……

みお「うちの湯船小さいんです…狭くてごめんなさい」

澪「そんな事ないよ、2人で入れそうだね(何を隠そうママとそうしてきましたからね…)」

みお「…」

澪「…」

みお「…お姉ちゃん」

澪「なに?」

みお「手出して?」

澪「…手?…はい」チャプ…

みお「…えへへ」にぎ

澪「…えっ?(握った?)」///

みお「…お姉ちゃんの手…おっきいね」

澪「くっ…!(がーん)」

みお「ママの手みたいだぁ…」キャッキャ

澪「(気にしてる事を…)」


澪「おいでー、髪洗ってあげる」

みお「うん」

澪「かゆいとこないー?」ワシャワシャ

みお「大丈夫です」

澪「綺麗なお髪だね、みおちゃん」

みお「お姉ちゃんだって綺麗なお髪してるよ」

澪「そ、そうかな?ありがとう……(えっ?)」ピタ

みお「…?」

澪「……(そんな…嘘でしょ…?)」

みお「…お姉ちゃん?どうかしたのー?」

澪「えっ?あ、ご…ごめんごめん…なんでもないよ」ワシャワシャ

みお「?」

澪「…」

澪「…」

澪「(私とまったく同じ場所にほくろがある…)」

……

みお「お姉ちゃん」

澪「なーに?」

みお「入る前に気づけば良かったんだけど…替えの服が無い…」

澪「あっ!ごめんごめん!忘れてたよ…今とって来るから」

みお「場所、わかりますか?」

澪「大丈夫、大丈夫、ちょっと待っててね」

みお「うん」

澪「風邪ひかない様に…タオルにくるまっててね」

みお「はーい」

……

澪「(弱ったな…みおちゃんに合う替えの服なんて…ウチにあったかな?
  あ、確か私が昔使ってた服が…この棚だったかな…)

