梓「あー・・・あめ降ってきちゃった」
梓「傘…持ってきてないのに…」
梓「…」
あーあ・・・
ザー・・・・・・・
唯「うーいー傘あるー?」
憂「あ、雨降ってきちゃったんだー」
唯「せっかく憂と久しぶりに一緒の登校なのにねぇ」
憂「うん・・・ちょっとざんねんだね・・」
唯「うーん・・そうだ、一緒の傘でいく?」
憂「えっ!・・・で、でも・・・大学生にもなって、ちょっと恥ずかしいな」
唯「えぇーっ、そんなこといわずにさぁ」
憂「うーん・・じゃあ一緒にいこっか」
唯「おぉー!それでこそ憂だよぉ」
憂「おねえちゃんったら・・・フフ」
唯「ほら、はやくいかないと遅刻だよ!」
憂「そうだね、いこっか」
ザー・・・
律「みーおー!」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン・・・
ガシャ
律「あ、みお、遅いぞ!」
澪「わるいわるい、今いくからー」
律「どうしたんだよ、珍しいなー澪が遅刻なんて」
澪「律にかりたあのDVD、夜遅くまでみてたんだよ」
律「おおーっ!あのお誘い、受ける気になった?」
澪「いや、まだまよってってさー」
律「えー?まだ迷ってんのかー」
澪「だってまさかあんなえらいプロデューサーがライブみにきててくれていたなんて・・・」
律「そうだぞー、すごいことなんだぞー、だから雑誌の記者なんてもーいーじゃんかー・・・」
澪「うーん・・・」
ザー・・・・
梓「あれ?あれは唯先輩?」
唯「あ、あずにゃん!」
梓「あれ?憂も一緒?相変わらずなかいいなぁ」
唯「あずにゃん!こっちこっち!」
梓「あ、はい、いまいきます」ダッ
唯「あずにゃーん一年ぶりだねぇ」
梓「先週卒業式で会いましたし、毎週の様に部室に来てたじゃないですか!」
唯「あれれ?毎週いってたっけ?」
梓「来てました!大学生ってどんだけ暇なんですか!?」
唯「えへへー」
梓「もう・・・」
憂「あずさちゃん、またよろしくね!」
梓「あ、憂、よろしく!」
唯「あ、てことは憂と一緒にライブにでれるってこと!?」
憂「あ、いや、私はお姉ちゃんたちのレベルじゃないから・・」
梓「そんなことないよ!憂はどんな楽器もできるし!」
憂「そ、そうかなあ?」
唯「そうだよ!憂も一緒にやろーよ!」
憂「じゃ・・・じゃあ・・・・」
唯「やったー!憂も一緒だよー!」ダキッ
梓「な、なんで私に抱きつくんですか!」
憂「えへへ・・・おねえちゃんうれしそう///」
ザー・・・
紬「斉藤、このあたりでいいわ」
斉藤「さようでございますか」
紬「今日から梓ちゃんたちも・・・///」
斉藤「傘はいかがなさいますか?」
紬「自分でさしていくから、気にしないで」
斉藤「さようでございますか、では、ドアをあけますので」ガチャ
紬「…それにしても、なんか久しぶりの雨ね…」
ザー…
律「お、あれムギの車じゃないか?」
澪「あ、ほんとだ」
律「それにしてもムギはあいかわらずお嬢様だなー」
澪「本当は徒歩で登校したいらしいけど、パパが許してくれないらしいな」
律「ふーん・・ムギも大変だなぁ」
澪「あ、ムギもこっちに気づいたみたい」
紬「澪ちゃーん、りっちゃーん!」
律「元気だなー」
澪「ふふっ」
ザー・・・・
唯「あ、りっちゃんきた!!」
律「おっす!梓も憂ちゃんもいるな」
澪「そっか、梓は今日からなんだよな、ずっとバンドにいたから気づかなかった」
律「そうだなーっ、そういえば、憂ちゃんは、梓がバンドに来てたときなにしてたんだ?」
憂「私は親が海外に移住してからずっと家事がありましたから。」
律「うわー、大変だな、唯、おまえもちゃんと家事やれよ」
唯「えへへへ、憂の優しさについ甘えちゃった」
憂「でも、お姉ちゃんもちゃんとやってくれてましたよ!ちょっとだけど・・」
律、澪(憂ちゃん不憫だ・・・)
紬「あれ?じゃあ軽音部には入れないの?」
唯「うぅん、今年からついに、憂も参戦なのです!」
律「おお!憂ちゃん加入でパワーアップか!」
憂「そ、そんなことないですよ///」
律「でも、家事はどうすんだ?」
唯「私が半分やるよ!」フンス
律「ほんとに大丈夫か?」
唯「うん!できるよ!」
憂「ま、まぁ、おねぇちゃんもこう言ってますし!」
澪律(やっぱり不憫だ…)
澪「ま、まぁ憂ちゃんが来てくれるのはたのしみだな。
