―――野球部部室

律「くっさ!この汗臭さ……おえっ」

澪「女子の匂いの限界を超えてるな」

唯「お~い!バットとヘルメット発見!」

梓「2セットしかありませんね」

律「うーん、よし!バットは梓が使えよ!」

梓「いいんですか?」

憂「梓ちゃん似合ってるよ~!かっこいい!
  純ちゃんと3人でバッティングセンター行った時を
  思い出すね!」

梓「そ、そうかな(あの時は憂がいきなりホームランぶちかましたんだっけ)」


―――数十分後


律「使えそうなのはこれくらいか!」

澪「バット2本、ハンマー1本、包丁1本、スコップ1本に……」

紬「チェーンソー1本~♪」

梓「どこから持ってきたんですかムギ先輩……」

唯「あとは~ホッケー部から拝借した防具がいくつかとホッケーマスク
  人数分だね!」

律「これで無いよりはマシになったな!」

紬「じゃあ早速防具を付けましょう!」

唯「暑いよ~」ガサゴソ

澪「う、き…きついな……なぁ、これ腰のあたりがきつくないか?」ガサゴソ

唯「そうかなぁ?あたしは胸のあたりがきついや~」

澪「……」

律「よーし!みんな防具は付けたかー?」

紬「はい~完了~!」

澪「ひっ!ムギ……怖いよ」

梓「ホッケーマスクとチェーンソーがハマりすぎですね」

律「ま、まぁこんな重いの振り回せるのはムギくらいだろ」

憂「お姉ちゃんかっこいい!」

唯「でしょでしょ~!ふんす!」

結局それぞれが手にしたのは

律と梓が金属バット、澪がハンマー、憂は包丁、紬がチェーンソー

唯はスコップという形になった

唯「なんで私だけスコップなの!?」

憂「だってお姉ちゃんに包丁なんて危なっかしいでしょ!」

梓「チェーンソー持ったまま抱きつかれても怖いですし」

唯「そんなぁ~」


その時だった

唯達の頭の中に和、いや、魔神皇の声が響きわたる


―――準備は整ったようね―――

唯「和ちゃん!ねぇ……嘘でしょ?こんなの……」


―――その名前で私を呼ぶな!―――

唯「ひっ!」

澪「和…お前……」


―――私は魔神皇、今までの真鍋和はもういない―――

―――今まで、私をコケにした奴らを……―――

律「誰がいつ和をコケにしたんだよっ?」

―――うるさい…そうだ、体育館に行くといいわ―――

―――丁度私の手下を召喚したところよ。その手下に魔界に通じる鍵を
   預けておいた……私の手下を倒せたら元の世界に戻る手がかりが
   見つかるかもしれないわね―――

澪「魔界の鍵?手がかりだと?」

律「ふざけやがって!」

梓「やってやるです!」

―――せいぜい私を楽しませてちょうだい…フフフ……―――

不気味な笑い声を残して魔神皇の声は消えた

唯「和ちゃん…おかしいよこんなの……うん!きっとそうだ!
  和ちゃんちょっと変になっちゃっただけだよね!?」

律「唯……残念だけど私はそうは思わないな」

唯「律ちゃん……ぐすっ」

澪「唯、気持ちはわかるがこの状況をなんとかしないとな」

憂「そうだよお姉ちゃん!みんなで元の世界に帰ろ?和さんも一緒に!ね?」

紬「そうよ!学校も元に戻さないと!私たちの音楽室!」

唯「みんな……うん!そうだね!みんなで帰ろう!昨日残しておいたアイス
  まだ食べてないよ!」

梓「唯先輩の原動力は一体……」


―――体育館前渡り廊下

憂「そういえば……さっきの化け物まだいるんでしょうか?」

澪「あ(そうだった!やだよ……いや!ダメダメ!怖くない怖くない
  怖くない怖くない)」

梓「い、いますね……」

紬「これで骨までみじん切りにしてやるわ!うふふふ……」ブルルルルン~!

