唯「なにニヤニヤしてるのあずにゃん」
梓「い、行くしか無いでしょwww16時から限定200個でやってるみたいですよ!!」
唯「あ、うん。いってらっしゃーい」
梓「んもうっ! ちゃんと聞いてください。一人1パックなんですよ!」
ぐいぐい
唯「あうー、1パックでいいじゃん……」
梓「だめですよ! 私卵好きですもん!」
唯「でも2パックも買ったら卵料理ばっかりになっちゃうし……10個入りなんでしょ?」
梓「いいじゃないですかー! ばかー!」
唯「わ、わかったよぅ……怒らないであずにゃん。一緒に行くからさ……着替えてくるね」
梓「えへへ。わかればいいんですよわかれば」ニコニコ
唯「あずにゃん急かさないでー」
梓「はやくしてください。売り切れちゃいます」
唯「鍵うまく閉まらなくて……」ガチャガチャ…
梓「もー、どんくさいですね」
唯「違うよぉ……このアパート立て付け悪いから……」
梓「ほら、貸してください。こうやるんですよ」
ガチャガチャ ガチャガチャ! ガンガン
カチッ
梓「はい。行きますよ」
唯「さすがだねあずにゃん」
梓「いまさら何いってるんですか」
スーパー
唯「あ! あずにゃん大変! あそこみて! 卵あと1パックしかないよ!」
梓「う、うそっ!? まだ一時間もたってないのに」
唯「人いっぱいだねー」
梓「卵の特売に加えて、この時間帯はタイムセールもありますからっ! しまったなぁ」
唯「急げー!」タカタカ
梓「た、卵ー!」
パシッ パシ
純「あ?」
梓「純!」
純「あ、なんだ梓。あんたも来たんだ」
梓「ちょっと純! 離してよ!! 卵!!」
純「はぁ~~? タッチの差で私の物でしょ。いひひ」
梓「えー……そんなぁ……」
純「そっちのやつ買えばいいじゃん。赤卵」
梓「う……こっちは、高いし……228円もする……」
純「その分おいしいんじゃない?」
梓「でも……今月もうお金……ないし」ジワッ
純「あーもうわかったわかった。あげるから、譲ってあげるからそんな顔しない」
唯「ご、ごめんね純ちゃんありがと……ほらあずにゃんもお礼言って」
純「いいですよ……長い付き合いですし。梓が卵星人なの知ってますし」
唯「あずにゃんほんと卵大好きだね」
純「唯先輩も苦労しますね。卵ばっか飽きません?」
梓「そんなことないもん!」
純「あんたには聞いてない」
梓「た、卵飽きてる!? ねぇ、ねぇ卵飽きてるんですか!?」ユサユサ
唯「う、うーん……べっつにぃ……」
梓「ですよね!」ニコッ
唯「あ、あずにゃんの料理はなんでもおいしいよっ!」
梓「えへへ」
純「おっと、こんな時間だ。それじゃ梓、またねん。仕事がんばって」
梓「うん!」
純「唯先輩もがんばってください。応援してます」
唯「ありがとー。新刊でたら買ってねー」
純「わかりました。大変な仕事でしょうけど体には気をつけてください」
唯「うん!」
唯「さ、卵も手に入ったし、帰ろっか」
梓「ちょっと待ってください」
唯「……? 他になにか買うものあったっけ?」
梓「そろそろ半額シールの時間なんですよ」キョロキョロ
唯「……う、うん……そうなんだ?」
唯(ほんとだ……周りの主婦が殺気立ってる……)
梓「店員さんにこの食パンに半額シール貼ってもらってきます」
唯「えー、私ふわふわ食パンの方がいいなー」
梓「だめです!」ピシャリ
