Ch.098 青色のタイ


梓「お疲れ」

後輩「お疲れ様です。飲み物入れますね」

梓「ありがと」

後輩「それにしてもこの部活変わってますよね」

梓「うーん、そうかもね」

後輩「思ってたよりまったりした部活で」

梓「部員が集まったらもっと本格的にやるから覚悟しておいてね」

後輩「はい」

ガチャ

後輩2「こんにちは~」

梓「お、来た来た」

梓「お茶あるよ」

後輩2「ありがとうございます!」

梓「それ飲み終わったら勧誘手伝ってもらうね」

後輩2「はーい」

梓「えーと、あれはどこにやったかな……」ゴソゴソ

後輩「梓先輩何を探してるんですか?」

梓「あった、勧誘はこれ着てやるよ。好きなの選んでね」

後輩「え……え? これは……」

梓「ウマだよ」

後輩2「このブタ……前に外にいたのってもしかして梓先輩ですか……?」

梓「うん」

後輩2「わ、私は制服のままで……」

後輩「私も……」

梓「ダメダメ、これ着て勧誘しなきゃ」

後輩「来ませんね新入部員」

梓「あと一人なんだけどな……」

後輩2「何か作戦とかないんですか?」

梓「ええっと……行き倒れ作戦、とか」

後輩「行き倒れ……?」

梓「あ、いや、とにかく多くの人にビラを配ろう!」

後輩2「はーい」

後輩「やっぱり来ませんね……」

梓「うーん……今日はもう無理かな」

後輩2「最近着ぐるみつけて勧誘してるだけのような……」

梓「言われてみれば……。よし! 今日は練習しよう」

後輩「練習って始めてかも」

梓「えっそうだっけ……そうかも」

後輩2「お茶と勧誘しかしてなかったですもんね」

梓「でもやる時はキッチリやるからね!」

後輩「はい!」

後輩2「はーい」

梓「今年からは厳しく行くんだから!」



END



Ch.099 毎日がエブリデイ


唯「次の授業なんだっけ?」

和「次は体育。早く着替えちゃいさない」

唯「はーい」

律「澪ー早く校庭行こうぜ」グイグイ

澪「ちょっと待ってまだスカート脱いでない」

紬「ほらほらはやくぅ」グイグイ

澪「ああもう……」

―――

純「……」ボヘー

梓(……何時まで校庭見てるのよ)

純(もうすぐ澪先輩の番だよ)

梓(ちょっと純、前見て!)

純(今澪先輩が飛ぶんだから邪魔しないで)

さわ子「鈴木さーん?」

純「は、はいぃ!」

さわ子「もうちょっと授業に集中しててね」

純「すみません……」

梓(だから言ったのに)

純(ああっ、澪先輩の背面飛び見逃したぁ……)

梓「……」

―――

憂「授業中何見てたの?」

純「澪先輩!」

梓「……校庭で唯先輩たちが体育の授業受けてた」

憂「そっかー」

梓「次私達も体育だよね」

純「えぇー移動教室からの体育とかありえないよ」

唯「うい~!」

憂「お姉ちゃん~!」

唯「あずにゃーん!」

梓「ちょっ! 唯先輩砂だらけじゃないですか!」

唯「あ……ごめん抱きついちゃった」

梓「もうっ」

――

さわ子「ふぅ」

さわ子(あっづい……疲れた)

さわ子(でもでも~今日は花の~金曜日~)

さわ子(ビール、ビール、B・E・E・R・beer!)

