- 839. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/22(金) 02:22:48.84 ID:PXTGONu70
- →C:あんみつ 600円
唯「いちごちゃーん! 姫ちゃーん!」
唯は土産物売り場から離れ、姫子といちごが座っている座敷まで歩いて行った。
ぐったりと突っ伏しているいちごに、苦笑しながら背中を撫でている姫子。
いつもとは少し違った光景に、唯も思わず笑みがこぼれ出た。
唯「いちごちゃんが、ぺったりしてるよお……」
いちご「……早く……抹茶飲みたい……」
姫子「もうすぐ来るから大丈夫だよー、もう、いちごは……」
唯は二人を横目で見ながら、いちごの向かいに座った。
座敷に座るというだけで、ひんやりと冷たい心地がする。
姫子「唯は何か頼んだ?」
唯「うん、あんみつ頼むんだ!」
その声が聞こえたのか、レジから先ほどのおばさんが、唯の近くまで駆け寄ってきた。
紙を手に、注文を取ろうとしている。
唯が行儀よくあんみつを注文すると、おばさんは殊更にこやかに唯を見て、調理場の奥へと入っていった。
姫子「あのおばさん、唯のことすっごい笑顔で見てたねー」
唯「えへへ、土産物をたくさん買ったからじゃないかな?」
「何買ったのー?」
- 840. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/22(金) 02:23:19.63 ID:PXTGONu70
-
突然の声に振り向くと、そこにはクラスメイトが顔を揃えていた。
唯達の座敷の近くに座り、笑顔でこちらの話を聞いている。
唯「八ツ橋と手作り最中だよ! あ、そういえばさっき、最中について教わったんだった!」
姫子「え、なになに?」
「教えてー!」
他愛もない会話を交わしていると、唯の前にあんみつが運ばれてきた。
タイミング良く、いちごの抹茶も出揃う。
いちごはほっと一息ついたかと思うと、ちびちびと嬉しそうに飲み始めた。
唯は笑いながらそれを見つめていると、先ほどのおばさんがあんみつ用のスプーンを置いた。
「美味しいよー、召し上がれー」
唯「あ、はいっ!」
唯は嬉しそうにあんみつと向かい合い、スプーンを手に取った。
*選択肢*
A:「いちごちゃん、美味しい? 姫ちゃんは何にしたの?」
やっぱり姫ちゃん・いちごちゃんとお話ししようっと。
B:「ねえねえ皆! 皆はどこに行くのー?」
せっかくクラスの皆と会えたし、おしゃべりしたいな。
C:「おばさんっ! 私ね、修学旅行で来たんだよー」
なんだかおばさんと仲良くなれそうだしね!
D:「結構時間使っちゃったな……早めに食べて出ようっと」
てきぱき行動したいしね。もぐもぐもぐもぐ。
E:「京都のあんみつ! 記念に写メをとっちゃえ!」
思い出の一ページかな? うふふ、美味しそう!
- 842. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) 2011/07/22(金) 02:26:50.42 ID:ddZ39y2q0
- C
このおばさんは鍵になると見た
- 861. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 11:08:50.33 ID:RLQsDdtP0
- →C:「おばさんっ! 私ね、修学旅行で来たんだよー」
なんだかおばさんと仲良くなれそうだしね!
