和「生と死をつかさどる神よ。」
紬「律っちゃん…。」
澪「そんなの関係ない!律を取り戻しに行くぞ!」
エクセドル「しかし私たち自身の根源、宇宙の根源などと戦えるものなのですかな。」
プシュー(ドア)
バサラさんが突如退室しようとする。
ミレーヌ「ちょっとバサラ!何処行くのよ?」
バサラ「ここで待ってたってしょうがねえだろ!」
レイ「しょうがないって言ったって…。」
バサラ「銀河に俺の歌を響かせてやるのさ!」
澪「私も行きます!」ガタッ
プシュー(ドア)
ガムリン「そんな無茶苦茶な…、相手はどこにいるのかすら分からないんだぞ!」
紬「行っちゃった…。」
和「あながち無茶ではないかもしれません。」
エクセドル「と、言いますと…?」
和「“彼のもの”は時間や空間を生みだした存在。もし遺跡やウパニシャッドに書かれた通りならばいつ、どこにいても想いや歌は届くことになります。」
千葉「なるほど。敵が現れないにしても何らかの反応があるかもしれない…。」
マクシミリアン「よし、各バルキリー隊緊急配備!オペレーションコード“ぴゅあぴゅあはーと”!」
「了解!」
マクシミリアン「シビル、和君、君たちもブリッジに来てくれ。オペレーターとして協力願いたい。」
和「分かりました。」
シビル「分かった。」
和「唯、気をつけてちょうだいね。」
唯「うん、いっしょに帰ろうね!」
バルキリー前!
バサラさんと私だけが先にバルキリー前へ到着した。
澪「よし。」タッタッ
これからまたこの兵器に乗って、戦場へと向かう。
しかし私の心は不思議と落ち着きはらっていた。
澪「バサラさん…。」
バサラ「どうした?」
澪「私たちの歌、敵に通用しますかね?」
大丈夫さ。―そんな分かり切った答えをバサラさんの口から聞きたかった。
バサラ「敵なんていねえぜ。」
澪「!?」
バサラ「あるのは、あいつらを“敵”だと思う俺たちの心だけだ!」
澪「は、はい!」
何か私の心の視界が大きく開けた気分だった。
バサラ「ボンバー!」
私たちはバルキリーに乗り込んだ。
宇宙!
宇宙空間に浮かぶエリザベスとファイヤーバルキリー。
マクロスセブンを背景にバサラさんが宇宙へ語りかけるように歌いだす。
バサラ「耳をすませば~、かすかに聞こえるだろ、ほら~、あの声~♪」
澪「(律…。)」
バサラ「言葉なんかじゃ~、伝えられない何か~、いつも感じる、あれは天使の声~♪」
―何読んでるの?
―へえ!みおちゃん左利きなんだ!すごぉい!
バサラ「メロディーは消える~、闇に沁み込むように~、エコー残して~♪」
―どうしたの?
バサラ「静かに降りてく~、ディープブルーのオーロラに~、俺も歌うぜ~♪」
―パイナップル!みおちゃんが、緊張しないようにって!
澪「律…。」
バサラ「信じ続けていたものがある~♪」
―バンド、やろうよ~!
バサラ「バカだと言われたけれど~♪」
澪「律…!」
澪バサラ「変わらなかった~、あの日の夢~♪」
澪バサラ「Angel voice~、見つけたのさ~、地平線の向こうに~♪」
唯たちや、各バルキリー隊が背後から私たちを追いかけてくる。
澪バサラ「キラリ~、光った~、おまえの姿は~、夢じゃなかった~♪」
澪「(感じる…。)」
澪バサラ「流れ流れて行こう~、いつかまた会おうぜ~♪」
バトルセブンブリッジ!