律「見かけと迫力は最凶だなムギ……」

唯「待って!私が行く!」

憂「お姉ちゃんダメだよ危ないよ!殺されちゃうよ!」

唯「話せばわかってくれるかもしれないよ~?」

澪「話すってどうやって……」

唯「じゃーん!これこれ!」

律「悪魔召喚プログラムか!」

唯「うん!さっきアプリのマニュアル読んだらね、
  悪魔と交渉するだけじゃなくて悪魔語の自動翻訳に
  悪魔との契約や召喚の儀式を完全にサポートって書いてあった!」

律「ホントかよ……」

唯「えへへ、難しくてわかんないけど……お困りになった時はカスタマーセンター
  までって書いてあるよ~」

澪「不気味なほど親切だな」

唯「とりあえず行ってみる!」

唯「えっと…アプリをあらかじめ起動して……イヤホンマイク付けてっと」

唯「あの、すいませ~ん」

「ガルァ!?」


……

コボルト「はぁ……ダリぃなぁもう。なんで俺がこんなとこで見張りしなくちゃ
      いけねぇんだよ……」

コボルト「ここにいたらマグネタイトどんどん減ってくし……
      せっかく今度の連休彼女と人間界旅行しようと思って貯めた魔貨が……」

コボルト「それもこれもあの魔神皇とやらのせいだぜ!見かけは人間のクセに
      気に入らねえ……そもそも日雇いの募集が出てて楽そうだし応募したら
      時給821魔貨って……休憩無いし」

コボルト「ここ俺より強そうな悪魔いっぱいいるしこえーよ……」

「あの、すいませ~ん」

コボルト「ああん!?」

コボルト「ってあれ?人間!?」

唯「はい、人間です!」

コボルト「そんなバカな!言葉が通じてるじゃないか!」

唯「はい!このプログラムを通して話してます!」

コボルト「なんだそりゃ……(あっ!マクシィじゃん!俺マイマク少ないから
      最近ほとんど開いてなかったな)」

コボルト「(しかし人間でマクシィって……げ!この魔法陣マーク!
      噂でしか聞いたこと無いが…こいつはまさか……)」

コボルト「デ ビ ル バ ス ター」

コボルト「\(^o^)/」

唯「あの、なんで泣いてるんですか?」

コボルト「くくく、来るな!いや、殺さないでくださいいいいい」

唯「殺す?殺したりなんかしないよ~」

コボルト「じゃあ何が目当てだ!?魔貨か!?MAGか!?」

唯「ほえ?」

唯「何だかよくわからないけど違うよ。あのね……」

………

澪「だ・大丈夫か唯は」

梓「なんか話してるみたいです」

律「なんか悪魔が泣いてるようにみえるんだが……」

紬「あ!?唯ちゃんが悪魔の肩を!?」

憂「慰めてる……」

律「握手したああああああ」

澪「き・消えた!?」


唯「おーい!」

律「唯!大丈夫か!?」

憂「お姉ちゃんケガはない!?」

唯「うん!なんかね、リストラされて貯金が底つきそうで日雇いのバイトが
  時給821円で彼女と別れそうなんだって!」

全員「え?」

梓「それなんて最低賃金」

梓「それで、さっきの悪魔は?」

唯「あーコボちゃん?なんかね、私たち魔神皇に会って元の世界に帰る!って言ったら
  お前らに付いて行けば俺の人生変わるかもって……」

澪「(コ・コボちゃん……)仲間になっただと!?」

唯「うん!マクシィ通して連絡くれればすぐ行くわ!って」

梓「か・軽いですね」

紬「とりあえず体育館へ向かいましょう!」ブイィィィ

澪「ムギ、いい加減チェーンソーのエンジン切ってくれ……」



―――体育館


梓「誰もいない……ですね」

律「おい、なんだあれ……」

唯「魔法陣?」

澪「これ、まさか和が言ってた」

その時だった

魔法陣が不気味な光を放つ…

シュウウウウウ

律「なんだこいつは……」

澪「で・でかい!」

目の前には唯達の背丈の軽く倍はあるであろう赤いツノを2本生やした化け物が
立っていた

我が名はフォーン……魔神皇様の命により貴様らを抹殺する」

澪「は・はわわ……」

律「や・やるしかないのか?」

唯「あーもう!こんな時にコボちゃん繋がらないよう!」

梓「みんなで一気に行けば……」

紬「やってみましょう!」ブイイィィン

律「よーし!行くぞみんな!おりゃああああああ」

唯「あっ!待ってよみんな置いてかな……」

ブン! 

