梓「(一番厄介なのは律先輩だからな)」キョロキョロ

梓「(純も危ないな)」サササッ

梓「(よし。大丈夫)」コソコソ

梓「な、なんとか無事到着・・・」

梓「」ピンポーン

憂「はーい」ガチャ

梓「こんばんわ」

憂「こんばんわ」ニコッ

梓「では、お願いします」ペコリ

憂「うん。がんばろうね」

憂「今回は練習とは分量が違うから気をつけてね」

梓「・・・うん」ソーッ

憂「」シャカシャカ

憂「(ふふっ。梓ちゃん真剣だね・・・)」

梓「どうかな?」

憂「うん。いい感じ」

憂「形はどうする?やっぱりハート?」

梓「ハ、ハートはちょっと・・・」///

梓「そ、それにこれはみなさんの分だから普通にしようと思うんだ」

憂「(てことは紬先輩だけのも作るのね。ふふっ)」

憂「うん。じゃあオーブンに入れるよ」

梓「う、うん!」

梓「(しっかり焼けますように・・・)」

チーン

憂「焼けたよ!」

梓「う、うん!」

憂「うん、大丈夫だね」

梓「よ、よかった」ホッ

憂「じゃあ冷やしてる間に本命を作ろうか!」

梓「ほ、本命って・・・」カアァ

憂「紬さんの分、作るんでしょう?」

憂「私もお姉ちゃんの分、作るんだ」

梓「う、うん。作るよ!」

憂「材料はあるからね。大きいのでも大丈夫だよ」

梓「そ、そんな大きいのは作らないよ」アセアセ

梓「普通の大きさにするよ」

憂「そう。じゃあ始めようか」

梓「うん!」

憂「本命もチョコケーキ?」

梓「せっかくだから違うのにしようかなって」

梓「憂は?」

憂「お姉ちゃんのはフォンダショコラにしようかなって」

梓「中から溶けたチョコ出てくるやつだっけ」

憂「そうそう!」

梓「いいかも。私も作れるかな?」

憂「梓ちゃんなら大丈夫だよ」

憂「それでも材料少し余るからハート型のチョコ作ろうね」

梓「う、うん」

梓「(これだけ作ってまだ余るって・・・)」

憂「フォンダンショコラは焼き加減に注意だからね」

梓「うん」

チーン

憂「・・・大丈夫かな」

梓「」ドキドキ

憂「うん、大丈夫・・・」

梓「・・・」

憂「あとはあら熱とってっと」

憂「食べるときに電子レンジに入れれば大丈夫だよ」

梓「・・・ふぅ、緊張した」

憂「さて、ご飯作ろうか。食べて行ってね」

梓「あ、うん。ありがと」

憂「できたっと。お姉ちゃん呼んでくるね」

梓「うん」

梓「」

梓「あ!や、やっぱ私行ってきていいかな?」アセアセ

憂「うん?じゃあお願い」

梓「う、うん」

梓「(万が一居眠りしてたら平沢家が大変なことに・・・)」

梓「唯先輩、ご飯ですよー」

シーン

梓「(・・・反応なし。まさか・・・)」

梓「唯先輩?入りますよー」ガチャ

唯「」カリカリ

梓「(なんと!集中してる!)」

梓「(邪魔していいのかな?でもご飯だし)」

