Ch.004 なまやけ!
一年学園祭
澪「ちょっと唯」
ハスキー唯「あ、澪ちゃーん。やきそば買いに来てくれたの?」
ハスキー唯「ちょっと待ってね~」
澪「え……」
澪「唯が……料理を作っているだと……」
END
Ch.005 HTTスタジオ入り
紬「余った部費でスタジオに来ちゃいました~。この狭さ……いいわぁ」
梓「唯先輩のギターっていいギターですよね。もしかしてシールドも?」
唯「あ、これねー500円だったんだよ!」
梓「……」
律「澪って無駄にスラップ多用するよな。本当は目立ちたかったりして」
澪「そ、そんなことない! あ、お前はなんでツインペダル借りたんだよ」
律「いやーついつい」
唯「あずにゃん! 私この曲コピーしようと思うんだよね!」
梓「そうなんですか……あ。この曲アーム使うみたいですね」
唯「アーム!? 何それどうやるの?」
梓「とりえず唯先輩のギターじゃ無理です……」
唯「ちぇー。りっちゃん私にもドラムやらせて!」
律「おういいぞ」
紬「あっ私も」
梓「私もやってみたいです」
澪「……じゃあ私も」
律「お、おう」
――――――――――――――――
唯「ふ~いっぱい練習したねえ」
梓「そうですね」
唯「そうだ澪ちゃん! 今日家に泊まりに来ない?」
梓「えっ……」
澪「あ、うん、行くよ」
唯「やったー澪ちゃん大好き!」
梓「くっ……」
唯「それじゃあみんなまたね~!」
澪「じゃあ」
律「おう」
紬「はーい」
梓「……ちっ」
律「……」
律(バンド内恋愛禁止にしておけばよかった)
END
Ch.006 Best friend
煩く私を呼んでいる。
どうせまた仕様もない事なんだろ。まあ、何かされるよりはそっちの方がましだけど。
呆れ気味に返事をして歩き出した。
こんな事を思っているくせにどうして私はいつもあいつと一緒にいるんだろう。
なんであいつが親友なんだろう。
何かされてもすぐに許せるし、仕様もない事でも一緒にやろうと思える。
今だって呆れている半面どこか楽しんでいる自分がいるし。
一人ではなんでもない事があいつといると楽しいと思えるんだよな。
あいつの頼み事はなるべく受けてやりたいと思う。
私はあいつになら色んな事を頼める。
私が我侭言える。
それはやっぱり親友だからかな。
長い時間を一緒にいて気付いたら私はあいつのことを親友だと思っていた。
それを実感するのは大層な出来事が起こった時でもお互いが言葉で確認した時でもない。
こうして2人で仕様もない事をやっているだけなのにそれがとても楽しいと思える時。
そんな毎日でもありそうな事であいつは親友なんだと思えるんだ。
また呼ばれた。
今度はなんだか嫌な予感がする。
それでもついて行くのは親友だから……なのか?
私はとりあえずゲンコツの用意をして歩き出した。
END
Ch.007 唯「恐怖症?」
唯「みんなおはよ!」
律「おーす」
紬「おはよう」
澪「お、おはよぅ」
唯「いよいよ修学旅行だね!」
澪「……」
律「そ、そうだな」
紬「そうね……」
唯「?」
唯「うわー私空港に来たの初めてだよ!」
律「そ、そうか……」
唯「どしたのりっちゃん?」
律「…………やっぱり嫌だ」
唯「へ?」
律「私帰る!! 飛行機には乗りたくないっ!!」
唯「ええっ!?」
澪「落ち着け律!」
律「いやだーー! 飛行機だけはカンベンなっ!!」
唯「りっちゃんどうしたの……?」
澪「こいつ飛行機恐怖症なんだ」
唯「そうだったんだ、りっちゃん落ち着いて」
律「いーーやーーだーー!!」
――――
唯「やったー無事に辿り着いたね!」
律「」
唯「まさか睡眠薬を使うとわ思わなかったよ」
澪「律のお母さんに持たされてたから」
唯「へえ……」
唯「それにしてもこっちの空港はさっきよりも大きいね!」
澪「うっ!?」
唯「どうしたの澪ちゃん!?」
澪「あ……あ……」
紬「これは……広場恐怖症」
唯「何それ」
紬「簡単に言うと何かが起こって人だかりが出来るのが怖いのよ」
唯「……澪ちゃん大丈夫なの?」
紬「わからない……もしかしたら家に帰るまでずっと……」
唯「そんな……」
男性教師「大丈夫か秋山?」
紬「ひぎぃ!?」
唯「ムギちゃん!?」
唯「男の先生が来た途端に……いったい何が?」
――――
唯「やっとホテルに着いた……疲れた~」
律「うっ……」
