[さあ今日は唯和の単独トークライブ!
ですがじつはまったくのノープラン。
お二人には提示されたテーマに従って自由にしゃべって貰います
あ、ちなみに事前にテーマは一切知らせてません
打ち合わせ一切!なしです!
はたしてライブは成功するのか
はたまたぐだぐだな終わりをむかえてしまうのか!
それでは唯和の登場です! お姉ちゃんがんばってー!]
6月30日 某ライブハウスにて
♪ピーリーリー ピーリーリー
♪Oh...No No No No No No・・・!
(舞台左右からそれぞれ唯と和が登場)
唯「あー、どうもどうも!憂ありがとねー」
和「しかし暑いわね」
唯「第一声がそれ!?」
和「まあね、どうもどうも」
唯「どうもどうもだね。というわけで今日は私たちのトークライブということなんですけどー」
和「ようこそようこそ」
唯「やー、みんな暑いなか集まってくれてありがとねー」
和「ありがたいわね」
唯「でも、あれだねー、私たちも高校卒業してもうずいぶんなるけど、
こんなとこでこんなことするようになるとは思わなかったよね」
和「あなたはまだあれじゃない、昔からやってたじゃない、バンドとか」
唯「とかっていうかバンドしかやってなかったけどね」
和「勉強はしてなかった。」
唯「うん。いや、『うん』っていうか」
和「そうじゃない」
唯「んまあ、そうだね。おおよそのとこね」
和「ところがどっこい、私の方は生徒会一筋のまじめな優等生でやってたのが」
唯「その言い方だと私が悪い生徒みたいになっちゃってるけどね!」
和「まあ若干ね」
唯「ちょいちょい」
和「こう、棒とか振り回しちゃったり」
唯「ないないないないない、棒って」
和「太鼓叩いちゃったり」
唯「ドラムだよ!それりっちゃんだし!普通のバンドだから、私たち」
和「それがやっぱり、こうなっちゃったってのが」
唯「ねえ、人生どうなるか」
和「どうしてこうなってしまったのか……」
唯「なに若干後悔しちゃってる感じ」
和「冗談よ冗談」
唯「和ちゃんときどき冗談と本気の境目わかんないからね。若干こわいから。
……うん、まあね。これはやっぱりあれだろうね、
最後の文化祭、高校のね。あれで二人でやったコントがやけに受けちゃったのが、
やっぱり、きっかけというかなんというか」
和「いま思うと、どうしてあのときあんなことしたのかわからない」
唯「和ちゃんのほうからやろうって言ったんだよ!」
和「そうかしら?」
唯「そうかしらって……まあまあそんなわけで大学入ってからいつのまにか
二人でコンビみたいなことになっちゃってね」
和「ちょくちょくやったりね」
唯「大学離れてたんだけどー」
和「遠距離恋愛。」
唯「ちょいちょいちょい」
和「なにかしら」
唯「なにかしらじゃないよ、はいはい、りっちゃん。そこ口笛吹かない、はいはいはいはい」
和「まあまあまあ」
唯「んー、私もね、まさか放課後ティータイムより先に
唯和で武道館ライブすることになるとは思ってもいなかったんだけど」
和「やっちゃったわね」
唯「去年の冬ね。まさかねー」
和「前日に眼鏡割っちゃって大変だった記憶とかあります」
唯「あはは、そんなこんなでバンドとお笑いの二足のわらじでやっております、
今日は唯和の
平沢唯です。皆さんよろしくおねがいしまーす」
和「真鍋です」
唯「なんでちょっとぶっきらぼうな感じ(笑)
しっかし、あれだね!見事に知り合いばっかりだね!」
和「というか知ってる顔しかいないわね」
唯「招待客だけじゃん!うちのメンバーとか!」
和「これはもう桜ヶ丘同窓会の域よね」
唯「ねえー、憂。これだいじょぶなのー?お客さんとかくる?」
和「ちょっと心配ね…」
唯「宣伝とかちゃんとした?
