唯「はぁ…はぁ……」
律「やった!」
梓「体中痛いです……」
唯達6人はガーディアンの力を借りてフォーンを倒し
精も根も尽き果てていた……
憂「あれ?お姉ちゃん!あれなんだろう?」
唯「指輪……かな?」
澪「そういや和が手下に魔界への鍵を預けたとか何とか」
紬「もしかしてこの指輪がそうなんじゃないかしら!」
律「でもこれをどう使うんだぁ~?」
唯「とりあえず拾っておこう~」
その時、また魔神皇の声が唯達の頭に響く……
第2章 ~梓の場合~
―――どうやらフォーンを退けたようね―――
―――へぇ、ガーディアンを憑依…か……やるじゃない―――
澪「まど・魔神皇……お前一体何のつもりだ!」
律「澪……」
―――学校を異次元に移転させた今、
学校とあなた達は私の手の中にあるわ―――
―――わかる?ひざまづいて命乞いでもしたら考えてあげなく
律「ふざけるな!」
唯「和ちゃん……もうやめよ?こんなの」
憂「和さん!目を覚ましてください!」
―――ホントあなた達はしょうがないわね……音楽室―――
―――指輪をはめて音楽室の扉を開けてみなさい―――
―――運が良ければ……いずれ私の元へ来れるかも―――
―――生きていれば、の話だけどね……フフフ―――
―――教室
律「もお~だめだ!ちょっと休もうぜ!」
紬「そうね……あんなに動いたのは何年ぶりかしら」
唯「ア~イ~ス~」
唯は教室の床に大の字に寝転がる
5人もそれに続く
憂「もう……お姉ちゃんしっかりしてよ~」
ヒヤッ
唯の頬を心地よい冷気が触れる
唯「憂~アイス持ってたんなら早く言っt」
唯「ゆゆゆゆゆ雪ダルマーーーー!?」
全員「はぁ!?」
?「ひどいなぁ、さっき君を守って一緒に戦ったんだホー」
唯(そっか!この雪ダルマが私の……)
唯「ごめんね!いきなり出てきたからびっくりしてつい……
あの、君のお名前は?」
?「名前?そんなこと考えたことなかったホー
あっ!でもカロンのじいちゃんは僕のこと
[ヒーホー]ってたまに呼ぶホー!」
唯「ヒーホー君かぁ!なんか可愛いね!」
梓(弱そうだなぁ……唯先輩のガーディアン)
梓(私のは剣も持ってるし…えと……)
……スサノオだ……
……我の名はスナノオ…覚えておくがいい……
梓「は、はい!スサノオさん!」
律「おっ!梓のガーディアンはスサノオ!っていうのかあ~」
梓「き・聞いてたんですか……」
律「梓のガーディアンは頼り甲斐ありそうだなぁ!」
梓「私のガーディアンですから当然です!」
律「おっ言うねぇ~」
澪「わ・私のヴァルキリーだって!」
憂「わあ~澪さんのガーディアンは女の人なんですね~!私もです!」
紬「私もなの~」
律「ムギのガーディアンはじょ、上品そうだな」
律「ええ、キクリヒメさん!なんでも良家の生まれらしくて」
律「る・類は友を呼ぶ……」
澪「憂ちゃんのは…天使!……凄い」
憂「ウリエルさんって言うらしいです!」
律「もお~憂ちゃんはずるいなぁいいとこばっかり~」
憂「そそ、そんなことないです!ほら!お姉ちゃんのだって……」
唯「アハハハすごいすご~い!ねーねーヒーホー君もっと雪出してよ~」
ヒーホー「つ・疲れたホ~……」
唯「そんな疲れた体には!はい!コレをあげよう!」
ヒーホー君「?」
唯「飴ちゃん!一緒に食べよ~?」パクッ
ヒーホー君「初めて食べるホ~」パクッ
唯&ヒーホー「う・うまい!」
憂「……」
律「ハハ……唯らしいや」
澪「だな」
梓(バカみたい…私の方がカッコ良くて強そうなのに)
憂「梓ちゃん?」
梓「ハっ!ゴ・ゴメン、ボーっとしてた!」
憂(梓ちゃんの顔、一瞬怖かった……?)
澪「よし!そろそろ行くか!」
律「どこにぃー?」
澪「もうっ!忘れたのか?[音楽室]!」
律「おぉ~そうでしたそうでした~!」
律「よし!みんな音楽室へ行こうぜぃ!」
―――音楽室前
紬「指輪を持って扉を開けるのよね?」
ガサゴソ
澪「あぁ、確かそう言ってたな」
ガサゴソ
憂「お姉ちゃん、さっき拾ったゆ……」
………
全員「失くしたぁぁぁ!?」
紬「唯ちゃん!思い出して!さっき教室で寝転がって……」
唯「うぅ~絶対失くしちゃいけないと思ってぇ~……」
唯「えーっと……」くしゃっ
頭を抱える唯
律「おい……唯」
澪「唯……その右手の人差し指に付けてるのは何だ?」
唯「え?……あっ!!え、えへへ~」
全員「………」
唯「ま・まことに申し訳ございませんでした~!」
唯「あ・開けるよ!?ギー太……きっとどこかにいるよね!?」
梓(日頃練習どころかメンテナンスもろくにしてないくせに)
梓(私の方がいっぱい練習して……唯先輩より上手い自信あるのに)
梓(あ、あれ?なんで私こんなこと…)
梓(さっきからなんかおかしい……まるで自分の考えじゃないみたいに)
……本心だよ……
梓(え?)
