Ch.076 澪「離れていても」
エリ「秋山さんと田井中さんって仲いいよね」
あかね「うん、まさに親友って感じだよね」
紬「そうそう」
エリ「信頼し合っているというか」
あかね「ちょっとやそっとじゃ壊れなさそう」
紬「ふむ……こんな感じ?」
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エリ「ねーねー秋山さん」
澪「あ、何?」
エリ「田井中さんが秋山さんの事を――だって。酷いよね」
澪「……そう」
*
エリ「ねーねー田井中さん」
律「なになにー?」
エリ「秋山さんて田井中さんの事――って思ってるらしいよ」
律「……ふーん」
律「みーおー部活行こうぜ!」
澪「ああ、ちょっと待ってて」
エリ「ちょっとちょっと! さっきの話忘れちゃったの?」
律「あー、覚えてるけど」
澪「ああ、あれね」
エリ(覚えてる割にはフレンドリーな……いや、表面に出さないだけかも)
律「だってなあ」
澪「そうそう、それはないよ」
エリ「どっどうして?」
律「そりゃあ……」
澪「それは……」
「「こいつがそんなこと言うはずないだろ」」
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紬「……みたいな?」
あかね「お互い信頼しあっているからこそだね。かっこいい」
エリ「そういうの素敵……なんだけど私悪者すぎるよー」
紬「うふふ。それにいつもお互いの事を思いやっているの」
あかね「おおー」
エリ「そっかー」
和(ムギ……美化し過ぎじゃないの?)
END
Ch.077 律「喧嘩していても」
エリ「じゃあ二人って喧嘩とかしないのかな」
紬「喧嘩したことなら割とあるみたい」
あかね「喧嘩するほど……って言うものね」
紬「うん、それにいつもすぐ仲直りするし」
エリ「へえ~」
あかね「きっとこんな感じで……」
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紬「それじゃあ帰りましょうか」
澪「あ、私今日は寄るとこあるから」
律「……」
紬「そ、そうなの? じゃあ……」
澪「うん、また明日なムギ」
紬「う、うん、バイバイ」
律「ムギー行こうぜ」
紬「あ、うん……」
紬「……ねえりっちゃん」
律「……」
紬「りっちゃんてば」
律「へ? あ、なに?」
紬「……」
紬「……あれ? あれって澪ちゃんじゃあ……?」
律「いいよ行こ行こ」
紬「ちょっと待って。誰かと居るみたいだけど……なんだか様子が」
律「え?」
澪「……」
エリ1「ねえ、はやく出してくれない?」
澪「嫌だ」
エリ2「ちょっとお金貸してって言ってるだけじゃん」
澪「……」
エリ3「何その目は。3対1でやるつもりなの?」
澪(くそ……あいつさえ居れば……いや、あんな奴をアテにしたくない)
エリ1「もうやっちゃおうよ」
エリ2「そうだね」
澪「くっ……!」
律「おらっしゃあ!」
エリ「ぎゃあ!」
エリ2「!?」
澪「り、律……」
律「何してんだよこんな所で」
澪「な、何でもいいだろ! お前こそなんでここに……」
律「とりあえずこいつらを片付けてからにするか」
澪「そうだな」
エリ2、3「なにおーこのー!」
エリ2,3「きゅう……」
澪「……ふう」
律「ま、私達にかかればこんなもんだな」
澪「そうだな」
律「……」
澪「……あ」
律「あ?」
澪「…………ぁりがと」
律「ふふ…………えーなにー? 聞こえないなあ」
澪「だからっ……あ、あ……もう知らないっ!」
律「ちょっ待てよ! 悪かったってばー!」
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あかね「とかどうかな?」
紬「いいと思う。でも澪ちゃんはもっと抑え目に……」
あかね「そうなんだ」
紬「うん。あ、そういえば前に喧嘩したときがあってね」
あかね「うんうん」
紬「その時は――」
あかね「わあ~素敵」
END
Ch.078 放課後トマラルク
唯「やっほー……ん?」
澪「どうした?」
律「ほらー後がつかえてるんだから早く部室に入って……ん?」
紬「誰かいる」
梓「入部希望の人でしょうか?」
hyde「どうもー」
唯「うおっ!」
澪「き……綺麗な人だな」
律「ハーフか?」
紬「こんな生徒がいたなんて」
梓「中性的で整った顔立ち……」ポヘー
律「ええっと、軽音部に何か御用?」
hyde「ああうん、ちょっと」
律「チョット待って。ムギ」
紬「はーーい。お茶入れるね」
律「よろしくー」
紬「どうぞ~」
澪「はやっ」
唯「それでどうしたの?」
hyde「放課後ティータイムってバンドに会いに来たんだけど」
唯「おお、私達に会いに来てくれたのか~」
hyde「君たちがそうなん?」
澪「そうですよ」
梓(あれ……この人どこかで見たような?)ゴソゴソ
hyde「あ、ムスタング使ってるの?」
梓「あ、はい」
hyde「いいよねームスタング」
梓(ま、間違いない……この人やっぱり!)
梓「あの! あなたの名前を教えてください」
hyde「……土井です」
梓「あ……下の名前は」
土井「八郎です」
澪「八郎!?」
唯「八人兄弟!?」
律「そこじゃねー。男の名前じゃあ……」
土井「なんちゃってー」
澪「な、なんだ嘘か」
梓「どうもです」
梓(……違うのかな)
澪「私達に何か?」
土井「そうそう、えーと……あれやね」
梓(一体何を……もしかしてコラボ!? いやプロデュース!?)
土井「君たちにゲームのオファーがいってると思うんだけど」
律「ゲーム?」
澪「もしかしてこの前唯が言ってた……」
紬「人力アクションレースの事?」
土井「そうそれ」
土井「その企画に参加してくれるようにお願いにきたの」
梓「えっ」
唯「もしかしてプロデューサー!?」
土井「いや……ただのファンさ」
梓「わ、私達の?」
土井「あ、ゲームのファンね」
梓「……」
澪「その件は既に断ったはずですけど……」
土井「どうしても出てもらいたくてね」
土井「そこで……」
律「そこで?」
土井「俺と勝負してもらいたい。もちろんこのゲーム『激突トマラルク』で」
唯「おおー土井さんもこのゲーム出来るの?」
土井「まあね」
唯「やろうやろう!」
澪「おい! 負けたら出演しなきゃいけないんだぞ」
唯「私強いから大丈夫だよ~」
律「確かに唯が一番上手いよなこのゲーム」
唯「そういうわけで任せてよ!」
土井「じゃあやろうか」
唯「負けないよ~!」
唯「まけちゃった」
澪「おいいいいいい!」
紬「土井さん上手い……!」
土井「話になりませんなぁ」
唯「負けちゃったらしょうがない。私達出演するよ!」
土井「ありがと」
澪「そ、そんな……」
律「だーいじょうぶだって。きっと楽しいからさ」
唯「それにしても土井さんうまいなー。コツ教えて?」
土井「じゃあ見本見せるよ。俺の走りをよく見てな」
唯「はいっ」
梓「こうして不本意ながらも私達放課後ティータイムは人力アクションゲームに出演する事となりました。
あの大物アーティストとの競演です。ゲーム内で。ツインライブもやりました。ゲーム内で。ちなみに今ではメンバー全員がゲームの虜です。大物アーティストともゲームで交流しています。音楽的交流はありません。
おっと、これからファンのみなさんとクルージングしながらゲーム大会を行うイベントの打ち合わせがあるのでこの辺で失礼します」
END
最終更新:2011年07月22日 21:51