純「あぁ、ココはインテリア置き場だね。モーションランプだってさ」

菫「綺麗……」ポー

純「どうなってんだろコレ?上がったり下がったり」ムムム

菫「素敵ですねぇ……」

純「こっちはグラデーションだって。こうゆうのが似合う家っていいよね」

菫「そうですねぇ……」

純「……買っちゃう?」

菫「え?いえ、こういうのを置くのは……」

純「あ、これも可愛くない?」

菫「卵型ですね。あれ?コレ空気清浄機ですって」

純「ホントだ。『お部屋に一台、いかがですか?風邪対策に』だって。これなら家に置いても良いんじゃない?」

菫「う~ん、どうでしょう?」

純「すいよ……やめとこ。でも今買っちゃうと荷物になっちゃうね」

菫「そうですね。又の機会にしましょう」

純「うんうん。そろそろ出ようか」

菫「はい。……あ」

純「さて、そろそろお腹減ったなぁ……、スミーレ?」

菫「あぁすみません……ちょっと」

純「何か有った?」

菫「先に出ててもらってよろしいですか?直ぐ追いかけますので」

純「ん?うん」テクテク

菫「少々、失礼します」ソソクサ

純「は~い」テクテク

純「何だろ?気になるなぁ」ソォー

純「何か小箱持ってる……アクセサリーかな?」

純「レジ行って……ん?何かもう一個取ったな。ストラップかな?あれは」

純「あ、お会計済ます前に戻らないと」タタタ

純「ふぅ……」ストン

菫「すみません、お待たせしました」タタタ

純「良いよ良いよ。何か良いもの有った?」

菫「はい!」

純「そりゃ良かった。……プレゼント?」

菫「へ?あぁはい。紬お嬢様への誕生日プレゼントです」

純「え?ムギ先輩の誕生日ってもうすぐなの?」

菫「はい。プレゼントは用意してたんですけど、近頃お世話になってますのでその分も込めてもう一つ」

純「なるほど。私も何か準備しようかな?軽音部関係で色々援助してもらってるし」

菫「当日はお屋敷でパーティですので、直接渡すのは難しいかと思いますけど……」

純「流石お嬢様。じゃあ何か準備したらスミーレにお願いするよ」

菫「分かりました」

純「さて、お腹減った~」

菫「そうですね」

純「スミーレ何食べたい?」

菫「あの、お弁当作ってきたんですけど……」ヒョイ

純「え?マジで?」

菫「はい。サンドイッチを」

純「いや~良いね良いね。じゃあ折角だし外の広場で食べよう」

菫「分かりました」

純「よし!行こう行こう」

* * *

菫「お好きなのをどうぞ、純先輩」スッ

純「サンキュ。うわ、美味しそ」

菫「お口に合えば良いのですが」

純「いただきます!」パクリ

菫「いただきます」パクリ

純「ん~!美味しい!」モグモグ

菫「ありがとうございます」

純「ん!こっちも美味しい!流石スミーレ!」モグモグ

菫「あ、お茶もどうぞ」

純「さんきゅ~」ゴクゴク

菫「ゆっくり召し上がってください」

純「いや~、最高。あ、スミーレも食べてよ?」モグモグ

菫「はい、いただいてます」モグモグ

純「ん~!いやもう、ホントどれも美味しい。こんなの毎日食べれたら幸せだろうな」モグモグ

菫「ま、またそんな事言って……」カァァ

純「あはは……ま~たつい口から出ちゃった」

菫「……純先輩は」

純「ん?」

菫「私の何処を、その……好きになってくださったんですか?」

純「へ?」

菫「ほら、梓先輩や憂先輩の様に長い付き合いが有る訳でもないですし」

純「うん」

菫「歳も違いますし、それこそ部室で会うのが主じゃないですか」

純「まぁ、そうだね」

