337. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/10(火) 01:09:15.34 ID:86gE69gY0
→B:白いランプがぽつーん、ぽつーん。
    「何だろう?  見てみよう」


手に取り携帯電話を開くと、一件のメールが届いていた。
宛先は……。


唯「澪ちゃんだ!」


------------------------
Fron:澪ちゃん
Sub:ちゃんと帰ったぞ
------------------------
外もそれほど暗くなかった
し、大丈夫だったよ。
それよりも唯、ちゃんと休
むんだぞ?
それじゃ、また明日。
------------------------


唯「あ、そうだ……メールしてっていってたんだっけ……」

唯「ん?  続きが……」



------------------------
それじゃ、また明日。




寝坊はするなよ?

------------------------


唯「ひいいいい!!」



338. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/10(火) 01:10:13.29 ID:86gE69gY0

唯はベッドから転がり落ちるようにして食卓につき、目を白黒させる憂を前に、猛スピードでごはんをかきこんだ。
制服に着替え、ギー太を背負い、家を飛び出した。


唯は走りに走っていた。
先ほど見た携帯電話の時計の時刻を思い出す。
かなり眠りすぎてしまったようだ。
学校に遅刻はしないが、朝練には高確率で遅れてしまいそうだ。


唯「(どうしようどうしよう!  それも、今日は新入生歓迎会があるのに!!)」


必死の思いで学校にたどり着き、校門をくぐった。


息を整え、さらに走り出そうとした。


唯「うわわっ!?」


*選択肢*

A:トントントン、と階段から誰かが下りてきた!
    あう、目があったよう。

B:さっ。
    肩に誰かが触った。ぐいっと視線を合わせられる。
    あうう。

C:きょろきょろ。  
    視線を感じる……あ、見つけたっ。

D:わああ、こっちに歩いてきたよう!
    な、なんだろう?


340. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2011/05/10(火) 01:11:46.53 ID:wSctHGMK0
C
349. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/11(水) 00:48:37.84 ID:IpGMIthx0
→C:きょろきょろ。  
    視線を感じる……あ、見つけたっ。


不意に、通り過ぎた下駄箱から視線を感じ、唯は振り返った。
戸惑いながら、こちらを窺うように見ている。


純「唯先輩?  ……何しているんですか?」

唯「あ……純ちゃん」


見ると、純が不思議そうな顔をしていた。
純の肩には、しっかりとベースがかけられている。


唯「そっかー、純ちゃんたちジャズ研も勧誘やるんだもんね」

純「そうですよー。ていうか、その唯先輩」

唯「うん?」

純「朝練……いいんですか?  梓がやるっていっていたのを聞いた気が」

唯「えっ、あっあ、そうだ、それはえっと」


純に何と説明しようか、唯は必死に考えた。


*選択肢*

A:「つ、ついつい寝坊しちゃって……あ、あはは……」
      苦笑いするしかないよね……。うう。

B:「そうだった!  急いでいたんだった!  ごめんね純ちゃん、私部室に行くから!」
      ゆっくりしている暇なかったんだった!  走んなきゃ!

C:「朝練……うん、もう間に合いそうにないなあ」
      皆ごめんね。教室に行こうか……。

D:「昨日遅くまでギターの練習していたの……そしたら……こんなことになっちゃった……ふ、ふええん!!」
      私のばかばかばか!!  思わず純ちゃんの前で涙。

E:「純ちゃんたちは朝練ないの?  ジャズ研ってなにやるの?」
      他の部はどうやって勧誘するのかな?

351. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2011/05/11(水) 01:02:04.05 ID:Dqu6Qzh0o
B
362. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/11(水) 01:38:28.52 ID:IpGMIthx0
→B:「そうだった!  急いでいたんだった!  ごめんね純ちゃん、私部室に行くから!」
      ゆっくりしている暇なかったんだった!  走んなきゃ!


言うと、純に軽く手を振り、唯は猛スピードで階段を駆け上がっていった。
嵐のように去っていった唯の後ろ姿を茫然と見つめる純。


純「相変わらず不思議な人だなあ……」


唯の必死な形相を思い出し、思わずクスリとした。


純「ともかく、朝練を平気でさぼる人じゃなくてよかったよ……」

純「あれ?  なんで、『よかった』なんて……」

純「……ま、いいか!」


※純の【尊敬】ステータスが下がらずに済みました!


363. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/11(水) 01:39:09.09 ID:IpGMIthx0

やっとのことで、音楽室前にたどり着いた唯。
わずかに楽器の音が聞こえた気がしたので、まだ朝練は終わっていないようだ。
ほっと胸をなでおろしつつも、緊張の面持ちで唯はドアノブに手をかけた。


*選択肢*

A:「やっぱり唯か!  こらぁ―――っ!  当日に遅刻だぞ!!」
      突然ドアが開いた!  わ、わあ!  りっちゃん!?

B:「唯!  まったくお前は……私のメール見たのか?」
      中に入ったら、澪ちゃんに叱られちゃった……。

C:「あ、唯ちゃん…………ごめんね、昨日疲れちゃったのね……」
      中に入ったら、ムギちゃんが私の手を引いてそっと謝ってきた。違うよ!  自分のせいだもん!

D:「よかった、唯先輩来たんですね……というか、あれだけ親身に相談にのってくれた割には今日遅いですよ?」
      ドアが開いて、あずにゃんがたしなめた。だめな先輩でごめんね。

E:「あら、来たじゃない!  よし、久しぶりにいっちょ揉んであげるわよ?」
      ドアが開いたら、さわちゃんが話しかけてきた。遅れた分、みっちりお願いします!
364. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/05/11(水) 01:41:13.58 ID:emDOxPe3o

380. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/11(水) 23:59:03.29 ID:C588wABb0
→B:「唯!  まったくお前は……私のメール見たのか?」
      中に入ったら、澪ちゃんに叱られちゃった……。

澪が言うと、周りの律、紬、梓、さわ子の4人も唯を見つめる。


唯「うん……ちゃんと見たんだけど……その、メールに気付いたのが……」

澪「……起きた時で、すでに寝坊していた、と。」

唯「はい……しゅみましぇん……」


唯がうなだれると、他の4人も、四者四様の反応を返した。


律「まーったく!  唯は仕方ないな!  どうしたんだよ?  お前、ちゃんとやるときにはちゃんとやるじゃん?」

紬「お寝坊さん、っていうと……やっぱり疲れているんじゃないかしら?  今日、大丈夫?  無理しなくてもいいのよ」

梓「だめですよムギ先輩。唯先輩!  ちゃんと弾かなきゃだめですよ!!  言葉には責任持ってくださいね!」

律「(『やっぱり』?  『責任』?)」

さわ子「まあ過ぎたことは仕方ないわよ、ほら唯ちゃん、しゃきっとしなさい!  目がとろんってしているわよ?」

唯「ほ、ほいっ!!」


381. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/11(水) 23:59:29.39 ID:C588wABb0

さわ子の言葉に、ぴんと背筋を正す唯。
それを見て、律は苦笑しながら言った。


律「唯の奴ってば、まったくなぁ。ていうか、私も唯にメール送っておけばよかったな。そうすりゃ寝坊しなかったかも」

梓「にしても、澪先輩がライブの前に誰かにメール送るのって珍しいですね」

さわ子「いつも澪ちゃん、自分のことで手一杯だものね。それだけ唯ちゃんが心配だったのかしら?」

澪「えっ、いや、そんなこと……」

紬「(私も唯ちゃんに送っておけばよかったかな……?)」

律「そういや確かに珍しいよな。どうした急に?  もしや唯、不安だったのか?」

唯「ふえ?  え、えっと……」


*選択肢*

A:「昨日、澪ちゃんに特訓してもらってたんだよ!  その流れでメールすることになったんだ」
      特訓だし、みんなには話してもいいよね?

B:「な、ななな……ナンデモナイヨ?」
      皆に特訓のことを知られるのが恥ずかしい!  言わない、言わない。

C:「えっと………………」
      特訓のことは話しづらいなあ……なんて言えばいいだろう。口ごもっちゃった……。

D:「ううん。たまたまだよ?  皆ごめんね、朝練、私もやる!」
      特にいうようなことでもないしね。本番に向けてきっちり練習!

382. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2011/05/12(木) 00:02:15.37 ID:gguKJh9u0
D
390. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/12(木) 00:51:09.97 ID:DPfNULZ20
→D:「ううん。たまたまだよ?  皆ごめんね、朝練、私もやる!」
      特にいうようなことでもないしね。本番に向けてきっちり練習!


