―――迷いの森

律「ひゃあああ今度は寒いな!!」

律「こっちに来たのはハズレだったか……」

唯「ねーねー律ちゃん!見て見て!!」

律「花畑……気味悪いな……
  見たこともない花だ」

唯「行ってみよ~!」

律「おい唯!待てよ!!」

……
………
唯「はぁ~あまーい匂いがするねぇ~」

律「魔界にこんなアロマがあるなんてな~」

唯「なんだか…眠くなってきちゃった……」zzz

律「ばか……お前何しに来たn……」zzz

……
………

唯「………はっ!ムギちゃん眉毛は……
  ああ!律ちゃん!!」

「ほっほっほ……そのまま寝ておればいいものを」

唯が目を覚ました時、律は何者かによって
連れ去られようとしていた

唯「律ちゃんを返せ~!!律ちゃん!!起きて!!」

律「zzz……」

「ほっほっほ……」

唯「待て~!!」

……
………

唯「確か……こっちに…」

唯「あ!あの城だ!!」

唯「律ちゃん!今行くよ!!」


―――アスタロート城

唯「律ちゃー―ん!!」

唯「どこだろう……ここかな!?」ギィ……

「た、助けてくれ……」

唯「!?」

唯「律ちゃん!!いつの間にそんないかつく……」

「誰だそれは……」

そこには水晶でできた牢獄に一人の騎士が囚われていた

「俺はソードナイト……訳あってアスタロートに
 捕まっちまってな」

ソードナイト「牢獄を壊そうと試みたんだがいかんせん
       頑丈で……」

唯「待ってて!」

唯「頼んだよ私の右手!」

唯「とりゃあああ!!」バゴーン!!

ソードナイト「mjd…………」

ソードナイト「いくら俺が頑張っても壊れなかったのに……
       お前一体何者だ……」

ソードナイト「なるほど……仲間がアスタロートに……
       助けてくれた礼だ、俺も力を貸そう!」   

唯「ありがと~!」


……
………

ソードナイト「あの奥の部屋だ!行くぞ!!」

唯「律ちゃん!!」ガチャッ

「ほーほほほ!お前の大事な仲間はここに預かっているぞよ」

律「~~~!?~~~!!」

唯「律ちゃん!待ってて!!今助けるよ!!」

ソードナイト「ヤツがアスタロートだ!気を付けろ……
       手強いぞ……」

アスタロート「この女は私が貰う!貴様らにはここで永遠に
       眠ってもらおう!!」

唯「そうはいかないよ!!」

ソードナイト「唯!この剣を使え!!」

唯「わかった!!」

ソードナイト「行くぞ唯!アスタロート!!覚悟!!」

唯「だあああああ!!」

……
………

律「唯ーー!!助けに来てくれるって信じてたよ!!」

唯「大丈夫律ちゃん!?」

律「あぁ…危うく服を脱がされてあんなことやこんなことを
  されるとこだった……」

唯「うほっそんな……」

ソードナイト「いかん……鼻血が」

律「ん?こいつは?」

唯「ここに来る途中に捕まってて助けてあげたんだ!
  そしたら律ちゃんを助けるのに協力してくれるって」

律「そっか!!ありがとう!!」

ソードナイト「いや、礼には及ばん……律殿……
       そなたの騎士になって地獄の果てまで
       お供いたそう……」

律「へっ?あ、ああ……ありがとう」

唯「なにこの変わりようは!?」

律「おっ!玉はっけーーん!!」

律「よし!じゃあ王城へ戻ろう!!」

唯「澪ちゃん達だいじょうぶかなぁ!?」


―――王城

澪「律!!」

梓「唯先輩!!」

澪「遅かったじゃないか!」

律「すまんすまん!ちょっとてこずっちゃってな」

紬「あら?その鎧を着た方は?」

ソードナイト「律殿のフィアンセ、ソードナごふっ」

律「あーなんでもないなんでもない!!
  唯が仲魔にした悪魔なんだ!」

ソードナイト「」

唯「澪ちゃん達はどうだった?」

澪「玉は無かったよ……」

澪「ただ、塔の最上階でこれを見つけたんだ」

律「なんだこりゃ?」

澪「どうやら剣みたいなんだけど……」

ソードナイト(あれは……ヴァジュラ!!)