菫「まだ会って二ヶ月少しの私に、そこまで気に入っていただける要素が有るのかな?と思いまして……」

純「う~ん、そりゃ有るんだけど……言わせる?ソレ」ゴクゴク

菫「あ……いえ、無理して言っていただかなくても良いんですけど」

純「あ、お茶おかわり貰って良い?」

菫「はい、ただいま」コポポポ

純「ん~……初めはね」パク

菫「はい?あ、どうぞ」

純「あひはほ。ひほめぼれはっはんだへほへ」モグモグ

菫「何ですか?」

純「んく。まぁ最初は可愛い子だな~って思って」

菫「はぁ……」

純「気付いたら見惚れてた」

菫「……」

純「梓も憂も、そりゃ奥田ちゃんも可愛いんだけど、な~んか違うの」ヒョイパク

菫「違う?」モグモグ

純「うん。なんていうかね、グッと来た?」グッ

菫「グッと……」

純「いうなれば……運命?」キリッ

菫「運命!?」

純「カッコよく言うとね。まぁ簡単に言えば一目惚れだったんだろうな~って」

菫「一目惚れ……ですか」カァァ

純「ていうかさ、この話すればする程お互い恥ずかしいだけと思うんだけど……続ける?」パク

菫「……う~ん……折角ですし」

純「物好きだねぇスミーレも。でもアレだよ?外面が好きなだけじゃないよ?」

菫「え?」

純「気配り上手だし、色々尽くしてくれるし、お茶淹れるの上手だし、しっかり者だけど何処か抜けてるし、優しいし、柔らかいし」

菫「……柔らかい?」

純「良い匂いするし、髪ツヤサラフワだし、何着ても似合うし、礼儀正しいし、可愛いし、皆の事考えてくれてるし、可愛いし」

菫「じゅ、純先輩!その辺で!」アタフタ

純「え~、まだまだ有るよ?良いリアクションするし、可愛いし、私の事受け入れてくれたし、可愛いし、気が効くし、可愛いし、頑張りやさんだし」

菫「いえ、もう、十分ですっていうか途中から可愛いばっかりじゃないですか」アセアセ

純「ホントの事だもん。まぁそうゆう色々ひっくるめて『可愛いスミーレが好き』なの」

菫「あぅ、ありがとうございます……」モジモジ

純「今日だけでももっと好きになったね。色々な顔見れたし?」

菫「あはは……」

純「何だっけ?『私もう死んでもいいわ!』みたいな?」

菫「はい?」

純「まだ習ってないか。じゃあ『月が綺麗ですね』とか」

菫「へ?まだお昼……あ……」カァァ

純「そっちは知ってた?どっちも同じ意味なんだよね~」ケラケラ

菫「純先輩ってそういうの詳しいですよね。その、『アモーレ』とか」

純「そりゃまぁ純情抱く乙女ですから!」フンス

菫「はぁ」

純「純だけにね!」ドヤ

菫「あぁ、なるほど」ポン

純「……普通に返されると困る……」ズーン

菫「え、えぇ?」

* * *

純「いや~、食べた食べた。ごちそうさまでした」パン

菫「お粗末さまでした。お茶どうぞ」

純「ありがと。……ふぅ~、じゃぁ次何処行こっか」パラパラ

菫「そうですね……」パラパラ

純「ブティックは目ぇ通したしね~」パラパラ

菫「……でしたら、映画とか?」

純「う~ん、見たいの有る?」

菫「今何が上映されてるのかも分かりませんが」

純「ん~……行ってから考えても良いんだけど、映画見始めちゃうと一~二時間スミーレとお喋り出来なくなっちゃうからなぁ」

菫「まぁ、そうですねぇ……」

純「うん、取り敢えずゲーセン行こう!」

菫「ゲーセンですか?」

純「行こう行こう!」

菫「はい、行きましょう」

純「って訳で着いたんだけどね」

菫「ゲームセンター……初めて来ました」キョロキョロ

純「やっぱり。だと思ったよ」

