憂「……」
すっかり暗くなった午後8時。
私はだいぶ遅めに、夕食の用意をしていました。
お姉ちゃんにはお風呂に入ってもらって、私が台所でなにをしてるか分からないようにして。
今日の晩ご飯は……まぁ何でもいいです。
大事なのはこの赤くてちょっと辛いスープ。
唐辛子入りで体がぽかぽかするけれど、それだけじゃありません。
このスープは、私が作った特製の媚薬入り。
ジョークグッズみたいな半端なものではなくて、
本当に効く強力な媚薬です。
どれだけ強力かといいますと……
まぁ言葉にはしにくいですが、
とりあえず翌朝には昨晩の記憶が飛んじゃってるくらいすごいんです。
だからこそ、こうして何度もお姉ちゃんに媚薬を盛れるんですが。
憂「よし、これでカンペキ……」
ご飯の準備が整いました。
あとはお姉ちゃんがお風呂からあがるのを待って、
ご飯のあとに薬のききめが出るのを待つだけです。
憂「うふふ……」
ああ、楽しみ。
唯「はぁーいい湯であったー!」
お姉ちゃんがお風呂をあがりました。
憂「ご飯できてるよ、お姉ちゃん」
ドキドキしながらお姉ちゃんを呼びます。
肩から湯気をほかほかさせて、お姉ちゃんが走ってきます。
唯「ありがとー憂、おいしそー!」
わたしのほっぺたにキスをして、お姉ちゃんは嬉しそうです。
私を食べるのは、まだちょっと気が早いよ。
憂「どういたしまして。じゃ、食べよ?」
心の中で冗談を言いながら、お姉ちゃんと並んで座ります。
せっけんの匂いが流れてきて、ドキドキしちゃいます。
唯「いっただっきまーす」
お姉ちゃんはスープをひとくち飲んでから、いろいろおかずを食べていきます。
媚薬はお姉ちゃんの器にのみ混ぜてあります。
わたしも一緒に、なんてたまに思うのだけれど、記憶が飛んでは意味がありません。
お姉ちゃんの振る話題をいっぱいいっぱいの頭で受け答えしながら、
どうにかご飯を食べていきます。
味なんてわかりません。
お姉ちゃんはおいしいおいしいって言ってくれるけれど、大丈夫でしょうか。
どうせ記憶なんて残りませんし、どうでもいいかもしれません。
ちょっと辛いスープをお姉ちゃんはずるずる飲んでいきます。
唯「ぷは! んー、あっつい……」
Tシャツの襟を引っ張って、お姉ちゃんは風を送り込んでいます。
ちらちら覗くお姉ちゃんの下着。後で見れるのに、わざわざ見ようとしてしまいます。
唯「なぁに、憂……」
憂「あ、ごめん……なんでもないよ」
しかもお姉ちゃんに見つかってしまいました。
さすがに気まずくて目を伏せます。
唯「憂ったら……えっちだなー」
お姉ちゃんがほっぺたをつんつんってつつきます。
怒ってはいないみたいです。
もう媚薬の効果が出始めている頃だろうし、お姉ちゃんが拒絶するとは思えないけれど。
憂「……お姉ちゃんだって、私の前だからってあんまりはしたなくしちゃだめだよ」
唯「う、うん。……ごめんね?」
どうしてか、お姉ちゃんが謝ります。
そして数分後。
唯「はぁ……ごちそうさま」
疲れた様子でお姉ちゃんは椅子の背もたれに寄りかかりました。
反らした胸がぷっくり膨らんで、ぴくぴく震えています。
かわいい……
唯「ん、んっ……」
憂「どうしたのお姉ちゃん? 大丈夫?」
お姉ちゃんのおでこに手を伸ばします。
唯「ひゃ、あっ」
お姉ちゃんがぎゅっと目をつぶり、体を揺らしました。
ガタンと椅子がおののいて、私は慌てて手を引きます。
憂「お姉ちゃん?」
唯「ご、ごめん……」
お姉ちゃんはふらふらと椅子を立ちあがりました。
唯「わたし、部屋いって、る……」
