――マサラタウン

朝、先日ポケモンバトルが行われた家の前。

そこにリュックを背負った茶髪の少女がいる

唯「ああ、良い天気!ちょっと日差しが強い気もするけど、出発にはもってこいの晴天だよ」

唯「それじゃぁ、行ってくるよ。」

憂「お姉ちゃん、ちゃんとハンカチは持った?リュー太のモンスターボールは?きずぐすりは?……」

唯「もう、遠足じゃないんだから、大丈夫だよっ、憂。それにリュー太のボールもちゃんと……あれ……?」

 「ああああああ、そういえば昨日机の上においたままだった。取ってくる!」ドタドタ

憂「もうっ、お姉ちゃんったらかわいいんだから」


――10分後

憂「で、お姉ちゃん。なんでリュー太のボールを取りに言っただけのにそんなに荷物増えてるの?」

唯「いやぁ、なんか家にしばらく帰ってこれないとおもうと、離れたくないものが多くて」

てへへと笑った唯の左手には、ぱんぱんに膨らんだ紙袋が握られていた。

唯「ほら、このプリン人形に、ピカチュウ人形、それにカメール人形にピッピにんgy……」

憂「お姉ちゃん、それ持って歩くと疲れちゃうよー。せめて一個くらいにしないと」

唯「え~~、大丈夫だよ~~、それにこんなにかわいい子達なんだから、旅をさせないと~」

憂「もお~、今から旅に出るのはおねえちゃんでしょ。こんなに大荷物で旅なんてできないよ」

唯「え~~、それならこれだけでも」

憂「ほら、お姉ちゃんもたもたしてると日が暮れちゃうよー。オーキド博士の研究所はマサラの郊外だよ。それと……これ」

そういうと、手に握られていた物を差し出した。

唯「わぁ、タウンマップだー!。ありがとね~うい~~~」


――マサラ郊外(オーキド研究所前)

唯「ここが、オーキド研究所かぁ。大きいなぁ」

――誰か誰かおらんか!!

