718. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/16(土) 15:50:56.65 ID:gqToHreF0
→A:「たまたま廊下に出ていたら、ムギちゃんと会って話していたんだよ」
    ムギちゃんから聞いていないのかな?  心配かけたし、ちゃんと言おう。


澪「えっ、あ……そうなのか」


驚いて話を聞く澪に、唯も少し目を大きくする。


唯「うん。えっと……ムギちゃんから聞いていない?」

澪「うん……あ、でも……だからにやけながら帰ってきたのかな……?」

唯「ふえ?」

澪「な、なんでもないっ!  そうか、教えてくれてありがとう。……でも」

唯「うん?」

澪「いや、なんでも……」

唯「ええ、言ってよお」

澪「うう、いや、単に、唯は色々な人と二人で話したりするんだな、って思っただけだよ」

唯「?  みんなそうでしょ?  澪ちゃんだって、誰かと二人で話したりとかするでしょ?  それに、今だってそういう状況だし……」

澪「そ、そうだけど……そういうことじゃなくて……」

唯「???」

澪「うう、何でもないよ、変なこと言ってごめんな」

唯「?  う、うん……」


澪の態度を不思議に思いながらも、二人は確実に外へと歩を進めていた。
そろそろ集合時刻となるはずだ。
何やら色々と考えている澪の横顔を見ながら、残り時間が少ない中で、何か他に話したいことはないかと唯は考え始めた。


*選択肢*

A:「そうだっ。あの、昨夜はどうして私を探していたの?」
      気になっていたんだよね。どうしてかな?

B:「ねえねえ。今日はどこを見て回るの?」
      実は姫ちゃんから聞いているけれど、変更になったかもしれないし。やっぱりお寺や神社に行くの?

C:「あのー、お風呂に誘いに行ったとき、なにがあったのかな……?」
      なんかずっと引っかかっていて……どうしたのかな。

D:「ねえ澪ちゃん。『素直になればいいのに、なれない』……ってどういうこと?」
      お風呂のときに澪ちゃんがりっちゃんを指して言った言葉。すごく意味深な響きがするよ!


720. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/16(土) 15:55:37.31 ID:fry+3kDJo
C
725. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/16(土) 16:46:54.43 ID:gqToHreF0
→C:「あのー、お風呂に誘いに行ったとき、なにがあったのかな……?」
      なんかずっと引っかかっていて……どうしたのかな。


澪「えっ……な、なにがあったって……?」

唯「えっ、だって……澪ちゃん達の班の部屋に入ったら皆いつもと様子が違ったし……それに、ドアを開ける前に、りっちゃんが何か言っているのが聞こえてきたから……」


唯が説明すると、澪は思い悩むようにして俯く。


唯「……私が知っちゃだめなことかな……?  皆が変だったから、心配で……」

澪「だ、だめっていうか……その……」


どこか迷っているような澪の目を見て、唯は澪の腕をゆすって「お願いだよ……」と何度も声をかける。
澪は、それに根負けしたように、一度大きく息をつき、唯の方に顔を向けた。


澪「り、律と和には……私が言っていたってこと、黙っていてくれるか……?」

唯「う、うん。分かったけど……そんなに深刻なことなの?」

澪「いや、大したことじゃないんだ、本当に……でも、ほんの少しだけ空気が変になっちゃっただけで……」

唯「う、うん」

澪「だから、その、あんまり重々しく受け止めないでほしいんだけど」

唯「う、うん!  気楽に聞くよ」

澪「えっと……律と和が、ちょっと言い争いっぽくなっちゃったんだ……唯のことで」

唯「えっ、そ、そんな……じゃあ、私が悪いの……?」

澪「そんなことないよ。ほら、変に気を重くするなっていっただろ」

唯「うう、でもぉ」

澪「……まあ、気持ちは分かるけどな。その前に唯、一つ聞きたいんだけど……」

唯「う、うん。これと関わりあること?」

澪「……そういうこと。あのさ、バスの中で唯、和と一緒にいただろ?」

唯「うん、いたよ」

澪「あれって、和のところに遊びに行っただけなのか?」

唯「え、えーっと……」


*選択肢*

A:「……うん。和ちゃんと話したかったから、ちょっと席に行ってみたんだよ」
      和ちゃん、体調が悪かったこと皆に知られたくないっていってたし。なんとかここは切り抜けよう。

B:「えっと……じ、実は和ちゃんがバス酔いしちゃったみたいで……心配になって」
      どうしてこんなことを聞くのかな?  話してもいい……よね?



727. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/16(土) 16:59:43.25 ID:yQzSkcYSO

難しい選択だなぁ
741. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/16(土) 19:10:14.20 ID:gqToHreF0
→A:「……うん。和ちゃんと話したかったから、ちょっと席に行ってみたんだよ」
      和ちゃん、体調が悪かったこと皆に知られたくないっていってたし。なんとかここは切り抜けよう。


唯がぽつりぽつりと口を開くと、澪が「やっぱりな……」と呟くように言った。
意味が分からず、唯は首をかしげる。


澪「……かまかけてごめん。実は、その、和から聞いてるんだ。唯が和を介抱していたこと」

唯「え、えええっ!?  そうなの?  ……和ちゃん、知られたくないっていっていたのに……」

澪「和も、話しの流れで渋々言ったんだけどな。私とムギは、和の席に遊びに行っただけだと思っていたから、驚いたよ」

唯「そ、そっかあ……あれ?  ……『私とムギは』って……?」

澪「うん……で、話は元に戻るんだけど……律は、唯が介抱していたこと知っていたみたいなんだ」

唯「ふええ……そ、そうなの?」

澪「うん。バス酔い騒ぎのとき律は通路にいたんだけど、唯がいきなり立ち上がって和のところに行くから、どうしたのかと思って見ていたんだってさ」

唯「そ、そっかあ……」

澪「そ、それでその……唯が介抱した後、二人が、その……」

唯「?」

澪「す、すごくくっついていて、仲よさそうだったんだって……」


言いながら、その光景を想像したのか、ほんのりと頬が染まる澪。


742. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/16(土) 19:10:44.12 ID:gqToHreF0

唯「え、えーっと……」

澪「でも唯は、皆の前で、『遊びに行っていただけ』っていっていたからおかしいなって思って……それで律は和に聞いたんだ」

唯「そ、そうなんだ……和ちゃんはなんて?」

澪「律がその、『和は、もう大丈夫なのか?』って聞いて……それで和も最初は『何のこと?』ってとぼけていたんだけど……」

唯「うん……」

澪「律が、『なにいってるんだよ。……唯が介抱していたとこ、見たんだよ』っていって……『仲よさそうでいいですねぇ』ってちょっと……変な口調になってきて」

唯「……りっちゃん」

澪「それで、和が渋々介抱してもらったことを認めたら、律が『なんで隠すわけ?  私、そういう風にこそこそしているの嫌なんだよなー』って言って……。そうしたら和が『唯は、私のために嘘をついてくれたのよ。唯は悪くないわ』っていってから……いやもっと前からかもしれないけど律が少しいらいらし始めて」

唯「え、えっ……」

澪「『ふーん。二人きりの秘密ってことか』って……その辺りから空気が悪くなってさ。律がそういう嫌味っぽいことをずっと話しているから……和も少し怒って、『これは私と唯とのことでしょ。変に茶々入れてこないで。口出ししないで頂戴』って」

唯「……う、うん……」

澪「そしたら律も、そのムキになって……『はいはい。仲がいいこって』って……それに和が本当に怒ったみたいで……『唯と上手くいっていないからって、八つ当たりするのはやめて頂戴!』って怒鳴ったんだ……そうしたら」

唯「う……」

澪「……唯?」


急に頭を抱える唯に、澪が心配して声をかける。


唯「……大丈夫。続けてくれる……?」

澪「で、でも……唯……」

唯「お願い……」

澪「……分かった。……それで……律が『ち、違う』って少し慌てて……で、和が『違わないでしょ。それで、肝心の唯は無視しておいて』って少しきつく言って……で、律が『っ、ち、違うっていっているだろ!?』って。……そのときに、ちょうど唯達が来たんだ」