菫「以前お嬢様がご友人と行ったそうで、大変楽しかったと」

純「おぉ、それはプレッシャーだね」

菫「……コレは何ですか?」

純「レーズゲームだね。車で競争するの」

菫「こちらは?」

純「音ゲーっていって、音楽に合わせてボタン押してくゲーム」

菫「では、あれは?」

純「ホッケーっていう対戦ゲームだよ」

菫「あちらの大きいのは?」

純「コインゲームだね」

菫「あれもゲームなんですか?インテリアじゃなくて?」

純「最近のゲームは色々ド派手だから。この辺はUFOキャッチャーだね」

菫「はぁ~……」キラキラ

純「子供みたいにはしゃいじゃって……ホント可愛いなぁもう」

菫「純先輩!純先輩!これはどうすれば戴けるんですか?」

純「ん?コレ欲しいの?」

菫「はい!この子が可愛いです」

純「じゃぁ取るか、え~っと……店員さ~ん!」

店員「はい、どうしました?」

純「この子が欲しいんですけど~、もうちょっと取れやすくならないかな~って思って~」クネクネ

店員「はいはい。……ん~……あ~……こんなもんで?」

純「ありがとうございま~す!」

菫「あ、ありがとうございます」

店員「何か有ったらすぐ呼んでくださいね~」スタスタ

純「よし!じゃあちょっと見てて」チャリンチャリンチャリンチャリンチャリン

菫「はい」ワクワク

純「こうゆうタイプはね、持ち上がらないの」

菫「ほぉ」

純「だから、さっき店員さんが確認してたみたいにバランスを崩して落とすんだ……よ……っと」

菫「あ!……落ちませんね」

純「一回じゃ落ちないね、まず。今度は……ここだ!」

菫「わ!……あ、あぁ、まだ落ちない」

純「ここまでくればもう一回で……よし!ゲット!」

菫「わぁ!凄いです先輩!」

純「褒めて褒めて~。はい、スミーレ」スッ

菫「あ、でも戴いて良いんですか?純先輩が取ったんですし」

純「そりゃスミーレの為にゲットしたんだもの。貰って貰って」

菫「ありがとうございます」フカブカ

純「スミーレもやってみる?」

菫「はい。どれがいいでしょう?」キョロキョロ

純「こうゆうのは取れやすいよ?一回百円だし」

菫「あ、この子と同じ。キーホルダーですね」

純「うん、丁度良いね。じゃあいってみようか」

菫「はい!百円入れて、と……」

純「横行って~、次のボタンで縦行って~」

菫「しっかり掴んで……あ、一個引っかかって穴に落ちちゃいましたけど」

純「結果オーライ、それもゲットです!」

菫「掴んだのも含めて、二つ取れました!」

純「凄い!ダブルだよスミーレ!ダブルは行進出来るよ!」

菫「行進?え?何処にですか?」

純「はい!ズッタカターズッタカター……あ、コレ二個とも同じのだね」

菫「あ、そうですね。では一つは純先輩に」スッ

純「え?良いの?」

菫「はい、この子のお返し……には小さいですけど、お揃いですよ」

純「スミーレってば……もう家帰ったら直ぐ鞄に付けるよ!」

菫「私もそうします」

純「やった!やった!スミーレとおそろ!さっ、次何しよっか。好きなの選んで」

菫「そうですね……アレって、ドラムですか?」

純「うん?あぁ、ドラムとギターの音ゲーだね。やってみる?」

菫「はい。セッション出来るんですね、じゃあ純先輩も」

純「よ~し、私のギター捌きを見せてやる!」

菫「よっと……部室のと違うな……」

純「まぁ、ゲームだからねぇ。ギターの弾き方も全然違うし」

菫「みたいですね」

純「よし!じゃあ華麗にセッションだ!オー!」グッ

菫「お、おー」グッ


9
最終更新:2011年07月18日 02:40