夕方

律「ふう、荷物重いな・・・」

唯「あ、みんな帰ってきてるよ!」

律「お、ほんとだ!おーい!」

紬「あ、りっちゃん!お帰りなさい!」

律「ふう。みんな、どうだった?」

生徒C「食べれそうな木の実が結構見つかったわ。」

律「おお♪すごいな!お疲れ!」

紬「そっちはどうだった?」

律「いろいろあってな。まあ後で話すよ。それより運ぶ荷物が多いんだ。
  今持ってるので全部じゃなくてまだ残骸のとこに残ってるから、
  悪いんだけど何人か手伝ってくれないか?」


生徒数名によりすべての荷物運びが完了した


律「夕方になっちゃったなー」

紬「それで、飛行機で何があったの?」

律「実は・・・」

紬「無線・・・ね」

生徒D「これで私たち助かるの?」

律「そうかもしれないけど、わからない。やっぱりしばらくここで暮らすつもりで
  やっていった方がいいと思う」

生徒B「暮らせるの?こんなところで」

律「幸い飛行機から結構荷物を運び出せたから、当分はやっていけると思う。
  救急箱のおかげでムギに応急処置できたしね。」

紬「助かったわ」

律「荷物は個人のバッグとかあるけど、今はみんなでまとめて共有しよう。
  バッグの中身を全部調べてお菓子とか衣服とかそれぞれまとめて、
  食べ物は木の実優先で食べていこう。」

律「つらいだろうけど・・・救助が来るまでみんなでがんばろう!」

唯「うん・・・!」

律「明日は引き続き森の探索だな!」

生徒「おー!」





その日、私はあまり気分がよくなかった

梓「おはよう、憂」

憂「おはよう梓ちゃん」

先輩達が修学旅行に行ってしまって、
今日からしばらく部活がないことも原因の一つだったかもしれない

憂「お姉ちゃんたち今頃飛行機に乗ってるかな?」

梓「唯先輩が心配なの?」

憂「うん・・・。ちゃんと毎日着替えるかとか、
  荷物無くさないかとか・・・」

梓「はは、子供じゃないんだから」

憂「昨日は私が全部荷物まとめてあげたんだけど・・・
  お姉ちゃんどこに何入ってるかちゃんと覚えてるかなあ?」

梓「ま、あの人のことだから忘れてたりして・・・」

なぜか私も少し不安な気分だった。
だけどすごく漠然としていて、でも何か嫌な予感がした
自分でもよくわからなかったけど、家に帰ったとき・・・

梓「ただいまー。部活がないから久々にこんな時間に帰ったなー」

梓「この時間はテレビなにやってんだろ」

ピ

テレビがオーシャニック518便、つまり先輩たちの乗る飛行機が消息不明になった
臨時ニュースを伝えていた

嫌な予感が的中した



ザバアアアアアアアアアン

ここは・・・どこ・・・?
水の中・・・?
私がなんで水の中に・・・?
確か・・・修学旅行で飛行機に乗ってたはずなのに・・・
      • 苦しい!

澪「ぶはあ!」ジャバ!

澪「あ、浅い・・・」

澪「ここは・・・浜辺?」

生徒E「澪ちゃん!大丈夫?」

澪「あ・・・」

澪が声の方向を向くと、浜に数人の生徒がいた。みんなびしょ濡れだ
そして振り返ると、海の中に突き刺さった飛行機の後部がある
飛行機から浜辺まではすぐ近くで、海は歩ける浅さだ
おかげで溺れずに助かったようだ

