ほうかご!

紬「お茶が入りましたよ~♪」

律「お茶お茶ー!」

唯「あずにゃーん!そのモンブラン一口ちょうだい!?」

梓「やです!自分のイチゴショート食べてくださいよ」

唯「ええー、じゃあ私のも一口あげるからー、お願ーい!」

梓「・・・・・・まぁそれなら・・・」

律「澪のケーキひと口もーらい!」ヒョイパク

澪「おい律!ったくもう・・・」

律「へへーん!まぁまぁ替わりに私の一口やるってー!ほれ、あーん!」

紬「あらまらまぁまぁ」キラキラ

澪「じ、自分で食べれる!」

唯「あずにゃん!私たちも負けてられないよ!はい、あーん!」

梓「私も自分で食べられます!」

唯「ああん、あずにゃんのいけずー」ヨヨヨ

律「おおよしよし、かわいそうな唯!そんじゃ替わりに、ほい、あーん!」

唯「あむ!んー甘ーい!チョコクリームいっぱいだぁ~!」

律「そうだぞー!一番おいしいとこだったのに澪が食べないからー」プププ!

澪「」

唯「じゃあお返しにりっちゃんにも!はい、あーん!」

律パク「あんむ!ひゃーこれまたクリームにイチゴいっぱいですなぁ!」

唯「私もあずにゃんのために一番おいしいとこだったんだけどねぇ」ニシシ

梓「」

さわ子「りっちゃんと唯ちゃん、ほんと仲が良いわねぇ」

律「さわちゃん、いつの間に!?」

紬「はい先生、ケーキと紅茶どうぞ♪」

さわ子「ありがと、ムギちゃん」

さわ子「しかし『唯梓』だの『律澪』だの言われてるけど、実際仲良いのは『律唯』よねぇ」

澪梓「」


律「仲良いもんなー、唯ー!」

唯「だよねー、りっちゃん!」

律「唯ー!」ヒシッ!
唯「りっちゃーん!」ヒシッ!

澪「何やってんだか・・・」

紬「ゆいあず?りつみお?」

さわ子「カップリングのことよ~」モグモグ

紬「キマシタワー!!」キラキラドカーン!

律「なんだぁ急に」

梓「ムギ先輩、いきなりテンションMAXですね」

紬「わ、私は!?私のは何かないんですか!?」

さわ子「そうねぇ、ムギちゃんだとやっぱり『律紬』かしら?」

紬「りっ、りつむぎ!?」

澪「あぁ、2期14話のか」ボソ

梓「14話とか言っちゃダメです」ボソ

律「あの時のムギかわいかったんだぞー、どこ行っても楽しそうでさー」

紬「りっ、りっちゃあん!だ、抱き締めてもよかですか!!?」ハァハァ

律「よーし、ムギ!今日は受け止めてやろう!どんとこーい!」ババッ

紬「///りっちゃん!え、えーい!///」ドーン、ギュー!!

律「力強ぇ!負けてたまるか!おりゃあ!ムギー!」ギュウギュウ!!

紬「りっちゃん!りっちゃあん!!!」ムフームフー

澪「」


唯「いいなぁムギちゃん」

梓「・・・・・・・・・・」チラッチラッ

さわ子(梓ちゃん、唯ちゃんをチラチラ見てるけど、唯ちゃんは気づくかしら?)

唯「あっずにゃーん!!」ガバッ

梓「も、、もーやめてくださいよー」ニマニマ

さわ子(あ、視線には気づかなかったけど、自分の欲望のままいったか)

律紬「キャッキャツ」

唯梓「キャッキャッ」

澪「」


さわ子「澪ちゃん余っちゃったわね」

澪「口に出して言わないでください!」

澪(これがいつものムギの心境か。今までなんてひどいことを・・・)ウウッ

澪(しかし律はやらん!絶対にだ!!)

さわ子「そうだ、ここらで自分たちでベストカプを決めるのもいいかもねぇ」

澪「今この状況でなんてことを!!!」

紬「やりましょう!!」

梓「自分たちでって、また何のために・・・」

律「だいたいどうやって決めるんだよー?」

唯「会議とか?」

さわ子「とりあえず無記名投票でどう?」

梓「一番のカプだと思うのを各自書くわけですか」(唯梓!唯梓!!)

