ーー
ーーー

憂「お姉ちゃん、あっちで金魚すくいやってるよー」

唯「お!いいねえ!みんなでやろう!」

律「やっぱ祭りといったら金魚すくいだしな」

唯「トンちゃんの水槽に入れてあげよう」

梓「えっ、食べられちゃいますよ!」

唯「えー?そうかな~」



親父「らっしゃい 一回300円だよ」

律「よっしゃーいっぱい取るぞ」

紬「私金魚すくい初めて~」

憂「頑張ってね!お姉ちゃん」

唯「うんっ よーっし...」



唯「むむっ!?」

唯「何あれ!?見て見てみんな!あの金魚青いよ!」

澪「え?」

梓「どこですか?」

唯「あそこ!あそこだよあずにゃん!!」

梓「...いないじゃないですか」

唯「!?」

律「おいおい大丈夫か唯、青い金魚なんて聴いた事ないだろ?」

唯「違うんだよ!青いんだよ!真っ青なんだよりっちゃん!」

律「話かけるな唯。今集中してる」

唯「う、うい!見て!あそこ!黒いデメキンの右横!」

憂「お姉ちゃん...」

憂「...真っ赤だよ」

唯「!?!?」

紬「...真っ赤ね」

澪「真っ赤だな...」

唯「!?!?!?」

唯(みんな...真っ赤って...わたしだけ青く見えてるってこと!?)

律「くそー!!おっちゃんもっかい!!」

親父「あいよ」

唯(どう見ても青い...一匹だけ真っ青だよ...)

澪「あっ破れた」

憂「お姉ちゃん...?やらないの?」

唯「う、うん」

唯(気のせい...気のせいだよ...)

紬「あら~破けちゃった。難しいわ」

唯(気にしない...気にしないっと...)

唯「えいっ...あ、取れた」

憂「すごーい!お姉ちゃん上手!」

律「まじかよ!唯に負けた!!」

澪「律はこういうの苦手そうだしな」

律「なにをーっ!澪だって0匹だろっ」

親父「はい、お嬢ちゃんお椀貸して」

唯「はい、あ!あの!」

唯「あそこの金魚と交換してもらえますか?」

親父「いいよ、どれだい?」

唯「あれです!あそこ!」

親父「よいしょっと...あいよ」

唯「あ、ありがとうございます!」



ーー
ーーー
梓「結局取れたの唯先輩だけでしたね」

律「くそー!射的!射的で勝負だ、唯!」

唯(近くで見ても青い...不自然なくらいに青い...)

唯(むむむ...)

律「唯?」

唯「み、みんな...この金魚何色に見えるかな?」

律「だから、赤だろ」

澪「赤だな」

梓「赤です」

紬「赤いわ」

憂「...赤いよ...お姉ちゃん」

唯「...ですよね~」エヘヘ

ドーン

澪「あ、花火」

律「なにー!!」

ドーン

律「あっちだ!まだ間に合う!みんな行くぞ!」

紬「おーっ!」

梓「ちょ、待ってくださいよー」

憂「行こっ?お姉ちゃん!」

唯「うん...」

ーーー
ーー


ーー
ーーー

ガチャ

憂「お姉ちゃーん、ちょっと小さいけどこれでいいかな?」

唯「うん!ありがとう」

憂「明日ちゃんとした水槽買いに行こっか。エサとかも必要だし」

唯「そだね。金魚さん飼うのもなかなか大変だあ」

憂「えへへ、でもすっごく綺麗だね」

唯「うん!大事に育てるんだー!」

憂「お姉ちゃん、本当にこの金魚青く見えたの?」

唯「えっと、気のせいだったよ、暗かったからかな」エヘヘ

唯(これ以上言ったらおかしくなったと思われちゃうよね...)

憂「お姉ちゃんったら」クスッ

唯「すいませんねぇ...」テヘッ

憂「さてと、お姉ちゃんお風呂入る?」

唯「んー、今日はうい先に入っていいよ~」

憂「そう?じゃあ入ってきちゃうねー」

パタン

唯「...」

唯「...」

金魚「...」

唯「...青い」

唯「やっぱり青いよ...」

唯(変だよー、わたしにだけ青く見えるなんて...)

