唯「~♪」

憂「よかったねお姉ちゃん。きっと紬さんも喜んでくれるよ」

唯「うん! あ、でもこれっぽっちってのも何か……」

純「ほら、大事なのは気持ちです! 質と量はおまけみたいなもんですよ」

唯「純ちゃぁん」

憂「それで、これからムギ先輩のお誕生日会するの?」

唯「うん。りっちゃんの部屋でするんだー」

唯「憂たちもくるー?」

純「あ、私はちょっと」

憂「私も今日はちょっと都合つかないかも」

唯「えー、2人ともだめ? 残念……」


…ブゥーン

ブーン…

唯「ん?」

ブゥゥーーーンッ、パシッ

唯「ひゃっ!?」

ブゥゥーーーーンッッッ

純「ひ、引ったくりー!」

唯「あわわわっ……シークレット純ちゃんもってかれちった……」

憂「えぇっ!?」

唯「うそだー……」

純「す、すぐに警察に」

「おーい」

梓「憂、純! それに唯先輩じゃないですか」

憂「梓ちゃん……」

唯「はぁ……」

梓「何かあったの?」

純「シークレット私が引ったくられた、もといさらわれちゃったの」

梓「引ったくり!?」

梓「ど、どうするんですか?」

純「だから今警察に電話しようって」

唯「いいよ……」

唯「めんどっちいし、いい」

唯「私、もう寮に帰るから。ばいばい」

唯「ごめんねー……ムギちゃん……」トボトボ

憂「あ、ああ……お姉ちゃん」

梓「これは……」

梓「そういえば一番くじどうだった?」

純「ん、ほれ」ズイ

梓「おお……!!」

梓「スゴイ! スゴイ! 上位の賞がこんなに!」

梓「だ、大好きっー!! 憂も純も大好きー!!」ギュッ

純「はは、現金なやっちゃな」

憂「バースデーカードと前売り券のほうはどうだったの?」

梓「バースデーカードはバッチリ。でもアイマスクは」

梓「……何も言うまい、語るまい」パ

ムギマスク×4「ギュンギューン」

純「うおっ、目があった」

一番くじ獲得品 A×1 B×2 C×2 F×1 G×1 H×3 I×5

梓「……うーん」

純「何だ急に唸って」

梓「こんなに色々ゲットしてきてくれたのは嬉しいんだけど」

梓「ここまで揃ってるなら、コンプしたいなって」

純「はぁ!?」

憂「梓ちゃんお金大丈夫なの!?」

梓「少ないけど、まだある……!」

ドド ドドド ド ド

梓「憂、純。私思うの」

梓「ここで引いたら、私じゃないってね」

あずにゃん、いざローソンへ

憂・純「待ってー」

お供その1、その2も後へ続く


店員「らっしゃーせ……」

純「この店、店舗検索でヒットしなかったんだけど?」

梓「情報によると、ここはやるみたいだね。検索にひっかからないからって探さないなんてことはダメだよ」

憂「これならお姉ちゃんもここのお店に連れてきたらよかったなぁ……」

ゾロゾロゾロ アーアー…

梓(引けなかった亡者どもも最後のチャンスを狙いにきているわけか、恐れることないね)

A「ここで引けなかったらもうやめようぜ。金ないんだ」

B「金はなくとも愛があるだろ?」

梓(おっしゃる通り)

梓「愛は無敵だよ。憂、純!」

憂・純「え?」

梓「見ていて、私の多々買い……生き様!」

「くじがセットされたぞおおおおおおおおぉぉぉぉぉ」

「「「「「「ぶひいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃ」」」」」」

あずにゃんVS一番くじ、始まる


ガヤガヤ ガヤガヤ

梓(やった! 上手く前の列に並べた。ここまでは上出来)

梓(さて、狙いの賞は……D、E)

梓(それに加えてGのタオルの色違い、そしてこっちがまた辛い)

梓(Iのきゅんキャラ! 残るは律先輩に純、楽器セット)

きゅんキャラ所持 唯×2、澪×1、紬×1、梓×1

梓(合計……6)

梓(勝負にでようか……ううん、ここは余裕を持って引くべき。8回だ!)

梓(8回が限界……! これ以上は無理……!)

店員「A賞ですね」

A「っし!」

梓「知らない人に唯先輩が持っていかれる光景は見ているだけでつらい……」

A「お先~」

梓(情報によると上位の賞は3つずつあるらしい。つまり)

梓「引かれても……まだ冷や冷やすることはないよ」

店員「次のお客様ー」

梓(次! この人が終わって次!)

