にねん!

憂「でね~、キッチンでお料理の準備してたらいきなり後ろからお姉ちゃんが抱きついてきてね~」

純「はいはい」

憂「驚いて振り向いたら、あどけない笑顔でお姉ちゃんが『えへへ、驚いた?』なんて言ってくるんだよ!」

梓「そうですかー」

憂「最近よくイタズラしかけてくるんだけど、あの笑顔があったら何でも許せる気がするよ~」

純「それは良かったですね」

憂「ちょっと2人とも、ちゃんと聞いてる~?」ユサユサ

梓「聞ーいーてーるーよー」ユラユラ

憂「もう、絶対聞いてなかったでしょ!」プンスカ

純「はいはい、ごめんね憂」

憂「ぶー、梓ちゃんも純ちゃんも知らないもん」プクー

梓「それより憂、次の選択授業国語じゃないの?急がないと遅れちゃうよ」

憂「あ、ほんとだ!準備しなきゃ!」タタタ


純「…何ていうかさ」

梓「…うん」

純「最近の憂、ほとんど唯先輩のことしか話さないようになったよね」

梓「そうだよね…元から異常なくらいお姉ちゃん大好きっ子だったけど…最近は特に異常というか」

純「口を開く度に『お姉ちゃんが~』だもんね。ほんとに何があったんだろ」

梓「…実はさ」

純「ん?」

梓「唯先輩の方も、憂についての話が増えてきてるんだよね」

純「本当に?」

梓「うん。憂に比べれば控えめだけど、それでもほとんど憂のことしか話さないようになって…」

純「ここでは唯先輩の、部活では憂の話か…梓も大変だね」

梓「ほんとだよ。このままだと私、平沢姉妹の生態を完全に解明しちゃうかも」

純「あはは…」

憂「おまたせ、純ちゃん!さ、授業行こ!」

純「じゃ、私も国語だから行ってくるわ」

梓「行ってらっしゃーい」ヒラヒラ

…………
………
……


ひるやすみ!

憂「でね、ご飯を食べ終わった後に、お姉ちゃんがお皿を洗うのを手伝ってくれてね~」

純「ふーん」モグモグ

憂「ごほうびにアイスを2つあげたら、嬉しさのあまりに部屋中をぴょんぴょん跳ね回ってたの。それがまた可愛くてね~」

梓「へぇー」ゴクゴク

憂「でもテーブルとかにぶつかって怪我したら大変だから仕方なく『座りなさい!』って言ったの。そしたらしゅんってなってソファに座り込んじゃって、もうとにかく可愛くてね~」

純「ほぉー(さっきの休み時間からずっと続いてるけど、この話いつ終わるんだろ)」

憂「で、私もお姉ちゃんの横に座ってアイスを食べてたの。そしたら~」

梓「なるほどー(お母さんの玉子焼きは今日もおいしいなー)」モグモグ

憂「お姉ちゃんにいきなりキスされちゃって~」

梓・純「ブーーー!!!」

憂「わっ!ど、どうしたの2人とも!?」

純「ゲホゲホ…あ、あんたがいきなり変なこと言うからでしょうが!」

梓「けほ、けほっ…」

憂「えっと…なんか、ごめんなさい?」

純「なんで疑問形!?この子自分の言ったことの重大さが分かってない!?」

梓「…憂、キ、キスってその、もちろんほっぺに…だよね?」

純「はっ、そうかほっぺか~、何を早とちりしてるんだ私はあはは…」

憂「もちろんお口同士だよ?」

純「薄々分かっていたさ…」

憂「でね、いつもお姉ちゃんにやられっぱなしだったから、今度は私からしてみたの。そしたら~」

純(話を戻した!?)

憂「お姉ちゃんが『負けないよ!』って私の頬を両手でがっしり掴んで、何度もちゅっ、てしてくるの!」

梓(何でこんな話を恥ずかしげもなく言えるのこの子…でも)

純(キスかぁ…そういえばしたことないなぁ…)

梓(TVとかだったら何回も見たことあるけど…実際どんな感じなんだろ…)

純(梓は…したことあんのかな…?)チラッ

梓(純は…どうだろ?そういう話は聞いたことないけど…)チラッ

憂「ちょっと2人とも!?」バン!

梓・純「は、はい!!」

憂「もう、また聞いてなかったでしょ!」

純「あはは、ごめんごめん…」

梓「…ねえ、憂はさあ、その…抵抗とかないの?」

憂「何が?」

梓「唯先輩と…キスすることに」

憂「当たり前だよ~。お姉ちゃんのちゅーは優しくて、温かくて、とっても気持ちいいんだもん」

梓「そう…(気持ちいい…か)」

憂「でね~、そこから…」

…………
………
……

ほうかご!

