- 920. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 18:12:26.63 ID:RLQsDdtP0
- →B:「二人でお金を出し合って、人力車に乗る?」
あ、格安人力車だって! 京都の名所をこうして廻るのも楽しそう♪
唯は、通りの向こうで呼び込みをしている車夫を指さしながら、姫子の言葉を待った。
姫子も口をすぼめて、興味深そうな声を上げている。
姫子「……うん、いいねー! じゃあ、これにしよっか?」
唯「うん!」
そう決めると、早速通りの向こうまで歩き、はちきれんばかりの声を出している車夫のところまで近づいていった。
車夫は、背中を向けたままでしばらくは二人に気付かなかったが、ようやく振り返って二人の姿を視線に入れると、人のよさそうな笑みを作った。
「ほいほい、学生さんかなぁ? どう? 乗ってみいひん?」
唯「か、関西弁だよ姫ちゃん!」
姫子「もう、唯ってば……はい、それじゃあお願いします」
興奮する唯をなだめながら姫子が答えると、車夫はコースが記載された紙を手渡してきた。
姫子「ほら、唯。これがコースだって」
唯「ううん? ほうほう。なるほど」
姫子「少し高めだけど、人力車って元々高いしね。それを考えれば格安ってお得なのかな?」
唯「そっかー、どうしようかな?」
所持金 4700円
【人力車】
A:近場をぐるりコース〜C地区〜 お一人様500円
B:京都のさわやかな風を堪能コース〜A地区&C地区〜 お一人様1000円
C:古都・京都の良さを存分にお楽しみコース〜B地区&C地区〜 お一人様1000円
D:京都丸かじりコース〜全地区〜 お一人様1500円
※記念として、京都バッジプレゼント!!
E:やっぱり高いから、やめとこうか……?
- 921. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/23(土) 18:15:00.55 ID:FwlcJtyf0
- c
- 929. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 20:56:18.69 ID:AXn1gNWm0
- →C:古都・京都の良さを存分にお楽しみコース〜B地区&C地区〜 お一人様1000円
唯「私、これがいいなあ」
姫子「古都・京都の良さを存分に……うん、よさそうだね、じゃあこれにしようか!」
二人は車夫に料金を支払うと、車夫の指示通りにおそるおそる乗り込んだ。
座ってみると意外に乗り心地が良く、二人は顔を見合わせて笑った。
「ほいじゃあ、準備はええですか? じゃあしゅっぱーつ!!」
車夫の気持ちの良い掛け声と共に、人力車が滑るように動き出した。
そのままスピードに乗り、風を切って走っていく。
唯「わあ! わあ! 速い〜!!」
姫子「すごーい! いい気持ち!」
唯と姫子はきゃいきゃいとはしゃぎながら、人力車のスピードを思う存分楽しんだ。
唯「なんか古都っていいねー!」
姫子「うん、すごく風情があるっていうかー!」
次々と通り過ぎる京都の町並みに目を奪われる中、人力車はどんどん前に進んでいく。
唯「はー! たのしー!」
姫子「いい眺めー!!」
- 930. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 20:56:51.39 ID:AXn1gNWm0
-
B地区とC地区の境目辺りに入ると、唯は、可愛らしく走る茶色い犬を見かけた。
唯「あ! かわいいー!」
思わず声を上げると、車夫も振り向き、にっこりと笑う。
唯はそのまま犬が走っていく様を目で追っていたが、犬が向かう方角に見慣れた姿を見つけ、目を丸くした。
唯「あっ……皆!!」
一瞬だったが、律達の班が歩いているのが目に映った。
唯の様子に気付き、姫子が声をかける。
姫子「どうしたの?」
唯「う、ううん、何でもないよ!」
唯「(りっちゃん達、こんなところにいたんだ……)」
突然のニアミスに驚くうちに、人力車は終わりへと向かって行った。
ゆっくりと停車し、笑顔を浮かべながら、車夫は二人を降ろす。
唯「ありがとうございましたっ!」
姫子「ありがとうございましたっ! 楽しかったです!」
「なんのなんの。またのご利用をお待ちしておりますぅ」
軽快な関西弁で話す車夫に礼を言い、唯と姫子は帰路についた。
旅館にたどり着き、急いで部屋に向かうと、そこには蒲団の上で横になっているいちごの姿があった。
- 931. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 20:57:18.33 ID:AXn1gNWm0
-
いちご「……唯、姫子」
唯「い、いちごちゃーん!」
姫子「いちご! 大丈夫だった!?」
二人が駆け寄ると、いちごは起き上がって出迎えた。
いちご「もう少し安静にしていなきゃいけないみたいだけど……でも、大分よくなった。ありがとう」
唯「そんなことないよぉ〜も、元々私が無理させたからっ、うええーん!」
涙をにじませいちごにひっつく唯に、姫子が苦笑しながらいちごに話しかける。
姫子「唯、いちごの具合が悪くなったのは自分のせいだって言って、心配していたんだよ」
いちご「……ふーん」
姫子「もう、唯ったら抱きついちゃって……ほらいちご、何かいってあげてよ」