唯「うぅっ...」

唯「金魚さん!君、青いよね!?真っ青だよね!」

金魚「青いよ」

唯「そうだよ!うん!青い!君は青いよ...ん?」

唯「...」

唯「!?!?!?」

唯「今、金魚さんしゃべっ...だ、誰かいるの!?」キョロキョロ

金魚「喋ったよ。俺が喋った」

唯「!?!?!?」

唯「え...えぇー!?!?」アワワワワ

金魚「気持ちはわかるが落ち着いてくれ」

唯「だって!金魚はふつう喋らないよ!!」

金魚「まあな」

唯「う、うい呼んで来ないと!!!」ダッ

金魚「待て!!待ってくれ!!」

金魚「話だけ聞いて!な!?」

唯「ええ...だって...」

金魚「怖いか?」

唯「怖くはないけど...変だよ!おかしいよ!」

金魚「それは認める」

唯「....な、何で金魚さん喋れるの?」

金魚「えっとなあ、今は金魚の姿してるけど、本当は金魚じゃないんだよ」

唯「金魚さんじゃないの?本当は何なの?」

金魚「んー、まあ妖精みたいなもんかね」

唯「ようせい?金魚さん妖精なの?」

金魚「厳密に言うと違うけどな。そういう事にしといてくれ」

唯「うん...」

金魚「実はな、俺は唯ちゃんの願いを叶えにきたんだ」

唯「...ねがい?」

金魚「そう!好きな願い事を3つまで叶えるぜ!」

唯「えぇ!?本当に!?妖精さん優しいんだね!」

金魚「まあな!これが仕事みたいなもんだしよ」

唯「お願い事かあ~!何にしようかなあ」ワクワク

金魚「ただいくつかルールがあるんだ、説明するからよく聞いとけよ」

唯「ルール?」

金魚「まず最初に、この事は他の奴には話さない事」

唯「なんで?」

金魚「色々と問題が生じるんだよ。話したいだろうけど我慢してくれ」

唯「ういは?」

金魚「駄目」

唯「えー」


金魚「2つ目、物理的に不可能な願いは叶えられない」

唯「うん?」

金魚「例えば"男になりたい"とかは無理って事だ。ま、当たり前の話だな」

唯「なるほど」

金魚「三つ目、願いは7日以内に叶えられるものに限る。3つ合わせて7日な」

金魚「つまり、"年末ジャンボ宝くじで一等当てる"は無理だが"スクラッチで一等当てる"ならオッケーって事な」

唯「よくわかんないけど...すぐ叶えられないと駄目ってこと?」

金魚「そういう事だ」

唯「んー...なんか難しいね」

金魚「それ故に願いも7日以内に全部決めなくちゃならないからな、あんまりゆっくり叶えてる時間はないぞ」

唯「えー、そんなすぐに思いつかないよ」

金魚「まあ、ルールだからよ、仕方ない」

金魚「一応こんな感じだ。他にも色々あるんだが、駄目な願い事は俺がその場で却下するから、とりあえず好きに考えてみてくれ」

唯「わかったよ」

唯「ところで、妖精さんお名前は何ていうの?」

金魚「名前かあ、特にないな」

唯「なんと!妖精って名前いらないの?」

金魚「まあな」

唯「じゃあ付けてあげよう!男の子でしょ?」

金魚「いや、性別もない」

唯「えぇ?喋り方が男の子だよ」

金魚「乗り移った金魚がオスだったんじゃないか?」

唯「ほう...何かよくわかんないけど、キン太でいっか」

金魚「キン太?」

唯「うん。名前」

キン太「お、おう...」

ガチャ

唯「はっ!」

憂「お姉ちゃん、お風呂どうぞー」

憂「ずっと金魚見てたの?」クスッ

唯「う、うん!」アセアセ

キン太「...」

憂「?」


ーーー
ーー


ーー
ーーー
(おふろ!)

唯(願い事かあ~何がいいかなあ)

唯(やっぱりアレかな...それともアレかな)

唯(アレもいいなあ~)ヌフフ

ーーー
ーー


ーー
ーーー

唯「キン太!」

キン太「あんまり大きい声出すな、憂ちゃんが怪しむ」

唯「ごめんごめん、てかういの名前知ってるんだね、わたしの名前も知ってたし」

キン太「当然リサーチ済みよ」

唯「リサーチ?そういえば、何でキン太はわたしの願い叶えてくれるの?」

キン太「それが俺の仕事だからな」

唯「ふーん」

キン太「誰でもいい訳じゃないんだぜ?色々条件があるんだ」

キン太「その条件を唯ちゃんは満たした。」

唯「条件って?」

キン太「それは言えない」

唯「えー、気になるよ」

キン太「言いたくても言えないんだよ、掟なんだ。」

唯「けち~」

キン太「...一つだけ言うと、"本当に純粋な心"を持っている事だ」

唯「え、言っていいの?」

キン太「...数ある条件の一つだ。これくらいなら大丈夫」

キン太「だから条件を満たす奴は小さい子供がほとんど、たまに唯ちゃんみたいなのもいるけどな」

唯「へー、私そんなに子供っぽいかな...」

金魚「ちなみに、条件を満たしてない奴から見れば俺は普通の金魚だし、声も聞こえない」

唯「そうなんだ...あっ、だからみんなは青く見えなかったんだ」

金魚「そういう事になるな」

唯「みんなは純粋じゃないの?」

金魚「う~ん、憂ちゃんなら大丈夫かもなあ...」

唯「わたしの妹だもんね!」

金魚「ま、どちらにしても他の条件満たしてないから駄目だ」

唯「そっかー」

キン太「それよりそろそろ寝なくていいのか?もう1時近いぞ」

唯「ほんとだ~夏休みとはいえさすがに寝ないと...」

唯「って違うよキン太!願い事決まったんだよ!」

キン太「おお、いやに早いな。言ってみ」

唯「ケーキをお腹いーーーっぱい食べる!」フンス

キン太「」

唯「ふふふ」ドヤッ

キン太「...」

唯「昔からの夢だったんだよ~」

キン太「そんなんでいいのか?」

唯「もち!」

キン太「本当にいいんだな?」

唯「並大抵のお腹いっぱいじゃないよ?おいしいケーキをいーーーーーっぱいだよ?」

キン太「...わかった」

唯「わくわく」

キン太「マンマンキラキラチロチロリーン!」

唯「わくわく」

キン太「よしっ」

唯「...」

唯「さっきのなに?」

キン太「呪文」

唯「ケーキは?」

キン太「ああ、願いは可能な限り自然な形で叶うから、今すぐって訳じゃない」

唯「何だあ~煙と一緒にポンって出てくるんだと思った」

キン太「まあこの時間じゃもう無理だろ、それでも明日には叶うだろうから安心しな」

唯「ふうん、じゃもう寝よっと」

キン太「そうしな」

唯「うん、おやすみ~」モフッ

ーーー
ーー


2
最終更新:2011年06月13日 23:30