律「あれ、そういえば憂ちゃんのパートってどこだっけ?」
唯「なんと憂はアコースティックギターをやってくれることになりました!」
律「おおっ!」
唯「ほかにもベース、ギター、バイオリン、オルガン、ピアノ、キーボード、ハーモニカ、そのほか状況に応じて!」
律「おいおい・・・多才にも程があるぞ」
憂「で、でも、キーボードとアコースティックギター以外はあんまり自信ないです」
律「それだけでも大したもんだよ」
紬「憂ちゃんと二人でキーボードとかもやってみたい!」
澪「夢がひろがるな」
唯「そういえばさー、澪ちゃん、どうするか決めた?」
澪「えっ…何の話?」
律「例のお誘い、だろ?」
澪「あぁ、あれ・・・か。」
律「私が部長とはいえ、やっぱりこういうことは澪に決めてもらいたいんだ」
澪「お、重荷を背負わせるなよ・・・」
律「ていうか、まだ迷ってるの澪だけなんだよ」
澪「え、そうなの!?み、みんなはこの件どうおもってるんだ?」
律「ま、私はお察しのとおり。肯定派だけど」
唯「私も、りっちゃんに賛成!仕事におわれず、ずっとギー太と一緒にいれるなんて、幸せだよ~」
澪「でも、成功するかはわからないんだぞ・・・?」
唯「それをいっちゃあおしめぇですよ!」
律「そうだぞ!虎の穴にはいらずんばだぞ!」
澪「ま、まぁそうなのかもしれないけどさ・・・梓とムギ、憂ちゃんはどうなんだ?」
梓「私は、親がJazzで食べてることもありますし、やれるところまでやってみたいと思ってます」
澪「そ、そうか・・・ムギは?」
紬「私はずっとみんなでやれるならそれに越したことはないとおもうの」
澪「それは、確かにそうだけど・・・憂ちゃん、は・・?」
憂「私はどっちでもいいんですけど・・・」
唯「えぇー、憂も一緒にやろーよー」
憂「う、うん・・お姉ちゃんがそういうなら、やろうかな?」
澪「え、いいのか!?それで!?」
律「とまぁ、こんな感じであとは澪ちゅわぁん次第なんですよぉ」
澪「う・・・うん・・・でも、私一人のせいでバラバラにはやっぱりできないからな・・・」
澪「わかった、じゃあ、やれるとこまでやってみよう!」
律「よし、決まりだな!」
・・・・・・・
つぎのひ
唯「でさー、ここのソロはもっとばぁーんっ!としたほうがー」
律「えぇー?ドラムをもっとぼぉーんっと!」
ガチャ
澪「みんなー、あのプロデューサーさんから返事きたぞー」
律「うそ?はええなあ」
唯「これもしかして、すごく期待されてる?」
律「お、なになに?天才美少女ドラマーあらわるっ!ってとこか?」
唯「りっちゃんばっかりずーるーいー!」
澪「おいおい、冗談はそこまでにして、早速来週の金曜日、音楽関係者を集めて発表ライブをやるらしい」
紬「ず、ずいぶん急な話ね・・・」
澪「うん・・・でも、業界への売名も兼ねてるから、最も重要なライブだろうって・・・」
梓「な、なんか生々しいですね・・・」
律「それなら早速、セットリストきめちゃうか!」
唯「おぉー!セットリスト決めるの、楽しいんだよねぇ~」
梓「そうですね、そっちの方が練習もしやすそうですし」
澪「そうだな、じゃ、紙とペン・・・」
紬「そうと決まったら、早速お茶を・・」
梓「なんか、思ったより緊張感ないですね」
唯「それでこそ私たちなのです!」
律「そのとーり!」
澪「ほらほら、ふざけてないで、早くやるぞ!」
唯「セットリストかー・・・最近はあんまりつくってなかったよね」
律「そうだな、だいたい、ごはん→カレーで入って、あとは適当にぐだぐだぁっとやってたもんな」
梓「・・・そう考えると結構すごいことやってたんですね、私たち・・・」
紬「憂ちゃんなんて、まだ音楽はじめて一年なのに、アコースティックギターにエレキギター、琴にキーボードに・・・」
律「うわぁ・・・なんと・・」
唯「さすが憂だね!」
律「しかも、憂ちゃんがミスしたとこみたことないぞ・・・」
梓「憂・・・恐ろしい子」
澪「ま、まぁ今はそれよりセットリストだろ?」
唯「はいはーい!最初はふわふわ時間がやりたいです!」
律「えっ!ふわふわ!?」
澪「おいおい、ふわふわ時間よりテンポの速い曲の方が・・・」
唯「いや、ふわふわ時間は譲れません!」
梓「い、いつにもなく頑固ですね」
唯「だって考えてもみてよ、私たちのこと。」
律「んー?」
唯「最初のライブ、私たちはいったい何をした?」