エクセドル「バサラたちが歌ってますな。」
(澪バサラ「瞳~、閉じれば~、いつも心の中に響くAngel Voice♪」)
サリー「艦長、前方に巨大なデフォールド反応です!」
マクシミリアン「よし、モニターを回せ。」
ミホ「か、艦長…!」
エクセドル「いらっしゃいましたな。」
前方から眩いばかりの光を放ちながら“神々”が姿を現す。
サリー「方円の陣でこちらに向かってきます!その数…、分かりません…。」
同心円状の陣形で神々がこちらに向かってくる。
大きいものは数百メートル、小さいものでもバルキリーほどの大きさがあるそれらが向かって来る様は、恐ろしいというよりも壮大である。
(バサラ「心は変わる~、景色と同じように~、仕方ないのさ~♪」)
マクシミリアン「一体何体いるんだ…。」
神々の巨大な軍隊を目の前にして艦長がつぶやく。
和「古典の通りなら300と3柱、そして3000と3柱のヴィシュヴェーデーヴァと呼ばれる無数の神々。」
そこには“アスラ”達の姿もあった。
マクシミリアン「そんなにいるのか!?」
(バサラ「神様なんて~、どこかきまぐれだから~、あてにするなよ♪」)
和「そしてそれらは8柱のヴァス神軍、11柱のルドラ神軍、12柱のアディティヤー進軍、インドラ、プラージャパティの計33柱の神々をよりどころとしています。」
エクセドル「3000体を相手にしてもきりがないということですな。」
和「はい。そしてそれらのよりどころとしてアグニ(火)、大地神、ヴァーユ(風)、空神、太陽神、天神の6柱が内側に陣取っているはずです。」
マクシミリアン「うむ。」
和「さらに内側に3柱、2柱、1柱半と続き、中央に“彼のもの”が位置しているはずです。」
エクセドル「数千の敵を突破しなければ本命にはたどり着けないわけですな…。」
エリザベスバルキリー内!
(バサラ「wo~,wo~,wo~♪」)
澪「(感じる…。確かに中央に律がいる…。)」
(バサラ「wo~,wo~,wo~♪」)
澪「梓、ひとりで大丈夫か?」
一人でムスタングバルキリーを操縦する後輩に呼び掛ける。
(梓「はい、大丈夫です!」)
そのとき、数千の敵の背後が眩いほどに光りだした。
バトルセブンブリッジ!
バシューーーーーーーーーーーン!!!!!!!
マクシミリアン「なに!?」
サリー「アスラの隊群が一瞬にして全滅!!その数、1000を超えます!」
マクシミリアン「フレンドリーファイヤーか?意味が分からない…。」
爆風の中から姿を現したのは巨大な一体の神。
金色の光を纏い神々しく私たちの前に立ちはだかる。
シビル「インドラ…」ブルブル
エクセドル「インドラ?」
和「(どうしてこんな大物が最前線に…?)」
シビル「ヴァジュラの主…。」
マクシミリアン「なに!?ヴァジュラだと?」
和「ええ。ヴァジュラは工技神トゥヴぁシュトリによってインドラに与えられた武器です。」
エクセドル「絶体絶命のようですな。」
エリザベスバルキリー内!
(バサラ「wo~,wo~,wo~♪」)
見たところ“ヴァジュラ”とやらはいない。
しかし危険な相手であることには違いないであろう。
澪「唯、ムギ、梓、気をつけてくれ!」
(紬「うん。マルチスピーカーポッド射出!」)
(梓「ピンポイントバリア展開!澪先輩、後方に回ってください!」)
サウンドバリアとピンポイントバリアで敵の攻撃に備える。
ピンポイントバリアを持たないエリザベス(VF17S改)は唯たちの後方に回る。
澪「ああ。」
そのとき。
キィイイイイイイイン!!
インスタントカメラがフラッシュをたくような高い音が辺りを覆う。
バシューーーーーーーン!!!
インドラから放たれた巨大な稲妻が数百機のバルキリーを撃墜したと同時にバルキリー内が真っ暗になる。
澪「え…。ど、どうなってるんだ。」
前方の唯たちのバルキリー、右前方のダイヤモンドフォースと右後方のサウンドフォースも無事であるが、全く動かない。
バトルセブン、シティセブンも真っ暗だ。
バトルセブンブリッジ!
ミホ「各機体の損傷状況、艦内の損傷状況等一切不明!」
マクシミリアン「非常用電源はどうした!?」
サリー「それが、小さいバッテリーも含めて一切の電源が使えない状況になっています。」
マクシミリアン「どういうことだ!」
和「インドラ…」
インドラがその身体を金色に輝かせ再びエネルギーをため始める。
エクセドル「絶体絶命ですな。」
シビル「バサラ…。」
エリザベスバルキリー内!