B「来い来い、来い来い。ムギちゃん来い」ガサゴソ、チョイ

店員「D賞、D賞。被っちゃいましたね」

梓「いっ!?」

B「いや~! ムギちゃんムチュチュー!!」

梓(こいつ……!)

店員「お次のー」

梓「は、ははは……8、8回……ででで……」

梓(ブルっちゃって舌が回らない……これで被ったりなんかしたら……私、私っ)

店員「ではどうぞー」

純「梓ー! ファイトー!」

憂「お姉ちゃんたちの分まで頑張ってー!」

梓「ええいっ、外野は黙って見ていろー!」

梓「下から、下から引くのがコツ……」

梓(箱が振られていない限り、下の方に上位賞が固まってたりする)

梓(感だけど……)

ガソゴソガサゴソ。チョイ

梓(まずは二枚。……どうかな)

店員「I賞が2つ」

梓「……ふーっ、ふーっ」

梓(いい! 別にいいの! Iは引きやすいんだから……)

梓「次!」

ガサゴソガサゴソ

「……~、……~」

梓(引くのが遅いから後ろの列がイライラしてる。わかるよわかる)

梓(でも、急かさないでっ。これは私の一大勝負なの!)

ヌポッチョィ

店員「えー、E賞とG賞、I賞」

梓「あああぁぁぁーーーーー!! きてる! 私はいま来てるよー!」

店員「……コホン」

梓「あ、すみません……」

店員「……早く、早く」

「け……引け、早く引け、引け、引け……」

梓(プレッシャーに押しつぶされて負けてしまいそう……)

「早くー早くー」

ブーブー ブーブー

梓(やぁ……ダメ……急かさないでよ)

梓(ここで焦って引いてしまった券はきっとダメに決まってる)

梓(残り3回! これが最後! 最後です!)

店員「お客さん! 早く」

梓「わあああああああぁぁぁああああああああああああああああああ!!」

「!!」

ドヤドヤ…ドヤドヤ…

純「な、何!? 梓!?」

憂「どうしたのー!?」

梓「こっ、これは気合の雄叫びですっ!」

梓「中野梓、くじ3枚! 引かせていただきますッ!」

店員「……!」

店員「どうぞ」

梓「1枚! 2枚!」ビッビッ

…ビッ

梓「3枚!」

梓「これで8枚全部です……店員さん、確認お願いできますか」

店員「はい」

店員「I賞が一つ」

店員「G賞が一つ」

梓「……っ」

店員「あとD賞ですね」

梓「      」

梓「やった……」

梓「あははは……はは、ふふふ……」

梓「な、なんで……なんか、あれ、涙、涙でて……うっ」

梓「ううううううっっっ……!」ポロポロ

全財産を使い果たし、あずにゃん勝利

純「早く、早く!」

梓「もう、急かさないでよ……疲れてるんだから」

憂「でもこれでI賞も揃えば、ほんとのほんとにコンプリートってこと?」

梓「……うん」

梓(実質、これが全部当たった事によって私の完全勝利)

パカ、パカ、パカ

梓「ムギ先輩、律先輩、純! よしっ」

純「お、おお……後は楽器セット」

梓「……えいっ」

パカ

梓「あ、あああ……澪先輩だった」

純・憂「はぁ……」

梓「おわった……おわってしまった……」

「あのー」

梓「は、はい?」

A「交換しませんか、I賞」

梓「交換!? はい!」

純「梓やったじゃん!」

憂「ね!」

梓「もちろんそちらは楽器セットですよね?」

A「あ、いえ、純ちゃんですよ」

梓「……は」

A「こちらの純ちゃんとあなたの澪を交換してくれないかなーって」

梓「純はいりません!! 純は!」

A「え、えー……そうですか……」トボトボ

梓「楽器セット、あきらめよう」キッパリ

純「何でだろ……私すっごいショック受けてるよ。誰か慰めて」

梓「……」

梓「これで、これで私の全財産は尽きたよ」

梓「絞りカスすら残っていない」

梓「えへ、えへへへ……満身創痍」

純「そういう意味かそれ」

純「でもあんたの情熱というか何というか」

純「すごいとしか言いようがない」

憂「どこからそんなにお金出てきたの?」

梓「お母さんから、これから貰えるお小遣い全部前借りした」

梓「そしてこの日のためにいらない物をオークションで売り払い」

梓「……思えば、これらを買わなければ私は大金持ちでした」

梓「飛んでいったお金は二度とお財布へは帰ってこない」

梓「……後悔は、ないの」

純・憂「……」

ヒュー


4
最終更新:2011年07月04日 20:47