唯「……やっぱり」

澪「うん?」

唯「やっぱり、私のせいだったんだよ……」

澪「……それは違うよ、唯」


項垂れる唯の頭に、ぽんと手を置く澪。
743. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/16(土) 19:11:11.50 ID:gqToHreF0

澪「唯は、色んな人達と仲良くできるだろ?  平等に皆と仲良くするっていうか……」

唯「そ、そう、かな?」

澪「誰が一番とかじゃなくて、私とだったら私との、ムギとだったらムギとの、それぞれの時間を大切にしているだけだろ?」

唯「う、うん……でも、それって普通じゃない?」

澪「だと思う。でもさ……律みたいに本当は寂しがりな奴って、頭では分かっていても、唯と自分の時間と、唯と他の誰かとの時間を比較しちゃうんだよ」

唯「えっ……」

澪「唯、前にいってくれたよな……一緒にいられる時間を大事にしたい、邪魔されたくない、って」

唯「うん……」

澪「唯は、それぞれとの時間をすっごく大切に思っているから、なおさら律は比較しちゃうのかも……」

唯「そ、そんな……うう、じゃあ、私、どうすれば」

澪「大丈夫……律も本当は、仲直りしたいはずだよ」

唯「そ、そうかなあ……うっ、ぐすっ」


目じりに涙が溜まる唯を、慰めるように澪は頭を撫でていた。


澪「そうだよ。じゃなかったら、和の言葉にあそこまで動揺しないと思うし。……早く仲直りしてくれよ、やっぱり二人は楽しそうにふざけていないとさ……」

唯「うっ、ぐすっ、うんっ、がんばるっ」

澪「……よしよし」


澪は集合時間ぎりぎりまで、唯の頭を撫でてあげていた。
唯は澪にひっつきながら考えていた。


唯「(今の澪ちゃんの言葉と、前にさわちゃんが言っていたことを合わせると……なにか、りっちゃんが怒っていた理由がつかめそうな気がする……)」

唯「(もしかして……ううん、そんなわけないか……私、そこまで自惚れていないもんね)」

澪「(和を介抱しなかったことを話さないなんて……結構唯って律儀なんだな……)」

澪「(唯に偉そうなこと言っちゃったけど……でも、私も……)」

澪「(……唯と律の仲が元に戻ったら……私も、比較しちゃうんだろうな)」

澪「(……なに考えているんだろう、私)」


澪の【信頼】ステータスが、  1/3  →  2/3  にアップしました!

澪の【気になる】ステータスが、  1/3  →  2/3  にアップしました!


※律との仲直りの可能性が高まりました。

※仲直りをするには、相手の態度の理由を解明する必要があります。

※唯は、その鍵を手に入れられたようです。

744. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/16(土) 19:11:42.34 ID:gqToHreF0

澪と外に出ると、そこには既に大勢の生徒たちが集まっていた。
集合時間になったら、それぞれの班で出発をする、ということになっていた。
人ごみの中に姫子といちごを見つけ、唯は澪と別れた。


唯「姫ちゃーん!  いちごちゃーん!」

姫子「あっ唯!  よかった!」

いちご「……遅い。ちょっと心配した」

唯「ふう、ふうっ……ごめんね、ちょっとね」

姫子「いいよいいよ。じゃあ、揃ったことだし出発しようか」

いちご「唯、遅かった罰。行き先決めて」

唯「ほ、ほ〜い……。分かりました……そうだね、まずは……」


*選択肢*

A:「じゃあ……他のお寺とか神社に行ってみる?」
      京都らしく寺社巡り!  たまにはお勉強。

B:「お猿さんに会いに行きたいなあ♪」
      モンキーパークにいってみよう!  楽しみ!

C:「祇園に行くのはどう?  おしゃれな感じでよさそうだよ!」
      舞妓はん!  あと、おしゃれなものも売っていそうだね!

D:「うーん、適当にぶらぶら歩こうか?」
      これも意外と楽しいかも!?  

755. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/16(土) 21:34:24.20 ID:fry+3kDJo
乙でした!楽しかったです。
あと少しでりっちゃんと仲直りできそうだな
A


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最終更新:2011年07月28日 01:55