タッタッタッタッ…


梓(ふぅ、掃除つかれた~)

梓(当番が3人も休んじゃうなんて、みんな弛みすぎだよ)

梓(あ~もう、こんなに遅れちゃった)

梓「はぁはぁ…」


ガチャ!!

梓「遅くなり…!!」


しーん。。。


梓「はぁはぁ…あれ?」

梓「せんぱい?」キョロキョロ

しーん。。。


誰もいない部室
あたりを見渡せばそこには唯達全員のカバンが置かれていた


梓「せんぱーい? いらっしゃらないんですかー?」トコトコ

梓「……」

梓「隠れているわけでもなし……どこかに行ってるのかな?」

梓「はぁ……それより、とりあえずちょっと座ろっと」スワリ

・・・・・・・・・

梓「…」

しーん。。。

梓(誰も来ない……)

梓(今日って、別のところで集合だっけかな?)ソワソワ

梓(そんな話はなかったはずなんだけど……)

梓(なんだか不安になってきちゃった………………ん?)チラッ


梓がふとテーブルに目をやると、
そこには律がいつも使っているカチューシャが置かれていた 


梓「こ、これは……律先輩のカチューシャ?」

梓「どうしてカチューシャだけ……?」

梓「……」

梓(律『カチューシャなんていらねえよ、夏』ファサッ)

梓「……」

梓「そ、それはさすがにちょっと古いかな……?」タラリ

梓「でも、なんで外してるんだろう……?」

梓「……」

梓「わからない……」

梓「時間通りに来れてたらわかったのかな……」

梓「なんだか置いてかれた気分……」シュン

・・・・・・・・・・

梓「……」

梓(なかなか帰ってこないな……)ソワソワ

梓 チラッ

カチューシャ「……」

梓(律先輩のカチューシャか……)ジー


梓(カチューシャ……)ジロリ


梓(ていっ!!)カポッ

梓(ふっふっふ……無断装着!!)

梓(律先輩の前でこんなことをしたら、どういう目に合わされるのやら……)ドキドキ

梓(でも、今日は置いてけぼりにされたんです)

梓(だから……くやしいから、たっぷりと遊ばせてもらいますよ)サスサス

梓(そう、いまのうちにたーっぷり……と…!)グイーッ




パキィッ!!






梓「ふにゃっ?」


カチュ「……」 ーシャ「……」


梓「」




梓「えっ…?」タラー


梓「えっ、えっ?」カチャッカチャッ (←合わせてくっつけてます)



梓「えええええええええええええっ!!?」


梓「どどどどうしよう……真っ二つにしちゃった……」

梓「くっつかない……くっつかない……」アタフタアタフタ

梓「ももももも木工――」タタタタッ


ガチャ


梓「」


唯「和ちゃん、とってもうれしそうだったね!!」

紬「そうねえ」キラキラ

澪「たまの書類不備も悪くないかもな」

律「うっうぅっ…あの逆さメガネ、いつか仕返ししてやる」シクシク

紬「あら、梓ちゃん」

澪「おっ、梓、待たせたな」

梓「あっ、あっ、せっ、せ、せ、せんぱい、こここんにちは」

紬「こんにちは」

梓「えへへ……」タラー

梓(はぁ…はぁ……と、とりあえず隠したです)

梓(制服の胸ポケット……しかも内ポケットのほう)

梓(ここなら裾と違って見つかりにk…

唯「ああっ!!あ~ずにゃん!!」ダキッ

梓「ふにゃっ!?」

唯「会いたかったよ~、あずにゃん~!!」スリスリ

梓(あわわわわわわわわ!!)

唯「んふふー。すりすりー」スリスリ

梓「せ、先輩!? い、いきなり前から抱きつかないで下さい!!」

唯「ん~? あずにゃんよいではないか、よいではないか」ギューッ

梓「ゆ、唯先輩!! そんなに密着しないでください!! ………(バレちゃいます)」

唯「えへへ、あずにゃん♪あずにゃん♪」ギュウギュウ

梓(うわあああっ、唯先輩気づかないでー!!)


3分後。。。


唯「よーし、今日のあずにゃん分補給完了!!」フンス!

澪「あ、梓、大丈夫か?」

梓「……だ、だ、大丈夫です、澪先輩」フラフラ

澪「そ、そうか?」

梓「は、はい」

梓(……いきなり動揺しちゃったよ)

梓(たぶん唯先輩にはリアクション的にバレてないよね?)

梓(いけない…すぐに仕切りなおしです。平常心、平常心)