梓(今、何か聞こえたような……)キョロキョロ
憂「……」
唯「行くよ!せーの!」ガチャッ
唯「うわ!?わわわわ」
律「唯!危ない!!」
澪「落ち…ちょっ律!引っ張るn」
紬「す・吸い込まれる!」
全員「うわああああああああああ」
……
………
梓「…う……」
梓「はっ!皆さん大丈…」
梓(私一人……)
―――魔界へようこそ―――
梓「魔神皇!?」
梓「みんなはどこです!?」
―――この魔界はいくつかの階層に分かれてるわ―――
―――他の者たちには私がふさわしいと思った場所に堕ちてもらった―――
―――みんなに会いたいのなら、奥に進むことね―――
―――せいぜい私を楽しませて頂戴……フフフ―――
梓「待って下さい!」
梓(一人で……?や、やってやるです!)
―――傲慢界
…
……
梓(はぁ…はぁ……あ、悪魔が段違いに強い!)
梓(いや、唯先輩達がいないから悪魔が強く感じるのかな……)
……唯先輩より私の方が強いじゃん……
梓(え?そ、そうだよね!)
梓(……ここが最深部の扉……)
梓(よし!行くぞ!)
ギイイィィィ・・・
律「お~梓!遅かったじゃないか~!」
唯「あずにゃーん!早くこっちにおいでよ~!」
梓「り・律先輩!?唯先輩!?みなさんも!!
それにここは……音楽室!!」
梓「みなさん魔界に堕ちたんじゃ……」
澪「魔界??」
律「おい~梓寝ぼけてんのかぁ~?」
澪「らしくないな梓」
唯「まぁまぁあずにゃんこっちに座りなよ~」
梓「あ、はい……」
紬「みなさんお茶入れたわよ~♪」
梓(ゆ・夢……??)
梓(いや、でも確かに今まで悪魔と戦って……)
唯「あずにゃん食べないの~?このケーキ美味しいよ~!」
梓「は、はい……頂きます」
梓(きっと夢だったんだ……)
梓「美味しいです!」
澪「さて!お茶も飲んだことだし練習するぞ!」
…
……
律「いやぁ~やっぱ梓のギターは上手いな!」
澪「リズムキープのセンスも抜群だしな」
梓「そ・そうですか?あ・ありがとうございます!」
律「もうリードギターは梓でいいんじゃないか?」
紬「そうね!私もそう思うわ!」
梓「私がリードギター!?それじゃ唯先輩が……」
唯「あずにゃん!ギターソロは頼んだよ~!」
梓(私がギターソロ!いいのかな……でも私は唯先輩より
上手い……よね)
梓(私の音楽センスを表現するチャンスだし!)
梓「はい!わかりました!じゃあ私がリードギターやります!」
澪「よーし!梓をリードギターにしてさっきの曲をもう一回やろう!」
梓「はい!」
ジャジャッジャジャッジャーーン
梓(なんか違う……)
唯「あずにゃん完璧~!もう私のギターなんて必要ない位だねぇ~」
梓「唯先輩!?」
梓(違う!こんなの唯先輩じゃない!!)
……あずにゃん……
……い…よ……
梓「唯先輩の声!?」
梓(やっぱりちがう!こんなのわたしがいたい
放課後ティータイムじゃない!)
梓(私が間違ってた……)
梓「先輩達……誰ですか?」
唯「どうしたのあずにゃん~?」
澪「さっきからなんかおかしいぞ?」
梓「おかしいのは先輩達です!先輩達は私の知ってるみなさんじゃない!」
……そうだ、梓…惑わされるな!……
梓「スサノオさん!?じゃあ、やっぱり……」
唯「ちっもう少しだったのに……」
梓「!?」
唯「邪念を刷り込みガーディアンを引き離したつもりだったんだがな」
唯「永久に幻の中で生き続ければいいものを……破られては仕方あるまい」
音楽室の景色は消え去り
湿った岩肌の部屋が目の前に広がる
「我が名はヴィネ、貴様にはここで死んでもらおう」
梓(唯先輩!みなさん!待ってて下さいね!カムバック……私!)
……
………
梓「はぁ……はぁ……」
……よくやった…梓……
梓「はぁ……はぁ…スサノオさんのおかげです……!」
……助けてやれなくてすまなかった……
……悪しき心を持つ者には憑依できぬのだ……
……謙虚さを……忘れてはならぬぞ……
梓「謙虚さ……か」
梓「あれ?奥に何かある……」
梓「こ……これって!!」
梓(みなさん……今、行きます!)
第二章 ~梓の場合~ 完
最終更新:2011年06月26日 02:27