ザ―――・・・

律「・・・」

律「まじかよ」

律「今日雨とかしらねーし・・・つーか、朝はあんなに晴れてたのに・・・」

律「こんな日に限って1人の講義とか・・・まじないわ・・・」

律「・・・やむの、まつか」

ザ―――・・・

律「まったくやまないし!!」

律「むしろひどくなってるし!!」

律「唯とムギに傘もってきてってメールしたのに返事こねーし!!」

ピロリロ~ン

律「おぉ!!ムギからだっ!!なになに・・・?」カチカチ

律「・・・うっそ」

律「週末だからムギは実家に帰ってるってか・・・」

律「はぁ~、どうしたもんかね。もう夏だってのに・・・まぁ、夏だから急な夕立ちなのか」

律「」ボー

律(昔なら、傘さして一緒に帰ったんだけどなぁ・・・)

律(てか、大学入ってからあいつの行動把握してないから練習の時以外なにしてるのか、はたまたどこにいるのかわからん・・・)

律(そもそも・・・澪には頼めないよな・・・)

律(雨にぬれてでも、雨が強くないうちに帰っとくべきだったかなぁ・・・)トホホ

律「こんなに強かったら、もう・・・風邪ひくフラグたちまくりだろ・・・これ」

律「・・・どうしたもんかねぇ~・・・」

律「もう私以外人影みえねぇよ・・・さっすが金曜日ってか・・・ははは」

ザ―――・・・

律「・・・あーめあーめふーれふーれ・・・かー・・・さ・・・んがー・・・」ボーッ

「おい」

律「じゃー・・・の・・・へ?」

澪「なにしてんだよ、こんなところで」

律「み・・・みお!?」

澪「ん?なんだよ。てか、声かけただけで驚きすぎだろ・・・」

律「え?え!?な、なななんでいるんだ!?」

澪「なんでって言われてもなぁ・・・金曜日の終わりはこの棟で授業があるからとしか・・・」

律「そうなのか…(まさか金曜日に同じ棟にいるとはしらなんだ)」

律「で、でも・・・授業終わって随分経つけど・・・」

澪「あぁ・・・わからないところがあったから講師の先生に聞いてたんだよ。あの先生非常勤で金曜日にしかこないから」

律「そ、そうなのか・・・」

澪「うん。ところで、律はこんなところでなにしてるんだ?」

律「え?なにって言われてもな。雨降ってるから足止めくらってんだよ」

澪「傘は?」

律「ない!」キッパリ

澪「そんなにイバって言うことじゃないだろ・・・天気予報見てる?」

律「みてない!」キッパリ

澪「はぁ・・・1人暮らししてすこしはしっかりしたと思ってたのに・・・」

律「う、うるせーよ!?」

澪「今日、この雨止まないぞ?」

律「…まじで?」

澪「ま、じ、で。てか、いきなりそんな大きな声だすなよ・・・うるさい」

律「うわー、どうすっかなぁ・・・やまないのかよ・・・帰れねージャン」

澪「傘ないならそうだろうな」

律「えー。えーまじかよまじかよ・・・今日準備するつもりだったからなにもしてないのに」

澪「ん?何の準備?」

律「え?い、いや、その・・・なんというか・・・うん」

澪「なんだよ・・・どっか行くのか?」

律「あー、うん。まー・・・そ、そんな感じ・・・」ハハハ

澪「・・・梓と?」

律「え、っとー・・・・」

澪「・・・」

律「そ、そうです。梓と・・・りょ、旅行に・・・行こうってことになってて・・・」

澪「そうなんだ」

律「お、おう」

ザ―――・・・

律「・・・」

澪「・・・」

律(・・・なんかきまづいし・・・)チラッ

澪「・・・ん?なんだよ」

律「え?い、いや、べ、べつににゃんでもないっ!?」

澪「なに噛んでんだよ」

律「ほんとにね・・・」タハハ

澪「にゃんでもない」

律「ぐっ・・・い、言うなよ!?」

澪「ふふ・・・」

律「……」

律(やっぱ、みお、きれいになったなぁ…)

律(毎週練習で顔は合わせてるハズなのになぁ)

律(どうしてこんな時にそんなことに目がいくんだろう…)