唯は、にこにことしながら、スプーンを置いて立ち去ろうとするおばさんの背中に声をかける。
すると、おばさんはゆっくりと振り向いて笑みを返した。
「あらー、そうなの? どこから来たの?」
なまりのないおばさんの口ぶりを少し疑問に思いながらも、唯ははきはきと答える。
唯「えーっとねえ、桜ケ丘女子校から来ました!」
姫子「唯……高校名だけじゃ分かんないと思うよ?」
姫子の心配そうな表情とは裏腹に、おばさんは唯の言葉を聞くなり、いっそう笑みを深くする。
「まあ、やっぱり! 制服を見てそうじゃないかって思っていたのよねえ」
唯「姫ちゃん! やった! 伝わったよ!」
姫子「す、すごい……でも、制服だけでそんなに分かりますか?」
- 862. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 11:09:40.66 ID:RLQsDdtP0
-
姫子が驚きつつもおばさんに訊ねると、おばさんは唯と姫子に内緒話をするようにそっと顔を近づける。
「……実はね、おばさんも桜ケ丘女子校出身なの」
唯・姫子「えええええ!!」
唯と姫子がひっくり返らんばかりに驚くと、おばさんは得意げな表情をして二人を見下ろしていた。
隣のいちごは、何事かと茶碗を持ちながら三人の様子を眺めている。
姫子「あ、でも確かに……おばさん、関西の人じゃないですよね?」
「そうなの。修学旅行で京都に来て以来、京都に憧れてねえ。それで、数年前にこっちに来て働き始めたのよ」
唯「ふ、ふえええ、お、驚いたあ……」
ひとしきり騒ぎ終わると、唯がふと思いついたように口を開いた。
唯「も、もしかしておばさんっ! ……軽音部だったり?」
さわ子の件が頭に浮かび、唯は期待を膨らませながら訊ねた。
おばさんは、それを聞くと「違う違う」と手を振った。
- 863. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 11:10:12.05 ID:RLQsDdtP0
-
唯「なーんだぁ……残念……」
姫子「この子、軽音部なんですよ」
「あら、そうなの。まぁ、頑張っているのねえ……おばさんは、ちょっと変わった部にいたから」
唯「ふえ? じゃあ、どこの部かなあ……」
唯が呟くように言うと、おばさんは不敵な表情をしながら答えた。
「……オカルト研究部よ」
その瞬間、本日二度目の驚きの声が茶房にこだました。
唯と姫子はぽっかりと口を開けながらおばさんの言葉の続きを待った。
「実はねえ、おばさんタロット占いとか……いや、占い全般が好きでねえ……それで入部したのよ。でも、それ以上に京都が好きになっちゃってねえ……それで今はこうしているけど……元々占いの才能がなかったしね……才能があった部長はそのまま占いの道に進んだんだけど……今はどこでなにしているやら」
おばさんは、昔語りをしながら、少し悲しげな表情になった。
*選択肢*
A:「おばさん、今でも占いできる?」
えへへ、試しに久しぶりにやってほしいな!
B:「そっかあ……話聞かせてくれてありがとう。 そうだ! OGさんとせっかく会えたから、アドレス交換してほしいなあ」
まさかOGがいたなんて! いろいろ連絡とってみたい!
C:「おばさん、いろいろありがとう。もう行くね……ごちそうさまでした」
興味深い話だったねえ……よし、時間無駄にしたくないし、そろそろ店を出ようか?
D:「おばさん、もっとおばさんの話聞きたいよー」
せっかく話が弾んでいるからもったいない!
- 864. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/23(土) 11:18:31.13 ID:/OE+DBw60
- 乙!
D
- 869. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 12:04:52.37 ID:RLQsDdtP0
- →D:「おばさん、もっとおばさんの話聞きたいよー」
せっかく話が弾んでいるからもったいない!
唯が興味津津と言った表情で促すと、おばさんは戸惑ったような表情になる。
興奮で身を乗り出す唯を、後ろから姫子がなだめる。
姫子「唯、あんまり深入りするのもちょっとあれかもしれないよ?」
唯「うー、そう、だねえ……あっ、いちごちゃんが」
唯の声に、姫子が振り向くと、すっかり抹茶を飲み終わったいちごが、待ちくたびれたように再びテーブルに突っ伏している。
いちご「……ふう……なんか手持ちぶさた……」
唯「ご、ごめんね……じゃあ、行く?」
いちご「……どっちでもいいけど」
唯「無理しなくてもいいんだよ? ……いちごちゃん、優しいね」
いちご「……別に」
いちごを心配そうにのぞきこみながら話す唯を見て、おばさんがくすりとする。
「いいわねえ……いい友達ね」
姫子「何気に呼吸が合うみたいなんですよね」
「友達は、大切にした方がいいわ。特に、学生時代はね……一生の宝になるから……手放しちゃだめなのよね……本当に」
唯「……そう、だね」
唯は思うところがあったのか、しんみりと俯く。
それに気付いた姫子が、唯を鼓舞するように背中を叩いてやると、そろそろと立ち上がった。
姫子「うーん……一応食べ終わったけど、どうしようか?」
唯「あ、あの……えーっと……」
*選択肢*
A:「いちごちゃんも心配だし、そろそろ行こうか?」
やっぱり店を出た方がいいのかな? じゃあ改めて出発!
