体感RPGをプレイしていた唯達は

やっと我に返った

律「今のはゲームじゃないんだよなっ!?
  どうも私達は大変なことに巻き込まれちまったようだな…」

澪「………はっ」

律「澪~お前今までの話聞いてたのかよ~?まさか気絶…」

澪「き・聞いてたもん!でも……そんなことって…」

唯「でも…逃げ出すわけにはいかないみたいだよ~?」

澪「そ、そうだよな…観念してその救世主とやらになってみようか?
  まずは…」

唯「この[悪魔召喚プログラム]ってどうすればいいのかなぁ?
  私、携帯用の端末持ってないや……」

律「今から買いに行くか!」

唯「いくらぐらいかなぁ~5000円くらいで買えるよねぇ?」

律「おま……」

澪「唯……高性能の端末だったら10万円以上するんだぞ?」

唯「じ、じゅうまんえん!?私には無理だぁ……」

澪「そうだ!私の家にパパがもう使ってない
  古いハンドヘルドコンピューターがあったはず!」

律「パパぁ~?」

澪「お、お父さん!とにかく!まだ使えるはずだからそれにインストール
しよう!」

律「そっかぁ、そういや澪の親父さんレジスタンスの一員なんだっけか」

唯「ホントにぃー!?あ、ありがとう澪ちゃん!!」

澪「よしっと……ほら唯、着けてみなよ!」

唯「おぉ~!すごいすごい!!」カチャ…ガチャっ

唯「どーぉ??」

律「ほほ~!サマになってるわよ唯隊長!」

澪「レジスタンスの人みたいだな!」

唯「でしょでしょ~!えへへ~」

―――緊急事態発生、緊急事態発生―――

―――B1F通信ターミナル付近より悪魔が侵入―――

―――戦闘部隊はただちにB1Fへ……―――

唯「!!そうだった!私達悪魔を倒しに行くんだった!」

律「いよいよここもヤバくなってきたなぁ…」

澪「パパ……」

律「澪……(そうだ…親父さん戦闘部隊なんだ…)」

律「と、とにかく武器庫に行ってまずは何か武器を調達しないと!」

唯「うん!行こう!!」

澪「あ、ああ……」


―――武器庫

唯「えぇ~!!何も無いの~!?」

管理人「すまない、ついさっきレジスタンスの奴らが調達にきてな…」

管理人「そうだ!ちょっと待ってろ!」

管理人「……私物のワルサーPPKなんだが持って行け」

律「なんか心許ない拳銃だな~…」

澪「こら律!…あ、ありがとうございます!」

唯「おじさ~ん、ありがとうー!!」

ウィン…

唯「よーし!このままB1Fへ行っちゃお~!」

唯「あっねえねえ律ちゃん!」

……アウウアァ…

澪「唯!!危ない!!」

律「後ろ!!」

パパ――…ン  ドサっ

澪と律のワルサーが同時に火を噴いた

唯「ひえええええ……」

律「ぞ、ゾンビ!?」

澪「この服!!…レジスタンスの……」

律「もうここの階まで危ないのかよぉ…」

澪(パパ……!)ダッ

律「お、おい澪!!」

唯「待ってぇ~!置いてかないでぇ~…」

……
………

澪「よし!エレベータに乗って一気にB1Fまで行くぞ!」ポチっ
(早く来い早く来い)
プシューッ
澪(来た!)

澪「あ……」

唯「B1Fのボタンが…壊れてる…」

律「しょうがない!B2Fの階段から登ろう!」


―――B2F

律「ここも悪魔だらけじゃないかあああ!」パンッパン!

澪「キリがないな…」

唯「ふっふおおおお…」パンッ ドテっ

唯「転んだああ~…」

律「こうなりゃ一気に階段まで走るぞ!」

澪「唯!立て!!」

唯「は、はいい!」

律「おりゃああああどけどけどけええ!」パンパンパン

澪「今だ!!」ダッ

カンカンカン…

澪(パパ…無事でいて!)


―――B1F 

律「通信ターミナル付近っていやあ出口のほうだよな」

唯「この先だね!」

パパパパ…… ダン!ダン!  ぎゃあああああ……

澪「!!……急ごう!!」ダッ

……
………

律「なんじゃあ……こりゃあ…」

唯「レジスタンスの人達が……」

澪「パ……パ……?」

澪「パパ!!!!!!」

澪父「澪……なんで……ここに…」

澪父「逃げ…ろ…早く……」ガクッ

澪「い、いやああああああああ!!」

澪「パパ!!死んじゃやだ!!!パパ!!」




「若くて生きのいい体が3つもやってきたわい」



律「お前が……ネビロスか!」

澪「よくもパパを……」

唯「絶対許さないから!!」

唯「このおおおお!」パンパン!

唯「はれ?…あんまり効いてない?」

澪「唯…下がって」

澪が左手の掌をネビロスに向けると

手が赤く輝き火の玉が出現する

澪「アギ!!」

ボワァァァ!

ネビロス「ぐっ!貴様…魔法を!?」

律「そうだ!私、魔法が使えるんだった!」

律は右手に神経を集中させ一文字に振り抜く

律「おりゃああ!ザン!!」

……
………

澪「パパ……カタキは取ったよ…」

唯「澪ちゃん……」

律「澪……行こう、親父さんのためにも!」

澪「……うん」


―――出口

―シェルターの封鎖区画 エアロックの解放禁止―

律「開けるぞ!」

唯「う、うん!」

ガシャン!

「エアロックヲカイジョシマス」プシュウウウ

唯「そういえば私達って……」

澪「生まれてから一歩も外に出てないんだよな」

律「初めての地上だ!!」

ゴゴゴゴゴゴ……

扉が重い音を立ててゆっくり開いていく

唯「こ、これが……!!」


21xx年 某月某日 東京 第3京浜シェルター

この日、3人の少女が生まれて初めての太陽の陽を浴びた

それに呼応するかのように

運命の歯車は動き出す……



第一章 緊急事態!? 完



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最終更新:2011年07月06日 23:52