ーー
ーーー

憂「お姉ちゃーん、もうお昼だよー」

唯「いやいや~もう食べれないようぃ...」ムニャムニャ

憂「今日みんなで勉強会でしょー?もうすぐ来ちゃうよー」

唯「...zZZ」

唯「...ん?」ムクッ

憂「おはようお姉ちゃん」

唯「なんかいい匂いがする」

憂「うん!ケーキ焼いたんだあ」

唯「ケーキ!?やったあ!」

憂「ふふ、行こっ!お姉ちゃん」

唯「うん!」タタッ

唯「ういのケーキ~♩」

唯「おお!!」

憂「3ホールも焼いちゃった」エヘヘ

唯「やったー!食べよ食べよ!」

憂「めっ、みんな来てからだよ」

唯「みんな?」

憂「今日勉強会でしょ?」

唯「あ、そうだった!」

ピンポーン

憂「さっそく来たみたい」

憂「はーい」タタッ

紬「お邪魔しまーす」

唯憂「いらっしゃいー」

憂「スリッパどうぞ」

紬「ありがとう、憂ちゃん」

紬「これ、頂き物のケーキなんだけどよかったら食べて?」

唯「ケーキ!?」パアアア

憂「すいません、ってこんなにいいんですか?」ズッシリ

紬「ええ、家にあっても食べきらないから」

ピンポーン

憂「あ、はーい」

律「よっ」

澪「お邪魔します」

梓「お邪魔しますです」

憂「いらっしゃい」

唯「みんなおはよー、ってそれ...」

律「ん?ああ聞いてくれよ!すぐそこで3人ばったり会ったんだけどよー、なんと全員手土産にケーキ買って来てたんだよー!!普段手ぶらな癖にさあ!」

律「いやー、こんな偶然ってあるんだなー」

唯「...」

紬「あらあら...」

憂「...」

律「...ってあれ?」

唯「はっ...!!」

唯(そうだ!願いが叶ったんだ!!)

唯(忘れてたよ...!)

唯(凄い!本当に叶うなんて...!)

唯(これが...キン太の力...!!)

唯(凄い...!凄いよ...!!)

ーーー
ーー


ーー
ーーー
(よる!)


ガチャ

唯「ぐ、ぐるぢぃ~...」バタンキュー

キン太「よっ!バッチリ叶ったろ?」

唯「うん...一日中ケーキ食べてたよ...」

キン太「はは、よかったよかった!皆も巻き添え食らったみたいだけどな」

キン太「さっ、願いは残りあと二つだ。いつでも受け付けるぜ!」

唯「今日はもう無理~...明日考えるよぅ」

キン太「そうか?わかった」

唯「うん、今日はありがとね...おやすみ」モフッ



ーー
ーーー
ーーーー

(ふつかご!(4日目))

キン太「...色々あるだろ、こう、ガツンと...夢溢れるようなさぁー」

唯「思いつかないよ~、もう夢叶えちゃったし」

キン太「ケーキ以外になんか無いのかよ...」

唯「う~ん...」

唯「夏を涼しい季節にする、は?」

キン太「無理だ」

唯「うー...」

キン太「あと3日で二つだからな」

唯「んー...」

唯「ダメだ!」

唯「...お散歩でもしながら考えてくるよ」

キン太「わかった、気をつけてなー」

唯「うん、お留守番よろしくね」

キン太「憂ちゃんいないから、ちゃんと鍵していけよー」

唯「あいよー」


ガチャ

唯「おさんぽおさんぽ~♩」

唯「...あ、あつい」

唯「あんまりお散歩日和じゃないね...」

唯「ま、いっか」テクテク

おば「あら、唯ちゃん」

唯「あ!おばあちゃーん、こんにちわ」

おば「こんにちわ。お散歩かい?」

唯「うん!おばあちゃんは何してるの?」

おば「それがねぇ...」

おば「庭の花に水やるのを忘れててねえ、全部枯らしてしまったんだよ」

唯「ほんとだ...元気無くなっちゃってる」

おば「駄目だねえ、年取ると...何日も水やりを忘れるなんて、ボケてきたのかなねぇ」

唯「...そんな事ないよ!私も何でも忘れちゃうし...おばあちゃんはぼけてなんかないよ!」

おば「ふふ、ありがとうねぇ唯ちゃん。でも、花も生き物だからねえ...申し訳なくて...」

唯「うん...」

唯(おばあちゃん、目が潤んでるや...)

唯(あ...そうだ!)

唯「諦めちゃ駄目だよ!おばあちゃん!」

おば「えぇ?」

唯「きっと元気になるよ!だからお水あげてみて?」

おば「唯ちゃん...でも、もう」

唯「ううん!大丈夫だから!」

おば「そうかい...?じゃあそうしてみようかしら」

唯「うん!じゃあ、わたし用事思い出したから帰るね!」タタッ

唯「キン太!願い事見つけたよ!」

キン太「おお、早かったな!」

唯「隣のおばあちゃん家のお花を元気にしてあげて?」

キン太「花?どうしたんだ?」

唯「枯れちゃったの!すごく悲しそうにしてたから...できるでしょ?」

キン太「んー、普通に枯れてるだけならたぶんいけるぜ」

唯「やったあ!」

キン太「じゃ、二つ目の願いはそれでいいんだな?」

唯「うん!お願い!」

キン太「よし。マンマンキラキラチロチロリーン!」

キン太「あいよ」

唯「元気になった?」

キン太「まだだよ、言ったろ?可能な限り自然な形で叶うって」

キン太「明日もキツイかなあ...7日目に徐々に回復していく感じかもな」

唯「キン太って案外適当だよね...」

キン太「そうか?まあどんどん元気になっていくはずだから安心しとけ」

唯「うん!ありがとお、キン太」

キン太「いいって事よ」


憂「ただいまー」

唯「あ、ういだ!」

唯「また後でね、キン太」

キン太「おう」

唯「おかえりー!」タタッ


キン太(...しかしおもしろい奴だなあ)

キン太(願い事のクオリティが完全に幼稚園児以下だぜ...)