澪「誰か、応答してくれ!」
暗闇の中で再び恐怖が襲ってくる。
澪「!?」
澪「聞こえる…!?」
ファイヤーバルキリー内!
バサラ「へへっ…」ジャカジャン~♪
バサラ「行くぜ!」ジャカジャン~♪
バサラ「」ジャカジャン~♪
バサラ「」ジャ、ジャ、ジャ~ン♪
バサラ「振り向くな~、いつだって、情熱の向かう先に~、そこはきっとある~♪」
エリザベスバルキリー内!
澪「聞こえる…!!」
バサラさんのギターストローク!
澪「あんた…、立派なバカだ…。」
澪「砕け散る~、星たちよ~、新しい光となれ!闇を照らせよ~!♪」
ファイヤーバルキリー内!
バサラ「へへっ、燃えてきたぜ!」
バサラ「Long long time、忘れてただけさ~♪」
バサラさんのギターストローク、私たちの歌に皆の演奏が重なり始める。
バトルセブンブリッジ!
(澪バサラ「扉はもう開いているのさ、後は飛び込んじまえよ!♪」)
宇宙空間の黒をバックに輝き始める2機のバルキリー
ミホ「2機のみが動き始めました!!」
(澪バサラ「It’s new forontier!そうさ俺たちここにいると、鐘を打ち鳴らせ!wo~!wo~!♪」)
エクセドル「ファイヤーバルキリーとエリザベスですな…。」
和「澪…」
シビル「バサラ…」
ギータバルキリー内!
紬「澪ちゃん。」
唯「私たちも歌うよ!」
紬「うん!」
(澪バサラ「It’s new forontier!だからもっと胸に火をつけろ~、かけがえのないもの~、解き放つさ~♪」)
バトルセブン艦内!
(澪「目を覚ませ~、感じるさ、魂とこの宇宙が~、クロスしてると~♪」)
サリー「各バルキリー隊、及びマクロスセブンの電源が回復していきます!」
(バサラ「口笛で答えろよ~、その胸にこのメロディー、響かせるから~♪」)
マクシミリアン「こんなことが起こるとは…。」
エクセドル「奇跡、ですな。」
(バサラ「Long Long Way、一歩踏み出せよ~♪」)
(インドラ「ぐッ…」)
サウンドビームが中し、攻撃の手が弱まる。
千葉「サウンドビームも効いているようだな!」
(澪バサラ「心を縛るすべてのものを~、引きちぎれば始まりさ~♪」)
エクセドル「しかし数千の敵を全て撃破するのは不可能ですな。」
マクシミリアン「ステルスで突破することは不可能なのか?」
ミホ「エメラルドフォースのVF19、ガムリン大尉のVF22で試みていますがすぐに感知されています!」
エクセドル「エネルギーそのものを感知されている可能性がありますな。」
マクシミリアン「アクティブステルスでも通用しないのか…。」
エリザベスバルキリー内!
澪「バサラさん!」
(バサラ「ああ!行って来い!」)
律…。
澪「私の歌を聞けーーーーーーっ!!」
私が届けたい律への想い。
そのイントロはバサラさんのギターソロで始まった。
澪「ふでペンFuFu~、ふるえるFu Fu~、初めて君へのgreeting card♪」
皆の演奏が重なる。
ギータバルキリー内!
紬「澪ちゃんがいないわ!」
唯「歌は聞こえるのに、どこにいっちゃったんだろう?」
(澪「ときめいてPassinon!あふれてAction! はみ出しちゃうかもね~♪」)
梓「こっちにも見当たりません!」
バトルセブンブリッジ!
(澪「キミの笑顔想像していいとこ見せたくなるよ~、情熱を握りしめ振り向かせなきゃ~♪」)
ミホ「艦長!HT3を見失いました!」
マクシミリアン「なに!?」
サリー「レーダーにも反応ありません!」
千葉「歌は聞こえるのに歌エネルギー反応もない!」
最終更新:2011年12月12日 22:02