梓「そういえばみなさん、いままでどちらにいらしたんですか?」

澪「んっ、ああ、生徒会室だ」

梓「生徒会室?」

澪「そうだ。じつは律がな……」

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律「梓のやつ、おせ~な~」グテー

澪「まあ、いつもの掃除当番ってとこじゃないのか?」

唯「う…うう……あずにゃん……は、はやく……
  あ、あずにゃん分が足りなくて…死んじゃう…よ……」ピクピク

紬「あらあら」


ガチャ

和「ちょっと、律居る?」

唯「あっ、和ちゃん?」ムクッ

律「どうした和」

和「あなた、前に渡した部費の申請書ちゃんと出した?」

和「生徒会室探しても軽音部の申請書だけ見つからないんだけど」

律「へっ?どういうこと?」

和「あれ、今日が期限なんだけど」

律「えっ…期限は……来週なんじゃ……」

和「今日!!」

律「ええーっ!?」

律「わわわ、どうしよ!!書類ってたぶん家だぞ!!」

澪「りつ~、おまえなぁ!!」ゴゴゴゴゴゴ

唯「いまから走ればぎりぎり間に合うんじゃない?」

紬「あらあら、まあまあ」

和「…ったく」

和「そういうことかと思って、
  新しい申請書を一緒に持ってきてあげたわよ」

和「これに書いて今日中に提出しなさい」


律「ほえ…?」

澪「あっ…」


律「……おおおおおおっ!!サンキュー和!!」

澪「の、和。本当にありがとうな」

唯「わーい和ちゃん!!大好き!!」

紬「ありがとう、和ちゃん」

和「……それにしても世話が焼ける部長ね」

律「へへっ、すまんすまん」

和「さすがにこうやって甘やかしてると、
  いつまでもこの調子で続いてしまいそうね」

澪「まあ、和。あいつには私から…」

和「いいえ、ダメよ!!今回は私が律にお仕置きをするわ!!」

澪「えっ?」

律「いっ!?」

和「だって、澪じゃゲンコツを当てるくらいでしょ?」

和「やっぱそれくらいじゃ、律にはぬるいのよ」

律「…あ、あの~。それはどういうことでして?」

和「律!!」

律「は、はい!!」


和「……あなた、これの提出に来るときはカチューシャなんて外して、
  自然なまま前髪下ろして来なさいよ」キラーン


律「」ピクッ

和「そして上目遣いで初々しく『遅れてすみません、生徒会長///』
  と言って私に提出してもらおうかしら」

紬「まあ!!」パァア

唯「わあ、初々しいりっちゃん!」

律「……ひ、ひえぇぇ!!」

澪「り、律……さすがにこれは……」

和「それじゃ律、わたし生徒会室で待ってるね」

律「ま、待ってくれ!! 和!!」


バタン!!

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澪「……ということなんだ」

梓「そ、そうなんですか」

唯「でね、あずにゃん。生徒会室でりっちゃん、とーってもかわいかったんだよ!!
  和ちゃんの前でね、涙目でね、ほっぺた紅くしちゃってね――」

唯「『お、遅れてすみませんでした……せいとk///

律「だぁーーーっ!! 唯、それ以上いうなぁ!!」ガシィッ

唯「もごぉーっ!!」フガフガジタバタ

梓「そ、それはぜひ御一緒したかったですね……」

澪「もったいなかったな梓、そういえばなんで今日は遅れたんだ?」

梓「掃除当番です。班の欠席者が多くて、すごく長引きまして……」

澪「そういえば……クラスによってはカゼが流行ってるらしいしな」

梓「はい、おかげで倍は掃除するハメになりました」

紬「梓ちゃん、お疲れ様」

梓「ありがとうございます。それにしても……唯先輩、大丈夫ですかね?」

澪「ん?そろそろ止めようか」

律「///」グググ…

唯「」ピク…ピク…

澪「律、落ち着けよ」

紬「ふふふ。わたしお茶でもいれて来ようかしら」

唯「ぷはっ!! そうだよ、やることやったんだし、ティータイムにしようよ!!」

澪「でも、結構時間も遅くなってきてるぞ? 練習できるのか?」

唯「へーきだよ!! 澪ちゃん!!」

澪「……そういって出来た試しがない」


律「ぐすっ……」


澪「おい律。大丈夫か?」

律「あ、ああ……」

澪「ふふふっ、律、あまり引っ張るなよ?」ポン

律「わ、わかってるって………ぐすっ……まあ……あ…あれで……
  軽音部が助かったかと思えば……ああいうのも……安いもんだぜ澪?」グスッ

澪(泣きながら言われてもなあ……)

律「くすん……そろそろ前髪をもどそうかな……」

唯「りっちゃん、もう戻しちゃうの?」

律「うん、やっぱおかしーしな」キョロキョロ

唯「ふーん」

律「ど こ に あ る の か な……カチューシャっと……?」ガサゴソ


律「……??」


律「あれ?」


律「おーい!! みお~!! カチューシャってテーブルの上に置いてたよな? 見当たらないんだけど」

澪「ん? お前、ちゃんと探したか?」

律「疑うなよ~、かばんの下とかも調べたんだぞ」

澪「ほんとにないのか?」キョロキョロ

唯「どうしたの?澪ちゃん」

澪「律のカチューシャがないんだって」

唯「えっ、ないの?」

澪「ああ」

唯「一緒に持って行ってたっけ?」

律「いや、たしかテーブルに置いてたはず」

澪「たしかにそのはずだ、私も見た」

律「なあ、梓」

梓「は、はい!」

律「あたしのカチューシャ見なかった?」

梓「にゃっ!?」ビクッ

梓「い……いえ」タラー


律「そうか……おかしいなー」ガサゴソ


梓(ああ、どうしよう……いまさら内ポケットから出すなんて出来ないし……)

梓(でも、言わないと……)


唯「うーむ、見当たらない……」キョロキョロ

澪「カバンの中か?」ガサゴソ


梓(……ええーい!! 言っちゃえ!!)


梓「あ…あのっ……!!」


ガタン!!


唯「これは大変だよみんな!!カチューシャ誘拐事件だよ!!」

澪「ははっ、誘拐ってのもな……」


梓(えっ、えっ?)


律「なんでだろう、見つからない……」

紬「お茶が入ったわよー」


梓(あああ……言いそびれた……)

澪「しかし……もし盗難だとしたら厄介だな、
  一応みんなの持ち物が揃ってるかを調べておかないか?」

律「そ、そうだな」ガサゴソ

唯「これは事件だよ、事件の香りがするよ!!」ゴソゴソ

紬「あらあら?」

梓「え……あっ……」


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最終更新:2011年07月07日 01:07