唯「えー面白そう!私やってみたいな!やろうよやろうよ!」

澪「な、仲悪くなっちゃったりしないよな・・・は、はは・・・・・・」

紬「私たちならそんなことにはならないわよ、澪ちゃん!」

律「仲悪いと思う2人を書くわけじゃないし大丈夫だってー」

さわ子「そうよ、暇潰しのお遊びお遊び」

梓(暇なら部活したらいいのに)

さわ子「さて、じゃこのメモ用紙にベストカプだと思う2人を書いてね」

澪(『律澪』!『律澪』がベストカプだろ!!)カキカキカキカキ

梓(『唯梓』!『唯梓』以外に考えられない!)カキカキカキカキ

律「おいおい、2人とも悩むことなく即決だなー」

紬「そんなに意中の人がいるのね~」キラキラニヤニヤ

澪(しまったー!いきなり書いたのはまずかったかー!梓ー!)ダラダラ

梓(澪先輩もですー!な、なんとかごまかさないと!えーとえーっと)ダラダラ

梓「あ、えっと、これって自分を書かなくてもよかったんですよね?」

唯「・・・」ピクッ

さわ子「もちろん大丈夫だけど?他の人書いたの?」

梓(よし!これでフェイント成功!)

澪(梓GJ!よくごまかした!)アイコンタクト

梓(どもです、澪先輩)アイコンタクト

澪(もし自分を書いたのがバレたら、学級委員長の投票で自分に入れたのがバレた時以上の恥ずかしさだろな)アワワ

さわ子(梓ちゃん、ごまかしたつもりだろうけど、そんなこと言っちゃったら・・・)チラッ

唯(・・・そっか、あずにゃん他の人書いたんだ・・・・・・)

紬(・・・)ニコニコ

律「うーん、どうすっかなー?」

澪(律!何を悩んでるんだ!私たち以外ないだろ!)

紬「うふふ、私はこれにしようっとー♪」カキカキカキカキ

唯「ムギちゃん、誰々書いたのー?」

紬「うふふ、内緒よ唯ちゃん。唯ちゃんはまだ?」

唯「うーん」

梓(この投票の原因が『律唯』とはいえ、唯先輩は『唯梓』って書くはず!)

唯「・・・・・・うーん」

梓(ってなにを悩んでるんですか唯先ぱーい!)

唯「ねぇさわちゃん?」

さわ子「なぁに?唯ちゃん」

唯「これって軽音部のメンバーだけでしか書いちゃいけないのかな?」

梓(!!!)

さわ子「そっか、真鍋さんや憂ちゃんもいるわね。部員以外でもいいわよー。」

唯「はーい」

さわ子(ほらね梓ちゃん、どうなっても知らないわよー)

梓(し、しまったー!『唯和』ですらかなりだけど、それ以上に『唯憂』は強敵すぎる・・・)

梓(しかも自分から確認したということは唯先輩、そのどっちかを書く可能性が高い!)

梓(もしかしてさっき私があんなこと言ったからだったりしたら・・・ヤバいヤバいヤバい!!)

梓(ど、どうしよう、唯先輩に私たちの仲はそんなでもないと思われてたら・・・・・・)ダラダラ

澪(梓、汗がナイアガラの滝のように!大丈夫か?)

律「よーし、決めた!」カキカキカキカキ

澪(ハッ!『律澪』!『律澪』だぞ律ぅ!)