唯「どしたのりっちゃん」
律「この部屋狭いな……」
唯「うーんちょっとね」
律「窓、窓開けよう」
唯「えっでもちょっと寒くない?」
律「頼むよ!!」
唯「うえっ、う、うん……」
唯「お風呂だー!」
紬「……」
唯「ムギちゃん?」
紬「私……太ってるよね」
唯「えっそんな事ないよ?」
紬「うう……いやだよう……」
唯「ムギちゃん聞いてる?」
――――
唯「それじゃあおやすみー」
澪「まってくれ!」
唯「へ?」
澪「せめて、せめて豆電球だけはつけておいてくれ……」
唯「まめきゅうけしたい」
澪「た、頼むっ……!!」
唯「う、うん、わかったよ……」
――――
唯「うわー高層ビルが立ち並んでるよ!」
律「……」キョロキョロ
唯「上ばっかり見てどうしたの?」
律「上から何か落ちてこないかと思って……」
唯「え? 大丈夫でしょ?」
律「だ、だめだ……」ガクブル
唯「うわー高ーい! 遠くまで見えるよ!」
澪「いやあああもう降りるう゛う゛う゛う゛」
――――
唯「うわー面白い草が生えてる」
紬「ひいいいいいい」
――――
唯「あっ犬がいるよ!」
紬「いヤッ!! 怖い! 助けて澪ちゃん!」
ムギュッ
澪「い゛っ……!?」ブルブル
唯「ねえみんな……大丈夫?」
澪「実は私……高所と広場と女性と暗所がダメなんだ」
律「私は閉所と飛行機、それに低いところにいると上から何かが落ちてきそうな感じがして……」
紬「私は男性と動物と植物、それに自分の身体が……」
唯「そ、そっか、みんな大変なんだね……」
唯「あ、バスが来たよ」
ブロロロロ
ブロロロロ
唯「まだ旅館に着かないのかなあ」
唯「……きもちわるい」
律「えっ!?」
澪「うっ……!」
紬「」ブルブル
唯「あ、みんなも?」
澪「いや……実は」
澪律紬「嘔吐恐怖症なんだ」
唯「……」
唯「エレエレエレエレ」
END
Ch.008 どこにキスを落とす?
唯「あーずにゃーん、むちゅ~」
梓「ひいぃぃっ!」
律「お前達仲いいなあ」
梓「見てないで助けてくださいよ!」
律「そう言われてもなあ」
唯「おふぉふぉふぉふぉ」
梓「いやあああ口はやめてえええ!」
唯「じゃあどこならいいのさー」
梓「どこでも嫌ですっ!」
唯「ええ~」
紬「そういえば……」
紬「キスをする場所によって色々な意味があるっていう話を聞いたことがあるわ」
唯「へー」
律「例えば?」
梓(よかった開放された)
紬「手の甲にすると敬愛とか尊敬の意味があるとかね」
唯「へー」
紬「ただこれは地域とか宗教によって随分変わってくるみたいなの」
紬「指先にするキスも国によって挨拶だったり賞賛だったり愛情表現だったりするんだって」
律「へー」
紬「国とか宗教までは覚えてないんだけれど他にもいくつかあるの」
唯「聞きたーい!」
紬「ええと、手だと後は……手のひらは懇願の意味があって」
紬「指の関節にするキスは感謝の気持ち、親指の爪へのキスは誓いの意味があったり」
律「へー」
唯「ほー」
梓「へぇ……」
紬「頬にするのは友好的な挨拶で、額にするのは友情のキスね」
律「あーその辺は海外のドラマとか映画でもよく見るな」
梓「そうですね」
唯「他には!? 他には無いの!?」
紬「うーんと、瞼の上は憧憬で、鼻にすると悪かったっていう意味になる地域もあるみたい」
唯「もっともっと!」
紬「も、もっと? え、えーと……」
唯「もうないの?」
紬「あるにはあるんだけど……」
律「なんだよ聞かせろよ~」
梓「あの、私も聞きたいです」
紬「じゃあ……」
紬「足元にするキスがあって」
唯「足!?」
紬「意味は確か……服従」
梓「ふ、服従……」
紬「それから腕と首へのキスは欲望を表してるとか」
律「よ、欲望……」
唯「…………そっか」
紬「あ、肝心なのを忘れてたわ。唇にするキスは愛情ね」
律「あ、あーそれは世界共通かもな」
梓「そ、そうですね」
唯「そうだね、じゃああずにゃん」
梓「は?」
唯「唇にちゅーしようよ~!」
梓「ぎゃーーーー!」
唯「首でもいい?」
梓「ちょっと! ムギ先輩の話聞いてなかったんですか!」
唯「いいじゃーん」
紬「うふふ」
律「はは……あれ? そういえば澪がやけに静かだな」
澪「」プシュー
律「おーいしっかりしろー」
紬「うふふ~」
END
最終更新:2011年07月21日 02:31