律「最初のライブ・・・唯が声からしたな・・・」
唯「それでそれで?」
律「澪がパンt」
澪「ちょ、やめろ!違うだろ!ふわふわ時間一曲で挑んだんじゃなかったか?」
唯「はい、澪ちゃん正解、10点差し上げます!」
澪「な、なんの点数だよ!」
唯「一億点でうまいぼうさしあげます!」
澪「い、いらないし、一億点もたまるか!」
唯「えぇー…」
律「ふむ、つまり唯は、自分たちの原点、始まりはふわふわ時間であり、その原点にもう一度立ち返りたいと・・・。」
唯「そのとおり!りっちゃん、一万点!」
律「はっはーこれが私の実力!」
澪「なんでだろう、なんか悔しいぞ」
澪「ま、まぁ、言いたいことはだいたいわかった。私たちの始まりの曲は、プロになったとしてもかわらない、と。」
唯「そのとおり!はい、澪ちゃんにも一万点!」
澪「いや、いらないから」
律「てことで、じゃあ一曲目「ふわふわ時間」っと。」キュッ
紬「あれ、そういえば、ライブってどのくらいの長さなの?」
澪「あ、言い忘れてたっけ?ソロライブだから・・・うそ!」
律「ど、どうした!」
澪「に・・・二時間だって!?」
唯「うそ!二時間もあるの!?」
梓「な、なんか厳しい現実を急に目の当たりにしましたね・・」
律「ま、なんとかなるっしょ」
梓「切り替えはや!?」
律「だってプロだったら二時間どころじゃないぜ?」
梓「ま、まぁそりゃそうですけど・・・」
紬「な、なんかそういう話になると急に実感がわかなくなるわね・・・」
澪「そもそもそんなに実力があるのか・・・とか」
唯「大丈夫だよ!私たちならできるって!」
律「そうだぞ!五人集まれば!あ、今は六人だけど、みんなでいれば私たちは最強なんだぞ!ま、ちょっと唯がいっても説得力ないけど。」
唯「え~、ひどいよりっちゃん」
律「だって二年前の夏フェスでもノリでそんなこといってたじゃんかー」
唯「え~、あれは本気だったんだよ!」
律「だからこそ、当てにならないんだって・・」
紬「で、でも、実際あのころより格段にうまくなってるし、なによりプロデューサーさんが誘ってくれたんだから、大丈夫よ!」
澪「そ、そうだな、いまそんな心配しても、意味ないしな!」
律「じゃ、時間もあんまりないし、セットリストちゃっちゃと決めちゃおうぜ!」
澪「じゃあ、二曲目。」
梓「一曲決めるだけでずいぶん時間かかっちゃいましたね・・」
澪「ペースアップしないとな。意見ある人、挙手!」
紬「はいはい!」
澪「はい、ムギ」
紬「二曲目はぜひテンポの早い曲、できればふわふわと対極的な奴がいいです!」
澪「そうだな、会場のテンションをあげる必要もあるだろうし・・」
唯「じゃあ、Genius!?とかいいんじゃない?」
律「えぇ、それはちょっと・・」
澪「はい、律、反対意見をどうぞ」
律「いや、Genius!?の歌詞思い出してみろよ、もしかして私達ってGenius!?だぜ?自惚れてるように聞こえないかな?」
梓「あぁ、確かにそれは一理あるかもですね」
唯「あ、あともう一ついいですか?一曲目にもどっちゃうけど」
澪「はい、どうぞ唯」
唯「一曲目のふわふわ時間澪ちゃんボーカルを希望します!」
澪「えっ!?急にどうした、唯!?なんで!?」
律「澪、時に落ち着け。さっき唯が言ってただろ、私たちの原点は「あの」ライブなんだよ」
紬「なるほど、あのとき唯ちゃんは歌えなかったから、澪ちゃんがボーカルやってたのよね、」
澪「そ、そんなところまで気にするのか!?」
唯「その通りなのです!はい、りっちゃんに1ジンバブエドル」
律「すくなっ!」
梓「ま、まぁ、どうせ拘るならいっそそれくらいしてもいいかもですね。」
澪「じゃ、じゃあ二曲目は唯が歌えよ?」
唯「そういうことならおまかせあれー」
唯「じゃあ、いちごパフェなんてどうでしょう!?」
律「い、いちごかぁー・・」
澪「ま、まぁある意味私たちを象徴するような歌ではあるけど・・・・」
梓「うーん・・・まぁ、曲調的には乗りやすい曲ですけど・・」
唯「じゃあきまり!」
澪「え、ちょ、ちょっと」
紬「あら?わたしも賛成よー」
澪「うそ、でもいちごか・・・」
律「まぁ・・いいんじゃないか?唯らしいし」
澪「ま・・まぁみんなが言うなら・・・」
律「じゃ、二曲目きまりな」キュッキュッ
最終更新:2011年07月25日 20:51