キン太(...でも...凄えいい奴だよな...)

キン太(...)



ーー
ーーー

(おふろ!)

憂「ふぅ~」

憂(今日見た映画面白かったな~)

憂(お姉ちゃんにも見せたい!DVD出たらレンタルして一緒に見よっと)

ガチャ

憂「?」

唯「お邪魔しまーす」チラッ

憂「お姉ちゃん!?」

唯「一緒に入ってもいい?」

憂「えぇ、恥ずかしいよ~」

唯「よいではないかよいではないか~♩よいしょっ」ザプンッ

憂「もうー///」

唯「気持ちよか~」

憂「何だか久しぶりだね」

唯「最近はういが嫌がるんだもん~」

憂「嫌な訳じゃないもん~」

唯「...」

憂「...」

唯「うい~」

憂「なあに?」

唯「世の中にはさあ...不思議な事がいっぱいあるんだね!」

憂「?」

憂「そうだね...」

唯「不思議だらけだよ」ウンウン

憂「えっと...例えば?」

唯「うんとねー、まずキン太......ってダメだようい!!聞かないで!これ以上は!だめ!めっ」

憂「えぇ!?」

唯「おきてなんだよ!」

憂「????」

唯「ごめんね」

憂「う、うん」

ーーー
ーー


ーー
ーーー

唯「いい湯でした!」ポカポカ

キン太「お前ら本当に仲いいんだなあ、事前リサーチで承知はしていたが」

唯「まあね~キン太ごはん食べる?」

キン太「そうだな、もらおうかな」

唯「はい、どうぞ」パラパラ

キン太「サンキュ」

唯「金魚のエサっておいしいの?」

キン太「正直、微妙だな。せっかく買ってもらったから言わなかったけど」パクパク

唯「そうだよね、おいしくなさそうだもん」

キン太「まあ贅沢は言わないぜ。立派な水槽まで買ってもらっちゃったしな。すぐお別れだってのに...」

唯「え?」

キン太「あ」

唯「お別れ?」

キン太「お、お別れっつっても普通の金魚に戻るだけだからな?水槽は無駄にはならない」

唯「ええ!?キン太じゃなくなっちゃうの!?」

キン太「そりゃそうさ、俺の役目はあくまでお前の願いを叶えることだ。終わったらそこでお役御免だ」

唯「やだよー!もっと一緒にいたいよ!」

キン太「おいおい勘弁してくれよ、これも掟の一つだ」

唯「掟なんて破るためにあるんだよ!?」

キン太「...何言ってんだ」

キン太「あのなあ、よく聞け。俺が願いを叶えないといけない相手は唯ちゃんだけじゃないんだ」

キン太「唯ちゃんの願いを叶え終えたら次の仕事が待ってる」

唯「そうなんだ...」

キン太「そう。わかったな?」

唯「うん...キン太も忙しいんだね」

キン太「まあな...」

唯「じゃあじゃあ、キン太ともっと一緒にいたい!っていうお願いは?」

キン太「無理だ、それは俺の掟にも反する」

唯「うぅ...」

キン太「そんな事言ってないで、ちゃんと願い事考えるんだぞ!あと3日だからな」

唯「えー...でももう何も思いつかないよ」

キン太「まあこれで最後だしな、もう少し考えてみ」

唯「うん...」

ーーー
ーー


ーー
ーーー

(みっかご!(7日目))

チュンチュン...

キン太「...」

唯「...」

キン太「ついに最終日だぞ」

唯「うん...」

キン太「あんまり眠れなかったみたいだな」

唯「だって...今日でキン太とお別れなんでしょ?」

キン太「...まだそんな事言ってるのか、安心しろ、いつかまた会えるさ」

唯「ほんとに?」

キン太「ああ、本当だ」

唯「よかったあ、楽しみだな~キン太に会うの」

キン太「ははは...」

キン太「それで、願い事は?」

唯「一応、何個か...」

キン太「おう、言ってみ」

唯「ずっと高校生でいたい!」

キン太「無理だ。物理的に」

唯「ずっとけいおん部でいたい!」

キン太「同上」

唯「...けいおん部のみんなとずっと一緒にいたい!は?」

キン太「ダメなんだ...その、今日中に叶えられるやつじゃなきゃ...わかるか?」

唯「じゃあわたし、けいおん部のみんなとずっと一緒にいられないの?」

キン太(...!!)

キン太「...いや、そういう訳じゃ...」

唯「やだよー...みおちゃんもりっちゃんもむぎちゃんもあずにゃんもずっと一緒がいい!」

キン太「唯ちゃん、他の願いを...」

唯「だって...これしか思いつかないんだもん」

キン太「ダメなんだ...ルールがあるから...」

唯「...何ですぐに叶う願いじゃないと駄目なの?」

キン太「...っ!!」

唯「?」

キン太「...言えないっ!」

唯「なんで?」

キン太「掟に反する事を言ったらその瞬間俺は消えちまうんだ。とにかく、言えない...」

キン太「ごめんな...」

唯「うん...」

キン太「出会いがあれば必ず同じ数だけ別れは訪れる。大丈夫...唯ちゃんはそれを乗り越えられる」

唯「...」

唯「ういは?ういともいつかお別れなの?」

キン太「...!」


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最終更新:2011年06月13日 23:32