え?あー、そう!一切してないの、あー、そっかー、うんうん」
和「招待席もちらほらあいてますけど。若干の空席が……」
唯「遅刻組とかいるね……りっちゃんは……さっきからいるし、さわちゃん!さわちゃんいる!?」
和「いらっしゃらないみたいね」
唯「さわちゃん何やってんのかなー。迷子になってたり?」
和「あなたじゃないんだから」
唯「あるいは暑くて出掛けたくないとか!」
和「あなたじゃないんだから。……仕方ないからもう始めちゃおうか?始めちゃいましょう」
唯「わりとさっきからもう始まっちゃってるけどねー、トークライブ」
和「もっと始めちゃいますか」
唯「もっと言われても困るけど。ほんとだいじょぶかなー、今からお客さんとか来るの?
受け付けは? ああ、終わりまでずっと開いてるんだー。
むしろ終わりまでずっと席も空いてそうだけど!」
和「ひょっとして山中先生、受付やってるんじゃないかしら」
唯「いやいや、ちゃんと招待してますから!ねえ?」
和「もうしょうがないわね、ライブ終了までに先生が来ることを祈って」
唯「他のお客さんもね」
和「そういうことで、もう本格的にはじめちゃいましょう。
唯「さっき言ったからそれ」
和「ちゃんとけじめとしてこういうのはやって置かなきゃ」
唯「そだね。いや、そだねってよくわかんないけど」
和「こちらは幼馴染で相方の平沢唯です」
唯「ややや、私の名前もさっき言ったから……
えっと、ういー、それでこれどうすればいいの?
なんかテーマとか……あ、後ろのモニター?」
和「これね」
唯「ああ、うん。これになんか表示されるの?ふんふん」
♪ピンポーン
【まずは軽くフリートーク】
唯「いやいやいやいや、もう私たちかなり自由に喋っちゃってるけどね」
和「そうね」
唯「フリートーク言われてもー」
和「これってテーマと言えるのかしら」
唯「フリートーク言われてもね。なんだか自信ないよー」
和「しかたないから話しましょう」
唯「そだね、ほんとにわたし自信なくなってきたけど、はい、話しましょうか和ちゃん。
っても、何話す?」
和「自由とは何か」
唯「重いね!」
和「最初はそのぐらいの重みがないとダメよ。なめられちゃ困るから」
唯「よくわかりませんけど。『軽くフリートーク』って言ってるのに『重み』がー、とか、
もうすでにテーマに反しちゃってる感じだしね!」
和「そんなことないわよ。重いテーマでかるく話せばいいの」
唯「それはまた器用だなー……なめられるとかも意味分かんないし」
和「なめられちゃこまるわ」
唯「うん、じゃあ、それで話そっか。自由?」
和「うん、そうしましょう。自由ってほら、なんだかけっこうわかんないじゃない?」
唯「そうかなあ? 自由はほら、あれだよ、自由……」
和「なに?」
唯「自由というのは、自由だね」
和「説明になってないじゃない」
唯「わかんないね、これ!自由ってなにかな、和ちゃん」
和「わかんないわよ」
唯「わっかんないねー」
和「このテーマ自体あれじゃない、フリーとか言っちゃって、逆に不自由な感じじゃない」
唯「話しづらいよね」
和「自由って言ってもほんとになに言ってもいいわけじゃないでしょ?