いちご「……泣いてる唯が面白いから、このままでいいや」
姫子「……何気にSな発言だよね、それ」
それから、まだ本調子ではないいちごをいたわりながら、二人は人力車の話をした。
いちごは頷きながら話を聞き、羨ましそうな眼をした。
話が終わると、いちごは「横になりたい」といい、再び蒲団の中に入った。
唯「だ、だいじょうぶかな、いちごちゃん……」
姫子「ともかく、看病しようか」
- 932. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 20:57:48.22 ID:AXn1gNWm0
-
二人が氷水やらなにやらを用意しようとしていると、廊下がざわついているのが聞こえてきた。
何事かと思い、唯はドアを開ける。
そこには、何人かの生徒が何やら深刻な顔で話しており、それをさわ子が落ち着かせようとしていた。
唯「なにしているの?」
さわ子「なんでもないから大丈夫よ、若王子さんについてあげて」
さわ子の言葉が終わらないうちに、そばにいた生徒が唯に駆け寄り、腕にすがりつく。
「律達がね、まだ帰っていないんだって……!」
唯「えっ……」
さわ子「こらっ、そんなに騒がないの!」
慌てる生徒を軽く叱咤するさわ子に対し、唯は絶句していた。
生徒の興奮はまだおさまらず、さらに言葉を続ける。
「でも、携帯も電波がつながったりつながらなかったりで、まだ連絡取れていないんでしょ?」
さわ子「ちょっと遅れているだけよ。ほら、部屋に戻りなさい」
「でも……京都って、夜すっごく暗くない!?」
「そうだよ、そんなところで帰れなかったりしたら……」
さわ子「仮に何かあっても、4人もいるんだから大丈夫でしょ、少しは落ち着きなさい」
「4人ばらばらだったらやばいじゃん!」
「うわーっ、どうしよどうするのっ!?」
生徒とさわ子のやりとりを、ただ茫然として唯は見つめていた。
唯の中で、焦燥感がどんどん膨らんでいく。
何も考えられないまま、唯はその場から動けずにいた。
- 933. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 20:58:16.48 ID:AXn1gNWm0
-
姫子「唯!」
すると、部屋の中から姫子が突然飛び出してきた。
姫子「ちょっと、いちごが……急に熱出し始めて……」
唯「えっ、えっ……」
「律達どうするのかなぁ……」
「本当だよ! 大丈夫かなあっ!」
さわ子「もう、落ち着きなさい!」
目まぐるしい喧騒を前に、唯は必死で頭を働かせた。
*選択肢*
A:いちごと姫子に伝えてから、律達を探しに行く。
B:いちごの看病をする。
*選択肢A*
C:旅館の周りを探す。
D:C地区を探す。
E:A地区を探す。
F:B地区を探す。
*選択肢B*
G:さわ子に心当たりを伝えて後はまかせる。いちごのところへ。
H:携帯の電波が通じるかどうか確認してから、いちごのところへ。
I:いちごが心配。とにかく一目散にいちごのところへ。
J:その場で固まってしまう。姫子に引っ張られ、いちごのところへ。
- 934. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/23(土) 20:59:58.67 ID:AXn1gNWm0
- 選択肢でAを選んだ人は、選択肢と選択肢Aから一つずつ、
Bを選んだ人は、選択肢と選択肢Bから一つずつ選んでください。
二つとも挙げているレスを有効とします。
>>519以降のレスを見て頂けると、分かりやすいかと思います。
- 949. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 05:43:45.25 ID:ZkcryQdz0
- 早いとこ律問題解決したいけど
いちごが恋愛対象じゃないって分かってても放っておくのは気が引けるなあ
BGかな
- 957. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/07/27(水) 00:44:53.74 ID:Fw2F41610
- →B:いちごの看病をする。
G:さわ子に心当たりを伝えて後はまかせる。いちごのところへ。
いまだ騒いでいる生徒たちを尻目に、唯はさわ子に一歩踏み出した。
部屋のドアからは、姫子が急かすように何度も唯を呼ぶ。
生徒達の対応に追われていたさわ子も、ようやく唯に気付き、視線を合わせた。
さわ子「……平沢さん、どうしたの?」
唯のいつもとは違う真剣な表情に、さわ子の顔も教師然としてくる。
唯は数時間前のことを思い出しながら、口を開く。
唯「あのねさわちゃん、私、りっちゃんたちが今どこにいるか、心当たりがあるの」
その言葉を聞くと、さわ子は目を大きくする。
唯「姫ちゃんと人力車に乗っていたときにね、見かけたんだ……歩いていたから、それほど移動していないと思うよ!」
さわ子「平沢さんが見かけたときは、どの辺りにいたの?」
唯「B地区とC地区の境目のところだよ! たぶん、その近くにいるんじゃないかな?」
さわ子「……分かったわ、ありがとう!」
唯の言葉を耳にするや否や、さわ子は下へと駆けだして行った。
その様子を、生徒たちは茫然として見つめていた。
最終更新:2011年07月28日 02:00