――1番道路

唯「ヒー太、ひっかいて!!」

ヒトカゲ「カゲー!」ザシュ

コラッタ「・・・・・!!」バタリ

唯「ふぅ……トキワに行くのにも一苦労だね~、ヒー太」

そういうと、唯は額の汗を袖でぬぐった。

唯「おっと、いけないいけない。こんなのでグチってたら旅なんてできないや」

「ほら、みてヒー太、あれがトキワだよー」

指差した先には町がある。マサラより少し大きいが、にぎやかというわけでもない落ち着いた町だ。

唯「ちゃんとりっちゃんと澪ちゃんにも会ってからいかないとね」

「……あずにゃんにはさっき泣かれちゃったけどね」


――マサラタウン(一時間ほど前)

梓「えっ、唯先輩本当に行っちゃうんですか!?」

唯「うん、もう準備はしたし、あずにゃんに挨拶はしていこうと思って」

梓「憂……憂にはちゃんと話したんですか……?」

唯「うん、ちゃんと分かってもらったよ」

梓「そんなっ……先輩わかってるんですか!?旅に出たら困ったことは一人で解決しないといけないんですよ?
  強くて凶暴なポケモンだっているし、それに先輩の大好きなアイスだって食べられないんですよ!!」

唯「ははは、あずにゃん憂と一緒のこと言ってるよ。……それにね、一人じゃないよ。うん、この子達がいるもん」

唯の腰につけたのモンスターボールがカタカタと震えた。

梓「……律先輩と澪先輩には?」

唯「トキワを通ったときに寄るつもりだよ」

梓「…………そう……ですか」

言った少女はくるりと背中を向けた

梓「なら……はやく……いったらどうですか……」

声がどんどん尻すぼみになっていく。

唯「うん、そうだね……そうするよ。……でも」

唯は背中を向けた小さな少女に近づいていく。

そして

唯「しばらく、会えないからあずにゃん成分を充電しておかないと」

梓の抱きしめられた体から嗚咽が漏れた。

梓「唯先輩はずるいです……本当にするいです」グズッ



――トキワシティ

澪「おいっ、律、本気で言ってるのか!」

律「本気だよ。本気も本気。大真面目だよ」

澪「でも……」

律「わかってるよ、澪が心配してくれてることも、でもだ。それでも……だ」


「お~~い、りっちゃあああん澪ちゃあああん、やっほーーーー」


見慣れた少女がこちらにむかって手を振っていた。

律・澪「「唯!!」」

唯「じゃじゃーん、結局旅にでることになりましたー!!」フンス

律「結局ってお前……憂ちゃんにはちゃんと言ってきたんだろうなぁ?」

唯「へっへーん、バッチリだよ」

澪「……そうかやっぱり行くんだな」

唯「うん。だから、二人にはお別れを言いにきたんだ」

澪「まぁ、こうなると思ってたよ。ほら、これ」

そういって差し出された手のひらにはモンスターボールが乗っていた。

澪「旅をするっていうなら、空のモンスターボールも必要だろ?ほら」

唯「わぁああ、澪ちゃんありがとおお~~~!」ガバッ

澪「こらっ、唯、抱きつくな///おい、唯」

唯「ほら、りっちゃんもだきつき~~!」

律「……」

抱きついても帰ってこない反応に違和感を覚えた

唯「りっちゃん……どうしたの……?」

澪「あぁ……律のやつも実は「澪!」」

律「……なぁ、唯……ここでバトルしないか?」

唯「…えっ、りっちゃんと?」

律「あぁ、そうだ」

唯「えっ?え?なんで……?」

澪「唯……やってやってくれないか?」

唯「…………うん、いいよ。なにがあったかわからないけど、それでりっちゃんの悩みが解決するなら」


――21番道路

澪「よっし、ここなら多少あばれても大丈夫だろ。」

唯「今までりっちゃんに勝ったことはないけど、今日は勝たせてもらうよ!」

律「いったな!よーし、いけガーディ!!」ボンッ