梓「半額のこれなら64円で買えるんですから我慢です!」
唯「は、はい……すいませんでした」
梓「あとこのカキフライも半額ならないかな……ちょっと聞いてきます!」
唯(……ごめんねあずにゃん。貧乏なばっかりにこんな苦労かけて……)クスン
……
苺「……」ピッ ピッ
苺「……50%引きが一点……」ピッ
苺「50%引きが一点」ピッ
苺「30%引きが一点」ピッ
唯(なんだか恥ずかしいから読み上げないでほしいよぉ……///)
梓「あ、この割引券使えますか?」
苺「はい。5%割引いたしまして合計596円のお買い上げになります」
唯「ありがとー苺ちゃん」
苺「お箸いる?」
梓「2膳つけてください!」
苺「うん。ありがとうございました」
唯「またくるねー」
苺「またのご来店おまちしてます(棒)」
帰り道
梓「いっぱい買っちゃいましたね!」
唯「そだねー」
梓「アクエリアス158円でした! 買いませんでした!」
唯「いい子いい子」なでなで
梓「えへへ、えへへへ。ですよね、たまに128円までさがりますもんね!」
唯「よくしらないけどあずにゃんはすごい!」
梓「あのスーパーにも頑張ってほしいですね! 主婦の強い味方です!」
唯「私たちもがんばらないとねー」
梓「そうですね。新しいお話考えました?」
唯「う……まだ、です……」
梓「んもー、今日明日中にはお願いします」
唯「あずにゃんこそ。ちゃんとネーム治したの?」
梓「こ、こんばんやりますし!」
……
梓「……」カリカリカリカリ
梓「……」カリカリカリカリ
唯「……ふぁ……ベタどこ置いたっけー」
梓「そこ」カリカリカリカリ
唯「ん……いつもどおりでいいの?」
梓「はい、あんずとみーこの髪の毛塗りつぶしといてください」
唯「ほいほい」
梓「はみ出さないでくださいね。絶対、ぜーっっったいですよ?」
唯「わかってるよぉ……素人時代じゃあるまいし……」ペタペタ
唯「あ!」
梓「えっ!!? あんだけ言ったのに!!?」
唯「そろそろ番組はじまる時間だー」
梓「は……そうですか」
TV「みんなのうた」
唯「ほらあずにゃん、はじまるよー。ここ、ここ座って座って!」
梓「んー、録画してるじゃないですか。ていうか何度もみましたよ」
唯「えー、みようよー」
TV「『あらいぐまがあらったこい』 作者、みおみお」
唯「ほらー澪ちゃんのつくった歌だよー」
TV「~♪ ~~♪」
唯「いい歌だねー」
梓「絵もかわいいですね」
唯「澪ちゃんが全部やってるらしいよ」
梓「知ってますよ……はぁ」
唯「なんでためいき」
梓「かたやベストセラー絵本作家。かたや、売れない漫画家……はぁ」
唯「売れないっていっても、一応雑誌連載してるし……コミックもでてるし……」
梓「そうですけどーそうですけどー」
唯「きっと続けてればいいことあるよ!」
梓「打ち切られたらどうしましょう」
唯「めっ! ネガティブになったらだめだよ!」
唯「一緒に頑張るっていったじゃん!」
梓「……はい、すいません」
唯「こんな形でも一応夢かなったんだから私は嬉しいよ!」
梓「そうですよね……」
唯「あずにゃんとも一緒にいられるし!」
梓「……えへへ。ご飯用意します」
唯「うん!」
唯(やっぱり順位下がってきてるのが響いてるのかなー……)
唯(私はあずにゃんと漫画かけるだけで幸せなんだけど……)
唯(あれ? 私ってもしかして漫画家失格?)
