紬「それに?」
憂「お姉ちゃん、紬さんに…なんていうか、いつも私に甘える時みたいな目してたから…」
紬「甘える…?」
紬(唯ちゃんが…私に?それって…)
憂「まあ、送ってきてもらったからだと思うんですけど…紬さん?」
紬「うふふふふ…あ、なに!?」
憂「すごくうれしそうですけど…どうしたんですか?」
紬「な、なんでもないわ!あ、雨も弱まってきたしそろそろ帰るわね!?」
憂「は、はい…」
紬「あ、ええと…帰る前に唯ちゃんの様子見てもいい?」
憂「はい、多分もう寝てると思いますけど…」
紬「唯ちゃん?」
唯「う~ん…」
紬「もう、寝ちゃった?」
唯「た…たくあん…」
紬「クス…唯ちゃんったら…どんな夢見てるの?」
唯「ムギ…ちゃあん…」
紬「……!」ドキッ
紬(…唯ちゃんの寝顔…すごく、かわいい…)
唯「うまい~…」
紬「……」
紬(キスしたら…ダメなのかな…)
紬(だ…ダメ!ダメに決まってるじゃない!唯ちゃんは寝てるんだから…)
唯「ぐー…」
紬「……」ドキドキドキドキ
紬(で…でも…私…)
紬「ゆ…唯ちゃん、キス…してもいい?」
唯「むにゃむにゃ…」
紬「ホントに…き、キスしちゃうわよ?」
唯「んー…」
紬「じゃあ…しちゃうからね…?」
唯「んんー…」
紬(く…口はさすがに恥ずかしいからほっぺにしよう…よし!)
紬「…一緒にいてくれるって言ってくれてありがとう…
私、唯ちゃんのこと大好きよ…」
チュッ
唯「ふへへ…」
紬「!!」
紬(も、もしかして起きちゃった!?)
唯「ぐー…」
紬「よ、よかった寝てる…くすぐったかったのかな…?」
紬(ていうか私、なんてこと…き、ききキスなんて…)カァァァァァァ…
紬「そ、それじゃ唯ちゃん、また明日ね?お大事に!」
唯「たくあん…た、たくあん…」
……
紬「憂ちゃん、お邪魔しました!」
憂「……」
紬「憂ちゃん?」
憂「え?あ、はい!お気をつけて!」
紬「うん!それじゃ!」
紬(私…頑張ろう!唯ちゃんともっと恋をしなきゃ!)
憂「紬さん…」
翌日
唯「おはようムギちゃん!」
紬「おはよう唯ちゃん♪具合は大丈夫なの?」
唯「うん!万全だよ!」
律「なんだ?昨日どうかしたのか?」
紬「え!?な、なにも!あ、澪ちゃんに昨日頼まれてたピック渡してこなくちゃ!」
唯「いってらっしゃーい!」
紬「う…うん!いってきます!」
紬(なんだか新婚さんみたい…あ、私ったら何考えてるの?もう!)
律「…あいつ悪いもんでも食ったのか?」
澪「…じゃあひとまずお前の気持ちはちゃんと伝わったんだな?」
紬「ええ♪私のことを好きになりたいから一緒にいようって!うふふふ…」
澪「そ、そいつはまあ…でもムギ、喜んでばかりいられないぞ?次を目指さなきゃ」
紬「次?」
澪「唯ともっと親密になるために…デートするんだ!」
紬「でっ…でいと!?」
紬「だ、だってそんな…私、恥ずかしいし…ていうか、澪ちゃん…」
澪「いいかムギ?あの鈍感な唯に好きになってもらうためには、相当な努力が必要なんだぞ?」
紬「うん…あ、あの…後ろ…」
澪「弱気になってちゃダメだムギ!ちょっとはバカ律の無神経さを見習え!
あいつはバカだけどバカだからこその積極性があるんだ!
ムギも唯のために、律みたいなバカになれよ!」
紬「澪ちゃん…後ろ…」
澪「え?」
律「みおっ…うぅ…あ、あんまりだぁ…そ、そこまでバカバカ言わなくたって…」
澪「り、律!いや違うんだ、お前のことをバカだバカだって言ってたのはな?