平静を繕って唯が言うと、押し切られたように4人は頷いた。


律「……そっか」

さわ子「あらなんだ。つまんないのー」

梓「まあ、唯先輩危なっかしいですしね」

唯「あずにゃんひどい……」

梓「事実です」

律「そうだよな、唯って変に弱いとこある」

唯「へ?  そう?」

紬「そうかしら?」

律「う?  あはは、何でもない」


少し照れたような笑いをする律と、いつもと少し違う唯の態度に疑問を覚えながらも、楽器のセッテイングを始めた。
さわ子は、顎に指を当てながら、面白そうに見ていた。


391. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/12(木) 00:52:07.30 ID:DPfNULZ20

澪「(たまたま、か……)」


澪は、ベースを肩にかけながら、ずっと考えていた。


澪「(なんで昨日のこと言わないんだろう……別に、言ってほしいわけじゃないけど……)」

澪「(…………でも)」

澪「(……唯のばか)」

紬「(……たまたま、じゃないみたいね……)」

紬「(私、結構色んな事を見抜いちゃうから……)」

紬「(どうしたのかしら、唯ちゃんと澪ちゃん……)」


※澪の【信頼】ステータスが、2/5  →  1/5  にダウンしてしまいました。


392. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/12(木) 00:52:49.02 ID:DPfNULZ20

セッティングを終え、準備は万端となった。


唯「よし!  朝練をしよう!」

律「お前がいうな!」


ぽかりと小突かれ、二人は思わず笑いあった。


紬「もう時間もあまりないけど……どうしようか?」

唯「うーん、私は何しようかな……?」


*選択肢*

A:一通りギターを弾いて、チェックしてもらおう!

B:声の調子はどうかな?  歌の練習だよ!

C:何人かでセッション!!  合わせるのも大事だよね。

D:一曲全員で合わせてみよう!  リハーサルだね!



-------練習について---------

・色んな練習方法があり、効果は様々です。
・シンプルな練習ほど疲れがたまりませんが、ステータスの伸びはあまり期待できません。
・逆に大掛かりな練習ほどステータスは伸びますが、疲れやすいです。
・疲れがたまると、うまく演奏できなくなることもあるので、注意しましょう。

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393. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/05/12(木) 00:55:30.48 ID:6jDC1XIFo

402. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/12(木) 01:38:10.49 ID:DPfNULZ20
→A:一通りギターを弾いて、チェックしてもらおう!


唯「時間もないし、これかな。確認しておこうっと!」

律「そうだな、個人練でいいかもなー」


唯がギターを構えるのを見て、律は頷いた。
それから、各自ばらばらに演奏し、確認し合っていた。
唯の軽快なギター音が鳴り響く。


梓「あ、唯先輩、いい感じですよ」

紬「うん!  ちゃんと弾けていると思うわ」

さわ子「よしよし。いいわよ〜ん」

律「そう、か?」


律の思いもよらない言葉に、唯は思わず律を見る。


唯「ふえ?  だめ?」

律「いや、だめじゃないよ、弾けていると思う……悪い、私の勘違いだった。ごめんなあ唯ー?」


律がいつもの調子で唯に絡む。
唯は、律の突然の変化を不思議に思ったが、それは言わずにおいた。

403. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/05/12(木) 01:49:13.92 ID:DPfNULZ20

唯「澪ちゃん、どう?」


聞くと、澪は、はっと顔を挙げ、ぼそりと呟くように言う。


澪「……うん、いいと思う。唯は、やればできる奴だからな」

唯「ふえ?」

澪「なんでもないよ、ほら、もう少し弾いたらどうだ?」

唯「あ、うん……」


促されてまた弾くと、やはりなめらかに音が響いた。
皆がまた褒めるのを聞き、唯はふと思う。


唯「(えへへ。これも澪ちゃんとの特訓のおかげだね)」

唯「(……やっぱり、皆に特訓のこといってもよかったな)」

唯「(澪ちゃんとの特訓で鍛えられたんだから)」

唯「(それを、私だけの手柄みたいにしちゃった……うああ、私のばか!)」


唯の【ギター】ステータスが  2/5  →  2.5/5  にアップしました!




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最終更新:2011年06月21日 04:52