……


律「お前らさー、鍵くらいかけろよー。ほんとこれ何回目の遭遇だよ」

唯「でへへー申し訳ない」

梓「すいません……どれもこれもこの人が」ツンツン

唯「いやーんあずにゃんやめてよぉ……///」

梓「ちょっ、なんなんですか」

律「あーもううるせぇ!! 今後弁当もってこないからな!」

唯「ひぃいいっ」

律「はぁ……お前らこんなんで大丈夫なのかほんとに」

唯「りっちゃんの間が悪いんだよ。普段は超仕事してます!」

律「……」チラッ

梓「し、してますよ!」

律「へいへい。で、今月号の感想いいにきたんだけど」

唯「どうだったかな」

律「んー、つまんねぇ。何漫画だよって感じ」

唯「そっかー、いつもばっさりな意見ありがとうりっちゃん」

梓「でも結構私たちの学生時代を参考にしてるんですけど」

律「あんな感じだっけ?」

梓「割と」

律「なぁなぁ、りんをもっと活躍させてくれよ!」

唯「贔屓はしたくないよー」

律「ちぇっ」

梓「ところで、律先輩は最近お仕事どうですか?」

律「普通だよ」

唯「営業って難しい?」

律「別に。ストレスはちっと溜まるかもしれないけどな」

梓「そうですか……どうぞ目いっぱい涼んでいってください」

律「水しかでねーし、クーラーもついてねーのにか」

唯「節電だよ!」

律「お前らって暑くないの?」

唯「アツアツだよ?」

梓「んもうっ、そう意味じゃないでしょ!」

律「いや、悪かった。そのさ、年から年中べったりしてんだろ?」

唯「してるかなー」

律「してるだろ。あてつけかよ」

唯「あてつけって?」

律「むぐ……なんでもねーし」

梓「澪先輩と連絡とってないんですか?」

律「あー……まぁ」

唯「なんでー?」

律「ほら、あいついまいろんなメディアから引っ張りだこだから……」

唯「絵本売れてるもんねー」

律「……はぁ、なんだか存在が遠く感じる」

梓「なんですか情けない。乙女じゃあるまいし」

律「まだぴっちぴちの乙女じゃい!」

律「それに」

唯「?」

律「いまあいつは波にのってるからな。余計なことで気を紛らわせたくないんだ」

唯「連絡しないのも思いやりってこと?」

律「そうともいう……かも」

梓「カッコつけてないで電話したらいいじゃないですか」

唯「そだよー。澪ちゃんも絶対寂しがってるよー」

律「なんでわかんだよー」

唯「私たち連絡とってるもーん」

律「な゙っ」

唯「澪ちゃんにメールしとこうか? りっちゃんが会いたがってるよーって」

律「あーー! やめいやめい! わかった連絡するって! するからそれは許して」

唯「早く電話ー」

律「今かよ!?」

梓「どーせ帰ってからまたうだうだ悩むんでしょ」

律「こ、心の準備がさぁ……」

唯「告白でもする気?」

律「ちげーし!」

唯「はやくー、気になって仕事もどれないよ」

律「……へいへい」ポチポチ

律「……澪、出るかな……」prrrr

律「…………あ、も、もしもし!?」

律「えっ、あ、うん……あたし」

律「お、おう……うん……うん……そっか、よかった元気そ、え? あーアタシは元気だよん」

律「へぇ……あ、わかった……明日夜9時な……お、おう……じゃ」プツ

唯「えへへ」

梓「むふー」

律「何みてんだよ。なんだよその顔、やめろやめろぉ!」

唯「いやーよかったですなー」

梓「おめでとうございますぅー」

律「なっ、お、お前らなぁ! 見世物じゃねーぞ!」

唯「待ち合わせできたの?」

律「お、おう、飯くうことになった……」

梓「澪先輩喜んでたでしょ?」

律「まぁ……普通」

唯「またまたー、こっちまで澪ちゃんの声きこえてたよ?」

梓「澪先輩とはおもえないくらいの勢いでまくし立ててましたね」

律「うっせぇー!! あ゙ーもうなんなのお前ら? おせっかい夫婦なの!?」

唯「夫婦じゃないよ恋人だよ」

梓「恋人じゃないですコンビです」

律「……なんかそのへん曖昧なのな。ていうかどーでもいいのか」

唯「まぁね。私とあずにゃんの仲だし」

律「ふぅ……じゃ、帰るわ。あ、そうだ」

唯「なにか忘れ物ある?」

律「いや……えっと……あ、あんがとな。その、後押しとかしてくれて」

唯「あんがとだって。プクク」

梓「笑っちゃまずいですよ……プク」

律「……帰る!!!」

唯「あはは、りっちゃんごめーーん、またきてねー」

梓「いつでも待ってます」

律「……へいへい。次はもっと安い弁当にしよーっと」

唯「あーん……ごめんってばぁ」

梓「また感想きかせてくださいね!」

律「あはは、わかってるって。がんばれよー、ゆずふらいせんせ」

梓「がんばります!」

唯「もう暗いから気をつけてー」


梓「……帰っちゃいましたね」

唯「いつもお弁当助かるねー」ガサガサ

梓「あ、私そっちのお弁当のほうがいいです」

唯「えー、私焼肉弁当やだー太るもん!」

梓「じゃあおかずは半分こしましょう」

唯「うん♪」

梓「じゃあ食べ終わったら」

唯「さっきの続きする!?」キラキラ

梓「はっ/// 何言ってるんですか!」

唯「さっきはイイトコでりっちゃんが来ちゃったからねー」

梓「しませんしっ/// 私は……その、漫画のことで頭がいっぱいでその」

唯「ネタづくりネタづくり♪」バクバクモグモグ

梓「あうー……す、すぐ終わってくださいね///」

唯「それはあずにゃん次第かな!」



翌日



梓「あの……こんなことしていいんですか?」

