澪「……嘘だろ?」

律「生徒会室の鍵はなんなく持ち出せるとして、テレビはどうするんだよ?」

澪「そ、そうだ。たしか生徒会室のテレビが壊れてるって言ったのは唯じゃないか」

唯「たしかにテレビは壊れてたよ。テレビ本来の機能はね…」

紬「入り口の機能は果たしていた……」

唯「うん」

澪「でもムギが前に試したときは入れなかったって!」

紬「きっと無理だろうと思って試してはいなかったの」

律「確かめよう、和に…」


──学校(生徒会室) 放課後 霧

>和が一人で仕事をしている
  都合がいい…

和「珍しいわね、みんな揃って生徒会室にくるなんて」

律「ちょっと確かめたいことがあってな」

和「それにしては大勢じゃない?」

唯「生徒会長さんが誘拐されちゃった日、和ちゃんは何してたの?」

和「ええと…、たしか生徒会室で今みたいに仕事してたと思うわ」

紬「副会長さんが誘拐された日も?」

和「ええ。でもなぜそんなこと聞くの?」

憂「二人が最後に目撃されたのは学校なんです」

和「つまり学校で誘拐された可能性が高いってことね…」

和「……それで私が怪しいと」

律「ああ」

和「同じ生徒会役員である私が怪しいのは分かるけど、二人を誘拐するのは不可能よ」

和「一介の女子高生である私が誰にも見つからずに誘拐、そして殺害して吊るすなんてできっこないもの」


和「少し考えれば分かることじゃない」

憂「テレビがあれば、和さんにも犯行は十分に可能です」

和「あのね、唯には前に教えたんだけどテレビは壊れてるの。使えないわ」

唯「たしかに使えなかったね」

和「でしょう?やっぱり私には無理よ」

澪「和……」

和「澪なら分かるわよね?」

澪「どうして疑問に思わないんだ?」

和「……え?」

澪「今の内容で、なぜテレビが出てきたことに疑問を抱かないんだよ!」

和「……」

澪「おかしいだろ!テレビがあれば犯行可能?中に入れるって分かってなくちゃ言えないことだ!」

澪「それに疑問を抱かないってことは…」

和「……」

唯「和ちゃん。お願いがあるんだ」

和「なにかしら」

唯「テレビの画面を触って欲しいの」

和「…なぜ?」

唯「それで全てがはっきりするからだよ」

和「……」

律「頼むよ、和。無実を証明するためにも触ってくれ」

澪「和!!」

和「……参ったわね」

和「絶対バレない自信があったのだけど、まさかあなたたちに追い詰められるなんてね」

律「認めるんだな…」

和「そうよ、会長と副会長をテレビに入れたのは私」

澪「ど、どうして二人を殺したんだ!?」

和「澪、人聞きの悪いこと言わないでよ。殺してないわ。入れただけ」

紬「入れてしまったのは事故だったってこと?」

和「あの日、会長と口論になってね。内容は今後の生徒会の方針だとかそんなところ」

憂「それだけの理由で会長さんを…」

和「だから違うわよ。口論が過熱して、ついとかうっかりってあるじゃない?」

和「もみ合ってるうちにテレビの中に入れちゃったの」

律「殺すつもりはなかったっていうのかよ?」

和「まさかあんなことになるなんて思わないもの。悲しい事故だった」

唯「副会長さんは?」

和「……」

唯「会長さんのことで、テレビに人を入れると死ぬって分かったのに、どうして副会長さんを入れたの!?」

和「怖かったの」

紬「副会長さんは事件のことを独自に調べていたからね」

和「そうよ。早い段階で私が犯人なんじゃないかって問い詰めてきた」

和「立証なんてできないんだから放っておいてよかったのだけど」

和「けどね、もしかしたら…ひょっとしたら…」

和「そんな考えがふつふつと湧いて、怖くなってしまった。気がついたらテレビの中に入れてたわ」

憂「……ひどい」

和「で?これからあなたちは私をどうするの?」

律「警察に行って自首してもらう」

和「それは困るわね…」

和「ここで人生を棒にふるわけにはいかないもの」ダッ!

唯「和ちゃん!!」

和「私を捕まえたいなら、追ってきなさい」スゥ

>和はテレビの世界に逃げた

憂「やっぱり生徒会室のテレビは使えたんですね」

唯「……」

澪「……」

律「二人とも大丈夫か?」

唯「う、うん…」

澪「和が犯人だったなんて……」

律「信じたくないのはみんな一緒さ。今は落ち込んでるときじゃない」

澪「……」

律「決着をつけに行こう。私たちのためにも、和のためにも」

澪「和のため…」

唯「行こう」

憂「行きましょう」

紬「和ちゃんのために!」

澪「…そうだな、行こうみんな!」

>生徒会室のテレビから、中に入った…


──テレビの中(禍津桜が丘高校)