梓「唯先輩。ご飯できましたよ」

唯「ん?あれ?なんであずにゃんがここに?」

梓「(そっか・・・)」

梓「えっと、また偶然憂に会って」

唯「そうかー。ご飯だね、行こうか」

梓「はい」

唯「今日もありがとね、憂」

憂「ううん。たくさん食べてがんばってね」

唯「うん!今日は煮魚~」

唯「いただきます!」

唯「うん。おいしいよー」

憂「よかったね。梓ちゃん」

唯「え?この煮魚あずにゃんが作ったの?」

梓「え、えーと。はい」

唯「すごくおいしいよ!」

梓「ありがとう、ございます」///

憂「うん。おいしい」

梓「もう、憂まで」


唯「ごちそうさまー」

梓「お粗末さまです」

唯「とってもおいしかったよ。あずにゃん!」

梓「試験明後日ですから、がんばってくださいね!」

唯「うむ。任せたまえ」ドンッ

唯「じゃあ憂。片付けお願いね」トトトッ

憂「うん」

憂「よし、もう冷めてるね」

憂「明日が本番だね!」

梓「う、うん」

憂「持って帰る途中で転ばないようにね」

梓「気をつけます・・・」

梓「ありがとうね。憂」

憂「気にしないで。一緒に作れて楽しかったよ」

憂「また作ろうね」

梓「うん。おやすみ」

憂「おやすみ」

ガチャ

梓「さて、あとはこれを無事家に持って帰れば」

梓「」

梓「えへへ」

律「・・・にやけ顔でなにしてんだ?」

梓「!」

梓「り、律先輩!?」

梓「ど、どうしてここに・・・」

律「ん?私は夜食を買いにな」ガサッ

律「梓こそどうしたんだよ?こんな時間に」

律「また唯のところか?」

梓「えっと、そうですけど・・・」

律「ん?その袋は・・・」

梓「」ドキーン

梓「な、なんでもないです!」カクシッ

律「・・・」ポクポクポク

律「」チーン

律「・・・へぇ」ニヤニヤ

梓「・・・う」

律「そうかそうか」ポンポン

律「私はなにも見なかった。そういうことにしようか」

梓「・・・うぅ」///

梓「・・・お、お願いします」

律「がんばれよ!若者よ!」

梓「り、律先輩も受験勉強、がんばってくださいよ」

律「へいへい」

梓「・・・」

梓「変に感がいいんだから・・・」

梓「ちゃんと帰りも気をつけて帰らないと」コソコソ

梓「さっきは油断しただけなんだから」サササッ


梓「・・・ふう。ただいま」ガチャ

梓「よし、明日の準備は大丈夫っと」

梓「あとは寝るだけ・・・」ボフッ

梓「ムギ先輩断ちか・・・」

梓「あと2日の我慢だもんね・・・」

梓「寂しいな・・・」

梓「・・・」

梓「ちょっとだけなら・・・」

梓「」ピタッ

梓「ダメ!」

梓「ムギ先輩もきっと我慢してるんだから」

梓「私が裏切っちゃダメだよね!」

梓「我慢我慢我慢・・・」

梓「」

梓「」モンモン

梓「シャワー浴びてこよう・・・」


バレンタイン当日!

