From:唯センパイ
Sub:終わった~

やっと宿題終わったよ!
これも愛の力、ですな
それじゃあ、こんどこそメールしよう!


梓「唯先輩……んもう唯先輩は、もう……」

梓「愛の力だなんて……そんな……照れちゃうなあもう」

梓「えへへ……やっぱり唯先輩とのメールは心が安らぎますね」

梓「そいじゃあ返信しちゃおうかな」

ブブエー♪

梓「あっ、これから返そうかなと思ったら……」


From:律センパイ
Sub:サンキュ!

そうだな!
当たって砕けろっていいな!
やっぱり何か考えるのは私の性に合わないしな!




それで
決めたんだけどさ


好きだ 梓
付き合ってくれ


梓「え……」

梓「ええぇぇ……?」

梓「どうして? 澪先輩じゃないの? な、なんで?」

梓「だって澪先輩幼馴染だし、さっきのメールも澪先輩の名前、入ってなかったし」

梓「これ、間違えてるんじゃないの?」

梓「……ど、どうしよう……私、そんな……」

梓「きゅ、急に言われても……ていうか、メールで告白だなんて……」

梓「うう……ど、どうすればいいんですか……」

ブブエー♪


梓「えっ……」


From:唯センパイ
Sub:どうしたの?

メール帰って来ないから心配だよ
何かあった?
そういうときは先輩に頼ってもいいんだよ!
さあさ、なんでも言っちゃいな!


梓「ゆ、唯先輩……」

梓「こ、こんなこと言えるわけないじゃないですか……」

梓「でも……早く、楽になりたいです……」

梓「……や、やっぱりダメ! これは私の問題なんだから……私が解決しなきゃダメ」

梓「うう、ごめんなさい、唯先輩」


To:唯センパイ
Sub:Re:どうしたの?

すぐにメール送らなくてごめんなさい
きっと勘違いですから何でもないんです
でも、もし何かあったらまた、相談にのってくださいね?
すみませんでした


梓「これで……よし!」ピッ

梓「ありがとうございました唯先輩。これからは、私だけでやります!」

梓「つ、次は……律先輩に」

梓「……やっぱり、断ったほうが良いのかな」

梓「私、律先輩のこと、好きだけど……先輩としてって意味だし」

梓「そ、それに……澪先輩のことも……あるし……」

梓「でも……そんな簡単に律先輩の気持ちをふいにしちゃっていいの……?」

梓「女の子の告白って、勇気、いるんだよね」

梓「それに、相手も女の子……もっと勇気いるよ」

梓「……」


To:律センパイ
Sub:Re: サンキュ!

急に言われても困ります
本当に好きだったらメールで告白しないでくださいよ



こんな私でよければ、付き合ってください


梓「……」

梓「……」

梓「~~~~!」

梓「……送信!」ピッ

梓「んもう! あんな! あんなメール来たらオーケイしちゃいますよもう!」

梓「し、仕方ないよね……だって、断ったりしたら律先輩がかわいそうだよ」

梓「そ、それに……そんなに嫌いってわけでもないし……」

梓「これから大変だと思うけど……でも、いいかな。うん」

梓「これで、律先輩と恋人同士かあ……何だか変な気分」

梓「……メール、早く来ないかな」

ブブエー♪

梓「メ、メールきた!」


From:澪センパイ
Sub:non title

返してよ
ねえ
返してよ
メール
何で?
律の家にいるの?
いるの?
いるんでしょ?
いるんだ?
律に電話しても取らないんだ
やっぱりそこにいるんだよね?
わかった


梓「こ、怖いい……!」

梓「覚悟はしてたけど……やっぱり怖い……!」

梓「で、でも……もう澪先輩に負けてられない!」

梓「だって……だって私、律先輩の彼女だもん!」

梓「ええい、なんでも送ってやります!」


To:澪センパイ
Sub:Re:

そうです
わたしと律先輩は付き合ってます
ごめんなさい、今さっき付き合い始めたので言えませんでした
でも、もう、律先輩は私の彼女なので
澪先輩には関係ありませんから
それでは


梓「送信だあ!」ピッ

梓「送ってやったよ! もう後戻りはできないよ!」

梓「明日が楽しみだ! あははは!」

梓「……もう軽音部、元には戻らないだろうな」

梓「わ、私のせいで……軽音部、バラバラになっちゃうのかな……」

梓「最低ですね……私……」

梓「でも、もう後悔しない!」

梓「律先輩はこうなることを予想して告白してくれたんだ……
  だったら、私が信じなくてどうする」

梓「自分で決めたからには……最後までやりぬく!」

梓「……というか、律先輩、メールまだかな」

梓「せっかくオーケーしたのに……」

梓「今頃、喜びすぎてベッドで転がってたりしてそう」

梓「えへへ……」

ブブエー♪

梓「あっ……! 律先輩からだ!」


From:律センパイ
Sub:ドッキリ大成功!

いやあ、まさか梓がマジでOKするとは思わなかった!

今までのアレ、全部ウソだから
ま、知ってて騙されてたのかもしれないけど
告白もナシっつうことで

そいじゃ、またあした~


梓「は?」

梓「え、ちょ、え、なにこれ、え?」

梓「なにドッキリ大成功って? ドッキリ? ウソ?」

梓「好きとかはウソ? 告白もウソ?」

梓「……」

梓「あはは……もう、涙も出てこないです……」

梓「私はピエロ……ピエロだったんですね……」

梓「あは、あはは、あはははは……」

梓「よーし、明日は律先輩に腹パンしちゃお☆」

梓「10発でいいかな? いいよね☆」

梓「楽しみですわぁ! ああはっはははっははははっははh!!!」

ブブエー♪

梓「何だメールか」


From:律センパイ
Sub:助けて!