律「柄しか無いじゃないか!」

梓「みんなで調べたんですけど使い方がわからなくて……」

唯「へー見せて見せて~!」

唯は澪からヴァジュラを受け取る

ブーン……ジャキィン!! パチ…パチ…

唯「うわぁっ!!」

唯がヴァジュラの柄を掴んだ瞬間

雷を帯びた刀身が現れた

紬「唯ちゃんの手に反応したみたい」

梓「きっと唯先輩が使えってことですよ!」

ソードナイト(ヴァジュラは戦いの神インドラにしか
        使いこなせないはず……)

ソードナイト(そのヴァジュラが反応するなんて……
        この子は一体……)

―――では、恐れの地へそなたらを送ろう―――

唯「残るはあと一つ!!」

澪「希望の玉だけだな!」


―――恐れの谷

澪「なんか暗いな……ここ……」

律「なんだぁ~?怖いのか澪?」

澪「そ、そんなことないもん!!」

梓「あ!……あそこの岩肌に門が」

紬「行きましょう!」

……
………

唯「んぎぎぎぎぎぎ」

唯「ダメだ……開かないや…」

律「みんなで体当たりしてみたらどうだ!?」

澪「やってみるか」

律「いくぞー!!せーのっ……」

ギィィィ……

澪「うそっ!?」

唯達が門に体当たりをしようとした寸前

門がひとりでに開いたのである

あろうことか

門の先は急勾配の穴になっていた

全員「うわああああああああ!!」

……
………

唯「う…うーん……」

澪「大丈夫かみんな?」

梓「唯先輩……重いです」

唯「あっ!ゴメンよあずにゃん!」

律「うう……う?」

ソードナイト「律殿……もう少しこのまま俺の上に
        いてもいいn ひでぶっ」

律「しっかし暗いな……」

ソードナイト「」

紬「私、ライター持ってるわ!これで……」シュボッ

澪「ぎゃあああああ虫っ!!虫ぃ!!」


―――はえ穴

律「虫の王国かここは……」

梓「ハエが……やたら……うわっぷ」

唯「とりあえず進むしかなさそーだねぇ」

梓「………あいたっ!!」

紬「梓ちゃん!?」

梓「おでこぶつけちゃいました……」

澪「みんな気を付けて進もう」

ソードナイト(洞窟……虫……ハエ…)

ソードナイト(!!)

ソードナイト「気を付けろ!!その先にはベルゼ…」

「貴様らか……我が分身バエルを殺したのは……」

ソードナイト「ベルゼブブ!!」

澪「……分身?」

ベルゼブブ「死をもってその罪を償ってもらうぞ!」

ソードナイト「ちっ!よりによってこんなとこで!!」

ソードナイト「全身全霊の力で戦え!!じゃなきゃ俺達が
        お陀仏だ!!」

澪「ふうううぅぅぅ……」

澪は呼吸を整えて両手をベルゼブブにかざす

あたりの温度が急上昇する

澪「アギダイン!!」

澪の両手から最大級の炎がほとばしる

ベルゼブブ「ふん……」

澪の炎はいとも簡単にベルゼブブの羽根によって

かき消された

澪「魔法が……!!」

ソードナイト「唯!ヴァジュラだ!!」

唯「あ、そ、そうだ!!」

ジャキィ!!

唯「いっくぞ~!!」

ブン! キシャァァァ!!

ベルゼブブ「ぐぬっ!!」

唯が剣を振るとベルゼブブに強烈な雷が襲い掛かる

梓「効いてる!!」

紬「みんな!!唯ちゃんをサポートするのよ!」

……
………

ベルゼブブ「大したものだ……この私が敗れるとは……」

ベルゼブブ「私はその昔、光の神バールであった」

梓「光の神!?」

ベルゼブブ「だが……唯一神によって二人に引き裂かれ
       おぞましい姿に変えられた……」

ベルゼブブ「そのもう一人が……バエルなのだ……」

ベルゼブブ「バエルがこの世になき今……私はもう……
       二度と神の姿には戻れない……」

ベルゼブブ「死にゆく私にはもう関係無いことだがな…」

唯「まさか……あの時のカエルが……」

ベルゼブブ「この剣を持っていくがよい……
       ルシファーを倒すのだろう?」

ベルゼブブ「ルシファーはこの剣でしかとどめを刺すことができぬ……
       ゴフっ……そし…て…サ……」

律「なんだって!?聞こえないぞ!?」

ベルゼブブ「…………」

梓「あ……玉が……」

澪「ベルゼブブは最後になんて言ったんだろ……」

唯「これが希望の玉!?」

紬「いよいよね……」


―――王城


―――ださいの玉だな―――

澪「希望の玉じゃないのか!?」

唯「どういうこと……?」

―――では、辺境の地へ送ろう―――


全ての玉を集めた唯達

のはずだった……

ベルゼブブが持っていたのは希望の玉ではなく

ださいの玉

唯達は平 将門によって

辺境の地へ飛ばされた


第八章 地獄めぐり! 完



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最終更新:2011年07月07日 00:04