梓「ふぅ。とうとう来てしまった・・・」

純「なにブツブツ言ってんのよ?」

梓「なんだ、純か」

純「最近私の扱いがひどい気がする」

憂「まぁまぁ」

憂「ケーキは部活の時に渡すの?」

梓「そうするつもりだよ」

キーンコーンカーンコーン

梓「よし!がんばれ私!」

憂「がんばって。梓ちゃん」

梓「うん!行ってくる!」

トコトコ

梓「(先輩達もう来てるのかな?)」

ガチャ

梓「お疲れ様でーす」


唯「おいっす。あずにゃん」

紬「お疲れ様。梓ちゃん」

梓「今日は私が最後でしたか」

唯「よし、みんな揃ったしお茶にしようよ!」

澪「もう、唯は・・・」

紬「そうしたいんだけどお菓子切らしてて・・・」

律「」ニヤニヤ

梓「(まさか、律先輩の仕業が・・・)」

梓「・・・律先輩、ちょっと・・・」

律「ん?」

梓「ムギ先輩にしゃべったんですか?」ヒソヒソ

律「バカ言うな。しゃべらないって約束しただろ」ヒソヒソ

梓「ならなぜタイミングよくお菓子が切れるんですか?」

律「知るか。まぁ明日受験だしそこまで頭が回らなかったんだろう」

梓「・・・そうですか。すみません」

律「気にすんな。がんばれよ」ポン

紬「みんなごめんね」

唯「お菓子なくてもいいよー」

澪「うん。お茶で十分さ」

梓「あ、あの!」

唯「どったの?あずにゃん」

梓「その、明日試験ですね」

澪「そうだな」

梓「えっと・・・」

梓「そこで激励といいますか、日ごろの感謝と言いますか・・・」

梓「ケーキ作ってきたのでよかったら食べてください!」

唯「あずにゃんが!?」

澪「ほ、本当か?」

紬「まぁ!」

律「あれ?今日って何日だっけー?」シレッ

唯「え?2月14日だけど・・・」

澪「そっか、バレンタインか」

律「」ニヤニヤ

梓「・・・う」

唯「ありがとう!あずにゃん!」

澪「すっかり忘れてたな」

紬「梓ちゃん、ケーキも作れるのね」

梓「いえ、憂にも手伝ってもらって・・・」

唯「あー。だから私の家に結構来てたのか」

紬「じゃあとっておきのお茶淹れるわね」

唯「わー。チョコケーキだー」

律「そりゃバレンタインだからな」

澪「おいしそうだな」

唯「いただきます」

唯「ん~。うまい!」

澪「本当だな」

律「おぉ。これはなかなか」

紬「すごいわ!梓ちゃん!」

梓「ほ、本当ですか?」

紬「もちろんよ。とってもおいしいわ」

梓「ム、ムギちゃ・・ムギ先輩・・・」

紬「ありがとう。梓ちゃん」

梓「えへへっ」///

唯「これなら受験もがんばれるよ!」

澪「だな。みんながんばろうな」

律「おー!」

澪「じゃあ明日、寝坊するなよ」

律「澪こそ忘れ物するなよ」

唯「どっちも気をつけなきゃ・・・」

梓「頼みますよ・・・。唯先輩・・・」

律「じゃあまた明日!」

唯「うん!」

紬「えぇ!」


テクテク

紬「今日のはおいしかったわー」

梓「ありがとう、ございます」

紬「ふふっ。唯ちゃんの家に行ってたのはこのためだったのね」

梓「すみません。嘘、ついちゃって・・・」

紬「こういう事情なら気にしないで」

紬「逆の立場だったら私だって言えないもの」

梓「よかった」ホッ

梓「そ、その」

紬「?」

梓「(がんばれ、私!)」

梓「こ、これ。私の気持ちです!貰ってください!」

紬「」

紬「あ、ありがとう」グスッ

紬「あずにゃん!」ダキッ

梓「・・・ムギちゃん」ギュッ

紬「ありがとう、本当にうれしい」

梓「ムギちゃん・・・」

紬「あずにゃん断ち、できなかったわ・・・」

梓「・・・そうですね。私もできませんでした」

紬「たった数日なのにすごく寂しかったの・・・」

梓「私もです」

紬「もうあずにゃんなしじゃ生きていけないわ・・・」

梓「・・・私もです」ギュッ

梓「明日、がんばってくださいね」

紬「うん。このチョコがあれば大丈夫よ」

梓「・・・大袈裟ですよ」

紬「明日、家に泊まりに来ない?」

梓「いいんですか?」

紬「もちろんよ。寂しかった分、ずっと一緒いるんだから」

梓「ム、ムギちゃん・・・」///

梓「・・・私も、もっと一緒にいたいです」

紬「うん!気合入りました!」

梓「応援してます!」

紬「試験終わったらすぐに連絡入れるわね」

梓「はい。待ってます」

チュッ

紬「・・・んっ。甘いわね」

梓「さっきチョコ、食べましたからね・・・」

紬「じゃあまた明日」

梓「はい。また明日」

梓「(がんばってください。ムギちゃん・・・)」

梓「」

梓「・・・」

梓「明日のお泊まりって・・・そういうことだよね・・・」ドキドキ

梓「・・・でも、ムギちゃんとなら私はうれしいです」

梓「よし!今日もちゃんと我慢するんだから!」

梓「もう私にできることはないよね?」

梓「みんな、がんばってください」ギュッ


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最終更新:2011年06月14日 17:47