律「うし!唯はまだかー?」

唯「どうしよっかなー?」

律「早く書きなちゃいねー」

唯「うーん、決めた!私も決めたよ、りっちゃん隊長!!」

律「よし急ぐんだ、唯隊員!」

唯「みんなに見えないように・・・っと」カキカキカキカキ

さわ子(ほんと、りっちゃんと唯ちゃん仲良いわねぇ)

唯「書けました!!」フンスッ

さわ子「それじゃこの箱の中に一旦入れてね」

がさがさ

さわ子「さ、これで誰が書いたかわからなくなったし、発表していくわよー」

さわ子(読む私は筆跡で誰が書いたかわかるんだけどね)イヒヒ


梓「け、結構緊張しますね・・・・・・」

澪「でもすぐ終わっちゃうしな・・・・・・」

さわ子「そうねぇ、ただ結果見るだけだとつまんないし、そのカップリングについて議論でもしてみる?」

唯「議論ってどんなふうに?」

紬「『異議あり!』とか?」ワクワク

唯「おお!『貴様にうちの娘はやらん!』とかだね!」

律「それじゃお父さんじゃないか」

さわ子「ま、そのカップリングの印象とかね」

梓(・・・・唯『梓さんを私にください!』)エヘヘ

律「なんだ梓、何にやけてんだ?」

梓「は!何でもないです!」

さわ子「それじゃいくわよー覚悟はできたわね!?」

律唯「おー!」

紬「おー!」


さわ子「まず1枚目!」ガサガサ

澪(『律澪』こい!『律澪』こい!)

梓(『唯梓』!『唯梓』!)

さわ子「・・・・・・・・・じゃん!!『唯梓』!」

梓(ッシャー!!!)グッ!

唯「やったね!あずにゃん!」

梓「ハッ、も、もう唯先輩こんなことで浮かれすぎです」ムニムニ

澪(くっ、なんだその顔は、ニヤケ顔が隠せてないぞ)

さわ子(梓ちゃん喜んでるけど、筆跡からして、これ、あなたの書いた紙よ・・・)

律「なんか今さら議論の必要もないカップリングだなー」

唯「えー議論してよー」クネクネ

紬「仲いいわよね、唯ちゃんと梓ちゃん!ほほえましいわ~」

澪「けど梓、いつも唯に文句ばっかり言ってるような・・・・・」

梓「そ、そんなことないですよ!」

律「梓『もー!ちゃんと練習しましょうよー!』」プププ

さわ子「梓『皆さんやる気が感じられないですー!』」プププ

唯「ひどい!ひどいよ!りっちゃん、さわちゃん!」

紬「でも梓ちゃんそっくり~」クスクス

梓「全然似てないですし、それは律先輩とさわ子先生に言ったんですよ!」

律「なにをー!こりゃー中野ー!!」

さわ子「じゃぁ当の本人の梓ちゃんはどうなの?このカップリング」

梓「私ですか?」

梓「えっ・・・・・・と、まぁ無難なとこではないでしょうか!」

澪「無難ってなんだそれ」

律「つまり選ばれて当然、と」

梓「そ、そんなんじゃないですけど、なんだかんだで鉄板ていうかなんていうか!」

梓「先輩後輩っていうのも重要な要素だし、唯先輩ベタベタ抱きついてくるし」

梓「でもそこを私が厳しく突き放すことでベタベタのクドさが消せた上、けど完璧に突き放せていないところで多分周りからはほほえましく見えるんだろうし」

梓「私がほら、小さいから唯先輩が抱きしめてるとこがみてて可愛らしいとういうか」

梓「そういうのが評価されて『唯梓』こそ至高であると思います!」

梓「あ、いや!思われているんだと思います!」フンスッ

律「なるほどねぇ」ニヤニヤ

紬「梓ちゃんの熱い気持ちが伝わってくるわ~」ニコニコ

唯「あずにゃん・・・・・・」パァァ

梓「べ、別に世間で思われてることを客観的に言っただけです!」

さわ子「へ~」ニヤニヤ

律「ほ~」ニヤニヤ

さわ子「さてさて梓ちゃんが自信満々なのがわかったところで、次のにいきますか!」

梓「ち、違いますー!!」


さわ子「そういうことにしておくわ♪それじゃ2枚目いくわよー!」

がさがさ

澪(ぬぉぉぉ!律澪ぉぉぉ!)

梓(もいっちょこい!もいっちょこーい!)