ドタドタ

律「ただいま戻りましたよー」

澪「うわぁぁぁぁ!!!」

律「……」

澪「り、律!意外と早かったんだな…!」

律「なに下着姿ででうろちょろしてるんだよ…
っていうか髪の毛もちゃんと乾かしなさいよ…」

澪「み…見るなぁ!」///

……

澪「(結局私が昔使ってた下着とパジャマしか見つからなかった…
  これでいいのかな…?っていうか冷静に考えて人の使ったお古なんて嫌だよな…)」

澪「ご、ごめん…みおちゃん、こんな物しか見つからなくて…」

みお「わぁ、私のパジャマだぁ!ありがとう、お姉ちゃん」

澪「…」

みお「お姉ちゃんの方が風邪ひいちゃうよ…髪の毛乾かさないと…」

澪「……」

みお「おねえちゃん?」

澪「あっ、うん…そうだなっ!」

みお「?」

澪「…」

……

律「みーおちゃん」

みお「…?」

律「おいでー」

みお「なーに?」

律「あーん…」

みお「…」

律「ほらっ、あーん…」

みお「あーん」///

律「おいちー?」

みお「…おいひい…」モグモグ

律「おいちー♪」

澪「こらっ、つまみ食いなんてはしたないぞー」

律「いいじゃん、いいじゃん、ちょっとくらい」

澪「夕ご飯食べれなくなっちゃうぞ?」

律「私のハンバーグはおいしいから大丈夫!」

みお「お姉ちゃんのハンバーグ楽しみ」

律「ちょっと待ってろよー、すぐ作っちゃうから」

澪「流石に手慣れてるな」

……

律「どう?おいしい?」

みお「とってもおいしい!」

律「良かったー、喜んでくれて、澪はどう?」

澪「うまくできてるよ、おいしい」

律「ふふーん、だろだろっ?もっと褒めて」

澪「意外と料理得意なんだよな、律って」

律「意外は余計だっつーの!」

みお「お姉ちゃんも律って名前なんですね」

律「…ん?」

みお「私のお友達にも律って名前の人がいるんです
さっきお姉ちゃんに話したりっちゃんってその人なんです」

律「あ、うん…そうなんだぁ?!…へぇ~…」

澪「……。律!お風呂入ってきたら?」

律「へっ?」

澪「私達もう入っちゃったし、どうせもう今日は泊っていくんだろ?」

律「う、うん…じゃあそうしよっかな…」

澪「今着替え持ってくるよ」

律「ありがとー」

……

律「なぁ、澪…」

澪「…」

律「あの子…間違い無いって…昔の澪だ」

澪「まだ言ってるのか…そんな事」

律「昔の澪でしか知り得ない事も知ってるんだぞ?」

澪「それは私も感じてたけど、たんなる偶然かもしれないだろ?」

律「パイナップル」

澪「パイナップル?」

律「覚えてるか?」

澪「律の……髪型?」

律「そう、私が昔澪を元気づける為にやってた…」

澪「覚えてるけど…それがどうしたんだ?」

律「実は澪がいない時にあの子にやってみたんだ」

澪「いつの間にそんな事を…」

律「澪がトイレに行ってる時だよ、私が携帯から澪の家に電話かける前」

澪「あ、あの時…それで、どうだったんだ?」

律「笑ってたよ」

澪「笑ってただけじゃそうも言いきれないだろ」

律「『私のお友達のりっちゃんも同じ事するんです!お姉ちゃんおもしろいって』
  そう言ってたよ」

澪「……。冗談…だろ?」

律「冗談じゃないよ、本当に言ってたんだ」

澪「……」

律「…なんていうかさ、背筋が凍るよな…
こんな事知ってるのは私と澪くらいのものだろ?」

澪「違う…私じゃない…」

律「…まぁそう思いたい気持ちもわかるけどさ」

澪「きっとあの子は誰かしらの影響で私達の過去を知ってるだけだ
  それをさも自分の事の様に話してるだけだと思う」

律「絶対に認めたくないんだな…あの子が昔の自分だって」

澪「…そんな事ある訳ない、絶対ある訳ないんだ!」

律「…澪、それはそうとして、どうするんだ?」

澪「?」

律「あの子が赤の他人だとしても、まずい気がするんだよな
  いつまでも親戚だなんて嘘ついていられないぞ?
  朝には澪のお母さん帰ってくるんだろ?」

澪「あぁ、わかってる」

律「それに赤の他人だとしたら、私達は知らない子を勝手に家にあげて、
  言い方が悪いけど拘束してる訳だろ?
  この子のご両親きっとすごい心配してると思うんだ」

澪「確かに…そうだな」


律「……」

澪「……」

律「どうするんだ?」

澪「……」

澪「お母さんが帰ってくる前に…警察に連れていこう
  もうこんな時間だし、夜が明けたら私が連れていくよ」

律「…うん、それがいいと思う…私も一緒にいくよ」

澪「(あの子にはちゃんと家族がいて、帰るべき場所が必ずある筈
  家出かなにかとしても警察に引き渡してちゃんと自分の
  帰る場所に帰った方が良いに決まってる)」

……

律「ありがとう、上がったよん」

澪「しー」

律「あ、寝ちゃったんだ」

みお「…すー……すー……」

律「はは、…可愛い寝顔」

澪「このままじゃ風邪ひいちゃうかもしれないからな、私の部屋のベッドに移動させるよ」

律「その方がいいかもね、一人で大丈夫?」

澪「大丈夫」

澪「(軽いなぁ…よく寝てる…)」

みお「すー…」

澪「(豆電球だけ点けておこう)」

みお「…」

澪「(おやすみ、みおちゃん)」

みお「…お姉ちゃん」

澪「…!」

みお「……」

澪「ご、ごめん…起こしちゃった…?」

みお「…お姉ちゃん……いかないで…」

澪「…どうしたの…?悪い夢でもみたの…?」

みお「ううん…」

澪「……」

みお「怖いの…一緒に…寝てもいいですか…?」

澪「……」

みお「……」

澪「わかったよ、私が朝まで一緒にいるから、安心して」

みお「お姉ちゃん…ありがとう…」

澪「いいよ」ナデナデ

みお「…お姉ちゃん…」ぎゅ

澪「(うわっ…)」ドキドキ

みお「すーっっ…」

澪「(私…抱き枕みたい…)」

みお「お姉ちゃんの匂い…ママと同じ」

澪「へ?そ、そうなの?」

みお「うん、とっても落ち着く…」ぎゅ

澪「そそそれは…良かった…!(なに動揺してんだ…私!)」

みお「……」

澪「……」

みお「……」

澪「……(え…?)」

みお「…グシュ……クスン…」

澪「み、みおちゃん…?どうしたの?大丈夫…?」

みお「グシュ…寂しいよぉ…ズズ…」

澪「寂しい…?」

みお「みんな…みんないなくなちゃった…一人ぼっち…」

澪「いなくなった…?一人ぼっち…?」

みお「……ママに…ママに会いたいよぉ…グスン…」ぎゅ

澪「……」

みお「パパにも…スン…りっちゃんにも…ズズ…」

澪「……」

みお「…お姉ちゃん…」ぎゅ

澪「マ…ママは…」

みお「……」

澪「ママは明日の朝に帰ってくるから、もう少しで会えるよ」

みお「ほんとに…?」

澪「ほんとだよ、だからみおちゃん明日の為にぐっすり眠ろう?…ね?」

みお「……うん」

澪「……」

みお「……」ぎゅ

澪「…いいこいいこ」

みお「…」///


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最終更新:2011年06月18日 01:14