唯「取材だよ。 し ゅ ざ い ♪」

梓「律先輩に悪いですよ」

唯「違うよあずにゃん! たまたま同じレストランで会食していた。ただそれだけ!」


律「~♪ ~♪」


唯「きたきた、りっちゃんきたよー」コソコソ

梓「うわ、すごい上機嫌……きもちわるっ、おっとなんてことを私は……」

唯「澪ちゃんまだかなー」

梓「よく考えたらこれ完全にただの尾行ですよ、やめましょうよぉ」

唯「でもあずにゃんも気になるでしょ?」

梓「ま、まぁ……そうですけど」

唯「あ、ほらほら澪ちゃんきたよ」

梓「えっ、あ、ほんとだ。わぁいい服きてますね」

唯「澪ちゃんおっとなー!」


澪「××××」

律「×××××××」


唯「こっからじゃ聞こえないよぉ」

梓「席移してもらいましょうか?」

唯「お、あずにゃんノリ気だねぇ」

梓「えっ? あー、まぁここまできたら……ね?」

和「……で、いつになったら漫画の打ち合わせはじめるの」

唯「ご、ごめんごめん。すぐ始めるからっ、もうちょっと待ってよー」

和「わざわざ呼びつけておいて待たせるなんて……はぁ」

唯「席うつるよー」

梓「勝手にはまずいですって。す、すいませーん、あのー、席を移りたいんですけど……」


澪「こうして会うのも久しぶりだな」

律「だなぁ。社会でるまでは嫌っちゅうほどべったりだったのにな」

澪「うん……ほんと久しぶり」

律「最近どうよ? って活躍ぶりはしってるけど」

澪「読んでくれた?」

律「おう! キリンりんりんの方も読んだ」

澪「ありがと」

律「やっぱ才能あったんだよな」

澪「そ、そうかな……音楽のほうでは、あんまりうまく活かせなかったかもしれないけど、形になっただけ嬉しいよ」

律「こないだ新聞のってたな?」

澪「えっ、あ……うん。あれは恥ずかしいから、やめてほしかったけど……」

律「美人すぎる絵本作家だってよ」

澪「や、やめろぉ……」

律「なんでー、そのまんまじゃん!」

澪「ああいう取り上げられ方は……あんまり……」

律「ちょっと安心した」

澪「なにが?」

律「そういうとこあんま変わってねーなーって」

澪「……」

律「写真みたときさー、すんげー別人にみえたから」

澪「あれは……メディア用に化粧とかすごくしてたから……かも」

律「あたしはどう? 問題、どこがかわったでしょーか?」

澪「えーっと……えっと……」

律「3・2・1」

澪「わ、わかんない……あんまり変わってない……」

律「せーかい!」

澪「な、なんだそれ……」

律「変わってねーよー、これっぽっちも」

律「澪しゃんに対するあつ~い想いも! なんつって!」


唯「うわっ! りっちゃんさりげにアレ告ってない!?」

梓「あぁ……やっちゃいましたね……」

和「普通にスルーされたわね」

梓「……焦りすぎですよぉ」

唯「あーもうっ。澪ちゃんのばかばかー」

和「さて、無事織姫と彦星が出会えたところで打ち合わせするわよ」

唯「ふえーん、まだ盗み聞きしてたいよー」

梓「ちょっと! 大きい声ださないでください! バレちゃいますよ!」

唯「大丈夫大丈夫。あの二人は自分たちの世界にどっぷりだから」


律「あはははー澪コノヤロー」

澪「うふふふー律ぅーやめろってー」


梓「……」

唯「ね?」


――――

梓「さて今回のネームなんですけど」

和「そうね。読ませてもらうわ」

唯「自信作だよー」

和「……」ペラッ

唯「ふんす!」

梓「……ふふ、どうですかね」

和「……」

純「ふむふむなるほどなるほど」

和「……」

純「おおう! まさかこんな展開に!」

梓「え゛っ」

唯「わぁ純ちゃん。エプロン似合ってるよー」

和「店員さんアイスコーヒー頼めるかしら」

純「えへへ。はーいただいまお持ちしますー」

梓「あんたこんなとこで働いてたんだ……」

純「ウェイトレス! やってみたかったんだ!」

梓「前のバイトは?」

純「やめた!」

梓「あ、そう……ほんと転々としてるなー」

唯「純ちゃんをモチーフにしたキャラもだそっかー」

梓「えぇ……いらないでしょ……」

純「ちょっとぉ! のけもんにするのはよくないとおもうなー?」

和「アイスコーヒーは?」

純「は、はいただいま!」スタコラ


唯「ねぇねぇ和ちゃん。キャラそろそろ増やすのはどうかな」

和「いいんじゃない? マンネリ化してきたし」

梓「ずばっと言いますね……」

和「ほんとのことよ?」

唯「じゃあ考える方向でー♪」


アパート


梓「結局律先輩と澪先輩どうなったんですかねー」

唯「そのままホテルにでもいったんじゃない」

梓「なんでそんなになげやりなんですか」

唯「しずかに! いま新しい話し考えてるから!」

梓「あ、す、すいません……静かにしてます……」

唯「むーん、むーん」

梓「……」

唯「むーーん……」

梓「……絵かいとこ」カリカリカリカリ

唯「むーん…………むー……あーもうだめっ。あっずにゃ~ん♪」ギュムッ

梓「だーー! なんなんですか、考えてるんじゃないんですか」

唯「あずにゃん分をアイデアに変換するよぉ~~パワーをわけろわけろ~」スリスリ

梓「こんなことしてるからなかなか進まないんですよぉ~~! 離してください~」


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最終更新:2011年07月08日 00:57