さわ子「・・・・・・・・・じゃん!『唯和』!」

梓「」ガクゥ・・・バタン

紬「梓ちゃん!?」

律「糸の切れた人形のようにくずれおちたな」

澪「梓!しっかりしろ!!」

梓(終わった・・・・・・早くも終わったぁ・・・)ブツブツ

澪ヒソヒソ「梓、まだこれを唯が書いたとはわからないだろ!」ヒソヒソ

梓ボソボソ「他に誰が『唯和』なんて書くんですか・・・・・・」ボソボソ

澪ヒソヒソ「と、とりあえずしっかりしろ!」ヒソヒソ

紬「うふふ♪唯ちゃんと和ちゃんも仲いいわよね~」

さわ子「幼なじみってのもカップリングの鉄板よねぇ」

澪(私たちみたいにな!)ウンウン

梓(・・・そっか唯先輩・・・・・・)

唯「いやー和ちゃんには保育園からお世話になりっぱなしだよー」テレテレ

律「まったく、和の気持ちがよくわかるわー」

澪「お前が言うな!」チョップ!

律「アギャ!」

梓(・・・私より和先輩のこと・・・・・・)

梓(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

さわ子「それじゃ次いくわねー」

梓「あ、あの・・・」

律「どした?梓」

梓「あ・・・えと、私ちょっとトイレに・・・」ガタッ

唯「大丈夫あずにゃん?顔色悪いよ?」

さわ子「あらほんとね」

梓「大丈夫です。すいません、ちょっといってきます。」

紬「梓ちゃん」

梓「すいません、皆さんは先に続けててください」タタタガチャパタン

律「大丈夫かぁ?梓のやつ」

澪「まぁ精神的なものだろうし・・・」

紬「精神的?」

澪「あ、いやなんでもないよ」

唯「・・・・・・」

さわ子「梓ちゃん、ああ言ってたけど帰ってくるまで待ちましょ」

紬「それじゃ紅茶入れ直しますね~♪」


・・・・・・・

さわ子「梓ちゃん、帰ってこないわねぇ」

唯「・・・・・・」

律「もう15分は経つぞ?」

澪「さすがに心配になってきたな」

唯「・・・・・・」

紬「私、見てくるね!」ガタッ!

律「おー頼むな」

唯「ムギちゃん!私が行ってくるよ!」ガタッ!!

紬「それじゃ一緒に・・・」

唯「ううん、私ひとりで大丈夫!」

紬「・・・じゃあ、唯ちゃんおねがい♪」


といれ!

梓(唯先輩、やっぱり私より和先輩のほうがいいんだ・・・・・・)グス

梓(あんなにいっぱい抱きついてきたのになぁ。それとも和先輩にもあんな感じなのかも・・・・・・)グスグス

コンコン

唯「あずにゃん?入ってる?」

梓(唯先輩だ・・・・・・)

コンコン

唯「あずにゃん?大丈夫?返事して?」

梓(こんな泣き顔じゃでていけないよ・・・・・・)グスッ

唯「!」

ガタン!ガタガタ!ゴト!ガタ!!

梓(なに!?なんなの?)

ガバッ!

唯「やっぱりあずにゃんだ!大丈夫!?」

梓「なっ!?唯先輩なに仕切り壁よじ登ってるんですか!」クルッグシグシ

唯「返事がないし、倒れてるのかと思ったら、そしたらあずにゃんの泣き声が聞こえてきて」

梓「そんなことくらいでトイレ覗くなんてサイテーです!」

唯「だから返事もできないくらいしんどいのかと思って、あずにゃん大丈夫?」

梓「・・・・・・・・・」

唯「あずにゃん?なんで泣いてるの?」

梓「グスッ・・・・・・なんでそんなに私に構うんですか?」

唯「なんでそんなこと聞くの?あずにゃんがあずにゃんだからだよ?」

梓「グスッ・・・意味がわかりません。」

唯「あずにゃん・・・・・・」

梓「・・・・・・唯先輩はグスッ・・・私より和先輩のほうが大事なんですよね?」グスッ・・・

唯「!?さっきの投票のこと?」

梓「・・・・グス・・・はい・・・・・・実は私グシュ・・・・あんなこと言いながら・・・グスッ『唯梓』って書きました」

唯「・・・・・・あれ書いてくれたのあずにゃんだったんだ・・・」


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最終更新:2011年06月17日 22:28