澪「一体・・・何があったんだ?」

生徒E「見ての通り、墜落したみたいで・・・」

さわ子「みんな!手を貸して!」

浜辺の奥の森からさわ子が走ってきた

澪「さわ子先生!どうしたんですか?」

さわ子「急いでついてきて!」

森の中に走り出すさわ子のあとを追う澪

さわ子「この木の上よ!」

澪「・・・和!?」

和が木の枝に引っかかってぐったりしている。意識はないようだ


澪「和!!大丈夫か!」

さわ子「私一人じゃ届かなかったの。澪ちゃん、肩に乗って」

澪「は、はい」

澪はさわ子に肩車しなんとか和を下ろした

澪「和・・・!」

さわ子「良かった。息はしてるわ。浜辺まで運びましょう」


和「うーん・・」

澪「よかった・・・気がついたか・・・」

さわ子「飛行機から投げ出されたみたいだけど、
    奇跡的に木の枝がクッション的な役割をしたのね」

澪「よかった・・・うう」ジワッ

和「澪・・・?さわ子先生?これどういう状況なの?」

和「・・・私たち遭難したってことね」

さわ子「そうね」

澪「うう・・・グス」

さわ子「澪ちゃん。いつまで泣いてるの?」

澪「だって・・・グスッ」

和「落ち着いて澪。きっとすぐに救助が来るよ」

澪「先生・・・律たちは・・・ここにいるみんな以外はどうなったんですか?」

さわ子「なんとも言えないわね・・・。ここ墜落したのは後部だから、
    もしかしたら前部は別のとこに落ちてるかも」


生徒F「た、大変!」

さわ子「どうしたの?」

生徒F「Eさんが・・・Eさんがいないんです!」

澪「・・え!?」

和「一体いつから?」

生徒F「ついちょっと前まで一緒にいたんだけど
    いつの間にかいなくなってて・・・」

澪「もしかして・・・さらわれたんじゃ」

生徒「!!!」




和「みんな、気を付けて離れないでね」

さわ子「常に二人起きて見張って1時間ごとに交代で寝る。」

澪「・・・こわい」

さわ子「最初の見張りは私と・・・誰がやる?」

和「私がやります」

澪「危ないよ、和」

和「大丈夫よ」



30分後

澪「(律・・・唯・・・ムギ・・・みんな無事かな・・・ 
   それに消えたEさん。こんな状況で寝れるわけないよ・・・)」

さわ子「キャアアアアア!!」

和「先生!?」

澪「!!」

生徒F「なに・・・どうしたの」

生徒G「先生の悲鳴が・・・」

和「・・・!先生がいなくなってる!」

さわ子「ァァァァァァ」

和「森の中からかすかに声が聞こえる!みんなはここにいて!」タタッ

澪「ちょっと和!」タタッ

和「澪!?あそこにいてって言ったのに!」

澪「の、和を一人で、いいい、いかせるわけにはっ」

和「・・・ありがとう。」


澪「はあ、はあ・・・」

和「先生・・・」

澪「もう声も聞こえない・・・」

和「完全に見失ったわ・・・ここにいたら私たちが危険かも。
  浜辺に戻るしかないわ、澪」

澪「うん・・・」




浜辺

澪「・・・・・・そんな」

和「まさか・・・・!」

澪「みんな・・・いなくなってる」



翌日

和「・・・落ち着いた?」

澪「うん・・・ありがと、グスッ」

和「みんな一体・・・なんで消えてしまったのかしら」

澪「わからないけど・・・でもここにいたら多分危険だと思う」

和「そうね。でもどこに行けばいいか・・・」

澪「・・・あ!和見て!海岸に」

海岸には飛行機の残骸などが打ち上げられていた

和「夜のうちにこんなに打ち上げられたのね。探せば使えるものありそう」

澪「うん。食べ物があればいいけど」

和「手分けして探しましょ」


しばらく後

澪「食べるれるものが少しあってよかった・・・」

和「リュックも何個か見つけたから、いざとなればこれに物入れて移動できるね」


澪「これで・・・」

ザー、ザー・・・コチラハ・・・

澪「ひいっ!!」

和「澪!?どうしたの?」

澪「ひ、ひひ、人の声が・・・!」

和「・・・まさか」

ザー、ザザザ、タスケテ、ザー

和「こっちね。・・・あった」ヒョイ

澪「それは・・・?」

和「携帯無線機みたいね。ここから声がしてる」

澪「無線?じゃあ助けてもらえるかも!」

和「ちょっとまって。調整して音を聞こえやすくする」

ザ、ザザー、・・・れを聞いてる人がいたら助けてください! 
こちらはオーシャニック518便の生存者です!


たすけてえええ


澪・和「!!!!!」

澪「も、もしもし!聞こえます!」

和「こ、こちらもオーシャニック518便の生存者です!」

澪「そちらはどこに?助けは来てないんですか?」

ザザザ・・・聞いてください私たちはオーシャニック518便の・・・ザザー

澪「聞こえてます!・・あれ」

ザーーーー

和「切れちゃったみたいね・・・」

澪「・・・なあ和、あの声」

和「ええ・・・。私も思った」

澪「律と・・・」

和「唯・・・」

澪「やっぱり・・・ほかの場所にも生存者がいて・・・
  みんな生きてたんだ!」

和「みんなかはわからないけど・・・少なくともあの二人は」

澪「よかったぁ・・・ううぅ」



澪「和、律たちの所に行こう!」

和「私も行きたいけど・・・どうやって?」

澪「わからないけど、もしかしたら私たちみたいに海岸にいるかもしれないだろ?
  海岸の方が救助されやすいんだし」

和「なるほどね・・・わかったわ。リュックに必要なものをつめて出発しましょう」

澪「うん。海岸にいるんなら海岸沿いに歩けば会えるはず!」




数日後

唯「りっちゃん・・・救助・・・来ないね」

律「ああ・・・」

紬「あ、唯ちゃん、りっちゃん」

唯「ムギちゃんどうしたの?」

紬「足が治ってるの・・・ほら」ピョンピョン

律「うおい!無理すんなって!」

紬「無理してないわ。痛みもないし・・・もう普段と変わらない」

唯「ムギちゃんすごーい!」

律「あの怪我が医者の治療もなしに数日で完治・・・?」

紬「私も不思議だけど・・・こうして治ってるもの」

唯「きっとムギちゃんがいい子だからだよ!」

律「あのなあ・・・」

生徒A「みんな・・・!あれ見て!!」

律「ん?」

生徒Aの指先には海岸を歩く二人の人影が


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最終更新:2010年01月21日 01:48