あぶなっかしい足取りで、内股のままお姉ちゃんは階段を上がっていきます。
その背中を見送ってから、私は薄く笑いました。
今回もバッチリ効いたみたいです。
夕食の片付けをしてから、お姉ちゃんの部屋に向かうとしましょう。
――――
片付けを終えて、お姉ちゃんのもとに向かいます。
足音を押さえたりはしません。
どうせお姉ちゃんのしていることはわかっています。
ノックをして、返事を待たずお姉ちゃんの部屋を開けます。
お姉ちゃんはベッドの上で布団に巻きつかれて、ひきつった顔で私を見ていました。
唯「う、憂……」
憂「お姉ちゃん、アイスあるよ……ってどうしたの?」
布団から素足が伸びています。
今にでもむしゃぶりつきたいけれど、少し我慢。
憂「いま、何かしてた……?」
唯「い、いや……」
お姉ちゃんは首を振ります。
けれど足は我慢できないようにもじもじ動いていますし、
そのせいで薄い布団はだんだんとずれています。
唯「あ、やだぁ……今は……」
お姉ちゃんの手が、自分の体をまさぐっているのが見えてしまいます。
唯「ういっ……出て、でてってぇ……」
泣きながらお姉ちゃんが肌をちらつかせます。
片付けの10分ほどのうちに、どれだけいじったのか……
一瞬見えた秘所は、痛々しく赤くなっているのがわかりました。
憂「お姉ちゃん、変だよ? 体だいじょうぶ?」
いやしい笑いを出さないようにしつつ、お姉ちゃんの枕もとへ歩いていきます。
Tシャツはまだ着ているみたいだけど、
シワの寄り方から胸の上までまくりあげられているのは明らかです。
唯「あっだめ、あっ、はあああぁぁっ……んんっ」
私が一歩一歩近づくほどに、お姉ちゃんが息を漏らします。
その床の震えさえもお姉ちゃんを感じさせているのか、なんてね。
唯「まって、まって、きちゃだめぇっ」
お姉ちゃんは目をぎゅっとつぶって、涙を流します。
憂「ちょっと布団取るよ?」
唯「やめ、やめっ」
お姉ちゃんはなにか抵抗しようとしたのか、腕を伸ばしていました。
でも、布団を剥がすのにはなにも影響がありません。
私はなにも気付いてないふりをして、
お姉ちゃんから布団の裾を奪うと、いっぺんにめくりました。
唯「だめぇっ!」
布団がふわりと舞いました。
いくつもの水滴に濡れたお姉ちゃんの裸が、蛍光灯の下に晒されました。
唯「……ぁ、ああ」
憂「……お姉ちゃん。どうして裸なの?」
唯「だ、って……」
半泣きでお姉ちゃんは私が垂らした布団を掴みます。
憂「なに、この変なにおい……」
嗅ぎ慣れたお姉ちゃんのエッチな匂いに鼻を鳴らして、不快そうな顔をしてみせます。
唯「ういぃ……」
ふらふらとお姉ちゃんが私の服の裾を握りました。
体を隠すことはしないようです。
唯「ごめんね、ごめん……」
憂「……お姉ちゃん、いけないことしてたの?」
唯「う……」
お姉ちゃんが細く呻きます。
私は裾を握りしめるお姉ちゃんの手を取ってあげます。
憂「それとも、体痛いの?」
そして、恋人つなぎみたいに指を絡めてぎゅっと握ります。
唯「あうぅ……っ」
お姉ちゃんは歯を食いしばりながら、私の手を握り返します。
私はそのまま何度かぎゅ、ぎゅっとお姉ちゃんの手に刺激を与えてみます。
唯「やぅ、ういっ……だめ」
憂「痛い?」
唯「そ、じゃっ……なくてっ」
いつもより媚薬がよく効いているのか、それだけでお姉ちゃんはびくびく震えています。
握った手もすごく熱くて強く握りしめてきます。
だんだん私の作った媚薬が恐ろしくなってきました。
憂「じゃあどうしたの?」
唯「っう、い、わかってるんでしょ?」
憂「なにが?」
手を繋げたまま、お姉ちゃんに近づいていきます。
