―平沢家―
憂「ただいまー」ドサッ
憂「ふぅー、醤油重たかった…」
ガチャッ
憂「ん? ハチー」
憂「いない……?」
キョロキョロ
憂「ハチー」
憂「どうしよう…いないじゃん……」
憂「と、とりあえず近くを探してこよう」
バタンッ
憂「ハチー、ハチー」
憂「いない…」
憂「そうだ、お姉ちゃんに電話したら何かわかるかも」
―そのころ―
唯「zzz……」
律「zzz…」
梓「唯先輩と律先輩寝ちゃいましたね…」
澪「もういいよ、ほっといて夕飯の準備するぞ」
紬「おいしいお肉を買っといたのー♪」
ブー、ブー
憂「電話にでない…」
憂「あー、もうっ…どうしよう」
憂「……もしかして」
―駅―
駅員「来ないなー、ハチ」
ハチ「……」
ハチー!
ハチ「!?」
憂「はぁはぁ…やっぱりここにいた」
ハチ「……」
憂「ほらっ、帰るよ」
ハチ「……」
憂「お姉ちゃん明日帰ってくるから、ねっ」
ハチ「……」ムクッ
トボトボ
憂「ハチ……」
駅員「……」
憂「…」ぺこっ
ハチ「……」
トボトボ
憂「はぁ……」
―平沢家―
憂「今までも迎えに行ってたの?」
ハチ「ワフッ」
憂「そっか、全然気付かなかったよ」
―そのころ―
唯「…うがっ」クンクン
唯「ねぇ、律ちゃん」ユサユサ
律「んー?」
唯「なんかいい臭いしない?」
律「確かに…」クンクン
律「…この臭いは……肉だ!」
澪「おっ、やっと起きたか」
律「おいこらー! 起こしてよ!」
梓「ぐっすり寝てたから起こしたら悪いと思って…」
紬「ふふっ、ちゃんと残してあるから大丈夫よ」
唯「わーい、お肉♪お肉♪」
―平沢家―
憂「はい、餌」
ザーッ
ハチ「……」
憂「少しでいいから食べて…」
ハチ「……」ゴロン
憂(少しお姉ちゃんがいないだけでこんなに落ち込むなんて……)
ハチ「……」
憂「えっと…あっ、いいこと考えた!」
……
唯「このお肉おいしいねー」ムシャムシャ
澪「紬が用意してくれたものだからな」
律「うん、うまいな」ガツガツ
ブー、ブー
唯「あっ、憂から電話だ」
唯「もしもーし」
唯「もしもし?」
フガフガッ♪
唯「うわっ、え?なに?」
ハチ「ワンワンッ!」
唯「ハチ?」
ハチ「ワォーーン!」
憂「お姉ちゃん?ハチがすごく落ち込んでたから声だけでもと思って」
唯「そうなんだ、おいハチー、明日帰るからね」
ハチ「ワフワフッ!」
唯「いい子にしてるんだよ」
律「やれやれ、犬バカだな…」
紬「唯ちゃんのことがよほど好きなのね」
唯「じゃあね、ハチ」
ブチッ
ハチ「ワンッ!」ガツガツ
憂「お姉ちゃんの声聞いたらご飯食べだして…わかりやすいんだから」
ハチ「ワフワフッ」ガツガツ
―翌日、駅―
唯「ハチー!ただいまー!」
ハチ「ウォーーーン!」
唯「会いたかったよ~」ダキッ
憂「よかったね、ハチ」
律「おいおい…もし唯がいなくなったらハチどうすんだ」
澪「久しぶりに見たけど大きくなったなー」
紬「梓ちゃんは見るの初めてよね?」
梓「はい、ずっと見てみたかったんですけど」
唯「ハチ、あずにゃんだよ」
梓「よ、よろしくね、ハチ」
ハチ「ワフッ!」
唯「よろしくだって、あずにゃん」
梓「えへへ、かわいいですね」
唯「お手もできるんだよ」
梓「本当ですか?じゃあ、お手」
ハチ 「オフッ」ポン
唯「ねー、すごいでしょー」
梓「はい、かわいいです」
律「あのハチの得意そうな顔」
紬「うふふっ」
それから数ヶ月、唯とハチはさらに絆を深めていった
―学校の帰り道―
律「みんな、どこか店寄ってかない?」
澪「おっ、いいね」
唯「あ…ごめん、今日は用事があるから」
唯「また今度ねー」
タッタッ
梓「ハチですね」
澪「だな」
律「ハチは幸せ者だな、あんなに愛されて」
―ペットショップ―
唯「高い缶詰買っていったら喜ぶだろうなぁ」
唯「この缶詰、おいしそう…」ジュルリ
唯「うん、たまにはいいよね 買っちゃおう」
唯「あとは…シャンプーがなくなりそうだったかな」
ガーッ
唯「いっぱい買っちゃったぁ」
唯「まぁハチが喜んでくれることを思うなら安いよね」
唯「早く帰ってハチをモフモフしたいよー♪」
―平沢家―
憂「お姉ちゃんちょっと遅いね、ハチ」
ハチ「ワフッ」
憂「部活かな?」
ハチ「オフオフッ」
……
唯「重い、さすがに買いすぎたかな……」
カンッ、コロコロ……
唯「あー、缶詰待ってー」
ブーーーーーーーーーー!
唯「え?」
ドガンッ!!
「おい、女の子が轢かれたぞ!」
「早く救急車呼べ!」
―平沢家―
憂「さすがに遅いなぁ…」
憂「迎え行こうか」
ハチ「ワンッ!」
プルルルル
憂「電話だ」
ガチャ
憂「はい、平沢です」
憂「はい、そうですけど」
ハチ「?」
憂「えっ………」
ハチ「ワンワンッ」
憂「うそ……」
ガチャンッ
憂「ハチ……お姉ちゃんが」ガクガク
―病院―
憂「……」
父母「憂!」
憂「あ……お父さん、お母さん」
憂「警察の人から電話があってね、お姉ちゃんが死んじゃったとか訳わかんないこと言うんだー…」
母「うう……ひどすぎる」
父「は、はい」
医者「お辛いのは重々承知ですがご遺体の確認を……」
父「はい…」
憂「……」
母「……」
父「自分だけ…確認します」
―平沢家―
ハチ「……」
ハチ「ワフッ!」
カリカリ
ガチャッ
ハチ「ワンッ!」
タッタッタッ
―駅―
タッタッタッ
ハチ「ワフッ」ピタッ
ハチ「……」ストンッ
駅員「ん?」
駅員「おっ、ハチじゃないか」
駅員「まだ飼い主来ないのかー?」
ハチ「……」
駅員「そうか…まぁ心配するな」
駅員「もうじき来るだろ」
ハチ「……」
―1時間経過―
ガタンゴトン、ガタンゴトン
プシューッ
駅員「おっ、これに乗ってるんじゃないか?」
ハチ「ワンッ!」
ガヤガヤ
キョロキョロ
ハチ「ワンワンッ!」
ガヤガヤ
キョロキョロ
ハチ「ワンワンッ!ワンワンッ!」
ハチ「ワンッ……」
駅員「……」
ハチ「……」
駅員「ハチ、今日はもう帰ったほうがいいぞ」
ハチ「……」
駅員「もしかしたら帰ってるかもしれないし」
ハチ「クゥーン……」
駅員「なっ?」
ハチ「……」スクッ
トボトボ
最終更新:2010年01月19日 04:11