憂「…ここは…学校でしょうか」

律「みたいだな。きっと和が作り出した空間なんだろうぜ」

唯「澪ちゃん、和ちゃんは何処にいるか分かる?」

澪「……屋上から和の気配を感じる」

律「そこが最後の舞台ってわけか…」

唯「和ちゃん、今行くよ!」

>屋上にやってきた…

唯「和ちゃん!」

和「思いのほか早かったわね。そんなに私を警察に突き出したいの?」

澪「間違ってることを正してあげるのも、友達の役目だから…」

和「ご高説どうも」

律「和…もうやめにしよう…。私たちだって和と戦いたくないんだ」

和「なら見逃してくれないかしら?」

紬「それはできないわ」

憂「罪はちゃんと償わないといけないんです」

和「そう…残念ね…!」カッ

唯「…!?」


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           |!.i. , --- ..i! !  __,.ィォ彡'´    ヾヘヽ
           |!,レ´::::::::::::::li .l≦彡"ニ≦三ミォ、  ヾィハ
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               }、ヘ/i\,ィ。,,./::::::}`ゝ- .,,_   ヾ,ヽ.      ゙̄ヾィゝ,
          r"ヘ、___.|___,,..ィ^/:::::::リ |::::::/{ ヽ   ゞ,三三ミゝ、 ヽ `ー-
          く  ヾ´.i ` ",/::::::::/! i:::::::{::ゝノ.、       ヾォ ー- ..,,
             ィゝ,__.ゞ__,ィ^´ヽィァ/:::', ',:::::!:::::::::彡、        `ー- 、
              }.)ゞ.( ,  __r'::::::::ゝ-=;;ト、:::::::::::::::ヽ
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BGM:A New World Fool
    (http://www.youtube.com/watch?v=8RE3h-SOdYQ&feature=related

唯「ギー太…?」

律「唯のイザナギとそっくりだけど、あれは…」

憂「禍々しい感じがします…」

和「あはは!なんだか今とっても気分がいいの!解き放たれたっていうのかしら?」

和「今なら誰にも負けない気分よ!さあ、かかってきなさい!」

澪「サポートは任せろ!」

紬「よろしくね、澪ちゃん!」

憂「コノハナサクヤ、お願いっ!」

律「ここで決めるぞ、唯!」

唯「うん!」

和「蹴散らしなさい、マガツイザナギ!!」

>マガツイザナギの空間殺法!
 唯たちに大ダメージ!

唯「うぅ…さすが和ちゃん…強い…」

紬「油断したらあっという間にやられちゃうわ」

律「澪!和のペルソナに弱点はないのかよ!?」

澪「…弱点は……ない…!」

紬「地道に攻めるしかないわけね」

和「ちんたらちんたらと…、あなたたちやる気あるの!?」

>マガツイザナギの空間殺法!

唯「させない!ギー太!!」

>ギー太のスラッシュ攻撃!

和「あら、怖い」サッ

>しかしかわされてしまった!

唯「わわ!」ドシン

>唯はバランスを崩してダウン!

和「あっけない幕切れね…唯!」

唯「…っ!」

憂「おねーちゃーん!」

>コノハナサクヤの火炎魔法!

和「ちっ!」

>しかしガードされてしまった

憂「ムギさん、今のうちにお姉ちゃんをお願いします!」

紬「分かったわ!大丈夫、唯ちゃん?」

唯「あ、ありがとムギちゃん、憂」

>ムギは唯を助け起こした

和「油断しちゃった。でも次はそうはいかないわよ」

律「正面から突っ込んでも返り討ちに会うだけだな」

澪「どうすれば…」

紬「私に作戦があるわ……」

紬「和ちゃんの大技には事前に溜めの動作があるの」

唯「うんうん!私もそれに気付いたからさっき攻撃をしかけたんだよ!」

律「見事に避けられてたけどな」

唯「はい…」

紬「致命的な隙ではないからね。だから……」ゴニョゴニョ

和「…作戦タイムはもういいかしら?」

律「終わるまで待ってくれるなんて、ずいぶんサービスがいいじゃないか」

和「なにをしても無駄だもの」

唯「やってみないと分からないよ!」

和「さあ、どうかしらね!」

>マガツイザナギの空間殺法!

唯「隙あり~!」

和「だから読んでるわよ」サッ

唯「う、うわー!」ドザー

>唯は派手にダウンした…

澪「(わ、ワザとらしい…)」

和「じゃあね、唯…」

和「…と見せかけて律が後ろから攻めるんでしょう?」ガキン!

律「くっ!バレてたか!」

和「唯のダウンも演技。挟撃する作戦だったのだろうけど、まだまだね」

>律の攻撃を弾き飛ばした

和「これでチェックよ、唯!」

>しかし唯の姿はない

和「(後方に退いてる!?なぜ…そういえばムギと憂の姿が見えない…!)」

紬「タケミカヅチ!」

憂「コノハナサクヤ!」

和「上空!?」

>和に電撃魔法、火炎魔法が襲いかかる!

和「(避けきれない!ガード!!)」

和「(ぐっ…反動で身体が動かない…!)」

律「唯、いけぇえええええええ!!」

唯「ええいっ!!」

和「…っ!?」

>イザナギのスラッシュ攻撃!

和「きゃああ!!」

>和は吹き飛んだ!

律「やったのか?」

澪「和からペルソナの反応は消えている。気絶したんだと思う」

紬「全部終わったのね…」

律「そうと決まれば和を連れてここから出よう。また影が集まってくるとも限らないしな」

唯「……」

憂「お姉ちゃん大丈夫?」

唯「うん、平気…」

澪「…これは」

律「どうした澪?」

澪「強い力を感じる…」

紬「まさかまた影が!?」

律「どこからだ?」

澪「和からだ!!」

>和がゆっくりと立ち上がる
  …その顔つきは別人のようだ


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最終更新:2011年06月27日 01:09