澪「ねぇ」

律「ん?なんだよ」

澪「雨、やまないだろ?」

律「ん・・あぁ、そうだな。止むどころかドンドンひどくなってるっていうか」

澪「台風近づいてるからな」

律「え?それ本当?」

澪「うん。まぁ、天気悪いのは今日だけで明日は晴れるんだけど」

律「なんだ、明日は晴れるのかよ・・・おどろかせやがって・・・」ホッ

澪「・・・というか、律、テレビ見てる?」

律「・・・見てないな」

澪「家で普段なにしてるんだ?」

律「なにしてるって言われても・・・バイトであんま家にいないし・・・」

律「家っていうか、寝床みたいな感じの空間みたいになってる今・・・」

澪「へー・・・」

律「テレビつけるヒマがあるなら・・・あZ・・・っと・・・」

澪「ん?テレビつける暇があるならなんて?」

律「い、いや、・・・なんでもない」ハハハ

澪「そっか」

律「お、おう」

澪「……バイト大変か?」

律「んー、大変っていうか、自分は社会じゃまだまだアマチャンなんだなって思い知らされる毎日っていうか」

澪「そうか」

律「だいぶ慣れてきたし、そういうの、別に嫌じゃないんだけどな」

澪「……」

律「私が打たれ強くならないと。どうしようもないときに2人で立ち往生はしたくないし…」

律「って、こんな話聞きたくないよな、な、なんかわるい…」

澪「……」

律「……ははは」

澪「あんま、無理はするなよ?」

律「……え」

澪「だから、身体、気をつけろよ?昔からストレスたまるとすぐ調子悪くしてたんだから」

律「あ、そ、そうだな・・・うん。気をつけとくよ」

澪「うん・・・」

律「・・・・・・」

ザ―――・・・

律「てか、お前は傘もってんだから先帰れよ」

澪「あぁ・・・うん・・・まぁ・・・」

律「?」

澪「…あのさ」

律「なんでしょう」

澪「ずっと言おうと思ってたんだけどさ」

律「……?」

澪「いや、そんな大したことじゃないから、顔強ばらせないでよ」

律「あ…いや、……顔強ばってたか?」

澪「うん」

律「そ、そか。なんか……すまん」

澪「謝るなよ、……そんな簡単に」

律「……」

澪「まぁ、一番言いたいことはもう伝えちゃってるし。気楽にきいてくれ」

律「……なんだよ」

澪「傘、1本はここにあるんだ」

律「・・・ん?あぁ・・・まぁ、そうだな。だから早く帰れってさっきから言ってるんだけど」

澪「わざわざ2人してここでやまない雨を待つ必要もないわけで・・・」

律「あん?なにが言いたいんだよ・・・はっきり言えよ」

澪「その、一緒に帰らないか?」

律「」

澪「・・・・・・」

律「へ?今なんと?」

澪「いや、だから一緒に傘さして帰らないか?って」

澪「・・・思ったんだけど」

律「・・・一緒にって?傘で?」

澪「傘でだよ。他になにがあるんだよ、ここに」

律「・・・え?」

ザ―――・・・

澪「・・・やっぱ、だめかな?」

律「・・・」

律「・・・」

律「・・・」

律「わからん」

澪「そっか・・・・・・」

ザ―――・・・

澪「雨、止まないな」

律「あぁ・・・てか、ひどくなってるな」

澪「だからやまないんだって、この雨」

律「つーか」

澪「ん?なんだ?」

律「お前は傘持ってんだから本当に帰れってば!!」

澪「・・・・・・」

澪「・・・・・・なぁ」

律「ん?」

澪「黙ってれば別にいいだろ?傘くらい、一緒に入ったって」

律「・・・・・・」

律「そりゃそうかもしれないけど、さ」

澪「ん」

律「なんかもうやなの!そーゆーのは」

澪「・・・・・・」

澪「手はつないだくせに」

律「・・・・・・」

澪「・・・・・・ごめん」

律「いいよ、・・・べつに。本当のことだし」

澪「梓にばれてない?」

律「ばれてないよ」

澪「そっか」

律「ん」


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最終更新:2011年07月24日 21:10