声が響いた

その出所は研究所内。

唯「えっ?なに?」

疑問に思ったのち、目の前にあった扉を開けてみることにした。

疑問に思ったのち、目の前にあった扉を開けてみることにした。

まず目に入ったのは、その惨状

あらゆるところに、モンスターボールが落ちている。

棚や机なども壊されているところも多い

それだけではなく、研究資料や気の蔦のようなものまでところどころに落ちていた

唯「……なにこれ、蔦?しかも千切れてる……」

普通じゃない。そう感じ取ったときにさらに奥から悲鳴のような声が響いた。

あきらかにその声はSOSを求めている。

そして、一気に奥までダッシュした。

そこには

唯「あれは……野生のポケモン……?」

多数の蔓を手足のように操り、老人をしめつけているポケモンがいた。

体中に蔓を絡みつけ、その中の黒い闇の中に浮かぶ目がこちらを見た。

???「モン!!モン~~!」

新たに標的を見つけたそのポケモンは体の蔓をさらに伸ばし、

そして、ムチのようにしならせた。

唯「まずい、ごめん、でてきてリュー太!!」ボンッ

ミニリュウ「リューーー!!」

蔓は出てきた細長い体に遮られる。

だが、蔓は弾かれることはなく、その体に巻きついた。

唯「リュー太っ!!」

蔓は容赦なく締め付ける。

その間も全身に絡み付こうと、一本また一本とミニリュウの体に巻きついていく。

唯「リュー太、電磁波!!そして蔓が緩んだ隙に神速で抜け出して!」

ミニリュウ「リュー!!リューーー!!」ピリピリッ

電磁波による空気の緊張感を確認したミニリュウは神速でぬけだそうとする。

が、蔓の緩む気配はない。

唯「えっ、どうして。きいてないの!?」

ミニリュウの全身が締め付けられ、苦しそうな鳴き声がもれる

???「そいつの特性はリーフガード。こういう日差しが強いときには状態異常にはならんのじゃ!!」

さきほどしめつけられていた老人が叫んだ。

どうやら、ミニリュウに応戦しているうちに老人にまきついていたポケモンの蔓が緩んだようだった

唯「そんな……どうすれば……」

老人「キミの足元にボールがいくつか落ちているじゃろ!!そのボールに入っている赤いモンスターをだすんじゃ!」

足元を見た。

そこには、3つのボールが落ちていた。

唯「えっと、これだよね!ええい、でてきて!!」

???「カゲーー!!」

尻尾に火のついたトカゲのモンスターが吠えた

メラメラとその尻尾の炎は大きく、バチバチッという音も聞こえる。

老人「そのモンスターは火の粉が使える。草ポケモンを相手にするにはもってこいじゃ!」

蔓のモンスターは新たに現れた敵に、さらにつるを延ばしはじめる。

あたりのものを蹴散らせながら蔓は勢いをまし、赤のモンスターに向かう。

唯「トカゲ君、今はちょっとだけ力をかしてね。蔓に向かってひっかく!」

赤のモンスターの鋭い爪がキラリッと光った。

そして、向かってきた全ての蔓を横に回りこみ叩き斬る。

唯「トカゲ君、次はリュー太を助けてあげて!ひのこ!」

メラメラ燃える尻尾を絡み付けられているミニリュウのほうに振った。

バチバチッと音をたてたその火は、蔓を燃やし、そしてその蔓をつたって本体に襲い掛かる。

唯「今だ。ごめんね、リュー太戻って!!そしてトカゲ君。本体のほうにもう一度火の粉」

???「カゲーーーーー!!」

振るった尻尾から放たれた火の粉が、青い蔓を統制していた本体へ向かう。

???「モン……モン……!」ジタバタ

蔓の体は炎に炙られ、ジタバタした。

そして

地面をムチでならし、トレーナーをにらみつける。

唯「……嘘、まだ戦闘するきなの?これ以上やったら……」

黒い闇の体に巻きつけられた蔓の鎧もボロボロになりつつある。

唯「そうだ……!さっきのピッピ人形……!!」

背負っていたリュックから、小さなピンク色の人形をとりだし、

唯「そ~~~れっ!!」

研究所に入ってきた扉のほうへ思い切り放り投げた。

すると、青いモジャモジャのポケモンはそちらに意識をやり、追いかけていってしまった。


――オーキド研究所

老人「いやぁ、危ないところを助けてもらってすまんかった。
   あのモンジャラはおそらく21番水道の草むらからきたモンジャラじゃな。
   気性が荒いやつってわけでもなく、町まで襲ってくることなどないんじゃが……おっと、そんなことより君は……」

唯「私は唯だよ、おじいちゃん。オーキド博士に用があってきたんだけど……」

老人「ほっほう、そうか。ワシがオーキドじゃよ。みんなからはポケモン博士と呼ばれておる。」

唯「ええっ、おじいちゃんがオーキド博士!」

オーキド「それで、唯。ワシになんのかの?」

唯「えっと、用ってわけでもないんだけど、えっと、マサラのトレーナーは博士のところへ行ってから旅立ってるって聞いて……」

オーキド「そうか…君も旅立つんじゃな。……唯、旅立つ前に一つ聞かせてくれんかの?君にとってポケモンとはなにかの?」

「旅のボディーガードかの?それともしもべのような……「ううん、違うよ。ポケモンは友達だよ」

オーキドの声を遮って、強く否定した。

唯「私のリュー太だって、友達だし、さっきの蔓のモンスターとも友達になれたかもしれない。本当はあの子はおだやかな子だったしね」

唯「うん、友達だよ!」

そういって、ニカッと笑った唯に、オーキドは微笑み返した。

オーキド「そうか、こんな質問をしたのは間違いだったようじゃな。それ、これをもっていきなさい」

オーキドは自分の後ろにあった机の上から、赤い手のひらサイズの機械を差し出した。

唯「これは……?」

オーキド「それはポケモン図鑑。ワシの夢じゃよ。この世界のポケモンの記録を作ることそれがワシの夢だった。ほれ、これをみてごらん」

そこには、先ほどの蔓のポケモンが表示されていた。

 No114 モンジャラ
 ブルーの つるしょくぶつが 
 からみあい しょうたいは みえない。
 ちかづくものに からみついてくる。


唯「へぇ、さっきのポケモンはモンジャラって言うんだー。……でも、なんでこんな貴重そうなものを私に?」

オーキド「さっきの答えを聞いて君になら託せるとおもったからじゃよ。そして旅のついでにそいつをうめていってくれると助かるしのう」

唯「……ありがとう、博士!」

オーキド「さて、唯、これからどんな旅になるかは君次第じゃ。しかしどんな旅にでも困難や危険は待っている」

そして、ボールを3つ差し出した。

オーキド「そこでじゃ。この3匹のうち一匹を連れて行く気はないかね?研究用の3匹だが、戦闘能力も優れている。君を守ってくれる友達にもなるじゃろう。君さえよければ連れて行ってやってくれんかの?」

唯「……でも、博士図鑑までもらって、モンスターまでもらっていいの?」

オーキド「いいんじゃよ、この老いぼれと一緒にいるよりかは君と旅立ったほうが成長もできるじゃろうし」

唯「じゃぁ……この子で」ボンッ

???「ーーーカゲー!!」スリスリ

唯「わぁ!!」

しっぽの火が揺らぐ。ボールからでてきたその赤のトカゲは唯に擦り寄った。

オーキド「おや、さきほどの戦いによってずいぶん懐かれたようじゃの。そいつの名はヒトカゲ。炎タイプのポケモンじゃ」

ヒトカゲ「カゲー!!」

唯「えへへ、じゃぁ、君の名前はこれからヒー太だよ。よろしくね、ヒー太!」

オーキド「こういう光景をみてると思い出すのぅ……」

唯「?」

オーキド「おお、すまんすまん、ワシの孫もここからヒトカゲをつれて旅たったのじゃよ」

唯「お孫さん…?」

オーキド「そうじゃ。君もきっといつか会う日がくるかもしれんのう。あぁ、そういえば現在トキワジムはジムリーダーが不在じゃ、ジムへ向かうならまずニビへ行くといいじゃろう」


――21番水道

長い草むらの中にいくつもの影がある。

一つは黒の衣装をまとったトレーナー。周りには何匹ものモンジャラが倒れていた


???「こちら、×××捕獲部隊。やはり、このマサラにいた。なにせここは穢れなき町と呼ばれているぐらいだからな」

「――――――――」

???「いいや、逃がしちまった。ここにいた野生のモンジャラ共にも邪魔されちまってな。
……あぁ?分かってる。歯向かうものには容赦はするな、だろ?なぁに心配はいらない。
野生のモンジャラ共の内一匹はどこかに逃しちまったが、他は全匹瀕死じょうたい。それに逃がしちまった一匹も”いばる”を食らって興奮してるが、じきに自滅するだろう。」

「――――――」

「あぁ、わかってるさ。『ミュウ』は必ず我らが捕まえる

―――我らロケット団がな」



「VSモンジャラ」 〆



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最終更新:2011年06月12日 01:14