ムギにお前のバカさ加減を見習わせようと…」
律「またバカって言ったああ~…んで、デートってなんのことだ?」
澪「うっ…」
紬「澪ちゃん、隠してもしょうがないし話すわ!実はねりっちゃん…」
紬「…ってわけなの」
律「…ムギが?唯に?フォーリンラブ?マジかよ…なんというか…すげえなあ」
澪「というわけで、律、お前もムギに協力するんだ!」
律「お、おう!ガッテンだ!」
紬(りっちゃんも私のこと応援してくれるんだ…よかった…)
……
唯「あずにゃ~ん、今日もぷにぷに~」
梓「や…やめてくださいよう…」
紬「あの…唯ちゃん?」
唯「ん~?なあにムギちゃ~ん?」
紬「こ、今度の日曜日…二人でお出かけしない?」
唯「え?お出かけ?いいよ~?」
紬「ホント?よかった…」
……
梓「どうして二人でなんだろう…?」
憂「……」
梓「憂、どうしたのボーッとして」
憂「え?う、うん、夕飯のメニュー考えてたの」
梓「ふうん…あ、そういえば今先輩たちとお昼食べてきたんだけど…」
憂「どうかしたの?」
梓「ムギ先輩が唯先輩に二人で出かけようって提案してたの。
あの二人、いつの間に仲良くなったのかな?」
憂「……!」
憂「へぇ、そうなんだ…」
梓「でもあのおとなしいムギ先輩が積極的に遊びに誘うなんて、唯先輩と何かあったのかな?」
憂「…そうだと思うよ?」
梓「え、何か心当たりあるの?」
憂「うん、ちょっとね」
梓「へえ…あ、そろそろ授業の準備しなきゃ…憂、また」
憂「うん…またね」
放課後
紬「じゃあ唯ちゃん、デー…お出かけ楽しみにしてるわね?」
唯「うん!またねムギちゃん!」
律「唯、ちゃんとおめかししろよ?あと勝負パンツも…」
ゴッ
律「……」
澪「唯、ムギと楽しんでくるんだぞ?」
唯「うん!私目一杯楽しむよ!」
紬(日曜日どこに行こうかしら♪唯ちゃんを楽しませてあげなきゃ!)
憂「あ…あの!」
紬「あら憂ちゃん?どうしたの?こんな時間まで…」
憂「私、紬さんとお話がしたいんですけど…いいですか?」
紬「うん…いいわよ?」
憂「単刀直入に聞きます…紬さん、お姉ちゃんのこと好きなんですか?」
紬「え?ええと…」
憂「お願いです、答えてください!」
紬(ここで嘘ついたら…私は唯ちゃんの気持ちを裏切ることになっちゃう…)
紬「ええ、私、唯ちゃんのこと…好きよ」
憂「そう…ですか…」
紬「それで…なに?憂ちゃん」
憂「私…紬さんの気持ちを確かめたいんです」
紬「私の…気持ち?」
憂「紬さんはお姉ちゃんのことを…どのくらい好きなんですか?」
紬「どのくらいって…」
憂「答えてください…私…紬さんの覚悟を知りたいんです」
紬「私の…覚悟…」
紬「あ…あのね憂ちゃん、私はただ唯ちゃんと一緒にいたいだけなの」
憂「一緒にいたいだけ…なんですか?」
紬「そうよ?それで唯ちゃんが私のことをもっと好きになってくれれば…」
憂「それだけで…ただそれだけで、お姉ちゃんにキスしたんですか?」
紬「……!ど、どうして…」
憂「私…見たんです。昨日紬さんがお姉ちゃんに好きって言いながらキスするところを」
紬「あ…あれはね…」
憂「キスするくらいなら、紬さんはお姉ちゃんのことを本気で想ってるんだなと思ってました…だから私は紬さんとお姉ちゃんのことを応援しようって思ったんです!」
紬「私は…」
憂「でも…ただ一緒にいたいだけなら、それじゃ私と変わらないじゃないですか!」
紬「違うの!私は唯ちゃんのことを本気で…」
憂「私だって!」
紬「えっ…?」
憂「私だって…お姉ちゃんのことが好きだもん!紬さんよりずっと前から!」
紬「憂ちゃん…」
憂「でも、でも…私は妹だから…紬さんみたいなことはできないんです!」
紬「……」
憂「…私、もう帰ります」
紬「待って憂ちゃん!私はホントに軽い気持ちなんかじゃないの!」
憂「当たり前です…もし軽い気持ちでお姉ちゃんにキスしたなんて言ったら…
私、紬さんのこと、軽蔑します」
紬「…私、唯ちゃんに好きになってもらえるように頑張るから」
憂「え?」
紬「だから…もし憂ちゃんに嫌われても、絶対に唯ちゃんから離れない!
だって私は唯ちゃんのことが大好きだから!」
憂「…失礼します」
最終更新:2010年01月02日 13:06