憂「じゃ、私は夕飯の買い出しに行くから急いで帰るね」

純「ん。分かった」

憂「2人とも、部活頑張ってね~」ヒラヒラ

梓「バイバーイ」ヒラヒラ

純「さて、私も部活に行きますかね…」ガタッ

梓「…」

純「ん?どした梓?」

梓「ああ、ごめん。お昼の憂の話が気になって、ちょっと考えてたの」

純「憂と唯先輩か…まあ幸せそうだったし、本人同士が良かったらいいんじゃない?」

梓「そっちじゃなくて…いや、そっちも十分気になるけど、私が考えてたのはそっちじゃなくて…」

純「キスのこと?」

梓「うん」

純「キスねぇ…私はしたことないなぁ…そもそもそういうのに縁がないし」

梓「私も。中学の時も、男の子とはほとんど話したことなかったし」

純「梓は女ってよりは子供って見られてたんじゃない?」ニヤニヤ

梓「ぶつよ」スッ

純「ごめんなさい」

梓「でも…やっぱ気になるなあ。憂は気持ちいいって言ってたけど」

純「そんなに気になるの?」

梓「うん。気になりすぎて今日眠れないかも」

純「そっか…」

梓「うーん…」




純「じゃ、してみる?」

梓「え?」

純「キス。今ここで」

梓「いや、興味はあるけど…相手いないじゃん」

純「だーかーら、私と梓で」

梓「私が?純と?」

純「うん」

梓「でも、私たち女の子同士だよ?」

純「憂と唯先輩だって女の子同士じゃん」

梓「あ、そっか。でも…」

純「何?」

梓「ほら、私これでも一応ファーストキスだし…大切にしたいっていうか」

純「大丈夫だよ。同性間のキスはノーカンだって、うちの先輩が言ってたし」

梓「そうなの?」

純「うん」

梓「いや、でもなあ…」

純「いいじゃん減るもんじゃないし。私もちょっと興味あるし」

梓「うーん…」

純「ちょっとちゅってするだけだよ。だから、ね?」

梓「うん…じゃあ、一回だけ」

純「さっすが梓!んじゃ早速…」スッ

梓「ちょ、ちょっと待って!」

純「もう、なにさ?」

梓「ちょっとだけ、心の準備させて!」

純「焦れったいなあ」

梓「すーっ、はーっ、よし、いいよ!」

純「おっけー。そんじゃ改めて…」ガシッ

梓「うん…(目は閉じた方がいいんだよね…?)」ギュッ

純(うわ、何か緊張してきた…///)ドキドキ

梓(…///)ドキドキ



チュッ


純「んっ…(うわっ…梓の唇、柔らかいなあ…///)」

梓「んむっ…(純とキスしちゃってる…でもなんかこれいいかも…///)」

パッ

純「…///」

梓「…///」ポーッ

純「…で、どうだった?///」

梓「え?な、何が?///」

純「だから、キスだよ、キス。今の」

梓「え、あっ、そうだねえーっと…」

純「…」

梓「…」

純(うわっ!き、気まずっ!)

梓(やばっ、とりあえず何か喋らないと…キスの感想…)

梓「純、そ、その…」

純「え、えっと、あっ!私これから部活に行かないと!!」アタフタ

梓「えっ、あ、あーそうだなー!私も軽音部あるし、んじゃまた明日ね純!」アタフタ

純「うん!じゃあね!」ダッ

梓「…///」

…………
………
……

純(どうしよう…気まずくて勢いで教室抜け出してきたけど…)

梓『純、そ、その…』

純(あれって…確実にキスの感想言おうとしてたよね…)

純(ぐああああ!!何で抜け出したりなんかしたの私!この後余計気まずいじゃん!)

純(でも…梓の唇、柔らかかったな…)

純(また…したいかも…)

………
……

梓(キスしちゃったキスしちゃったキスしちゃった…)

梓(唇にまだキスの感覚が残ってる…)スッ

梓(ちょっと…気持ち良かったかも…)

梓(純は…どう思ってるんだろ)

梓「またしたいな…なんて」ボソッ


唯「何を?」

梓「どわああああ、ゆゆゆ唯先輩!?」

唯「うおわあああ、ゆゆゆ唯先輩ですが何か!?」

梓「いきなり後ろから現れないでください!さわ子先生じゃないんですから!!」

唯「ごめんごめん。で、何をしたいの~?」

梓「ゆ、唯先輩には関係ないことです!!」

唯「え~、まあいいや。それより昨日憂がね~」

梓「その話、たぶん憂が今日私に話したことと同じやつですよね」

唯「多分ね~」

梓「じゃあいいです。急いで部室行きましょう」

唯「まあまあ、お姉ちゃん視点の話も気になるでしょ?聞いていきなさいな」

梓「結構です(そもそもその話自体あんまり興味ないし…)」

梓(…キスのこと以外は)

唯「まず、昨日の夕方にお料理の準備をしてる憂に不意打ちで後ろから抱きついたんだけどね~」

…………
………
……

つぎのひ!

憂「でね、昨日お姉ちゃんと一緒にギターの練習してたんだけどね~」

梓「ふーん…(ダメだ…昨日のキスが気になって全然眠れてない…)」ポーッ

憂「お姉ちゃん、楽譜読めないから私に泣きながら読み方を聞いてくるんだよ~。あの顔は堪らなかったね!」

純「そっかー…(眠い…いつも以上に憂ののろけ話がどうでもよく感じる…)」

梓(純…眠そうだな。昨日のこと考えてたのかな…?)

梓(後で聞いてみよう)

憂「それでね、お姉ちゃんが完璧に弾けたから、ご褒美ってことでまたキスしたんだ~」

梓・純「!!」ビクッ

梓(キス…///)ドキドキ

純(恥ずかしげもなく言うなあ…ちょっと憂が大人に見える)ドキドキ

憂「どうしたの梓ちゃん、純ちゃん?」

梓「うぇっ!?ななな何か!?」

憂「いや、何か急に固まったからどうしたのかなって…」

純「何でもない!ほんとに何でもないから!」

憂「そう?」

梓・純「うんうん!!」

憂「ならいいや。それでね~」

梓(純…明らかに動揺してた…やっぱりキスのことだよね?)ドキドキ

純(ヤバい…今キスって聞いたらどうしても昨日のことが浮かんでまたしたくなる…)ドキドキ

梓・純(…///)ドキドキ

…………
………
……


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最終更新:2011年06月18日 22:02