  「山中先生も出前取ります?」

さわ子「はい、ビー」

さわ子「ビビンバ丼ってありましたっけ?」

―――

澪「あれ、ムギ今日はお弁当じゃないの?」

紬「一度購買で買いたくって」

律「よーし私もついていこう」

紬「でもりっちゃんお弁当でしょ?」

律「甘いなムギ。購買は素人が気軽に買いに行ける所じゃないんだぜ!」

紬「なんと……!」

澪「ここの購買は大丈夫だから」

律「じゃーちょっくらいってくる!」

唯「いってらっしゃーい」

唯「……和ちゃんの今日のお弁当なーに?」

和「チキンライス」

―――

梓「部活行くね」

憂「うん。また明日」

純「じゃねー」

憂「純ちゃんは?」

純「私も帰る」

憂「一緒に帰ろ~」

校長「……」

純「あっ校長先生だ」

憂「さようなら」

純「さようなら」

校長「さようなら」

純「……なんか校長先生って緊張しない?」

憂「そうかな?」

―――

律「私も唯に対抗して必殺技を習得したぞ!」

唯「な、なに~!」

律「見よ! ダブルスティック回し!」クルクル

唯「おおっ!」

律「ドヤ?」

唯「く……こうなったらあずにゃん!」

梓「な、なんですか」

唯「あずにゃんの必殺技を見せるときが来たよ」

梓「私そんなの持ってません」

唯「あずにゃんダンスだよ! おしりふりふりするやつ!」

梓「楽器関係ないじゃないですか」

紬「あごでキーボード弾きマース」


――――

唯「ただいまー」

憂「おかえりー」

唯「憂!」

憂「何?」

唯「憂にも必殺技が必要だよ」

憂「必殺? ナニソレ?」

唯「うーん……とりあえずおしり振ってみて」

憂「ええっ!」

唯「さあさあ!」

憂「……こ、こう?」フリフリ

唯「どうでしょう解説の中野さん?」

梓「見てるほうが恥ずかしいですね」

憂「きゃあああ!」

唯「ごめんね、わざわざ家までCD取りに来させちゃって」

梓「いえ」

憂「そうだ、梓ちゃんご飯食べてく?」

梓「えっでも」

唯「いいねえ! お願いあずにゃん」

梓「……お願いします」

唯「やった!」

憂「早速準備するね」

梓「手伝うよ」

唯「私も!」

憂「それじゃあ………………お姉ちゃんのお部屋のお掃除を……」

唯梓「あ、うん」

憂「もう寝よっか」

唯「そうだね」

憂「じゃあ……」

唯「憂待って。明日お出掛けしない?」

憂「わぁ~行きたい!」

唯「やった~楽しみ~」

憂「私も~」

唯「それじゃあ憂」

憂「お姉ちゃん」




END



Ch.100 春への憧れ


「はあ……」

窓の外を見ていたら溜息が出ちゃった。
四月上旬春真っ盛り、外は気持ちのいい真っ青な晴れ模様。
おまけに今日は休日でいい事尽くめのはずなのに。
外の天気がいいほど私の気持ちが沈んでくる。
外の明るさを感じたくて部屋の電気は消したままだ。
だけど窓から差し込む光だけではこの部屋は暗い。

「はあ……」

でも机から春を眺めるのをやめない。
だってずっと見ていたくなるいい天気だもん。

私は春が大好きだ。
舞い散る桜と青々とした緑と水色の空。色鮮やかな景色がとっても綺麗。
暖かい日差しと気持ちのいいそよ風。一年で一番過ごしやすい季節。
どれをとっても最高だよ。

だけど私は毎回春を楽しめていない。
去年は高校受験の年だったから四月は不安で仕方がなかった。
今年は高校に入学したのはいいけれど新しい環境に手一杯で春を満喫する余裕がない。
おまけに部活も決めてないし。
ということで今年もダメだった。
気が早いかもしれないけれど毎年の経験からしてもうダメ。

来年の私はどうしているだろう。
今みたいに部屋の中で春に恋焦がれているのかな。
それともあの天気に負けないくらいの何かが私の心を満たしているのかな。
どちらになるかは今から一年間の私次第。
まずは部活を決めなくちゃ。
それから……それから……とにかく頑張ろう。
頑張って来年こそは春を楽しみたい。春を思いっきり感じたい。

私の春への憧れは今年も続く。



END



Ch.101 唯「ひゃくものがたり!!」


律「やっと終わった~」

唯「ムギちゃんお茶おかわり~」

梓「最後までいきましたねっ! ……あ。百物語始めてから全然練習してない」

澪「今から……は無理か」

紬「もう暗くなっちゃったし練習は明日からかな」

律「いやー何だか達成感でお腹一杯だわ」

唯「そうかなぁ。私はお腹空いてきたよ」

律「とにかく今日はもう帰ろうか」

梓「そうですね。明日から気持ちを切り替えて頑張りましょう」

律「唯もよくネタ尽きなかったな」

唯「憂にもお話を考えてもらったんだ」

梓「えっ」

澪「えっ」

梓(どの話だったんだろう……)

澪「……」ブルブル

紬「あ、あのっ!」

唯「ムギちゃん?」

紬「私用事があるからこの辺で……」

唯「バイト?」

紬「ちょっと……また明日!」

唯「どしたのかな?」

紬「……よし、みんな行ったわね」

紬「……」

紬「ゲッヘッヘ」




唯「ふふっふ~」

梓「とうしたんですか?」

唯「いやぁちょっといい話が聞けたからさ」

梓「そんなのありましたっけ……?」

唯「私にとっては、だけどね」

唯「……あずにゃんにとってもそうだといいな」

梓「何か言いました?」

唯「なんでもなーい。それよりあずにゃん」

唯「ちょっと寄り道していかない?」



律「ずっと話ばっかりっていうのも身体が鈍って駄目だな」

澪「うん」

律「あーでも……百話語り終えると隠された百一話目が現れるっていうのなかったっけ?」

澪「も、もういいだろ!」

律「もしくは実際に……」

澪「怒るぞ!」

律「まあ終わっちゃったしもういいか。明日からは練習頑張ろう」

澪「そうだよ」

律「というわけで」





唯「ひゃくものがたり!」

THE END



最終更新:2011年07月22日 22:10