モンスターボールから毛並みの良い赤い子犬がくりだされる。

そして、ガーディとよばれたモンスターはその場で声高に吠えた。

唯「あぁん、りっちゃんのガーディもふもふしたいよ~」

唯はフラフラとガーディのほうに近づいていく

律「あぁ、もう試合終わったら好きなだけ撫でさせてやるからはやくモンスターだせよ」

唯「っは、しまった。もふもふで油断させる作戦なんてりっちゃん卑怯だよっ!あさはかだよっ!」

律「あぁもうなんでもいいからはやくしてくれ~」

唯「じゃぁ、いくよ~、いってヒー太」ボンッ

ヒトカゲ「カゲーー!!」

対してガーディの前にヒトカゲが繰り出された。

唯「さぁ、今日こそ負けないよー、がんばろうねヒー太」

澪「おおっ、唯さっそく新しいポケモン捕まえたのか。それにヒトカゲなんて珍しいな」

唯「まぁ、捕まえたってわけではないんだけどね……」

律「トレーナーらしくなってるってことか。ガーディ!相手はあいつだ」

すると、ガーディがヒトカゲに向かってグルルルッと喉を鳴らした

ヒトカゲ「カッ……カゲー!!」

唯「あぁ……威嚇されて少しヒー太がびびっちゃった」

律「よし、今のうちに先制だ!かみつけ」

指示を待っていたガーディが、一気に飛び掛かり

そしてヒトカゲのしっぽに噛み付いた

唯「あぁヒー太……!、しっぽをふってふり払って」

激しく振られたしっぽに、振り落とされるように宙にガーディがなげだされるが、

地面を削りながら着地する

唯「ヒー太、そのまま距離をつめてひっかく!」

体勢を整えようとしていたガーディにヒトカゲの爪が襲い掛かった

そしてガーディの体に直撃する

律「!!ガーディまだいけるか?」

ガーディ「ガウ!」

律はよしっ、と呟き

律「そうか、やっぱりお前も勝ちたいよな。いっちょあれいってみるか!」

ガーディ「ガウガウ!」

うなずくように唸り、空に向かって一度オーンと吠える

唯「ヒー太、なにか来るよ、身構えて!」

律「さぁ、いけガーディ!とっしんだ!」

先ほど噛み付いたときの倍以上のスピードでガーディがヒトカゲにダイブした

唯「…!!はやいっ!」

予想以上のスピードに反応したときにはすでにヒトカゲに激突し、砂埃が舞う

ヒトカゲ「!!…………かげ……」バタ

唯「あぁ、ヒー太……!」

砂埃が収まってきたときにまず見えたのはヒトカゲの倒れた姿だった

唯「戻れ、ヒータ。お疲れさま。」

倒れたヒトカゲをモンスターボールに戻し

唯「負けちゃった……りっちゃんはやっぱり強いね」

律「……いや、どうやらひきわけみたいだ。」

砂埃が完璧に完全に晴れる

そこには四肢を伸ばし倒れているガーディの姿があった。

律「反動にたえきれなかった……か。やっぱりあの技はガーディには早すぎたみたいだ」

律はガーディに近づいていきそっと頭を撫でた。

律「ごめんな、でもよくやってくれた。戻れガーディ」

そしてモンスターボールに収めた


――トキワシティ

バトルの後、ポケモンセンターへ行き疲れたポケモンを回復させ

そして現在

ポケモンセンター前には律、澪、回復したガーディを抱きしめじゃれあっている唯の姿があった

律「……やっぱり、決めた」

「澪も唯も聞いてくれ」

澪はコクリとうなずき、ガーディの頭を撫でていた唯は顔を斜めに傾けた。

律「あのさ……わたしも……わたしも旅にでようと思う!」

唯「ええ!!」

澪「……」

律「今バトルして、唯も前に進んでるんだなって思った。同時に自分はこのままでいいのかなって」

「でさ、きっとムギだって遠いところにいこうがきっと前に進んでると思うんだ」

「だからさ、私も旅にでようと思う。そうすればさ、きっとさっきみたいにガーディに負担をかけることも少なくなるしさ」