たとえばえっちな言葉とか」
唯「それはダメだね!」
和「放送禁止用語とか」
唯「うん、言ったらわりときまずい感じになりそうだよね」
和「でしょう? ぜんぜん自由じゃない。単語の選択の時点で自由が奪われてる」
唯「んー…………というか、和ちゃん、その自由は必要な自由なの?」
和「どういうこと?」
唯「なになに、えっちな言葉とかこの場でいいたいの?和ちゃんは」
和「若干ね」
唯「そうなの!?」
和「わりとね」
唯「わりとて。だめですからね、和ちゃん、ゆっちゃだめだよー」
和「おっぱい」
唯「言っちゃった!」
和「おっぱいおっぱい!」
唯「もっかい言わなくていいから。ていうかそれが和ちゃんのえっちな言葉なの!?」
和「ふともも」
唯「いやいや、たしかにふとももとかセクシーなあれかもしれないけど。」
和「唯のふともも」
唯「やらしい眼で見ないで!」
和「……」
唯「いやっ、やめ!見ないで和ちゃ……見るな!」
和「うなじ」
唯「わけわかんないよ」
和「鼻梁」
唯「もはやえっちとはかけ離れた感じに……」
和「こんな感じでえっちな言葉も自由に言えないわけよ」
唯「言ってましたけどね、かなーり自由に。
しかも言葉自体はあんまりえっちじゃなかったし」
和「ぜんっぜん自由じゃないわ」
唯「聞こうよ、和ちゃん、人のはなし」
和「フリートークぜんぜん自由じゃない」
唯「うーん。自由な人だなあ」
♪ピンポーン
唯「!?」
和「えっ、なに?」
【最近成長したなあと感じること】
和「最近成長したなあと感じること……」
唯「え、え、え? 今のテーマはもう終わりなの? へー、ほうほう」
和「終わる時間までフリーじゃなかったわね」
唯「フリーの話はもうやめよっか」
和「そうね。結果、自由なんて存在しないということで、結論ね」
唯「んー、まあそれでいいけど。で、なにかあります?
最近成長したなあと感じること。和ちゃんでも成長するの?」
和「するわよ、失礼ね」
唯「だってー、和ちゃん、もう完成形みたいな感じあるもん」
和「完成って」
唯「だって和ちゃんはじめてあったときからすでに和ちゃんだったもん」
和「そりゃそうよ。はじめ別の人だったら怖いわよ。
唯だって最初から唯だったじゃない」
唯「あー、そうかー。じゃあ私たちあんまり変わってないのかなあ……」
和「私は変わりました」
唯「変わりましたか」
和「そうよ。すごく成長したんだから」
唯「なになに」
和「ホットケーキ焼くのすごい上手い」
唯「それが成長!?」
和「そうよ。いま、すっごい上手にホットケーキ焼けるんだから」
唯「えー」
和「信じてないわね」
唯「信じてるけど、えー」
和「もうプロ級よ。三ツ星レストランで出せるわ。レストランにホットケーキあるか知らないけど」
唯「ないんじゃないかな」
和「すごいわよ、とにかく。狐色で」
唯「ホットケーキってふつう狐色じゃ」
和「そんなことないわよ、火加減間違えて焦げちゃったりしたらまっ黒だもの」
唯「ああ、まあね、私もよくやります。」
和「でしょ? そこが私は違うから、もう、すっごい上手。
焦げ目とか絶対ない」
唯「うん」
和「信じてないわね」
唯「あはは、信じてるよー。どんな風に焼くの?」
和「まずね、粉をとくでしょ」
唯「うん。その粉は自分で作ったりするの?」
和「いや、普通のやつよ。お店で売っているやつ、ホットケーキミックス」
唯「普通じゃん」
和「ちょっと高めのね」
唯「ああ、ちょっとだけこだわりの粉」
和「ワンランク上のホットケーキミックスに冒険してみたり」
唯「冒険……」
和「それで粉をとくわけよ」
唯「うん」
和「卵割る。牛乳入れる」
唯「うんうん」
和「いや、卵と牛乳逆だったかしら……」
唯「なになに、普段作ってるのに自信ないの?」
和「普段は袋の説明書きを読むから」
唯「ああ、うん。それで?」
和「油を敷きます」
唯「はい」
和「で、焼く」
唯「うん」
和「できあがりよ」
唯「ふつう!」
最終更新:2011年07月01日 21:34