澪が! 外からこっち見てる!
梓を出せとか言ってるんだけど!
なにかあったのかよ!



梓「あっ、いけね、忘れてた☆」コツン

梓「澪先輩にメール送ってたっけ」

梓「澪先輩のヤンデレはもう、止まりませんよ」

梓「律先輩大丈夫かな」

ブブエー♪

梓「あ、2連チャン」


From:律センパイ
Sub:non title

へやきた
ころされる
たすけて


梓「……ざまあみやが……ゲフン、ご愁傷さまです」

梓「ま、今までの悪行の数々を見てみれば当然の結果ですね」

梓「楽しかったです、律先輩。あなたと過ごした2年間……忘れません」

梓「……やっぱり、なんでもかんでも信じちゃいけませんね」

梓「あやうく、律先輩に食べられちゃうところでした」

梓「さて……そういやムギ先輩にメール返してないや」

梓「今、返そうかな」

ブブエー♪

梓「あっと……返信しようとしたらこれだよ」


From:唯センパイ
Sub:なるほど~

そっかぁ……わかったよ!
と、言いたいところだけども
本音が出ちゃってるね!

私もあずにゃんのこと好きだよ~~!


梓「……うひゃあああ!」ガバッ

梓「唯先輩が……私のこと好きって言った!!」

梓「……って言うと思いましたか?」

梓「まったく……先輩方はいたずらが過ぎます!」プンスカ

梓「きっと4人とも裏では繋がってるんでしょうね。間違いない」

梓「律先輩の相談もウソだったし、澪先輩も……あれは澪先輩なりのジョークだったんでしょう」

梓「そ、それに……い、いきなりす、すす好きだなんて……言わないし……。
  いや、唯先輩なら言うかもだけど」

梓「とにかく私はもう騙されませんよ!」プンスカ


To:唯センパイ
Sub:Re:なるほど~

なんですかもう!

冗談で言っていいこととわるいことがあります!
唯先輩のはわるい冗談です!
私はもう騙されません
唯先輩なんて嫌いです!


梓「中野、怒りの返信!」ピッ

梓「これで先輩方もこりたでしょう」

梓「でも、本音って……何か言ってたかな……?」

梓「特に何も変わらないけど……まあ、そこは唯先輩だから意味なんてないだろうな」

梓「……今までのが先輩方の仕組んだドッキリだったら、
  さっきの澪先輩の逆襲もウソだったってことになるのかな」

梓「……ちえっ、じゃあ律先輩は無傷か」

梓「それにしても唯先輩は……まだウソをつくなんて」

梓「……これがウソじゃなかったらいいんだけど」

梓「はっ! ダメダメ! こういう考えだからあっさり騙されちゃうんだよ! 心を鬼にしていかないと」


ブブエー♪

梓「メール! 今度は誰ですか!」


From:純
Sub:non title

さっらさらのすとおれーとぉ!になりたい!
うらやましいぞあずさ!


梓「なんだ純か。どうでもいいや」

梓「って、私の名前簡単にさらしちゃうのかあいつは。それはアカンよ鈴木さん」

梓「……もしかして、私に送ったメールなのかな?」

梓「わかんないから返さないでいいか」

ブブエー♪

梓「あっメール」


From:憂
Sub:大変なの

お姉ちゃんがすごく落ち込んじゃってるの
さっきまで機嫌がよかったのに
今はアイスも食べようとしないくらい落ち込んでて…

梓ちゃん、何か知ってる?


梓「ゆ、唯先輩は、憂まで使いますか……」

梓「ほんとに最低です! ここまでしますか!」

梓「いくら、ドッキリだからって……やり過ぎです!」

梓「んもう、頭カンカンですよ私! 怒っちゃいましたからね!」


To:憂
Sub:Re:大変なの

もういいんだよ憂
全部わかってるから
唯先輩もひどいよ、まったく


梓「送信!」ピッ

梓「まったく先輩方は……律先輩ドッキリに懲りずにまだやる気ですか」

梓「明日の部活でちょいと説教しなきゃいけませんね!」

梓「……はあ、こうやって騙されるのも、後輩だから、ですか」

梓「そう考えると何だかさびしいです……」

ブブエー♪

梓「ん? また憂から?」


From:憂
Sub:何かあったの?

ケンカでもしたの?
お姉ちゃんは何にも言ってくれないし…
もし梓ちゃんとケンカしてるなら心配だよ

相談にのるから、話してほしいよ


梓「あ、あれ? まだやるの?」

梓「そこまでやられると、ちょっと引いちゃうけど……」

梓「でも、憂は真面目だからな……役になりきっちゃうだろうし」

ブブエー♪

梓「メ、メール?」


From:ムギセンパイ
Sub:またまたゴメンね

返信してこないってことはよっぽどなことなの?
わかった!
梓ちゃんが自分の考えをまとめるまで私待ってる!

大丈夫! 梓ちゃんの信じた道に進んでね!


梓「ム、ムギ先輩まで……」

梓「こ、こまでしますか普通。まさか、ドッキリじゃないってオチ……?」

梓「り、律先輩だけがドッキリの犯人で、他の先輩方はマジだったってこと?」」

梓「……そうだとしたら、唯先輩のあれは……」

梓「ほ、本当のことなの?」

梓「……で、電話電話!! 唯先輩に電話!」

ペロロロロロロ…… ペロロロロロロ…

ペロロロロロロ…… ペロロロロロロ…

ペロロロロロロ…… ペロロロロロロ…

梓「で、出ない……」

梓「や、ヤバい……もし本当だったら、私、なんてことを……」

ブブエー♪

梓「あっ、メール!」


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最終更新:2011年07月11日 20:12