……
梓「はい、どうぞ。オムライスです」
唯「わーい具なしオムライスー」
梓「い、一応玉ねぎはいってますから!」
唯「ごめんごめん」
梓「これ食べたら再開しましょう。ネーム仕上げないと編集に怒られちゃいます」
唯「あ、そうだ、聞いてあずにゃん。次の話ね、あんずがゆっこに抱きつくシーンいれていい?」
梓「は? なんでですか」
唯「えー、だってあんずのほうからって珍しいじゃん! そんでねゆっこがふぉおおおっってなるの!」
梓「あんずはそういうキャラじゃありません」
唯「えー? そっかなー」チラッ チラッ
梓「なんですか」
唯「べっつにー。ダメならダメでいいよー」
梓「ま、まぁ、絶対ダメとも言いませんよ。原作は私じゃありませんし……」
唯「じゃあさーじゃあさー」
梓「後で聞きますから」
唯「えー、ひらめいたときに話しときたいのー」
梓「頭の中にちゃんとメモしといてくださいよぉ」
唯「できません! もうっ何年の付き合いだとおもってるの!」ぷんぷん
梓「そうでしたね」
唯「お買い物行く話とかどう?」
梓「絵におこせるかわかりません」
唯「アシスタント雇う?」
梓「お金ありません」
唯「もっと資料買う?」
梓「お金ありません」
唯「新しいテレビ買って♪」
梓「お金ありませんってば!」
唯「冗談だよぉ……」
梓「私が財布のヒモ握ってないととっくに借金だらけですよ」
唯「感謝してますあずにゃん様」
梓「とにかく面白い話を書いてコミックの売上を伸ばさないとろくに食べてもいけませんね」
唯「漫画家になるー!って飛び出した手前、家にも戻りにくいよねぇ」
梓「……はい」
唯「ちゃんと連絡とってる?」
梓「とってますよ。別に怒られもしません。勝手に頑張ってって感じです」
唯「そっかぁ」
梓「呆れられたって言ったほうがいいんでしょうか」
梓「平沢家はいいですね。家族ぐるみで応援してくれて」
唯「まぁねー。ゆるーい家だから」
梓「私……なんとか見返してやりたいです」
唯「アニメ化されたら違うんだろうなー」
梓「アニメ化か……なんだか遠い話ですね……」
……
和「うーん、このページもう少しなんとかならないかしら」
唯「なんとかって」
和「オチが弱いのよ」
梓「こんなもんだと思いますけど」
唯「そうだけど」
和「書きなおしは無理そう?」
梓「大丈夫です」
唯「ねぇねぇ和ちゃん」
和「なに?」
唯「編集者目線だとばんぎゃ!ってまんがタイムきらきらの中で何番目におもしろい?」
和「それは言えないわ」
唯「えー」
梓「ほぼ掲載順位の通りってことですか?」
和「私個人としては面白いと思うのよ」
唯「なんか慰められたー」
和「アドバイスして。絵の質は絶対おとしちゃだめよ!」
梓「は、はい」
和「それじゃ、もう会社もどるわね」
唯「ありがとー」
和「これ、食べなさい」
梓「あ、バウムクーヘン!」
和「……」キョロキョロ
唯「?」
和「……が、がんばるのよ」
唯「うん!」
梓「ありがとうございました」
和(この部屋にくるたびに実家を思い出して切なくなるわ……)
唯「あずにゃん! バウムクーヘンだって! バウムクーヘン!」
梓「えへへ久しぶりに見ましたね!」
唯「えーこの間半額のやつたべたじゃん。あのぱっさぱさのやつ!」
梓「あ、そうでしたね! あはは」
和(ふたりとも、頑張って……生きるのよ……)
唯「和ちゃん?」
和「次はカステラもってくるわね。それともケーキがいい?」
唯「わーい! 和ちゃん大好きー♪」
梓「むっ……」
唯「わぁ、あずにゃん大嫉妬!」
梓「そんなんじゃありませんし!」
唯「そんなんじゃありませんしっ!」
梓「真似しないでください」
唯「真似しないでくださいぃ!」
和「いつも仲がいいわね。けどじゃれあってばかりいないで早く仕上げちゃいなさい」
……
律「うぃーっす。唯ー梓ー、弁当もってきたぞー」
律「あ? いねぇの?」
律「おーい、あがるぞー?」
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んぁ、ちょ……あ///
えへ……んちゅ、ちゅ
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律「……。 弁当ここ置いとくわーじゃあなー!」
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あんっ、あ……律センパイ帰っちゃいますよぉ……
んちゅ、んふ、続きは夜でいっか……えへ
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律「いえいえ帰りますんでお気遣いなく! ほんと、お邪魔してすいませんでしたー!」
最終更新:2011年07月08日 00:56