B:「もう少しここで、どこに行くか計画を練ろうよ!」
姫ちゃんといちごちゃんに声をかける。次はどうする?
C:「お、おばさん……ちょっと話を聞いてもらってもいい?」
ちょっと私のことを打ち明けてみようかな……。
D:「おばさんの学生時代はどうだったの?」
おばさんの言う通り、友達って大切だよね。
E:「念のために携帯を確認しとくねー」
ここで携帯チェック。はてさて、どうかな?
- 872. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/23(土) 12:11:01.54 ID:/OE+DBw60
- えー!?CとEのどっちにしよう・・・
うう、C!
- 876. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 12:54:39.38 ID:RLQsDdtP0
- →C:「お、おばさん……ちょっと話を聞いてもらってもいい?」
ちょっと私のことを打ち明けてみようかな……。
唯は、前に進めようとした足をその場にとどめ、おばさんに向き直った。
おばさんはきょとんとしていたが、すぐに優しそうに首をかしげる。
唯「……ごめんね、姫ちゃん、いちごちゃん……少し待っていてもらってもいい?」
姫子「……うん! 私は大丈夫だけど……いちごは?」
いちご「……少しなら平気」
唯に気を遣ったのか、何でもないような素振りでいちごは答えた。
唯は申し訳なさそうな目をいちごに向け、またおばさんの方を振り返った。
唯「……えっと、実は……」
*選択肢*
A:律のことを話す。
B:梓のことを話す。
C:和のことを話す。
D:憂のことを話す。
- 878. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/23(土) 13:02:42.84 ID:a0w4JlqSO
- A
- 883. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 14:58:06.91 ID:RLQsDdtP0
- →A:律のことを話す。
唯は、律との間に怒ったことについて、かいつまみながら話した。
おばさんは、時折頷きながら、神妙そうに唯の話を聞いていた。
話し終わると、おばさんが大きく頷きながら息をつき、不意に口を開いた。
「……少しおばさんの話をしてもいいかしらね?」
唐突な言葉に目を丸くしながらも、唯は頷いた。
それを確認すると、おばさんはぽつりぽつりと話し始める。
「おばさんもねえ、友達と喧嘩したことがあってね。さっきも話したオカルト研究部の部長とね。あなたの友達のように、普段はおちゃらけているけれど本当は周りをよく見ていて、皆を引っ張っていけるような人だったんだけどね……」
唯が再び頷くと、おばさんはさらに言葉を継ぐ。
「オカルト系の勉強をしたいから同じ大学に行って、そこで民俗学や文化人類学を学んでいこうって約束していたんだけど……ほら、その、オカルト以上に京都のことが好きになっちゃって、それで……」
「おばさんはね、思い立ったらまっしぐらっていうタイプだから……特に誰かに相談するっていうこともなく京都の大学に行くことを一人で決めて、受験して……って勝手に突っ走っちゃったのね……」
「それをあとから聞いた部長がものすごく怒って……『オカルトが一番好きじゃなくなったことは、残念だけど仕方ない』、『でも、どうして一人でそれを決めたの? 部長の私に相談してくれてもいいじゃない!』って言われて」
「どっちかがリードするっていうよりも、対等に主導権を握っているような……そういうイコールの関係だったから、普段「部長」として接することは無くて……だから、特にその子に相談するとか考えなかったのよ……あっ、ごめんなさいね」
急に会話を止めて謝るおばさんに、唯はきょとんとした。
振り返ると、いちごが眠そうに眼を擦っている。
「ごめんなさいねえ、話がだらだら長くなっちゃったわね……」
唯「あっ、ううん! お話してくれて、ありがとうございますっ!」
唯はぺこりと頭を下げ、いちごを精一杯起こそうとしている姫子に加勢した。
いちごに謝りながら、帰り支度を始める。
姫子「……それにしても、さっきの話……唯と律の問題からずれているような気がしたんだけど」
唯「……うーん、私もちょっとよく分からないや〜。……へへへ」
最終更新:2011年07月28日 01:57