ザク! グチャ! ドン! ザン! ブシュウゥゥ……

唯「あ…あああ……」

唯より先に立ち向かって行った5人は

フォーンの一撃にあっけなく散った

文字通りバラバラに……

唯の目の前に憂の首が転がる……

唯「憂……?憂!ういいいいいいい!」

フォーン「脆い……所詮人間はこんなものか」

唯「憂!みんな……いやあああああ!!」

グチャっ グチャッ

肉の塊と成り果てたほかの5人をを踏み潰しフォーンが近づいてくる

唯「うっうっ……ういいい」

フォーン「最期だ」

ドンッ

唯(……地面?……憂…目が霞んでよく見えないや……
  あれ?スコップ持ってるあの体は……)

そこで唯の意識は途絶えた


唯「憂!律ちゃん!それにみんなも!……なんで?」

梓「どうやらみんな死んじゃったみたいですね」

唯「ええ!?そっか……あれは現実だったんだね」

澪「ほら、あそこ見てみてみろよ」

唯は澪が指差した方向を見た

唯「川……お花畑!!」

律「あれが三途の川ってヤツだな」

紬「私三途の川って初めてなの~」

澪「経験済みの方が怖いわ!」

梓「とりあえず行ってみませんか?」

律「そうだな」


……

澪「おい、あそこに誰かいないか?」

梓「ホントだ……おじいさん?」

律「よくわかんないけどとりあえず行ってみようぜー!」

律「おーい!そこのじいさん!」

?「若いのがまた来おったか……ん?ほほぅ……」

?「お前らどこに行くつもりじゃ」

唯「わかりませ~ん!」

律「だからじいさんに聞こうと思って!」

?「わしの名はカロン。この三途の川で渡し守をやっておる」

澪「やっぱり私達死んだのか……」

カロン「だがな、不思議とお前さん達からまだ生命力を感じる
    まだ、死ぬ時ではないと」

律「いや、もう殺されちゃったしな」

カロン「悪魔にか?ふふ、なら今度は悪魔の力を借りてみんか?」

唯「悪魔の……力?」

カロン「お前たちはまだ死ぬ時ではないと言ったはずだ。
    きっとまだやるべきことが残っておるのじゃろう。
    本来なら許されるべきことじゃないが……
    肉体を元に戻しガーディアンを授けよう」

全員「がーでぃあん?」

カロン「そう、どうやらお前たちは悪魔と戦う運命にあるらしいのでな……
    お前たちを守ってくれる守護霊を授けよう
    ちょっと待っておれ」

カロン「あれ、どこにやったかの……ガーディアンなんて随分前に軽子坂高校
    の生徒に授けた以来……おっ!あったあった」

カロン「っこらせっと!」ドシッ!

カロン「さあ、やりなさい」

律「やりなさいって……」

梓「何ですかこのガシャポン」

カロン「このカプセルの中にお前たちを守ってくれるガーディアンが
    眠っておる。まぁ憑くのはもう決まってるがね」

全員(ガシャポンにした意味は!?)

カロン「さあ、ここに長くいる必要はない。やりなさい」


……

カロン「全員終わったようじゃな。よし、覚悟はよいか?
    先ほど命が尽きた場所まで戻してやろう」

律「よーし!あの化け物に復讐してやろうぜ!」

紬「そうよ!今度こそ負けないわ!」

カロン「その前にここでカプセルを開けていきなさい」

唯「は~い(あれ、よく見たら私のカプセルだけ真っ白……)」

全員「パカッ」

カロン「ではさらばだ。もうしばらくここへは来るなよ」

律「うわ!眩し!」

唯「おじいちゃんありがと~!」

唯「律ちゃんおでkが眩s」

律「え?なんだっt……」



―――体育館


フォーン「……はい、全員始末致しました」

―――そう、ご苦労。でも油断すろのはまだ早いわよフォーン…―――

フォーン「魔神皇様?それはどういう……!?」

体育館に一筋の光が現れる

律「ぷはぁー!!」

唯「目がまだチカチカするでごじゃる……」

フォーン「まさか……」

律「帰ってきたぞこらぁー!覚悟しやがれ!」

澪「倍返し……だな」

フォーン「面白い。何がどうなったのか知らんが何度でも叩き潰してやる」

ブンッ

梓「律先輩危ない!」

律「おわわっ」

ガキィ!!

律「死んだあああ!……あれ?」

律の背中から槍が伸びてフォーンの一撃を食い止めた


……我が名はクーフーリン……

……我の力……そなたに貸そう……

律「こ・これが……」


全員「ガーディアン!」

目をこらすと6人の背後にはかすかだが何かが寄り添って立っている

……安心しろ……お前達は私達が守る……

……背後から援護する……さあ!……

唯「よし!みんな~!」

全員「いっけええええええ」


唯達は知る由も無かった

これから待ち受けている運命のことを

自分が選ばなければいけない道があることを





第1章 学校!? 完



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最終更新:2011年06月26日 02:25