガムリン「君たち、今日は突然こんなことになって申し訳ない。」
律「いいのいいの!」ポンっ
ガムリン「本当に助かった。」
唯「えへへ~。」
紬「澪ちゃん、大丈夫?」
澪「」ガクガクブルブル
梓「また立ったまま気絶してますね。」
ガムリン「とにかく今日はゆっくり休んでくれ。」
唯律紬梓「はいっ!」
バトル7ブリッジ!
プシュー(ドア)
ガムリン「失礼いたします!」ビシッ
マクシミリアン「ガムリン、彼女たちはどうだ?」
ガムリン「ただいまシティ7内の宿舎へと案内いたしました。」
マクシミリアン「戦力として使えそうか?」
ガムリン「バルキリーの操縦技術もセンスがありますし、音楽的な実力も申し分ありません。しかし…」
マクシミリアン「しかし?」
千葉「ええ。10万チバソングを越えたとは言え、バサラ君達には到底及ばない…」
エクセドル「敵はそのバサラ君たちを封じ込めたわけですからなぁ…」
マクシミリアン「無駄死にはさせられない、か…」
ガムリン「はい。」
マクシミリアン「確かに敵が何者かさえ分からない現状ではな…」
サリー「艦長!調査班がエルガーゾルンコクピットに人型の生命体を発見いたしました!」
マクシミリアン「なに!?生体反応は無いのではなかったのか?」
サリー「はい。しかし…」
マクシミリアン「映像をこちらに回せ!」
…………………
モニター映像
??「スピィー…、クカカカカカッ…」
ピシュン!
…………………
モニターに映されたのは3対の手を持つ悪魔の様な形相のエイリアン。
目に怪しい光を携えたまま数秒で消えていった。
エクセドル「プロトデビルンではないようですなぁ…」
マクシミリアン「生体データは?」
サリー「それが、全て反応がありません!」
マクシミリアン「いったいどういうことなんだ…」
最終更新:2011年06月08日 20:41