唯「まっ……憂、だめだよ」
憂「だから、なにが?」
唯「だって、うい……このままだと、しちゃうよ……」
切なそうに鳴くお姉ちゃん。
唯「はなれてよ……」
お姉ちゃんは言うけれど、今度は空いている手で私の袖を掴んできます。
憂「離れてって、放してくれないと行けないよ」
お姉ちゃんは俯いて黙りこんでしまいます。
肩の向こうの背中がすごく綺麗。
憂「……えっちしたいの?」
唯「!」
私は我慢しきれなくて、尋ねてみました。
お姉ちゃんの体は熱くなって、誘いに抵抗する意志なんて持てないはず。
それどころか、ひとりエッチだって中途半端にしかしていないのです。
私だってそんな状況だったらお姉ちゃんに求めてしまいます。
……それは関係ないか。
唯「っ、……うん」
お姉ちゃんはしばらく抵抗していましたが、やがて頷きました。
どうして急にそんなことを訊くのかとか、
どうしてお姉ちゃんが気持ちよくなっているのか知っているんじゃないかとか、
お姉ちゃんの頭の中にはいろいろ疑問があったと思います。
けれど、それを訊くよりも早く快感が欲しかったのでしょう。
憂「お姉ちゃん、私は妹だよ? そんなこと頼んでいいと思うの?」
唯「わ、っかんないよぉ……」
お姉ちゃんの熱い息が首筋に吐きかけられます。
唯「でも憂としたいの……いけないことだとしても」
憂「……そっか。じゃあしょうがないね」
なにがしょうがないのやら。
私もただ我慢できないだけです。
唯「あっ……」
私は膝でベッドによじのぼり、お姉ちゃんをベッドの上に押し倒しました。
これで、もう何度目だったでしょうか。
お姉ちゃんが覚えていないことをいいことに、何度となく私はお姉ちゃんに媚薬を盛っています。
罪の意識がないわけではありません。
媚薬のせいで、お姉ちゃんの体調が悪くなったりしないかとも心配しています。
だけどどうしても、お姉ちゃんとエッチすることはやめられないのです。
唯「うい、ういっ」
お姉ちゃんは懸命に私に抱きすがります。
体をゆすって、おっぱいをこすりつけてくるお姉ちゃんはたまらなく愛しいです。
たとえそれが媚薬の効果だとしても、可愛いのは変わりません。
憂「お姉ちゃん……大好きだよ」
唯「うんっ……好き、ういっ」
お姉ちゃんは唾を飲みこんで、私をいったん解放しました。
唯「憂も……脱いでくれる?」
憂「そうだね。これじゃ不公平だもんね」
私はTシャツを脱ぎ捨て、お姉ちゃんの上で裸になっていきます。
一枚一枚私の体を離れていくほど、お姉ちゃんの息が荒くなります。
最後にリボンをほどいて髪を下ろすと、お姉ちゃんにぴったり覆いかぶさりました。
唯「あっ、あつっ……」
私の胸がお姉ちゃんの固く尖った先っぽを包み込んで、
お姉ちゃんが喉の奥からうめき声を上げます。
オナニーしたてで熱い体を抱きしめて、お姉ちゃんのほっぺたにすり寄ります。
憂「お姉ちゃん、ちゅーしよ」
唯「んっ、憂……」
ささやいて、お姉ちゃんの上に顔を持っていきます。
唯「んんっ!」
とたんにお姉ちゃんが私のくちびるに吸いついてきました。
ハンバーガーでもかじるような、乱暴なキスです。
唯「んちゅっ、ちゅぅっぱ、ぁ、んんっ」
お姉ちゃんは私の頭を両手でおさえ、固定します。
そんなことしなくても逃げないのに、お姉ちゃんは必死です。
短くちゅっちゅっと、触れるだけで続けるキスを小鳥のキスと言うそうですが、
短く、だけどねっとりしゃぶっては一瞬だけ離れるお姉ちゃんのキスはいったいなんでしょう。
お姉ちゃんのキス、でしょうか。
最終更新:2011年06月29日 03:26