唯「りっちゃん……」

澪「……うん、そうだな。私も今のバトルみて律の決心を聴いてようやく決心がついたよ」

「私もトレーナーとして旅にでる」

律と澪は顔を見合わせ、そしてうなずいた。

唯「わ~お、ということは皆一緒に旅ができるってこと!?」

唯のうれしそうな声に律と澪は首を横にふった。

律「いや、私はジョウトに行こうと思ってる」

澪「そうだな……不安だけど、やっぱり一緒に旅をするよりか違うところへ行ったほうが成長できるとおもう。私も二人とは違う地方を巡ろうかなと思ってる」

唯「そっか……。じゃぁ、カントーは私がバッチを制覇するから、りっちゃんはジョウトで、澪ちゃんも行った地方で全部のバッチを集めるってどう!?」

澪「いや、さすがにそれは無理だと思う」

唯「えぇ~~、できるよ~」

律「……そうだな、よーしそのときはもう一度勝負だぞ、唯!」

澪「わ、わたしも仲間に入れて!!」

律「なんだ、やっぱり澪もやる気じゃないか」

唯「はははっ」


VS「ガーディ」 〆




おまけ

唯「で、りっちゃんと澪ちゃんはどうやって他の地方までいくの……?」

律「うっ……!!」

唯「まさか、りっちゃん……考えてなかったの?」

律「ダイジョーブ!今から考える」

澪「え、まさかお前本当に考えてなかったのか!?」

律「なんだよ……じゃぁ、澪はどうする気だったんだよ」

澪「私はだな、クチバから船にのってでも……」

律「なんだよ、澪も具体的なことはきめてないんじゃん」

澪「なっ……」

唯「そうだ!!二人とも一度マサラタウンのオーキド博士を訪ねてみるといいかも。ポケモンのえらーい博士だから力になってくれるかも。私のヒー太もそこでもらったんだよ」

律「なっ、オーキド博士っていったらポケモンの権威じゃないか」

澪「そうか、だから珍しいポケモンを唯がもってたわけだな。……でも、行ってみる価値はあるかも」

律「だな。今のところ他の方法もおもいつかないしなぁ」

唯「よーっし!わたしもそろそろ行くよ」

今まで抱いていたガーディを地面に下ろし大きく間延びした。

律「おお、そうだ。渡し忘れるとこだった。これ」

ほらっと言って差し出してきた手には、キズグスリと

唯「これは……まひなおし?」

律「あぁ。今からトキワの森に入るんだろ?それならと思ってな」

唯「……ありがとうりっちゃん!!大切に使うよ」

澪「それにしても、なんでまひなおしなんだ?あそこはムシポケモンが多いからどくけしじゃないのか?」

そう澪が言うと、律はニヤニヤとし聞きたい?と問い返した

澪「……いややっぱりいい。聞きたくない聞きたくない」

ブンブンと首を振る澪を無視し、話し出す

律「じつはだな……最近、あの森を歩いていると後ろから……」

澪「いやあああああああああああああああああああ」

大きく叫び、耳をふさぐ

澪「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない……」

律「ははは、澪が怖がるのもみれたし、冗談はおいとくとしてだな。最近あの森はおかしい。どうやらマヒ状態になってる野性ポケモンがたくさん確認されてるらしい。トレーナーでも手持ちポケモンが気付いたらマヒしてたってこともあるんだってさ」

唯「へぇ~~そっか、気をつけます、りっちゃん隊長!」

律「おう、がんばれ唯隊員」

敬礼のマネをした律のうしろに、こぶしをにぎりしめた少女がいた。

澪「り~~~つ~~~~~!!」

ーーゴチンッ

律「あいたっ!!」




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最終更新:2011年06月12日 01:17